ベンチャー企業が成功・成長するのに最も重要なことは、タイミングだ
と思う。昔から時を司ることが権力者の証しであったし、暦や時計を作
ることで、人心を掌握することが可能であった。世界標準時がイギリス
にあるのは、大英帝国の名残りである。
「時を得る人は万物を得る」(ディズレーリ)
自分の発想は早すぎた、という敗者の弁は虚しく響く。ビジネスの成否
は、ビジネスモデルの良否で決まるのではなく、タイミングを捉えられる
かどうかで決まる。いくら筋のいいビジネスモデルでも時機尚早というこ
とは、よくある話である。タイミングを捉えるには、機が熟するのを待つ方
法もあるし、自ら機会を創り出し人事を尽くす方法もある。
リスク(危機)は、その場で対処しないと蓄積していくが、
チャンス(好機)は、その場で活かさないと保存はできない。
旬を逃さないことが成功の秘訣であり、迅速な行動力が成否を分かつ。
時機を得たり、時流に乗ることが、能力差が殆どない個人間で、成果に
おいて大きな差をもたらすポイントとなる。
また、ベンチャー企業のマネジメントで最も重要なことは、キャッシュ
の管理である。「時は金なり」の言葉を借りるまでもなく、キャッシュの
管理は、時間管理を通して行なわれる。売上・利益目標の未達、プロ
ジェクト進捗の遅延、達成期限の先延ばし、等々は、キャッシュが予想
以上に減っていく主な要因である。
時を得た現場は、いい雰囲気に満ちている。投資前の調査で最も重視
しているのは、オフィスの雰囲気である。社員の動き、打ち合わせの様
子、電話の声や笑い声、弾む雰囲気と澱んだ雰囲気がある。よく言わ
れる方向性の揃った会社は、すべてがリズム良く軽快に運んでおり、
社員はすべて納得づくであり、迷いがない。
環境変化に強いスピード経営は、結局社員一人一人のフットワークに
由来する。みんなが元気で、いい雰囲気の会社は、タイミングを捉えて
勝機を商機に変え、成長を続けていくのだろう。投資先の多くが、そうい
う会社になっていくように力を尽くしていきたいものである。
2005.12.11
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