●2010年9月5日(日)

民主党代表選の新宿立会演説会

写真:民主党代表選の新宿立会演説会

●R-025便 「反小沢クーデター」はアメリカが仕掛けた?

●今日のまえがき

暑い夏が続く。 日中、空を見上げると、空は青く容赦なく強い日差し。 例年と地球の回転軸は変らない筈なのに、この猛暑振りはどうした事なのだろうか。 報道では「気象庁が地球温暖化によるものと断定した」とあるが・・・。 

さて、民主党の代表選挙も、連日熱い戦いが繰広げられてられているが、意外に思えるのが小沢一郎氏の「口がなめらか」な事である。 新宿の街頭演説、この暑さをものともせず、背広を着用しての演説に疲れた様子も見られない。 一方の菅首相は、軽装のシャツ姿で、そのマイクをに握って威勢の良い演説は、まるで野党党首の様でもある。

元々、鳩山・小沢両氏が身を退いた事で、一気に脱小沢色を鮮明に打ち出す菅体制の道を選んだのは、どの勢力なのか。 以前本稿が、鳩山・菅ラインで取り交わされたと見たが、これが大きな誤りだった。 実は待ってましたばかりに前原・野田グループが、間髪を置かず脱小沢内閣、脱小沢党内体制を固めるべく菅首相擁立を目指したのが実態の様である。

それでも問題の消費税発言が無ければ、菅新首相の登場だけで一気に上昇した高支持率のまま、参議員選も過半数を確保できた筈である。 財政再建派の前原・野田グループが、推移を甘く見てオーバーランした結果、衆参のねじれとなる参議員選敗北を招いた。 一方、党内権力闘争をひとまず据え置きながら様子見、と決め込んでいた小沢一郎氏が、この事態を看過出来ないと、敢えて火中の栗を拾うが如きハイリスクを承知で、代表戦出馬を決意した言うのが実態ではないだろうか。

心中、忸怩たる思いが有りながら、担がれた神輿に乗らざるを得なかった菅首相。 厚生大臣で敏腕を発揮した様に「大臣職」が最適のポジションみたが。  会社で言うなら、社長にはなれないが、役員止まりという処である。

菅・小沢両氏の論戦を伺うと、その差歴然である。 地方議員、サポーターによる趨勢も、結局小沢氏優勢(又は互角)と出た時点で、国会議員の票数は、小沢氏に一気に傾くだろう。

未だに人気のある田中角栄氏の例を見ても、カネの問題は、大きな障害にはならない。 むしろこの無策の体たらくを、変えてくれるという期待感が、ものをいう事になる筈である。

地方交付税を、7割地域に委譲する事で3割の財源が捻出できるというという小沢案は、官僚に取っては「ゆゆしき事態」であり、この案に一早く反対したのは、案の定官僚出身、増田前宮城県知事。 これこそ霞が関を、震撼させる政治主導の極めつけ「政策」で、是非実現して欲しいものである。

今朝の日経3面に、元米大統領補佐官 マイケル・グリーン氏が「現実路線で安定政権を」と、菅政権支持を表明。 その一部を抽出すると、

――米政府は小沢氏を警戒しているようです。
「小沢氏の反米的な発言は日米関係にダメージを与えてきた。 反米ポピュリズムを繰り返せば、日米関係を少しずつむしばむ傷になっていくだろう。 この先も短期政権が続くならば、長期的な日米間の安全保障協力は進まない。 日本は内向きになっている。内向き状態が続けば、すべての日米関係が“永田町の論理”で漂流するだろう」
――小沢氏は米海兵隊がいなくても第7艦隊で十分だとしています。
「あまり深く問題を考えないで、適当に発言しているという印象が強い。東アジアの安全保障問題を分析したうえでの発言とは思えない。海兵隊は2日以内に世界中のどの地域にも展開し、補給なしで60日間連続で活動することができる。朝鮮半島での戦争から東南アジアでのテロまで様々な有事に対応できる。豪州、韓国、東南アジアなどの日本の周辺国は海兵隊の役割に期待している」

この「元米大統領補佐官 マイケル・グリーン氏」を、日本をあやつるアメリカの「日本あやつり対策班4人の一人」と、きめつけているのが、副島隆彦氏の近著『新たなる金融危機に向かう世界』である。

詳細は、この書を読んで頂きたいが、以下の本文に、「鳩山・小沢両氏辞任」を、「6・2 反小沢クーデター」と捉えた一文を引用したい。  題して「「反小沢クーデター」はアメリカが仕掛けた?」(文字数制限のため本稿の責任で、一部削除・編集済み)

同書は、前原・野田グループと、小沢グループとの権力闘争の背景を、伺い知る事のできる興味有る著作として、お薦めの一冊である。 どの大型書店でも平積みされて飛ぶように売れており、都内の図書館でも、貸し出しに数ヶ月待ちというから、驚きである。

小沢氏が、一に霞ヶ関を向こうに回す「政治主導」、二に沖縄の基地問題で、アメリカと対峙を畏れず「日本の主権」を取り戻す戦いに、最後の政治生命を賭けて決起したと見ているのだが・・・。  マスコミが少しずつ、小沢叩きの矛を引っ込めだした様に見える日曜日である。

●今日の引用資料

副島隆彦:著 『新たなる金融危機に向かう世界』

新たなる金融危機に向かう世界

◇鳩山・小沢政権の崩壊は、「反小沢クーデター」だった◇

日本の政治と政界の動きは6月に入って激しい変動を見せた。 鳩山政権が6月2日に崩壊して6月8日には菅政権ができた。 菅直人と仙谷由人らの手によって、一気に政権政治家の地位から追い落とされた。

そして7月11日の参議院選挙に向けて菅首相は、「消費税を10%に・・」等と余計な事を言って、民主党がボロ負けした。 しかし菅内閣、党幹部たちは、9月の代表選挙に向けて誰ひとり責任を取っていない。

私(副島隆彦)は、誰よりも早く、この6月2日に突如起きた鳩山首相辞任、小沢一郎幹事長辞任は、「反小沢クーデター」と呼ぶべきものであり、アメリカのCIAが仕組んだ恐るべき共同謀議によるものである、と断じた。 この動きの裏側に、アメリカ政府の許しがたい策動があった。 これは政治謀略である。 

私(副島隆彦)はこの事を6月4日には、「反小沢クーデターが起きた」とインターネットに書き始めた。 これが分からなければ日本の経済も政治も、何も分かった事にならない。 自民党政権時代からずっと行われてきた、アメリカ政府による日本のお金の奪い取りの構図を国民が知る事が大事だ。 全てははお金の問題なのだ。

あっという間にたったの一週間後の6月8日で菅首相が誕生した。 電撃的なクーデター計画である。 仙谷由人が官房長官に、枝野幸男が幹事長になった。 この三人の首謀者による新体制が成立した。

この政権転覆の共同謀議に初めから加わっていたのは、日本の霞ケ関の官僚達である。 これにマスコミによる鳩山政権攻撃と小沢一郎幹事長への、捏造ニューズ報道の嵐が続いていた。 そして、それらを大きく上からアメリカの対日本謀略部隊が、指揮した。

「6・2反小沢クーデター」を計画したのは、カート・キャンベル国務次官補と、マイケル・シファー国防次官補代理と、おなじみの対日謀略家のマイケル・グリーンと、ジェラルド・カーティス・コロンビア大学名誉教授らである。

菅新首相は、消費税の値上げを、昨年の10月からチラホラと言い出した。 財務省とアメリカの言うことをよく聞く人間に変貌し、亀井静香大臣を欺いて馴した。 

菅新首相は、4月22日にワシントンのアーリントン墓地の無名戦士の墓に献花しているその時の神妙そうな顔を見た時に、アメリカに「次の首相はオマエだ」と因果を含まされたな、とピンと来た。

岡田外務大臣は、小沢一郎が育てた、穏やかないい性格だけれども、昨年10月20日に、ロバート・ゲイツ国防長官に向かって、「沖縄の普天間基地を県外・国外に」と言った途端に激しく怒鳴られて、この日を限りに「何がなんでも日米同盟優先論」に戻るという決断をはっきり示した。

鳩山首相・小沢一郎・亀井静香だけが必死になって愛国者として、アメリカの要求を拒絶してきた。 だから彼らは追いつめられ政権から追放されたのである。 この事を理解しなければ、国民はますますアメリカの言いなりになって屈服するだけだ。

◇「6・2」反小沢クーデター」を実行した者どもを許すな◇

玄葉光一郎、樽床伸二、大串博志(元財務省)、古川元久(元財務省)、田村謙治(元財務省)、荒井聡(元豊水省)、佐野忠克(通産官僚、首相秘書官)、小野善康(阪大教授、増税主義者)、平岡秀夫(元財務省)達が、民主党内のクーデターで政権を握るや途端に「増税、増税」と言い出した。 消費税を10%に上げる、と怒号したのである。

菅新首相と仙谷官房長官の二人の任務は、官僚達を呼びつけ叩きのめし、「国民との約束であるマニフェストの実行を迫り、しないなら局長を辞めてもらう」と官僚達の首を切るための突撃隊長として、国家戦略相と行政刷新相になったのである。 それが、財務省官僚に取り込まれて、アメリカの言う事をなんでも聞く側に堕ちたのである。 

財務省官僚達が隠し持っている206兆円の特別会計から、一年につき20兆円ずつを捻出させてその年の足りない予算分を穴埋めする係だった。 そうすれば、増税など必要ない。 5%の消費税で12・5兆円である。 増税しなくても年間予算の92兆円は、埋蔵金から十分に取り出す事ができるのだ。 ところが菅首相は、アメリカと財務官僚の奴隷となって、国民に増税で襲いかかった。 これは、許しがたい日本国民への暴虐だ。 

7月11日の参議院選挙では、自民党も消費税増税を言うし、民主党も言うと、日本国民は逃げ場がなくなった。 こういうヒドい事をアメリカは、初めから分かっていて計画するのである。 小沢一郎氏を、対日本謀略家マイケル・グリーンの戦略にまんまと乗せられて追放し、やろうとしている事が、国民への反逆行為であるかを自覚すべきなのだ。 菅直人首相よ。 あなたの先生だった市川房枝さんが、泣いている。 国民も泣いている。

●副島隆彦(ソエジマタカヒコ)
 
1953年、福岡市生まれ。 早稲田大学法学部卒業。 外資系銀行員、予備校講師、常葉学園大学教授などを歴任。 副島国家戦略研究所(SNSI)を主宰し、日本人初の「民間人国家戦略家」として、講演・執筆活動を続けている。 日米の政界・シンクタンクに独自の情報源を持ち、金融経済からアメリカ政治思想、法制度論、英語学、歴史など幅広いジャンルで、鋭い洞察と緻密な分析に基づいた論評を展開している。

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