先日、前橋スズランデパートに出店していた「福嶋屋の生ロールケーキ」を買ってみました。
群馬県佐波郡玉村町上新田1637
電話 0270-65-3765
livedoorデパート にも出店されているようです。(こちら )
ご本業は創業大正元年の「和菓子屋さん」だそうです。「和菓子屋さんのロールケーキ?」と
思いきや、「そば屋のカレーが旨いのと同じ」との説明を読んで妙にナットク。
ん? そうなのか? 本当に同じなのか?(笑)
生ロールケーキ(バニラ)、1本1,000円をお買い上げ。
その晩に早速食べてみました。
断面図はこんな感じ。
スポンジはしっとり、ふわふわでやわらかくてオイスィ~です。
よくある「スカスカ」で「パサパサ」のロールケーキとはちょっと違いますね。
気持ち、クリーム部が少ないかな。Webサイトの写真を見る限りではもうちょっと多いのに。
実際に食べてみても、クリームの少なさを感じました。
総合的判断では、「おいしい」部類に入ると思います。
ロールケーキは「生クリーム」にごまかされている部分も大きいとは思いますが、こちらのは
スポンジ自体がウマいので、これは「製法」の勝ちです。あとは、生クリームの増量を切に望みます。
(生クリームが増えたらまた買います)
さてさて、やはり職業柄気になるのは「儲け」のお話しです。
せっかくなので、今日は「ロールケーキ」を例にとって分析してみます。
あくまで「一般論」ですので、そのへんヨロシク!
儲かる加工食品の要素は、「原材料コスト」「原材料密度」「加工度」が低いもの。
(売れるか売れないかじゃなく、「売れたら儲かるもの」という視点です)
「原材料コスト」とは、その製品を構成している原材料の金額、を意味します。
これは低ければ低いほど、販売価格に対する「原材料コスト率」が低くなり、儲けも大きくなります。
一般的なロールケーキの原材料ですが、だいたいこんなものが入っているのかと。
・ 鶏卵
・ 粉(薄力粉、強力粉、コーンスターチなど)
・ 砂糖
・ 牛乳
・ バター
・ 生クリーム
・ 水
その他ブランデー、トッピングのフルーツなどが加わる場合もありますが、いわゆるベース部分を
構成している要素はこんな感じです。原材料コストの合計は、1本分で「数十円」だと思われます。
仮に、ベースの原材料コストが「100円」だとして、販売価格を「1,000円」に設定したとすれば、
原材料コスト率は「10%」となりますが、それで売れる自信があればそれで良し。
もっとも、「原材料=(仕上がり)製品の品質」にも直結してくる部分ですから、なるべく高品質な
ものを使いたいところです。トッピングなどの「付加材料」は、製品の「見た目」にも影響を与えます。
「100円のベース」+「200円の付加材料」で、原材料コストを合計「300円」にして、販売価格を
200円分上乗せした「1,200円」と設定した場合、原材料率は「25%」に膨れますが、1個あたりの
製造粗利は同じく「900円」。それで数が売れるのであれば、ソッチのほうがいいわけです。
(逆に、何らかの付加価値があったほうが売れやすい、ということもあります)
話がそれましたが、原材料から推測するに、ロールケーキは比較的「原材料コスト」の低い製品、
と言えるかと思います。(ケーキの類では、「シフォンケーキ」なども同様かと思います)
次に、意外と見逃されがちな「原材料密度」について。
たとえば1人分の「ケーキ」には、ある一定基準の「大きさ」があると思います。
同じ1人分でも、スポンジ中心に構成されている「ロールケーキ」と、例えば「チーズケーキ」や
ズッシリした感じの「チョコレートケーキ」とでは、見た目の大きさは同じでも「重さ」が違ってきます。
「重い」ということは、それだけ多くの原材料を使っているわけで、それはコストに跳ね返ってきます。
「デザート」「ケーキ」というカテゴリで捉えると、同じ1人分=同じ重さ分、ということではなく、
ある程度は「見た目の大きさ」を基準にして、「1人分」を割り当てている、というのが実際のところかと。
よって、少ない量の原材料で一定の大きさのモノが出来る、というのは、「原材料密度」が低い
ということになり、結果としては原材料コストの圧縮になります。
ロールケーキは、「スポンジケーキ」と「ホイップ生クリーム」という、比較的密度の低い材料で構成
されていますので、ケーキの中でも「原材料密度」は低い、かと思われます。
「加工度」というのは、いわゆる「手間」のかかり度合いを意味します。
製品として仕上げるまでに、どれだけの手間がかかっているか。「手間がかかる」ということは、
その作業をする従業員の人件費が跳ね上がったり、特殊技能を要する作業(デコレーションなど)
であれば、人件費はさらにアップします。それらの作業を効率化して、人件費を圧縮するために
機械設備を導入したとしたら、それらもコストに反映される部分ですから、「原材料コスト」と同様に
「製品原価」に影響を与える要素となります。
素人レシピで考えれば、ロールケーキは「スポンジを焼き、クリームを塗って包む」という比較的
シンプルな工程で製造可能だと予想されます。(販売されている製品は分かりかねますが)
製造工程が複雑なもの、凝ったデコレーションが施されているものは、それだけの手間や
熟練された技術が必要となりますから、それらはすべて「製造原価」に加算されます。
関連して、加工度の高い製品は、製品自体が衝撃に弱かったりしますから、包装の手間や
外装箱への工夫、配送時の配慮なども必要となり、それらもすべてコストアップにつながります。
ロールケーキはどうでしょうか? 「加工度」は結構低めなんじゃないかな?って思います。
ロールケーキはベースがシンプルなだけに、ちょっとしたことで「差別化」が図れます。
原材料の鶏卵や粉の配合にこだわったり、各種フルーツを加えたり、ベースやクリームの味に
バリエーションを持たせるだけで、比較的カンタンにオリジナリティが演出できますから、他店との
差別化を図りやすい商品ではないでしょうか?
もっとも、「製法」がイチバン重要なんだと思います。
どんなにいい材料を使っても、どんなにコストを圧縮しても、「ウマい」と言わせられる製造の技術が
なければ、絶対に「儲け」にはつながりません。ソコが最も大事な部分だったりするんですが(笑)
ロールケーキはシンプルなだけに、味に対してはシビアな評価を受けそうですね。
もちろん、ブランディングやプロモーションなどの「マーケティング」もお忘れなく(爆)
ってことで、ロールケーキ屋さんにはちょっとイヤなお話しになってしまい恐縮ですが、逆に言えば
「いいもの」であれば消費者には受け入れられるわけですし、いい評判は口コミで確実に広がります。
その上「儲け」も多ければ、もう言うことありません。(儲けることは悪いことではなく、いいことです)
特に群馬から「名産品」の類が生まれることは大歓迎ですからね、福嶋屋さんには特にエールを
送りたいと思います。クリーム多めでお願いします(笑)
あ、ちなみに今まで食べたロールケーキでイチバンうまかったのは、静岡県の沼津と伊豆長岡の
中間くらいにある「ふくやエマーユ 」というお店の、「イタリアンロールケーキ」ですね。
予約なしではまず買えませんので、是非電話で予約してお求めください。
(追記2006/2/17)
ふくやのロールケーキ、殿さまも絶賛 です(笑)
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