■ 中国(ウイグル自治区)カシュガルから4WDで標高5000mの峠を越えるとそこはイスラムの世界
70歳の老人の脈拍は150/分・意識混 濁、君はこの人をどうするか。20人の旅行団を戻すか、そのまま突き進むか。隊長!決断を!(リスクを背負って行動するか。リスクを切り離すか)
北京から飛行機を乗り継いで「北京〜ウルムチ〜カシュガル」やっとの思いで、隣は「アフガニスタン」と言う、中国でもっとも西の都市に来ました。ここに住んでいる民族は「ウイグル族・カザフ族・キルギス族・タジク族+漢人」です。昔むかし「玄蔵三蔵法師・実在していました」が天軸にお経を取りに行く物語「西遊記」を知っている方は、「ああこのあたりの話」のところね。と言うわけでわれは、中央アジアのど真ん中をカラコルム山脈(ナンガパルパット8125m・チョゴリ:K2 8611mを有するヒマラヤ山脈の西にある)を超えてバスでインド洋まで走破しようと言うのである。
カシュガルからは4輪駆動車に分乗してタシュクルガンを経由し、標高4943mの中国とパキスタンの国境「クンジュラブ峠」をこえようというのです。さてここで問題発生、隊員の中で最高年齢の(72歳)男性が高山病で嘔吐・脈拍150・問いかけに反応せず(意識混濁)に陥ってしまいました。キャンプ地の標高は4500m、明日このまま進んで標高5000m近くの峠を越えられるのか、さてどうしましょう。隊の構成は日本人18名(男性9名+女性9名 年齢は30台〜70台)+中国人連絡官1+通訳1 車は6台です、
※高山病:標高2000mを越えたあたりから発生する「酸素不足」が原因の病症、はきけ、頭痛、食欲減退、顔のむくみ、などが出ます。さらに悪化すると急性肺水腫を起こし重大なことになります。人間の体はうまくできていて、酸素が少なくなると?心臓が早くなる?それでも間に合わないと、体内の水分から酸素をとり出すようになり、細胞に水分がじゃんじゃん送り込まれて顔などがむくみます。?最後は肺に水分が送り込まれて、肺に水がたまって「急性肺水腫」となり肺の機能が停止します。ですから高地ではまず水分を十分に取り(7000mでは1日に5リットル以上)おかしな咳が出始めたら、すぐ高度を下げるしかありません。高所では、太っているとか、タバコをすっているとか、性別など関係なく、発病します。
ここで隊長は
?高山病の男性をここから別便でおろす。隊から離団させる。
?後1日で峠を越えられるので、越えればあっと言う間に標高は下がる、一緒に連れて行く。
?安全が最優先 皆一緒なので全員ここから帰る。
つまり お荷物になった「リスク 男性」を切り離すか。リスクを背負って先に進むか。今回はこれ以上先に進まず、戻るか、の決断を今しなくてはいけないのです。
私の行動・この男性を夜中に車に乗せ、一番近い病院に夜中はこびました。それ以降は、中国の旅行社に北京までの手配を頼んで、私と通訳は早朝またキャンプ地に戻ったのです。もしかするとこの男性は後一日がんばればパキスタン側に行き「フンザ」で回復したかも知れません。リスクは切り離す、これが原則だと思います。
※写真:パキスタンの入国検査(イミグレーション)のあるススト 高峰の山はカラコルム山脈7000mの山々、向こう側は中国 (c)masujima (無断使用禁止)




