
味覚って何なんだろう。自分は子供の頃から辛いものが大好きだった。母が辛党で唐辛子やニンニクをよく使っていたせいかもしれないと思うが、同じ食生活で育った弟が同じかというと違う。それに母は刺激物が胃によくないと何かにつけて言っていたから一応そういう雰囲気の中で育ってきたのに辛いものが何より好きだし、香草類も心から愛している。この間、東京に行った時にパクチーの専門店に行ってみた。ちょうどパクチーの本を買ってあって、面白いこと考える人がいるもんだと思っていたら、その著者がパクチーの専門店をやっていて、東京での行き先がどうやらその店の付近ではないかと思われたので、友人にその話しをしたら「行ったことないけど知ってる」ということでランチに寄ってみることにした。
パクチーというのはなぜかタイ語のまんまで普及しているみたいだが、コリアンダーの方が一般的かもしれない。タイ料理の代名詞みたいになっている。好き嫌いが分かれるらしい。そういえば昨夜、夫の店のお客さんが「パクチー入れないで」と注文していた。逆に「たくさん入れて」という人も多い。私はもちろん大好きなのでこれを嫌いという人の味覚を想像しにくい。そのパクチーの専門店では、まずパクチーのサラダが出た。おかわり可。どうもタイ料理に慣れている身からするとこうやって葉っぱをちぎってしまうよりも、料理に使う根っこは取ってもいいから長いまんまで出して欲しい感じがした。洋風なドレッシングより辛いタレをつける方がいいな、とか、そういうもんも要らないからそのまんま食べたいとも思った。パクチーも場所によって味はかなり違う。この店のは固めだった。タイだと小さいうちに引き抜いてしまうせいか緑も薄くて柔らかい。それとも種類のせいかもしれないし、土のせいかもしれない。庭で取り残してあったパクチーが成長している。春っぽい日だった。


