今回は、民主党のホームページに投稿した意見を掲載します。
株式市場、あるいはそれぞれの株の銘柄の情報については、
いろいろな指標を見ることが必要です。後ほど、その必要な指標について解説した記事を書きたいと思います。
しかしながら、今回の意見に関しては、誰が読んでもある程度分かるようには書きました。なので、経済あるいは金融について理解しづらい、と感じておられる方もいらっしゃると思いますが、安心してお読みください。
これは前にも書きましたが、グリード(強欲)を持った者たちは、また日本をターゲットにしてきます。
さて、今
郵政民営化が見直しの方向に動いています。特に、日本郵政の株式の上場が凍結されることになりました。それと同時に日本郵政の西川社長は辞任する予定です。
郵政民営化の問題は、
採算に合わない郵便局がどうなるのか、という問題が第一に挙げられますが、それと同時に、郵便貯金、また簡易保険に預けられている、合わせて
300兆円を超える国民の資産をどう守るのか、という問題もあります。いやこちらの方がより深刻な問題です。
日本郵政が、その300兆円の資産に目を付けた者たちに買収されたならばどうなるのか、ここに警戒の目が向けられなければなりません。
日本で郵政民営化見直しが議論されている中で、世界の株式市場が再び加熱しているという報道、やはり何か不気味なものがあります。
では、以下が意見の内容です。
件名:賢い個人投資家が日本経済を強くする
たびたび意見させていただいております。
今回は日本の金融市場、特に株式市場を安定させる政策についてです。来るべき第二、第三の金融危機に備えて、日本が独自にとりうる対策について意見させていただきます。
昨日の日本経済新聞一面トップには、世界の主要株式市場の時価総額が昨年9月のリーマン・ショック前の水準に近づいた、と報道されていました。今年2月末と比較しても5割強増えた、とも書かれていました。ちなみに、日本の東京市場だけを見ると3割程度の増加にとどまったそうです。
この報道については、リーマン・ショック以降の金融危機がひとまず落ち着いた、という見方が大勢を占めるでしょう。時として、金融危機への各国の中央銀行、政府の協調介入が危機を早期に解決した、との論調もあるでしょう。
しかしながら、このような株式市場の回復が今年中にも来るだろうと予測していた私としては、そのような楽観論で終わらせるわけにはいきません。今この時に、次なる金融危機の危険性を視野に入れなければなりません。
リーマン・ショック以降、グリード(強欲)という言葉を耳にするようになりました。このような者たちが、世界中のさまざまな株式市場、果ては原油、食物の相場に至るまで金を操っていく、日本の株式市場が好況を呈するときは、このようなグリードが入り込んでいる、そう考えて間違いはありません。
しかし、日本の株式市場を含む金銭の流れが、実を言うと、このような投資家たちの圧力にもろい体制であること、これだけは否めません。この金融の体制の整備、これが急務です。
日本の高い貯蓄率は、逆に日本全体としての資産運用能力の低さをもあらわしています。
そこで私は、今日本の金融の体制、ひいては日本経済を安定させるために、国民全体の資産運用能力を高める必要があると考えます。また有効な資産運用に対する啓蒙がなされなければなりません。
さらに、私は日本経済を安定させるためには、株式市場の成熟が不可欠であるとも考えます。長期的な安定を考える上で、これこそがもっとも重要です。
ここで私が「株式市場の成熟」と申し上げているのは、単に株式市場を活性化させればよい、という意味ではありません。
日本の株式市場が成熟するためには、将来性のある銘柄を見極められる、「目利き」の力がある個人投資家が増えなければなりません。特に日本の貯蓄の6割を60歳以上が、または8割を50歳以上が占めていますが、これら中高年以上の方々の資産が、株式市場にて堅実に運用されることが不可欠です。
資産保有の世代間格差が問題となっていますが、このように中高年以上の資産が株式市場に安定供給されることで、経済が安定し、これによって若年者の雇用につながる、このように「株式市場の成熟」は、資産の世代間格差を縮小させることにもつながります。
実のところ、戦後日本の金融政策の歴史を考慮すると、このような金融の体制は、戦後の復興において必要ではありましたが、その体制が現在制度疲労を来たしている、このような状況がうかがえます。
戦後の金融政策は大蔵省(現財務省)主導の体制が敷かれてきた、と言われます。俗に「護送船団方式」と言われた体制です。
この「護送船団方式」により、銀行は大蔵省の監督の下に経営を行い、幾たびかの銀行再編においても、大蔵主導でそれが遂行されました。
こういった大蔵主導体制は、戦後の日本の産業が対外競争力をつけるために、将来性のある産業を伸ばすために、ある程度の資本の重点配分が必要だった、という意義もあります。いずれにせよ、この大蔵主導体制が高度経済成長に寄与しました。
また、郵便貯金は安定した利率を保証し、低所得者であっても、郵貯に預けておけばそれなりに資産は増やせました。このような形で、大蔵主導の銀行と郵貯に国民の資産の大部分は流れることになりました。
しかし、この体制が個人資産の株式市場での運用を阻み、これにより資産を株式市場で運用できる個人投資家が育たなくなってしまいました。
加えて、株式市場に資産が十分に流れないことから、日本経済は産業構造の転換に対して柔軟性に欠ける体制となっています。ですから、今こそ金融の体制は、銀行などの間接金融中心から株式を中心とした直接金融中心へと移行しなければなりません。
とはいえ、現在貯蓄の大部分を持っている50代以上の方々は、株式投資に対して、リスクがあることから敬遠している方がほとんどではないでしょうか。ですから、有能な個人投資家を増やすためには、多くの方がリスクの少ない投資を継続的に行えるよう、資産運用に対する教育がさまざまな形で行われなければなりません。
現在でも、証券会社や東証(東京証券取引所)などの証券取引所を中心として、さまざまな投資家養成のための講座が開催されていると思います。しかし、このような教育の機会は、より地方の市町村で行われる必要もあります。
証券会社としても、人口の少ない地域で講座を開いても、それによって投資家を増やす効果があまり見込めませんので、足が遠のいてしまうかもしれません。また、自治体のPRが効果的でないことも、及び腰になる一因です。ですので、地方での投資教育は、少しだけ政府や自治体の助成が必要かもしれません。もちろん、地域でも草の根レベルで有志が集まり、地域での投資教育の機会が開かれることが理想的ですが、まだ期待はできません。
しかしながら、FP(フィナンシャル・プランナー)も増えています。FPの方々に投資教育の役割を担っていただくことも可能です。講座については、参加者の方から少額会費をいただけば、より開設しやすいでしょう。
投資に対して、損失が心配な方には、ネットを用いたバーチャル(仮想的な)取引から始めるのも有効な手段です。このサービスは多くの証券会社がネット上で提供しています。
また、ネット環境のない中高年以上の方々に対しては、ワークシートなどを用いて、擬似的に株式を売買する記録をつけてみる、などといった手段もあります。このワークシートを半年ぐらいつけてみて、それから専門家と相談しつつ、割安な、将来性のある良い銘柄の探し方や、分散投資の効果的な配分の方法などを学べるでしょう。
このようにして、有能な個人投資家が増えることにより、一時的な株式市場の熱狂に惑わされることなく、将来性のある企業、あるいは産業に安定して資金が供給されることになります。グリードを持った者たちは、人為的に市場を操作しようとします。日本において、国民全員がこのような人為的な熱狂にだまされないように、今国家として準備をしなければならないことがあります。
そのためにも、今「目利き」の力がある、有能な個人投資家の育成が日本全体として急務です。
佐野吉一
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