ベンチャー企業は夢を追っている。夢は現実化していない分、既に
現実となっている他社の姿を借りて語られやすい。IPOを目指す会
社は、最近IPOした会社に自社をなぞらえる。夢が現実化するプロ
セスは、それぞれあるのだが、そういう事情は脇に置かれる。
過小評価される成長途上の会社は、「日本のGoogleになります」、
とか、「ドリコムを目指します」、とか喧伝に躍起になる。アピールの
手段と割り切っていればいいのだが、「日本のGoogleになる会社な
んだから、...」という本末顛倒な話を真面目にする会社も多い。
「...」の部分には、成長プロセスにおける苦労ではなく、安直な
現状肯定や経営課題に関する勘違いが横行する。
夢を現実のものとするには、結果を見るのではなく、プロセスに注
目する必要がある。やってもいないのに、成功や失敗という結果に
ついて考えすぎてはいけない。やってみなければ、成功も失敗も
ない。「迷ったら動く」ことは、不確実な世界で挑戦を続けるベンチ
ャー企業の鉄則である。
思考は過去や未来に意識を向けることであり、意味のない「考え
すぎ」に陥りやすい。行動は現在に意識を向けることであり、現在
からの成長を促進する。動き続けることで、変化への対応力が育
まれるのであり、安易な考え過ぎに安住すべきではない。
未来を創るのは、今の積み重ねである。出発点に野望は必要だが、
プロセスは直面する課題への真摯な取り組みしかない。「○○をす
れば、夢が現実化する」という単純な世界ではないが、人事を尽くす
には、今に集中するしかない。仮説に基づく行動の積み重ねこそが、
確実に未来を変えていく素になる。
失敗の確率が高い世界で、失敗を予測することは簡単である。予測
した個人の能力が評価されることは、絶対にない。ベンチャー支援を
する会社が、失敗の予言を誇ってはいけない。評論家に未来を変え
る力はない。成功を勝ち取るためには、正確な課題認識を行い、行動
を促し、今やるべき事に意識を集中させることが重要となる。
2006.4.30

