桃色の雲の中を、雷が横に走っていくのを見た。
光の葉脈が伸びるのを見るみたいで、誰かに教えてあげたいと思った。

今日は、友達と会った。
みな、それぞれに夢や希望があって、羽ばたいていく鳥のよう。
今のこと。これからのこと。
話を聞いていると、そわそわしてくる。
嫉妬、負け惜しみ、焦燥感、諦観、開き直り。
比べても、自分は勝てないと思うし、それを認めることが悔しくて、素直に頷いた振り。
いやな奴。

でも、以前よりかは、心は乱れない。
諦観が勝ってきて、無感動やら無関心やらで、心を麻痺させることがうまくなってきた。
ついでに、考えることもなくなってきた。
もう、どうでもいいや。
答えの出ない問いなら、もう止めてしまおう。
がんばっても、続かないなら、楽になってしまおう。
神経が痺れるようにして、睡眠不足の頭になったみたい。

夢はどこにあるの。
希望は何なの。
や、それは少しはあるんです。
麻痺した心でも、希望を持っていたいと思ったりだとか。
…甘ったれてるだけだろうけど。

本当に話したかったことは、最初の出来事なんだ。
雷を見て、誰かに教えてあげたいと思ったんだ。
とても不思議な景色で、あの雷に打たれて死んだら、きっとこの瞬間のよろこびは誰にも伝わらないんだなーって。
怖いような、悲しいような、それでもきれいだと思った。
こんなことくらいでしか、麻痺した心が動かなくて、それを覚えていたかったんだよ。

見てごらん。
灰色の、停滞した時の澱みの中を。
膝を抱えて、ぐずぐずとからっぽの体に取り憑かれているのを。

灰色の時

言葉も、絵も、歌も、詩も、本当は、こんなもののためにあるんじゃない。
こんな、悲しみとか、怒りとか、嫉妬とか、薄暗い感情のためにあるんじゃない。
どうにかして希望を持っていたいから、泥の中に小さな花を見つけようとしてるんじゃないんだ。
ただ、きれいなものを見て、きれいだと思う気持ちのためだけでいいのに。
生きていて、ただそれだけなのに、心が動くのをよろこぶことができたら。
嘘でも、その一瞬、強く思ったんだよ。


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