失敗の確率が高いベンチャー企業が成長するには、火事場の馬鹿力
が必要である。基本を踏まえながら、圧倒的な量が生み出す質で競争
優位性を獲得しなければいけない。安定した大企業での振舞いとは明
らかに違う明日なき戦いである。
火事場の馬鹿力は誰にでもある。ポイントは、自らの現場が火事場で
あることを五感を通じて自覚することである。火事場だと思わなければ、
馬鹿力は出ない。そういう意味で、経営は社員が危機感を持つ環境を
醸成しなければならない。それは、脅すことではなく、高い目標を設定
し、アクションプランの不実行を個人の気づきに訴えるものである。
トヨタをはじめ工場では自らの生産性が数値として表示され、生産性が
目標に達していない人には、赤信号の点滅などで自らの現場が火事で
あることを視覚的にも認識させる仕組みになっている。人間の脳は、多
くの部分を視神経に割いている。理解や思考は、70%以上、見えるもの
で決められている。営業成績を棒グラフにしたりするのも、同じことを
狙った仕組みである。
IT時代だからこそ、紙の力は偉大である。紙で得られる一覧性は、PCの
画面よりも優れている。スマートにやっているだけでは、最初の成長は
育めない。野生の感覚に訴えるかけることでこそ、成長のスタートが切
れると思う。結果の数値化を通して、ビジネスをスポーツのように出来れ
ば理想である。動かないものは負ける。素質や能力ではなく、変化対応
力こそが、生き残りの条件となる。
VCは優先順位の高低に関わらず、思いつきで火災報知器を鳴らす。
鳴りっぱなしの火災報知器が故障扱いされ、無視されるのは、当たり
前のことである。効果を求めるのであれば、火事であることを五感を
通じて認識させ、重要なことに馬鹿力を発揮してもらうよう促す必要が
ある。実際、蓄えのないベンチャー企業にとって、本当の火事になって
からでは遅いのである。
2006.2.18
| このブログのURL
|この記事のURL