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2010年03月22日

マックスバリュ中部、2010年1月本決算、増収減益!

   マックスバリュ中部が3/17、2010年1月期の本決算を公表した。結果は営業収益1,169.57億円(1.5%)、営業利益19.83億円(-3.8%)、経常利益20.18億円(-6.8%)、当期純利益4.14億円(-33.2%)となり、わずかに増収とはなったが、利益はいずれの段階においても減益となる厳しい決算となった。特に当期純利益は固定資産の減損損失7.67億円等の計上が響き、大きくマイナスとなった。食品スーパーマーケット業界はここへ来て、デフレの深刻化が経営に影響を与えはじめており、厳しい経営環境が続いている。

   そこで、減益となった要因を原価、経費面から見てみたい。まず、原価であるが、75.36%(昨年74.72%)と0.64ポイント上昇しており、原価の上昇が見られる。本来、マックスバリュはイオングループから原価の低いPB、トップバリュを調達し、原価改善に取り組んでおり、原価が下がるはずである。特に、今期のマックスバリュ中部のトップバリュの売上構成比は昨年の10.8%から11.9%とへと1.1ポイント上昇しており、確実に原価を下げる方向にいっているが、結果は、逆に原価が上昇しており、トップバリュの改善効果が十分に表れていない状況といえよう。

   一般に、PBは原価が5%から10%は低いと想定されるが、それで計算すると、売上構成比が10%強であるので、その相乗積は0.5%から1.0%となり、そのまま通常の仕入れ原価が変わらなければ、原価の改善につながるはずであるが、残念ながら、今期のマックスバリュ中部は、逆に原価が上昇しており、トップバリュの原価が十分に取れていないか、NBの原価が予想以上に下がっている可能性が高いといえよう。

   恐らく、後者の方が今期は大きかったのではないかと想定される。実際、今期の既存店の状況を見ると、売上高97.1%、客数100.9%、客単価96.3%という状況である。特に、客単価が厳しい状況にあり、その中身はPI値100.8%、平均単価95.5%である。したがって、売上ダウンの要因は平均単価のダウンにあり、約5%弱平均単価が下がったことが大きかったといえる。一般に、平均単価が下がると、原価上昇要因となるが、今回のマックスバリュ中部の原価が0.64ポイントと上昇しているので、平均単価のダウン以上の上昇率であり、しかも、トップバリュの売上構成比11.9%の中での原価上昇であり、NBが想定以上に大きく原価が上昇したのではないと思われる。

   結果、売上総利益、いわゆる粗利は24.64%(昨年25.28%)と下がった。一方、経費の方であるが、25.45%(昨年25.96%)と、経費の方は-0.51ポイント改善しており、平均単価が下がり、固定費が上昇したものと思われるが、結果は経費が削減され、かなり、思い切った経費削減に取り組んだのではないかと推測される。そして、ここから差し引き、マーチャンダイジング力を計算すると、-0.81%(-0.68%)となり、原価の上昇が重く、マイナスが拡大した。これに、不動産収入等のその他営業収入が2.55%(昨年2.52%)のり、結果、営業利益は1.74%(昨年1.84%)となり、減益決算となった。

   こう見ると、原価の上昇が今期のマックスバリュ中部の減益要因といえ、さらに、掘り下げると、平均単価のダウン、特に、NBの原価上昇が減益となったことが最大の要因といえよう。したがって、今後、いかに、NBの原価改善を進めるか、さらにPB比率を引き上げるか、それとも、既存店の売上げをさらに引き上げ、経費、特に、固定費を引き下げるかの方向を明確に打ち出す必要があろう。

   これに対し、財務面であるが、自己資本比率は33.6%(昨年31.8%)と若干改善したが、まだまだ70%弱を負債に依存する財務構造であり、今後の継続的な安定成長を果たしてゆくには一層の財務改善が必要といえよう。マックスバリュ中部は経営目標にROAとROE、双方の上昇を掲げている。一般に、ROA=自己資本比率×ROEであり、ROEを増やし、ROAを引き上げると、極論すれば自己資本比率を下げ、ROEを引き上げる、いわゆるレバレッジ経営、負債で出店をしてゆくような方向になりやすい。本来、食品スーパーマーケットは負債で出店してゆくよりも、自己資本での出店が可能な財務状況、すなわち、自己資本比率を引き上げる方が安定した成長を目指すことができる。特に、デフレ傾向の時は、負債は重く経営にのしかかるといえる。今後、安定成長を継続してゆくためにも、出店余力をもたせる自己資本の一層の改善が課題といえよう。

   ただ、そのためには、マーチャンダイジング力をプラスにもってゆき、キャッシュフローを充実させる必要がある。今期のマックスバリュ中部のフリーキャッシュフローは-4.75億円(昨年10.23億円)と、減損損失もあり、マイナスとなった。また、マーチャンダイジング力もマイナス幅が広がっており、キャッシュ不足となっており、今後へ向けての営業活動からの投資が十分にできない状況にある。したがって、自己資本比率33.6%をいかに改善するかが、財務的には喫緊の課題といえよう。

   このように2010年1月期のマックスバリュ中部の決算は増収減益という厳しい結果となった。原価改善の決め手となるはずのPB、トップバリュの売上構成比が上がったにも関わらず、原価の上昇、特にNBが大きく響いたといえよう。ただ、それだけ、デフレ環境が厳しく、原価を下げての価格競争に応じざるを得ない経営環境にあるといえ、今後、このデフレからどのように脱却してゆくのかが最大の経営課題といえよう。今期、2011年度、マックスバリュ中部がどのようなマーチャンダイジング戦略を打ち出すか注目である。


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2010年03月21日

日経MJ、新製品週間ランキング3/19、平均単価に注目!

   恒例の日経MJ、新製品週間ランキングが3/19公表された。今週の注目はホワイトデー関連のチョコレートの動向である。先週と一転、チョコレートが菓子ベスト20の中に14品と70%を占めた。異常な動きである。しかも、いずれも、平均単価が500円、1,000円と高めのチョコレートである。また、今週、全新製品の中で金額PI値No.1は家庭用品のカネボウ化粧品、ブランシールスペリアホワイトニングWコンクルージョン(医薬部外品)45ml、何と2,117円である。しかも、その平均単価は9,666円と約10,000円である。奇しくも、今週は平均単価の高い商品が新製品のトップクラスを占めたといえる。そこで、今回は、この平均単価に注目して、改めて、新製品週間ランキングを見てみたい。

   一般に、金額PI値と平均単価の関係は、金額PI値=PI値×平均単価で決まる。ここからわかることは、金額PI値はPI値が高い商品か平均単価が高い商品か、双方が高い商品かの3つのケースが考えられるということである。食品スーパーマーケットでは、この金額PI値を引き上げるために、PI値を最優先に取り組み、PI値の高い商品を徹底的に強化してゆく傾向が強い。その結果、自然、平均単価の低い商品が優先的にピックアップされ、重点商品の大半を占めることになる。PI値と平均単価はこの数式が示すように、y=1/xの双曲線の関係にあり、PI値が高い商品は平均単価が低く、平均単価の高い商品はPI値が低くなる傾向がある。双方が高い商品は滅多に存在せず、あれば、黄金の商品といえるが、現実には見つけるのが容易ではない。

   したがって、金額PI値を引き上げるためにPI値を優先した場合は、平均単価の低い商品、平均単価を優先した場合はPI値の低い商品となる場合がほとんどであり、どうしても、食品スーパーマーケットとしては、PI値優先、結果、平均単価の低い商品を強化しがちとなる。ただ、金額PI値を引き上げるという観点からは、そのバランスが最大のポイントであり、平均単価が高く、結果、PI値は低くとも金額PI値の高い商品に着目することも重要なマーチャンダイジング政策といえる。特に、今回のように、デフレによる価格競争が激しくなった現状の経営環境の中では、平均単価に焦点を当てたマーチャンダイジング政策が実は起死回生の重要な経営戦略となる場合もある。

   そこで、改めて、今週の日経MJ、新製品週間ランキングに注目してみると、先にあげた菓子のチョコレート、そして、家庭用品の化粧品の動向がまさに、平均単価が高く、PI値が低く、金額PI値が超トップクラスの商品がランクインしているのがわかる。また、飲料でも平均単価の高い商品がベスト10の中に5品ランクインしており、今週は特に、平単価に注目すべき週となったといえよう。

   さて、まずは、チョコレートであるが、No.1は平均単価999円、メリーチョコレートカムパニー、小春桜13個、金額PI値452円(PI値0.045%)である。また、小春桜7個もNo.3に入っており、平均単価は599円、金額PI値367円(PI値0.061%)である。No.4にもメリーチョコレートカムパニーのジュンティール8枚、平均単価800円、金額PI値350円(PI値0.043%)が入り、菓子ベスト5の中に、この3品、いずれも平均単価の高いチョコレートがランクインした。PI値はいずれも、0.00台であり、見えないくらいのPI値である。No.1のPI値0.045%は2,000人/日クラスの平均的な食品スーパーマーケットで1日0.9個であるので、1日1個以下しか売れない商品である。にもかかわらず、菓子の新製品トップとなるのは、平均単価の高さからである。ちなみに、菓子のトップクラスのPI値は0.5%前後であり、このNo.1商品の約10倍は売れるので、PI値から見ると、通常では重点商品には入ってこない。ただ、その平均単価は1/10となるので、結果、掛けた金額PI値はほぼ同じ数字となる。

   家庭用品トップのブランシールも平均単価9,666円、金額PI値2,117円であるので、PI値は0.021%となり、かなり低い数字である。先のチョコレートNo.1の小春桜13個のPI値0.045%のちょうど半分とさらに低い数字となる。したがって、平均的な食品スーパーマーケットで2日に1個売れるかどうかという商品であるが、それでも、金額PI値は極めて高い数字であり、これが、平均単価のもつ金額PI値へのインパクトであるといえる。ちなみに、家庭用品のベスト10の平均単価だけ見ると、9,666円、9,569円、5,993円、20,315円、7,279円、7,137円、9,464円、14,508円、278円、3,844円と、1品だけ278円があるが、それ以外は、いずれも平均単価が極めて高い商品である。

   このように、今週の日経MJ新製品週間ランキングは金額PI値で見ると、平均単価の高い商品のオンパレードとなり、改めて、平均単価を見直す良い機会ではないかと思う。金額PI値を引き上げるには、食品スーパーマーケットでは、どちらかというとPI値を最優先で取り組んできたが、今後、特に価格競争の激しい今回のようなデフレ環境ではあえて、平均単価に挑戦することも重要なマーチャンダイジング政策であるといえよう。来週以降も、新製品の平均単価の動向がどのような動きとなるか注目である。

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2010年03月20日

ポイント100倍還元、ジーンズメイト!

   日経MJ、3/19にジーンズメイトのポイント100倍還元の記事が掲載された。見出しは、「ジーンズメイト、ポイント還元率100倍、来年4月まで、ジーンズ5000円以上」である。記事の内容を見ると、ジーンズメイトでは、これまで200円で1ポイントだったポイント還元率を5000円以上のジーンズ全品を対象に100倍の200円で100ポイント還元するというものである。実際、ジーンズメイトのホームページを見ると、全面に100倍ポイントが大きく訴求されており、「今、ジーンズを買うと、100倍ポイントセール、3/12-4/4」とキャッチコピーが掲げられている。

   いよいよ、ポイントも5倍、10倍の時代から、とうとう、100倍の時代に入ったといえ、これまでの静かな販促から、ちらしにかわる強力な販促手法に格上げされる段階に来たといえよう。ちなみに、ジーンズメイトは昨年100円で5ポイント還元であったポイント還元を200円で1ポイントに引き下げており、それを今回5000円のジーンズに限りであるが、200円で100ポイントに100倍還元したといことである。したがって、下げる前までの計算では、100円に5ポイントであったので200円では10ポイント、それが、100ポイントであるので、10倍還元となる。下げて上げての100倍が本当に100倍なのか、やや疑問が残るが、下げた時点からの100倍である。

   また、これを値引きに換算すると、200円で100ポイント、1ポイント1円ということで、200円で100円の値引き、すなわち、50%OFFとなる。消費者から見ると、5000円以上のジーンズは50%OFFと移る販促手法といえ、ジーンズメイトが5割引きをはじめたと捉えるのではないかと思う。通常、衣料品業界は、この春は衣替えの時期に加え、決算が加わり、強力なバーゲン(値引き)を行うことが多いが、ジーズンメイトはそれに合わせ、実質50%OFFのバーゲンをポイント100倍還元という形で打ち出したといえ、その意味で新たなポイントの販促の可能性を業界に投げかけたといえよう。

   ここで、値引きと還元の違いであるが、消費者から見るとどちらも50%OFFに移るかもしれないが、販促手法としては、中身が全く違う。値引きは文字通り商品の価格を下げることであるが、還元は商品の値引きを一切せず、一定の購入条件をもとに、直接消費者に売上げを還元、戻すことであり、商品の価格は変えず、値引きはしないというものである。問題はその購入条件が特定商品か特定顧客か等、条件設定にあり、今回のように、特定商品のみとなると、極めて値引きに近づくことになる。

   本来還元は商品販促から顧客販促への転換であり、商品の売上げを上げるではなく、顧客の売上げを上げる手段であり、具体的には来店頻度に変化を与えることが優先度が高く、しかも、還元できる原資を充分にもった消費者、すなわち、ロイヤルカスタマーに密かに還元するのが目的である。今回のように、顧客よりも、商品に焦点を当て、しかも、顧客の還元できる原資にほぼ無関係に還元するのは、一歩、間違えると、採算が合わない持ち出しの還元となる可能性もあり、よく計算しないと難しい問題をはらんでいるといえよう。

   その意味で、誰でも、大量に還元する政策は一時的には絶大な支持を得、特に、これまでジーンズメイトであまりジーンズを購入していなかった顧客にとっては良いかもしれないが、黙って、ジーンズメイトで10年、20年とジーンズを買い続けていた本当のロイヤルカスタマーにとっては、何で一律還元なのか、私だけ、もっと還元して欲しいという不満が残る政策でもあろう。還元はその意味で値引きとは根本的に質の違う販促策であり、常に、ロイヤルカスタマー最優先で還元を考える必要があり、値引きと同じ線上で捉えてしまうと、危険な販促でもある。

   ちなみに、ジーンズメイトのここ最近の売上げの推移であるが、既存店の昨年10月度79.5%(客数94.3%、客単価84.3%)、11月度81.0%(客数93.8%、客単価86.4%)、12月度83.0%(客数99.1%、客単価83.7%)、2010年1月度82.2%(客数99.1%、客単価82.9%)、2月度90.5%(客数107.8%、客単価84.0%)という状況である。客数はもどったが、客単価が大きく落ち込んでおり、客単価=PI値×平均単価であるので、平均単価の落ち込みが大きいと想定される。

   こう見ると、今回のジーンズメイトの100倍ポイントは、客数アップに加え、値引きではなく、還元であり、しかも主力商品の5000円以上のジーンズ購入が条件であるので、客単価、特に平均単価アップ政策を大きく後押しすることになろう。ジーンズが1000円前後で販売される時代となった厳しい経営環境の中で、この100倍ポイントがどこまで消費者に受け入れられ、ジーンズメイト全体の客数はもちろん、客単価の改善がはかられるか、次の3月期の売上げ速報に注目といえよう。また、そろそろ、ジーンズメイトの2010年2月期の本決算も公表されると思われるが、今期は、極めて厳しい決算が予想される。残念ながら、この100倍ポイントの成果が問われるのは次の決算期に入ってからであるが、まずは、次の第1四半期決算の結果がどこまで業績改善に結びついているかも気になるところである。

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2010年03月19日

マックスバリュ北海道、2010年1月度、厳しい決算!

   マックスバリュ北海道が2010年1月期の決算を3/17公表した。結果は営業収益765.93億円(-1.1%)、営業利益4.11億円(244.7%:営業収益比0.53%)、経常利益4.35億円(204.6%:営業収益比0.56%)、当期純利益-3.75億円(減損損失-8.08億円)となり、昨年と比べると営業、経常段階では減収増益であるが、当期純利益は赤字となる厳しい決算となった。ただ、営業、経常段階の増益も営業収益比では、0.53%、0.56%と依然として厳しい数字であるといえよう。

   そこで、まず、今回の決算の利益構造を原価、経費面から見てみると、原価は76.46%(昨年75.81%)と、0.65ポイント上昇しており、価格競争の厳しさが原価を押し上げたといえよう。マックスバリュ北海道自身も、「当社の属するスーパーマーケット業界におきましては、今まで以上にお客さまの節約志向が強まり、1点単価の下落による客単価の定価傾向が見受けられ、また、業種業態を超えた競争激化の影響を受ける等、厳しい経営環境が続いております。・・」とコメントしており、1点単価の下落が原価に響いたものと思われる。結果、売上総利益(粗利)は23.54%(昨年24.19%)となった。

   一方、経費の方であるが、24.92%(昨年25.78%)と0.86ポイント削減しており、経費の削減は進んだ。特に、営業収益が減少しての経費の削減であり、経費の絶対額を引き下げている。マックスバリュ北海道も、「「ローコスト体質の構築」においては、全員参画でコストの削減に取り組み、具体的には、従業員よりコスト削減の提案を収集する「もったいない輪」キャンペーンを実施し、・・」とのことで、まさに全社を挙げてのコスト削減に取り組んだ結果といえよう。実際、主な経費項目を見てみると、広告宣伝費5.98億円(売上対比0.79%、昨年10.35億円)、人件費85.24億円(売上対比11.34%、昨年86.52億円)、水道光熱費17.96億円(売上対比2.39%、昨年18.95億円)等であり、総額も187.27億円(昨年196.04億円)と8.77億円下がっている。

   このように、マックスバリュ北海道の今期は、原価の上昇を経費の削減で相殺しようという強い意志が働いており、差し引き、マーチャンダイジング力は-1.38%(昨年-1.59%)と、依然としてマイナスではあるが、0.21ポイント改善している。そして、これにその他営業収入が1.93%(昨年1.82%)のり、結果、営業利益が0.55%(昨年0.23%)と倍増した。ちなみに、その他営業収益の中身であるが、不動産賃貸収入が1.62%と大半を占め、これ以外が0.31%である。

   以上がマックスバリュ北海道の2010年1月期の本決算の営業構造であるが、営業利益率は0.55%とまだ低いが、全社を挙げての経費削減が厳しい価格競争による原価の上昇を相殺しており、収益を改善している。今後、この経費の絶対額の削減をさらに経営改革につなげるためにも、販売力を引き上げ、相対的に経費、特に固定費を引き下げることが課題となろう。

   さて、次に、マックスバリュの財務構造を見てみたい。まず、気になるのは自己資本比率である。今期は23.2%(昨年23.6%)と、財務面では依然として厳しい状況が続いており、負債に80%弱依存する財務構造である。その負債の主な項目であるが、有利子負債が83.90億円(昨年72.70億円)と、約10億円増加しており、総資産270.40億円に占める割合は31.0%であり、最大の負債である。実際、財務キャッシュフローを見ると、短期借入金は2.73億円減少しているが、長期借入金が35.00億円、返済21.07億円と差し引き、13.93億円増加しており、合計約10億円強増加している。

   ただ、この有利子負債を自己資本比率に足しても、54.2%であり、まだ、大きな負債があるといえる。そこで、その主な項目を見てみると、買掛金78.05億円(28.86%)、長期預り保証金10.87億円(4.01%)であり、これで、合計87.07%となり、負債の約90%弱となる。ちなみに、現金は21.07億円であり、有利子負債、買掛金の約1/4であり、今後、自己資本比率、特に、キャッシュをいかに増やすかが経営の最重点課題といえよう。

   ではこの負債と相殺する資産は何かであるが、出店関連の資産、すなわち、土地、建物、敷金、建設協力金が最も大きく、159.85億円であり、総資産の59.11%、約60%となる。したがって、自己資本でどこまで出店にかかわる資産を補っているか、すなわち、出店余力は、-35.91%であり、負債、特に、有利子負債に大きく依存する出店構造であるといえ、今後の成長を担う、原資が極めて厳しい状況にある。

   このように、今期のマックスバリュ北海道は経費の削減効果が寄与し、原価の上昇を相殺し、営業構造を昨年よりも改善したが、まだ、キャッシュを充分に生み出すまでには至っていず、マーチャンダイジング力も依然としてマイナスである。したがって、不動産収入等のその他営業収入に頼らざるをえない状況といえ、財務構造を改善するには、もう一段の営業構造の改革、特に、販売力をいかに引き上げるかが最優先課題といえよう。また、財務状況は自己資本比率23.2%と厳しい状況であり、今後、新店を継続的に出店してゆくには資本不足といえ、まずは、キャッシュを生み出す力、特に、既存店の活性化をいかにはかるかが課題といえよう。今回の決算を踏まえ、マックスバリュ北海道が今期の経費削減に加え、どのようにマーチャンダイジング政策を打ち出し、キャッシュを生み出してゆくのかに注目したい。

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