VS ハゲタカ 星☆☆☆☆☆☆☆☆
at 新宿バルト9

ドラマの映画化が相次いでいますが・・・NHKのドラマが映画化されるのは、異例中の異例です。このシリーズの見所と言えば、巧みに現在進行形の出来事を、脚本の中に織り交ぜていく点。今回もそのセールスポイントは健在!!前作のドラマシリーズでは、ライブドアとフジテレビの争いを踏まえ、M&Aや敵対的買収、TOBに、ファンドといった、当時一躍脚光を浴びた、用語の数々が飛び出し、フィクションとは思えないような出来に・・・。
今作では、中国の政府系ファンド・ブルー・ウォール・パートナーズの代表・劉一華(玉山鉄二)が、日本産業のシンボルである自動車産業の最大手・アカマ自動車(モデルは日産か?本田か?)に、友好的買収を持ち掛けてくるところから始まる。。
ドラマシリーズの主役であり、かつて日本の株式市場を席巻した、ハゲタカファンド・鷲津ファンドの代表である鷲津(大森南朋)は、今作の冒頭では閉鎖的な日本のマーケットに嫌気が差し、半引退状態で我々の目の前に現れる。そんな彼の元に、銀行時代の上司であり、ドラマシリーズでは鷲津と死闘を繰り返した、芝野(柴田恭平)が、アカマ救済のための”ホワイトナイト”役を依頼しにやって来る。。
始めは断る鷲津だったが、かつての闘志を取り戻し、日本のマーケットに戻る決意をする。鷲津の参戦で、一気に終結を迎えるかに思われたアカマ買収劇だったが、劉の思わぬ策略の前に、鷲津は防戦を余儀なくされる。。次第に追い詰められる鷲津ファンド。起死回生を掛け、旅立った海外で、鷲津のとった行動とは?そして鷲津の部下が発見した、劉の信じられない秘密とは?そしてアカマ自動車の行方は・・・?
元々書きあがっていた脚本に、「リーマンショック」、「派遣切り」といった、最新のトピックを織り交ぜるために、全体の80%近い脚本を直して、撮影に挑んだという、まさにこだわり抜いた劇場版のハゲタカでは、ドラマから引き続きのメンバーである、松田龍平、栗山千明、中尾彬に加え、玉山、遠藤憲一といった実力派の面々が顔を揃えた。
「資本主義の焼け野原」、「腐ったアメリカも道連れ」、「金だ!金が悲劇を生む!」、「この世の不幸は2つある。それは”金のある不幸”と”金のない不幸”だ。」・・・等々、今の金融業界いや、世界のマーケットの問題点と異常性を、これでもかとえぐる作風は、まさに社会派エンタテイメントと呼ぶにふさわしい出来です!!
他の作品では観られないような、大胆で挑戦的な、テーマと内容は、邦画の今後の可能性を大きく広げてく

れたと確信しました。ハリウッドのような派手なアクション映画は作れないかもしれないが、そんな映画よりもこの作品での、企業の買収を巡る争いの方が、よほど緊迫感も迫力も勝っている気がしました。。
理想と現実、建前と本音、真実と虚実・・・もがくほど、落ちていく”市場の砂漠”で最後に鷲津が目にしたものとは・・・?今現在進行形で、そこまで来ているかもしれない”危機”を貴方は、劇場で現実より一足先に目にすることになる・・・。そのとき・・・あなたは・・・?