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2006年10月13日

戦争が始まる - 「臨検」をめぐる金正日の戦略と辺真一の洞察

戦争になる可能性がかなり高い。この情勢を解説している論者の中で、辺真一の議論が私には最も説得力があるように感じられるが、辺真一の分析に従って金正日の戦略を読み解くと、核実験を起こしたのは単なる示威ではなく、この秋に戦争を勃発させるためということになる。私は、核実験の目的は北朝鮮の核クラブ入りであり、核保有国の軍事力を誇示して米国に二国間協議を迫りつつ、経済制裁を耐え凌ぎ、そしてインドやパキスタンの前例を睨んで、二年後の米大統領選で政権が変わるのを待機するという戦略なのだろうと考えていた。昨日までは状況をそう認識していたが、辺真一の話を聞きながら、真実はもっと厳しく切迫したところにあるように思えてきた。金正日は戦争を仕掛けている。狭義の外交の段階は終わった。核実験は瀬戸際外交の最後のカードなのだ。いわゆる「瀬戸際外交」という範疇において核実験の次のカードは無いのである。そう考えると金正日の計略が看取できる。目的はあくまで米朝二国間協議であり、米国の譲歩による体制保証と経済支援の獲得である。それは変わらない。その果実を得るために短期で勝負を賭けてきたということだ。つまり、国連安保理による制裁決議は北朝鮮が自ら呼び込んでいる戦争の土俵であり、北朝鮮は早く臨検をさせて、早く紛争を勃発させて、早く戦争(交戦状態)に入りたいのだ。臨検と紛争が前提されている。戦後の世界では外交は平時のものになり、外交と戦争は一般の概念と常識において峻別されるようになったが、北朝鮮においてはクラウゼヴィッツ的な「戦争は外交の延長」という古典的戦争論が生々しく生きている。刀を鞘に収めて話し合うのではなく、ギラギラと抜き身の状態で敵と談判をしている。戦争と外交が不可分一体で、シームレスに繋がっている。要するに、どういうことかと言うと、北朝鮮は戦争を始めてから交渉しようとしているのである。瀬戸際外交では米国が交渉に応じなかったから、瀬戸際の先に飛ぶのだ。 臨検を任務遂行しようとする国連軍艦船との間で銃撃戦を起こす。日本海公海上で流血の事態を起こす。そして米国のリアクションを見るのだ。空爆と地上戦に踏み切るのか、それとも小競り合いの段階で矛を収めて外交交渉での事態収拾へ向かうのか、態度を窺うのである。無論、そこには賭けがあり、米国は空爆と地上戦には踏み切れないだろうという読みがあり、もし仮に米朝全面戦争の一歩前まで行った場合は、中国が身を挺して止めに入るだろうという判断がある。チキンレースは瀬戸際外交の範囲を超えて戦争状態まで含む段階に進んだ。米国の関心は核拡散を防止することであり、特にテロ組織に核が流出しないことである。北朝鮮と戦争して軍事制圧することではない。北朝鮮には米軍が行動して払う犠牲に見合う果実がない。普通に考えれば、臨検で不測の事態が起こり、双方に死傷者が出た場合、すぐさま中露が和平交渉を仲介するだろうし、米国はそれを受けるだろう。全面戦争は決断できないはずだ。 北朝鮮の対米交渉の姿勢は一貫していて、戦争か譲歩かの二者択一を常に迫り続けている。米国はその二者択一を避けるべく、六カ国協議の枠組を作ったり、国連で圧力をかけたりするのだが、北朝鮮が次々とカードを切って、米国に二者択一を突きつけるのである。私は、先日の核実験も真否は微妙と考えていて、本当は北朝鮮はまだ核兵器の開発に成功してないのかも知れない。国連の制裁と臨検を招きよせるための偽装核実験だった可能性がある。海上臨検と流血紛争の事態を現実に作って、そこで米国を二者択一から逃れられないようにするというのが北朝鮮の思惑だろう。戦争が海の上で間もなく始まる。米軍は空爆をやるかどうか決断を迫られる。空爆した後の作戦計画を早急に組み立てないといけない。これまでは、それは放棄したという話になっていた。93年に統合参謀本部が半島での軍事作戦は不可能の結論を出していて、ブッシュ政権もイラク戦争と朝鮮戦争の二正面作戦は無理と判断した経緯があった。 が、臨検をやれば確実に紛争は発生する。日米が軍事制裁(憲章第7章)を含む制裁決議案を提出した以上、米国には紛争勃発後のシナリオが想定されているのだろう。唐家旋とライスの協議も焦点はそこだったはずで、ブッシュ政権が空爆断行までの意思と計画を固めているか否かであり、紛争が勃発して中国が仲裁に入った際に米国が和平交渉に応じるか否かである。臨検で紛争が発生した後の展開は想像しようがないが、日本国内は戦時体制の状況になるだろう。今もそうだが主戦論一色で固まる。例えば、集団的自衛権の憲法解釈変更について、政府判断に先行して国会で決議を求める動きが出る可能性がある。マスコミの世論調査が打たれて、賛成8割とかの数字が出れば、公明党も反対を貫徹するのは難しい。民主党も赤松広隆が座長の政権政策委員会で解釈変更を確定させる動きになるだろう。また、国民投票法の早期成立への動きも慌しくなり、小沢一郎の決断で年内合意へと向かうのではないか。戦争が世論を変える。 14日に臨検を含む制裁決議案が採択されれば、早ければ月末、遅くとも来月には日本海に国連の臨検任務艦船が集結、展開することになる。その中には海保と海自の補給艦も入る。沖縄知事選の投票日の前に、海上紛争の勃発と空爆必至の情勢が現出するかも知れない。知事選の空気はかなり熱くなる。 先ほど国連安保理による制裁決議案の基本合意の報道が出て、それによると米国が中国に譲歩して、決議案から42条の軍事制裁を除外することと、臨検についても「必要があるかどうか事前に協議した上で」という制限が加えられ、さらに「国際法や国内法に従う」という表現まで盛り込まれたようである。この内容だと、紛争が起きるほどの強制臨検にはならない。当初の米国案に較べてマイルドな中身になっている。無論、これは次の核実験の事態が想定されているのであり、今回の決議案の採択と実施の後で、さらに北朝鮮が核実験かミサイル発射を行ってきた場合は、42条を含めた次の決議案へとエスカレートする。戦争状態に持ち込むことが北朝鮮の目的ならば、10/11に予告したとおり、次の「物理的な」対抗措置を講じてくるだろう。辺真一によれば、北朝鮮は休戦協定破棄と国連脱退を宣言すると言う。戦後の歴史を振り返ってみれば、68年のプエブロ号事件もあるし、76年の板門店米兵殺害事件もある。北朝鮮にとって米軍との紛争や衝突は決して初めての経験ではない。

2006年10月12日

うわーーーでたーーーー!!

キゼンと敵基地攻撃!!!!! 首相、敵基地攻撃能力の検討は「当然」  安倍晋三首相は12日の参院予算委員会で、北朝鮮の弾道ミサイル発射などに対抗する手段として敵基地攻撃の能力を保有することについて、「常にわが国を守るためには、どうすればいいかを検討、研究していくことは当然だ」と述べた。  愛知治郎氏(自民)が「緊急避難的に(設置された)ミサイルを破壊する選択肢も検討しなければならない」と質問したのに答えた。 産経(10/12 21:28) アメリカさんにお伺

2006年10月12日

当然予測されたことだが気が滅入る

 こういうニュースに接すると、いつものことながら気が滅入る。 【北朝鮮の核実験実施は、在日社会にじわりと影響を及ぼし始めた。核実験実施から3日目となる11日、全国の朝鮮学校にはこれまでに脅迫や嫌がらせ電話など16件の被害が相次いでいることが判明し、学校は警戒を強めて独自の対応を取り始めた。北海道朝鮮初中高級学校(札幌市)には、北朝鮮が核実験を実施した9日以降、「北朝鮮に帰れ」「バカ野郎」などという嫌がらせや無言の電話が計11件あったほか、東北朝鮮初中高級学校(仙台市)でも、10日に無言...

2006年10月12日

1941年の対日石油禁輸措置 - 米国は二国間協議を決断せよ

政府が発表した追加経済制裁の内容は、①北朝鮮籍船舶の入港禁止、②北朝鮮からの輸入全面禁止、③北朝鮮籍を有する者の入国原則禁止の三点。新聞もテレビも論評していないが、これほど重大な制裁措置を日本が他国に対して発動するのは初めてで、これまで経験のなかった事態である。想起するのは太平洋戦争前の米国による日本に対する石油禁輸で、41年7月に日本軍による仏印進駐に対して米国が対日資産の凍結と石油輸出の全面禁止を決定した。石油の8割を米国から輸入していた日本は資源確保のために蘭印占領を計画、真珠湾とシンガポールの奇襲攻撃に踏み切る。松茸やアサリの外貨収入が、当時の日本の米国からの石油輸入と同等と考えるのは大袈裟だが、歴史を振り返ってみれば、当時の日本は米英中蘭による経済制裁の圧力に対して、中国からの撤兵という「国際社会からの要求」を受け入れることなく、そのまま孤立と破滅の路線を暴走して行った。明らかに自滅の道だけれど、当時の軍と政府は(主観的には)生き残りのために戦略的に動いていた。北朝鮮も主観的には周到な戦略計算の上で行動している。金正日体制存続のためには、核保有国入りするしかないという判断の上でやっている。現時点から考えれば、当時の米国が日本に対して石油の全面禁輸を発動したことが本当に正しかったのか、戦争防止の外交という観点から再検討してみる余地はある。結果的に日本を追い詰めて戦争を誘発したという側面は否定できない。石油禁輸に踏み切った時点で、米国は日本との戦争を覚悟している。戦争を前提にした外交としての経済制裁である。日本は中国から撤退するか、それとも米国と戦争するかの二者択一を迫られた。今度の北朝鮮の場合は、国連が調整の舞台であり、当時の日米と同じ状況ではないが、経済制裁の次に来るのが戦争である事実は、政府も国民もよく理解しておく必要があるのであり、特に報道機関は、その点への注意を喚起する必要があるだろう。気になるのは、日本国内の世論でそうした慎重感や警戒心がなくなっていることである。戦争状態になることへの危機感がない。気分的に戦争を容認している。 このところ、北朝鮮崩壊論があまり言われなくなった。飢餓で潰れる話を声高にする李英和のような議論を聞かなくなった。最近の論調は、むしろ北朝鮮は核保有国として存在感を示し、経済制裁にも耐えて、二年後の米大統領選挙を待ち、政権交代と同時に米朝交渉の機会を狙い、インドやパキスタンのような国際的立場を確保するだろうというものである。その議論は、北朝鮮の核に対抗できる強力な軍事力を日本も保持すべしという世論に繋がっている。経済制裁については、その効果は中国次第で、中国が北朝鮮の政権崩壊を決断しないかぎり、北朝鮮は二年間を生き伸びるだろうと言われている。が、これが北朝鮮の判断だとすれば、中国も同じ見方を持ってもおかしくなく、すなわち二年後に米朝対話が実現するのなら、二年間は北朝鮮を持ち支えてもよいという判断を下してもおかしくない。中国が恐れているのは、北朝鮮の暴走とか、難民の大量流入とか、そういう問題もあるけれど、最大の脅威は日本の核武装なのであり、日本が武力を背景に中国に干渉を始めることである。特に中台問題に。 そこで、日本の国内世論の状況を無視して言えば、本当なら米国が無条件で北朝鮮と二国間協議すればよいのであり、包括的支援と交換に核とミサイルを放棄させ、六カ国協議の場に北朝鮮を連れ戻せばよいのだ。右翼化した日本のマスコミは、中国ばかりを北朝鮮核問題の責任者にして責め上げるが、中国と同じかそれ以上に責任があるのは米国ではないのか。そもそも北朝鮮と戦争をする気もないのに、イラク攻撃を正当化するための言説装置である「悪の枢軸」論に北朝鮮を入れて挑発し、さらに日朝接近をぶち壊すために核疑惑問題を騒ぎ立て、挙句に金正日に核問題を逆手に取られて、逆に北朝鮮を核開発の方向に走らせてしまった。米国が面子を捨てて二国間協議をすればよいのである。米朝友好条約を結び、半島国連軍の解散を宣言して韓国から撤退すればよいのだ。その後で日本が平和友好条約を結び、百億ドル規模の経済支援をすればよいのである。経済支援の中身は土木建設で、北朝鮮には土建業者はないから、第二次朝鮮特需が日本の建設業界を潤せばよい。 唐家旋と武大偉の二人がワシントンに入った。中国外交部門のNo.1とNo.2。唐家旋が特使で米政権と協議するのを見るのは初めてのような気がする。論者の話では、中間選挙を控えたブッシュ政権は北朝鮮に弱腰を見せられないので、憲章42条の強硬姿勢で臨み、海上臨検に踏み切るのだと言う。が、米国の一部からは、結果的に北朝鮮に核保有させてしまった外交の失敗責任を追及する声が上がっている。結果を客観的に見れば、米国は核保有国を増やしただけであり、核拡散の危険を増大させただけで、東アジアの平和と安定に何の寄与も貢献もしていない。これで日本が核武装したら、その脅威は単に中国や韓国だけのものにとどまらず、将来の米国民の不安の種になるだろう。唐家旋と武大偉はライスを説得して、米朝二国間会談を実現させなければならない。米国は面子を失うが、米外交の出発点から間違っていたのであり、仮に日本の核武装が米国の国益を害する最大の失敗であるとするならば、それを阻止するために北朝鮮と二国間協議する程度は、些細な一時の恥に過ぎないはずだ。 真珠湾攻撃も、米国が仕掛けて誘き出した罠だったが、北朝鮮に対してはどうするのだろうか。これまで、米朝が開戦すればソウルが火の海になるから戦争は絶対にないというのが、北朝鮮問題を論じる際の通説であり前提だった。が、この前提が核実験を契機にして微妙に変化し始めている。小川和久がその前提を崩し始め、臨検と銃撃戦からのイベントドリブンのシミュレーションを提起し始めた。戦争がリアルなものになりつつある。

2006年10月12日

アラブ世論は北朝鮮の核実験を支持?

   <「北朝鮮支持」、アラブ世論強く>(日経)  【カイロ=金沢浩明】「米国にノーと言える国はどこでも支持する」「北朝鮮は安保理が各国に正統性を与える仕組みを崩した。アラブ諸国も見習うべきだ」 ――。英BBCアラビア語放送のウェブサイトで、エジプト、ヨルダンなどアラブ諸国の国民から北朝鮮の核実験を支持する書き込みが相次いでいる。  国民の間では、イラク戦争やレバノン紛争などを通じた反米感情の高まりに加え、核兵器保有が黙認されているイスラエルと核兵器開発を進めるイランに対抗する能力が必要だとの意識が強まっているからだ。  →そういえば、前にヴェネズエラでも北朝鮮の代表がわれわれは米国と闘う戦士である!等と言って結構喝采を浴びていた記憶があるが、長年、米国を初めとして反西側感情が強く、イスラエルなどの脅威にさらされているアラブ各国にとってみれば、今回の北の核保有は力強いものと見えるのかもしれない、もちろん、これは表面的にしか北朝鮮や核保有の問題を捕らえていないという結果なのであるが、立場や見方、距離の遠さが加われば一つの問題も変わった角度で見えてくるようだ。

2006年10月11日

北朝鮮のドンは統一教会に入信でもしたのか?

 毎度とはいえ、今回の絶妙なタイミングの“核実験”は、世界が危惧するように(アメリカと日本の一部の危険な人々を除き)、東アジアでの核武装ドミノの序章となる可能性のある絶対やってはいけないものだった。

2006年10月11日

緊急追悼集会「アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺とロシア・チェチェン戦争」

<<転送・転載歓迎>> 10月7日、チェチェン戦争を追っていたジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ女史が、モスクワで何者かに暗殺されました。彼女は99年以来、毎月のようにチェチェンに通い、軍事侵攻によって虐げられた人々についての地道な報道をかさ...

2006年10月11日

News! 緊急追悼集会「アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺とロシア・チェチェン戦争」に、ぜひご参加を!!

「チェチェン総合情報」http://chechennews.org/による呼びかけ転載します。ぜひ広く呼びかけてください。News! 緊急追悼集会「アンナ・ポリトコフスカヤの暗殺とロシア・チェチェン戦争」に、ぜひご参加を!!<<転送・転載歓迎>> 10月7日、チェチェン戦争を追っていたジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤ女史が、モスクワで何者かに暗殺されました。彼女は99年以来、毎月のようにチェチェンに通い、軍事侵攻によって虐げられた人々についての地道な報道をかさねてお...

2006年10月11日

なんでアメリカの核実験は非難されないの!?

http://www.irib.ir/Worldservice/japaneseRADIO/news.tue.htm#4世界で、これまでに2000回以上の核実験が行なわれています1945年7月16日、アメリカが、ニューメキシコ・アラモゴード砂漠で、最初の核爆発実験を行って以来、7つの核大国は、これまで、合わせて2059回の核実験を行ってきました。これまでに実施されてきた核実験は、アメリカが1032回、旧ソ連が715回、フランスは、太平洋諸島やアルジェリアで210回、そしてイギ...

2006年10月11日

東京新聞特報「北朝鮮の核実験は本物か」

☆北朝鮮の核実験は本物か 情報錯綜 データばらばら(東京新聞・特報)http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20061011/mng_____tokuho__000.shtmlhttp://www.asyura2.com/0610/senkyo27/msg/460.html