昨年のプロ野球参入問題以来、ライブドアへの注目度は非常に高い。
旧エッジがライブドアに社名変更してから1年、時価総額も大幅上昇で
ある。堀江社長は、自分の中学・高校の後輩にあたり(12年後輩、十二
支も同じ)、大学も同じである。出身地も中学のある久留米市から20km
以上離れている田舎(八女市・大川市)で、どこの自宅の敷地もだいたい
300坪以上はある。
#自分の実家は酒販店だったので、敷地は600坪ほどだが、1,000万円
でも買い手はつかない。
昨年のプロ野球騒動の際は、ダイエーを買った孫社長も同じ高校に在籍
してたこともあり、高校の同窓会誌では、二人のお蔭で母校が有名になっ
た旨、報じられていた。自分の中2の時の担任だった地理の先生は、堀江
社長や孫社長に関して新聞やTVで、よく取材をされていた。
自分が見るところ、堀江社長の素晴らしさは、果敢な行動力だろう。
今回のニッポン放送株式の買収の電光石火ぶりは見事としか言いようが
ない。ただ、800億円という資金は、大企業であれば、保有している会社も
多く、トヨタなどは、その10倍以上のキャッシュを1年間の営業活動で生み
出しているわけであり、約1ヶ月分の稼ぎに過ぎない。そんなお金でフジサン
ケイグループを手中にできるかも知れないのである。トヨタの場合、フジTV
のCM代だけでもすぐに元を取れそうな話ではないか。
また、ライブドアがやろうとしているメディアの融合も、AOLがタイムワーナ
ーを買収したり、孫社長がTV朝日の筆頭株主になったことと全く同じであり、
5年以上前に起こったことの蒸し返しである。失敗に終わった2例をトラウマと
することなく、ブロードバンド時代には、ネットとブロードキャストとの融合が
本当に成し遂げられるかも知れない。仮にそうでなくても、地上波デジタル放送
により、放送局は、システム面を含め、大変身を迫られているのが現状である。
株式購入の方式に関して、「空白の一日」論があるが、立会外取引は、厳然
としたルールであり、他社も過去に多く利用しているものである。指摘されて
いるような問題点はあるものの、江川問題のように最初に使われたルールで
ないことは事実である。また、リーマン(外資)によるメディアの間接支配を心配
する向きもあるが、新生銀行で勝ち逃げされた怨念をあまり深く持つべきでは
ないと思う。PEファンドに出資する外資への課税強化と同様、グローバルな視
点の欠けた意見だと思う。郵政民営化に反対する元大物議員に至っては、ニッ
ポン放送問題を根拠に、郵政三事業(郵便、郵貯、簡保)を民営化すると外資に
牛耳られるとまで、のたまわっていた。ここまで偏向した意見は見事の一言で
ある。日本人だけの個別最適が全体最適とはならず、孤立化を招く危険性を
もっと認識すべきだと思われる。破綻している国家財政(年金・地方財政等を
含む)を唯一救えるのは、グローバルな資金の循環であり、外資の誘導を積極
推進すべきである。
そういう面からも、現在ライブドアが発行差し止めを求めている司法判断は、
極めて重要だと思う。これが認められず、新株予約権が大量に発行された
場合、日本市場の信頼性は損なわれ、外資の投売りで株式相場は冷える
危険性が高い。ニッポン放送が発行済株式数を超える新株予約権の発行を
決め、フジテレビに全額割り当てたのは、商法の濫用であると言えよう。
記者会見では、フジサンケイグループとしての資金流出はない旨、明言して
いたので、発行会社の資金調達目的は鼻からない。あとは、裁判所の役割
を積極的に捉えるか、消極的に捉えるかで、差し止めの仮処分決定が下さ
れるかどうか、ということになるだろう。濫用直ちに行為差し止めにならない
ところが、法律論と法律執行論との溝である。個人的には、地裁はライブドア
に軍配を上げるのではないかと見ている。
VCでも投資先のエクイティのダイリューション(希薄化)は、最も気にするとこ
ろだが、あういう決定はできないような条項が投資契約や社債要項には入って
いる。また、視点を変えれば、ライブドアの発行したCBに関しても、同じ問題が
あり、株価が下落した場合、既存株主は、大きなダイリューションショックを強
いられることになる。ライブドアの株主だったら、あれこそ商法違反で発行無効
を訴えたくなるものである。
このような次の予測が立ちにくい状況を、当初堀江社長は詰んでいる詰め将棋
だと言っていた。但し、お気づきの方も多いと思うが、本当に詰んでいる詰め将
棋であれば、詰んでいることを伝えることは、マイナスにしかならない。詰んで
いることが分かった場合、敗者は、ルール破りをするしかなくなる。将棋版を広
げたり、存在しない駒を加えることで詰んでいた詰め将棋が詰まなくなってしま
う。政界・財界の力を借りれば、縦を横にすることはできる。その辺は十分認識
している堀江社長の詰め将棋発言は、相手が戦意を喪失する可能性を探った
ものだろう。可能性は低いが、抵抗しなくなれば堀江社長の目論見通りになり、
正気を失い変な行動(今回の新株予約権発行もその一種か)を取れば世論を
味方につけることができる。
先週末のTV東京での携帯アンケートは、圧倒的な堀江支持だった(80%)。
コメンテーターは、(自分の結論と異なるので)「携帯だから若者が多い」という
意味不明のことを言っていたが、堀江支持は、20代より50代に多いのが各種
世論調査である。50代の多くの人は、フジテレビのH会長のような旧勢力に干さ
れた人である。不況と言われるなか、裕福な生活を謳歌している旧勢力よりは、
何かが変わることを期待させる若者に人気が集まるのも仕方がないことだろう。
今、フジテレビ側にいる人は、現行の秩序を良しとしている人々である。TVを
はじめ、マスコミで働き高収入を得ている人は、当然フジテレビ支持である。
ホリエモンを支持して政財界に睨まれるよりは、個人的に安心である。
今、ライブドアを支持している人は、変化を求めている人々である。
若者は、就職せずに食っていける現状をそんなに悪いものとは感じていない。
変化を求めているのは、能力がありつつ使ってもらえない高齢者である。
旧勢力が既得権益の死守に躍起になっている間に、きちんとソロバンをはじく
外資に美味しいところ取りをされ、そのツケが(メディア族を含まない)一般国民
に回ってくる悪循環は、(非常識な税制を導入することではなく)国民自身の
気づきによる価値観の向上によって、断ち切られるべきものである。しかし、
その気づきを与えるべきメディアが旧勢力側にいては、殆どの国民は気づく
術を絶たれているのである。
(2005.2.27)
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