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TOP>2009年01月
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パシフィカスさんのブログは、今週は「パクリ記事関連週間」だったようですが (ブログだからって何でもありじゃない、記事や画像のパクリ、盗作チェッカーと著作権保護サービス)、これにあやかりまして、ブログやウェブサイトを運営するにあたって知っておきたい「引用」と「転載」と「クリエイティブ・コモンズ」の知識をまとめてみます。
引用とは、著作物の一部を使用することで、著作者に許可を取らずに行える行為です。
著作権法第32条に規定されています。
どこまでなら『一部』と認められるのでしょうか。Wikipediaには以下のような解説があります。
最高裁判所昭和55年3月28日判決によると「引用とは、紹介、参照、論評その他の目的で著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録すること」である。
(Wikipedia「引用」)
さらに、引用として認められるための条件として以下の5項目が挙げられています。
1. 文章の中で著作物を引用する必然性があること。
2. 質的にも量的にも、引用先が「主」、引用部分が「従」の関係にあること。引用を独立してそれだけの作品として使用することはできない。
3. 本文と引用部分が明らかに区別できること。例『段落を変える』『かぎかっこを使用する』
4. 引用元が公表された著作物であること。
5. 出所を明示すること。
1番目と2番目をまとめて簡単に言うと、『引用とは自分の言いたいことを補足するために引き合いに出すものであり、引き合いに出したものがメインになってはいけない』ということになるでしょう。
3番目は引用分と、本文を明確に分けて記述することの規定です。
5番目は出所を明示すること。自分の文章じゃないなら誰のものなのかを明記するように定めています。これは、著作権法第48条で規定されています。
転載とは、他人の著作物を別の場所で公開することで、著作権利者の許可が無ければできません。
転載と引用の違いを簡単に言えば、上記の「引用」と認められないもの、つまり引用の範囲を超えたものは転載となり、著作権利者の許可なしで行えば著作権法違反となります。
著作者の許可のもと「転載」する場合にも引用と同じく、著作権法第48条に基づき出所(出典)を明示するとともに、それが『転載されたものであること』も明記する必要があります。
引用する場合も、転載の場合も、出所(出典)を明示しなければならないと著作権法第48条に規定されているわけですが、この第48条には『当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない』という記述があるだけで、出典の書き方までは指定されていません。
法律で規定されているのは『著作者がわかるようにする』ということだけなので、出典の書き方はケースバイケースで少しずつ異なります。基本は読み手が資料としてわかりやすく書く、ということです。
以下は、文章を引用する場合の一般的な出典の書き方です。
書籍からの引用
(著者名、題名、出版社、出版年、引用ページ)
例)栗原明則、「速習Webデザイン:HTML&スタイルシート」、技術評論社、2005年、78ページ
雑誌の引用
(著者名、題名、雑誌名、号数、発行年、引用ページ)
例)斉藤健二、「ネットユーザーのためのライフハック」、Yahoo! Japan Internet Guide、第12巻第2号(通巻133号)、2007年2月、152-153ページ
インターネットからの引用
(著者名、ページタイトル、サイト名、引用ページの最終更新日、ページURL、引用した日付)
例)清音、「Googleが教えるSEOでやってはいけない30の事」、海外のSEO対策・SEOツールをわかりやすく解説するブログ、2008/12/28更新、http://seofromusa.com/google-seo-tips/google-starter-guide-30/、2009/1/22引用
これらの出典の書き方は、紙媒体などで行う場合に慣例になっているスタイルですが、インターネット上同士で引用する場合は以下2点の事情により少し変ってきます。
1.ネット上の著作物は『著者名』が明確に特定できないものがあること。
2.引用元へリンクを貼ることで、どこからの引用なのかを簡単に特定できること。
この2番目はとくに重要で、紙媒体であれば引用元を特定するのに詳細の情報(号数、ページ数など)がないと元の文献を探すことが出来ないので、これらの情報を細かく記述することが慣例になっているのですが、ネット間で引用する場合は、リンクをたどれば引用元に簡単に飛ぶことが可能です。
そういう理由から現在慣例化しているのは、『引用元のページ名』をアンカーテキストとして、『引用元のページへリンクをはる』というやり方でしょう。
ぼくは、文脈で可能な限り、著者名も記述します。
いずれにせよ、最低限『引用元のページ名』+『引用元へのリンク』は必須でしょう。
インターネットの著作物をウェブサイトやブログで引用する場合
(記事タイトル、著者名)
著作権法では、以下の2つの場合は著作者の許可無しで『転載』することが出来ると規定しています。
国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
( 著作権法32条2項 )
公共機関が一般公開向けに出した資料の類は使ってよいということです。もちろん、出典の明示はどんな場合も必須です。
新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送し、若しくは当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行うことができる。ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
( 著作権法39条1項 )
時事問題に関するものは、たんなる『事実』であるので転載できるということです。ただし、「学術的な性質を有するもの」は、個人的な見解や研究結果が入っていますので、単なる事実とは違い転載できないということです。
クリエイティブ・コモンズとは『自分の作品を他人と共有してもいいよ』という人が参加しています。
既出のように、本来、転載は著作者の許可を取らなければ出来ないのですが、作品の共有を円滑にするために、自分の作品を他人と共有したい人が、『転載、二次利用の許可を与える宣言として参加している』のがクリエイティブ・コモンズなわけです。
つまり、利用者は、クリエイティブ・コモンズ参加の記述があるウェブサイトの作品であれば、著作権者からいちいち許可を取らずに利用できるわけです。(ただし著作権者は自分の作品の著作権を放棄したわけではありません。)
クリエイティブ・コモンズは著作者以外に転載(二次的利用)の許可を与えているわけですが、利用して良い範囲を著作権者は個々に設定しています。この利用範囲の設定をライセンスと言うのですが、全部で4種類あります。
『BY』もしくは『表示』の表記がある場合は、『著作者名』、『著作物のタイトル』、『転載元へのリンク』が義務づけられています。つまり『出所の表示』です。
『NC』もしくは『非営利』の表示がある場合は、営利目的での二次利用はできません。もちろん、著作権者から個別に許可を取れば可能です。
『ND』もしくは『改変禁止』の表示がある場合は、作品をそのまま使用することは出来ますが、手を加えることを禁じられています。これは画像やソフトウェアの二次利用などでは特に注意が必要で、画像を加工したり、ソフトウェアを改変して配布、表示することが出来ません。
『SA』もしくは『継承』の表示がある場合は、その作品を二次利用する場合に、もとの著作権者の提示する条件と同じ条件でライセンス表示する必要があります。つまり『表示』と『非営利』の表示がある作品を二次利用する場合は、利用者も同じように『表示』と『非営利』の表示をする必要があります。
クリエイティブ・コモンズに参加しているウェブサイトやブログには、上記の4つのライセンスを組み合わせたアイコンが表示されています。
例えばこのブログのフッターには以下のような『表示』『非営利』『継承』を組み合わせたアイコンとライセンス表記を表示しています。「この3つの条件を満たしてくれれば、このブログのコンテンツを許可なしに、転載、二次利用して構いません」という意味です。
これをクリックするとクリエイティブ・コモンズのライセンス解説のページに飛ぶようになっていてます。このようなアイコンのあるサイトの作品を利用する際に、ライセンスの内容がわからなくなったらクリックして確認しましょう。
1.『引用』とは著作物の一部を使用することで、記事全文や画像のコピペは『転載』になります。
2.『転載』をする場合は、著作権者の許可が必要で、転載であることを明記しなくてはいけません。
3.無断転載が認められるのは、公共の出版物など一部の資料のみです。
4.クリエイティブ・コモンズに参加するサイトの著作物は許可なしで転載できますが、サイト別にライセンス表示が異なりますので、確認が必要です。
5.1~4の全ての場合において、出典の表記は必要です。