タイが舞台だから、という動機で本日鑑賞。こういうマイナーなのはそんなに長くやってないだろうから午前の部で見て午後から仕事する心つもりで行った。観客は3人くらい。車検に出した車の中に眼鏡を忘れて代車を借りたためサングラスをかけて見たから色付きになったはず。で、この映画は、うううむ…、私はもう全く何の魅力も感じなかった。真正面から闇世界に取り組んでいるという見方はできるんだろうけど、そういう問題にいく前にもう理屈じゃない部分ですべてがダメだったので苦痛だった。だいたいタイを舞台にしてどうしてこんな描き方なのかもよく分からない。日本人が内省的で現実感ないままに生きているのはご自由に、であって、それで私はどうも邦画は勝手に苦手なのだが、タイを、しかもこのようなテーマを扱うんならもっとリアリティが欲しいように感じた。誰1人微笑まないでしかめ面、沈黙ばっかり、単調な人物設定、つまんないセリフ、好みの役者は皆無、テンポが性に合わないし、つまり相性が悪いんだろう。クライマーズハイを超える苦手作品だった。何がいいのかなあ、全然分からない。これだったら原作本の方が私にとってはマシだった。

私の読み方では、本のテーマは子どもの売買だと思っていたが、映画の方は子どもの臓器売買が中心になっていた。つまり臓器を取り出すために殺人をするのである。本では、私はこれはどっちかっていうと補足的なエピソードに捉えていたけど、映画はこっちが前面。それと幼児○○というのが絡まっている。どこから何を描こうとしているのかが見えにくかった。正義感というのも感じなかったし、人間愛も感じないし、冷静さも感じないし、冷酷さも感じないし、ナイナイ尽くし。主人公になっている新聞記者のああいう設定も、物語との関連でどういう必然性があるのか分からない。それで思ったのだが、私がもう世の中についていけてないのだと思う。ここ何年かで見た邦画は数少ないけど、つまんないと感じた映画に共通して覚えた違和感は、唐突さなのだ。ソレとソレの関係に対する想像力が及ばない。本日のもそうだった。この人がどうしてこれじゃないとダメなのか、筋道が自分には見えなくなっている。それをすんなり胸に落としてくれないとなあ、って感じる自分は古いのかなあ、と思った。ま、結局感性の相性ということだろうか。ああ、がっかりだった。