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2012年02月29日

マトリックスの本質を考えて見る!

   これまで、POS分析、ID-POS分析で、様々な分析を行ってきた。いずれも、売上げを上げるための分析であり、そのために様々な工夫を凝らしてきた。その様々な分析手法の中に、マトリックス分析がある。一般に、マトリックスというと2次元の分析であり、縦と横、2つの軸で主に商品の位置を明確にすることが、その目的である。このマトリックス分析には様々な分析事例があるが、いずれも、基本方程式に則って自然に2つの軸が生じたものであり、これが、さらに、方程式によっては、もうひとつ軸が加わり3次元となることもある。いずれも、売上げを分解したものであり、売上げを上げるために、必要な要素を方程式にそって導いたものである。

   したがって、2次元のマトリックス、そして、それが3次元に発展しても、その本来の意義、なぜ、1次元よりも2次元か、さらに3次元かが理解できていたようで、意外に、理解できていなっかたように思える。方程式で見れば、売上高=客数×客単価(金額PI値)であるので、この時点では、売上高は1次元であったものが、客数と客単価(金額PI値)に分解され、2次元のマトリックスとなる。そして、縦軸と横軸の直角に交わった面積が売上高であり、売上高を引き上げるには縦軸の客数を引き上げるのか、横軸の客単価(金額PI値)を引き上げるか、2つの方向があり、どちらか、ないしは双方を引きあげることがポイントであるととらえてきた。

   これがさらに、客単価(金額PI値)が分解され、客単価(金額PI値)=PI値×平均単価に分解されると、売上高=客数×客単価(金額PI値=客数×PI値×平均単価となるため、2次元のマトリックスにもう1次元加わり、3次元となり、売上高が立方体で表されることになる。これが売上高の3次元分解であり、結果、売上げを上げるには、客数、PI値、平均単価のどれか、ないしは、その2つ、ないしは、3つすべてとなり、その組み合わせによって売上げは上がるということになる。

   これは、ID-POS分析になっても同様であり、ID-POS分析になると、売上高=ID客数×ID金額PI値=ID客数×ID客数PI値×金額PI値=ID客数×ID客数PI値×PI値×平均単価となり、さらに次元が増え、4次元となる。こうなると、図解ができなくなり、直観的な理解が不能、次元を減らし、3次元、さらに減らし2次元で見て理解ができるということになり、完全に論理の世界での売上げとなる。

   こう考えると、売上げとは様々な要素に分解することによって、その本質に迫り、結果、売上げアップを目指してゆくための優先順位、着眼点を見つけだし、実際のアクションにスムースにつなげてゆくことを目指しているといえる。ところが、その本来の意味、あるいは意義、すなわち、なぜ、1次元を2次元、そして、2次元を3次元に分解するのか、そうすることによって、何が得られるかについては、方程式がなりたつからそうなったとしかいいようがなく、そうすることによって、より、売上げの本質に迫ることができそうだという以外になかったといえる。

   これが2次元のマトリックスであり、さらに3次元、4次元への拡張であると、方程式から当たり前のように、自然に、あまり疑問を感じることなくとらえてきた。ところが、実は、2次元のマトリックス、3次元、4次元は実は、方程式が成り立つ、成り立たないにかかわらず、絶対的に必要な必然的な場面に、思いもかけないところで出くわすことになった。大学の同窓会、129期の記念行事の準備会でのことである。

   目的は1年後に迫ったこの記念行事に、実行委員会として、いかに人数を集め、旧友を温める機会を作りあげるか、とりあえずは、まずは人数をどう集めるかが議論になった。この時、まず当時、25年前の24クラス、それぞれから、代表、副代表を選び、クラスごとの結束をたかめてゆく方法が議論された。ところが、実際に代表、副代表を選んでみたが、さすがに25年前のこと、クラスの旧友を覚えているものはほとんどなく、また、大学であるのでクラスの仲間がそれほど親しい関係にあったわけではなく、なかなか、クラスごとにまとめてゆくことが難しいということになった。

   そこで、ここに、このクラスを前提としつつも、もうひとつの軸を入れたらどうかという案が検討された。ゼミという軸である。大学で最も深い絆はクラスではなく、ゼミであるといえ、この軸を加えることよって、クラスではまとめにくかったことがゼミを軸とし、2次元のマトリックスをつくることによって、より人数が集まり、結束する方向が見えてきた。さらに、これにサークルという軸を加えると、より結束する可能性が高まり、これ以外にも高校、予備校、帰国子女、女子会など様々な軸が考えられ、これらの軸を加え、その軸ごとに結束を高めてゆけば、クラスだけの1次元よりは、はるかに集客がしやすくなり、また、25年前の同窓生全体を結束できるのではないかということになった。

   これはひとつの軸を基準に、別の軸を、さらに、別の軸と次々にマトリックスをつくることにより、何重にも同窓生全体の結束がはかられ、その結果、本来の目的である25年前の24クラス個々人の参加率が増してゆき、最終目標129期の記念行事が盛大なものとなってゆくのではないかとイメージできた。

   このように、マトリックス、さらには、3次元、4次元と元の軸に新たな視点を導入することは、1次元では十分に目的を達成しえない可能性の高いことでも、別の角度、さらには、そのまた別の角度とあらゆる方向から考えてみることにより、より、目的達成につながる可能性が高まるということが理解できた。当たり前のことのようであるが、意外に新鮮な気づきであった。その結果、1年後、129期が何人集まるか楽しみである。

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2012年02月28日

サービスって何だ、メーカーって何だ?

   ここ最近、ID-POS分析漬けの日々が続いている。おそらく、今年は丸1年間、ID-POS分析と真正面から向き合い、格闘することになろう。ID-POS分析のポイントは、これまでの分析が商品の動きしかみえなかった世界から、その商品を購入する顧客が見える世界が出現することであり、商品=顧客、すなわち、Brand=People (Customer)が鮮明に把握できることである。その結果、商品が売れる、売れないから、誰がどのように購入し、しかも、その商品以外どのような商品を購入しているかまでわかり、商品と商品との関係も、顧客の購入履歴により把握することができるようになる。したがって、戦略もマーチャンダイジング戦略よりも、マーケティング戦略といった方がふさわしく、まさに、顧客1人1人に向けたマーケティング戦略、対象商品だけでなく、その商品と関係の深い商品にも目を向けたマーチャンダイジング戦略を構築することができる。

   ID-POS分析は、このように、これまでのPOS分析を一変させるものであり、これまでのあらゆるマーチャンダイジング政策が、今後、ID-POS分析によってすべて洗い直されてゆくことになろう。

   ひとつだけ、その例をあげれば、現場の誰もがかかわっているマーチャンダイジング政策のひとつ、POPで考えてみればわかりやすい。これまでのPOPは商品を訴求するためのPOPであった。ただ、誰に何を訴求するかが不明確であり、価格を基本に、商品の説明を不特定多数に発信してきたに過ぎない。ところが商品をID-POS分析すると、どんな商品にもStrong ties(強い絆)、Weak ties(弱い絆)、Temporary ties(一時的な絆)があることが判明している。したがって、POPは本来、「誰に」を明確にすべきであり、その「誰に」対してのコミュニケーションツールがPOPそのものであるといえる。そして、コミュケーションは本来一方通行ではない、双方向である。ここ最近のSNS、Facebookの最大の発明、「いいね!」はまさに双方向の最もシンプルなコミュニケーションであるといえ、このようなことが本来、POPには組み込まれるべきであり、それを実現するのがID-POS分析から生まれるPOPであるといえる。これについては、いずれ、稿を改めてじっくり解説したい。

   このように、ID-POS分析では商品だけでなく、その商品を購入する顧客1人1人の購入履歴が一生涯に渡って把握できることが、最大のポイントであり、しかも、その顧客がその商品以外に購入している全商品を把握することもできる。そこで、今回のテーマ、サービスであるが、サービスも商品であり、サービスにも当然、顧客がおり、その1人1人の顧客を把握し、その顧客が、そのサービス以外にどのようなサービスを購入しているかを把握することができる。この点では何ら通常の商品とかわならい。したがって、サービスも当然、ID-POS分析が可能である。

   ところが、このサービスをID-POS分析する上では1つだけ大きな違いがある。それは商品が見えない点である。通常、商品は誰でも見ることができる。触ることもできる。試すこともできる。当然、購入することもできる。ところが、サービスは通常の商品のように誰もが見ることはできず、触ることもできず、試すこともできず、当然、購入することも、価格が明示しにくく、実際にはしづらいのが特徴である。

   なぜか。それは商品=顧客とならず、商品=人=顧客となり、商品を人を介して間接的に購入するからである。この人を介するという点が決定的に違い、同じ商品でも人が介することによって、様々に変化する。なぜなら、人は学習するので、サービスレベルが時間とともに、その人の研究熱心さに応じて変化するからである。したがって、同じサービスでも人によって、全く違うサービスとなり、やり方、時間、訴求ポイント、皆違い、ひとつとして同じサービスは存在しないといっても良い。

   さらに、この人が単なる人ではなく、名人になると、商品をどんな顧客にもたちどころにアレンジしてしまい、商品と顧客をまるで千手観音のようなイメージで結び付け、たちまち、顧客を商品のとりこにしてしまう。商品そのものが千変万化し、商品が人によって磨きあげられるだけでなく、顧客に応じて変化することになる。これがサービスを捉えにくくしている要因であり、商品が分析しにくい理由であるといえよう。

   ただ、よく考えると、商品には、その背後に様々な研究開発があり、ある商品が登場すると、その商品の購入顧客を分析し、その商品を基点にした商品開発が次々になされ市場に投入されてゆく。これはまさにメーカーのそのものであるといえ、その意味でメーカーは、この商品=人=顧客の人の位置に存在しており、実際は人=商品=顧客という関係にありながら、実はメーカーは人、サービスそのものであるともいえる。

   その意味で、ID-POS分析は、単に商品を顧客によって分析するだけではなく、本来、商品がもっているサービス機能、サービスをも分析し、商品そのものを顧客にアレンジし、あるいは、顧客の潜在ニーズを引出し、商品そのものを磨きあげるためのサポートをしてゆくことが重要なのではないかと思う。サービスはなかなかとらえどころがない概念であるが、このように考えると、サービスもとらえやすくなり、実は、メーカーそのものの本来もつ機能そのものであるといえる。メーカーの使命が商品開発にあるというのは、サービスの観点からいっても本質を射ているといえる。

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2012年02月27日

食品スーパー、売上速報、2012年1月、103.3%!

   食品スーパーマーケット、上場企業約20社、約2,000店舗の2012年1月度の売上速報を独自に集計した。結果は全体が103.3%、既存店が99.8%となり、堅調な結果となった。やや気になるのは、既存店よりも、新店に支えられた売上増であるといえ、既存店の活性化が課題となる結果である。特に、既存店においては、客数、客単価まで公表している食品スーパーマーケットが14社あるが、その平均を見ると、客数98.1%、客単価100.9%であるので、客単価の改善は図れているが、客数が伸び悩んだことが要因といえる。また、数社ではあるがPI値、平均単価まで公表している食品スーパーマーケットがあるが、同様に既存店の平均はPI値102.8%、平均単価98.4%であるので、価格競争が激化している様相が伺われ、それをPI値でカバーし、客単価アップをはかっているといえる。

   この集計は上場食品スーパーマーケット約20社、約2,000店舗の売上速報であり、1社当たり約100店舗と食品スーパーマーケットとしては大規模であるといえる。そこで、2/21に公表された日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会、3団体の売上速報を見てみると100.8%、既存店98.1%であり、上場食品スーパーマーケット約20社と比べるとやや低めの数字である。この集計数値は280社、7,582店舗であるので、1社当たり27店舗であるので、小規模店舗が厳しかったものと推測される。実際、規模別に見てみると、1~3店舗が92.6%(既存店99.3%)、51店舗以上101.6%(既存店97.9%)である。

   したがって、食品スーパーマーケット業界全体の傾向として、売上規模が大きい食品スーパーマーケットが健闘しているが、規模の小さい食品スーパーマーケットは苦戦という傾向といえよう。ちなみに、部門別に見てみると、惣菜104.0%(構成比9.0%、既存店100.1%)が最も高い伸びを示しており、ついで、青果102.7%(構成比13.3%、既存店100.2%)である。逆に厳しい部門は畜産99.6%(構成比10.7%、既存店96.7%)、水産99.9%(構成比9.7%、既存店97.3%)である。

   さて、上場食品スーパーマーケット約20社の集計にもどるが、No.1はスーパーバリュー115.7%(既存店109.7%)であり、新店に加え、既存店も好調に推移しており、高い伸び率である。No.2はアークランドサカモト113.0%(既存店99.4%)であり、奇しくも、1、2フィニッシュがスーパーセンターとなり、3/11の東日本大震災以降のHC業界の好調さを維持しているといえよう。ただ、アークランドサカモトはスーパーバリューと比べ、既存店が伸び悩んでおり、気になるところである。

   そして、No.3はヤマザワ110.3%(既存店107.6%)であり、依然として好調さを維持し、高い伸びが続いている。今回の集計の中ではここまでは110%以上の伸びであり、純粋な食品スーパーマーケットとしては、唯一110%以上、しかも既存店の高い伸びに支えられての伸びであり、東日本大震災以降の特需もあると思われるが、既存店の活性化が進んでいるといえよう。実際、ヤマザワの売上高の中身を見てみると、客数108.5%(既存店105.6%)、客単価101.2%(既存店101.4%)であり、客数、客単価ともに堅調な数字である。

    ついで、105.0%以上の食品スーパーマーケットであるが、バロー109.1%(既存店99.9%)、ダイイチ107.3%(既存店101.8%)、ハローズ107.3%(既存店99.4%)、マックスバリュ中部105.7%(既存店101.9%)、マックスバリュ東海105.0%(既存店99.7%)、イズミ105.0%(既存店100.0:推定)という状況である。特に、バロー、ダイイチ、ハローズは積極的な新店開発が売上げを支えており、攻めを重視していることが伺える。

   これに対して、この1月度売上げが伸び悩んだ食品スーパーマーケットであるが、 いなげや99.9%(既存店96.8%)、トーホー99.4%(既存店95.1%)、オオゼキ99.3%(既存店99.3%)、PLANT98.2%、マルエツ95.3%(既存店97.2%)、Olympic:フード84.5%(既存店84.5%)という結果である。オオゼキ、マルエツ、Olympicなど、首都圏の食品スーパーマーケットが多く、気になるところである。

   そして、これ以外の食品スーパーマーケットであるが、ヤオコー104.7%(既存店99.5%)、マックスバリュ北海道104.4%(既存店104.4%)、カスミ102.8%、マックスバリュ西日本102.1%(既存店97.3%)、エコス101.3%(既存店100.6%)、アークス101.2%(既存店100.6%)、マックスバリュ東北100.4%(既存店100.6%)という結果である。

   このように、2012年1月度、今年はじめての食品スーパーマーケットの売上速報であるが、全体としては103.3%と堅調な結果となったが、既存店が99.8%とやや伸び悩んでおり、今後、既存店の活性化が課題となろう。食品スーパーマーケット業界の3団体の数字を見ると惣菜と青果が好調に推移していることから、この2部門をいかに伸ばしてゆくかが鍵を握っていると思われる。今年は、食品スーパーマーケット業界は空前の新規出店ラッシュが控えており、2月、3月の本決算後、各食品スーパーマーケットがどのような成長戦略を打ち出すかが、その動向に注目である。

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2012年02月26日

月刊『アイ・エム・プレス』3月号の特集は、「目指せ! “感動”コールセンター」

昨日、2月25日は月刊『アイ・エム・プレス』3月号の発行日でした。 同号の特集は、「目指せ!“感動”コールセンター」。 [画像] (株)アイ・エム・プレスが1998年から実施している 「テレマーケティングおよびコールセンターに関する調査」によると、 本調査開始時点では、コールセンターにおけるB to C業務は 「注文・御用聞き」が1位であったものが、 2年後の2000年調査からは、それまで2位に甘んじていた カスタマー・サービス系の業務が1位となり、 いわばマーケティング(セールス/プロモーション)から サービスへとその業...

2012年02月26日

ウォルマート、2012年1月、第4四半期、EPS1.51ドル!

   ウォルマートが2/21、2012年1月度の第4四半期決算を公表した。ウォルマートの決算は日本の小売業の決算と違い、まずは、冒頭にEPSがくる。今回の決算でも、「・・earnings per share from continuing operations (EPS) of $1.51,・・」であり、EPSがこの四半期のみで1.51ドルになったことをはじめに報告している。さらに、これは四半期であるが、通年については、第4四半期決算の様々なコメントの後であり、ここでも、「Full year EPS was $4.54, compared with last year’s EPS of $4.18. EPS included approximately $0.05 in net benefits this year and $0.11 last year.」と、EPSの報告が先である。いかに、決算とは株主に対してのものであるかが、よくわかる決算発表であり、日本とは決算の意義、位置づけが違うといえ、改めて、株式会社の決算とは何かを考えさせる。

   さて、ここからは日本式、ウォルマートの通年の決算結果であるが、まずは、売上高であるが、ウォルマート全体では4,438.54億ドル(5.9%増)であり、堅調な伸び率である。その中身であるが、ウォルマートは3つの部門に分けて、売上高を管理しているが、米国のスーパーセンター、ディスカウントストア、食品スーパーマーケット等のウォルマート部門は1.5%増(構成比59.52%)と伸び悩んだ。伸びたのは海外部門であり、15.2%増(構成比28.35%)と2桁の伸びである。いかに、ウォルマートが海外に支えられているかがわかる。もちろん、この中には、日本の西友も含まれている。そして、もうひとつ、サムズクラブ部門であるが、8.8%増(構成比12.11%)であり、会員制ホールセールクラブも好調な結果であった。

   では、利益はどのような結果であったかを原価、経費面から見てみたい。まずは、原価であるが、75.50%(昨年75.17%)と、0.33ポイント上昇しており、結果、売上総利益は24.50%(昨年24.83%)と下がった。日本同様、アメリカでも価格競争は激化しているものと思われる。これに対し、経費の方であるが、19.21%(昨年19.42%)と0.21ポイント減少した。原価の上昇を経費の削減で補おうという意識が感じられる。それにしても、これだけ巨大な小売業であるにもかかわらず、経費比率を20%以下に抑え、しかも、昨年よりも下げており、驚異的なコストコントロールといえる。これがウォルマートのEDLP(Everyday Low Price)を支えるEDLC(Everyday Low Cost)であるといえよう。

   結果、商品売買から得られる利益、マーチャンダイジング力は5.29%(昨年5.41%)と、若干下がった。そして、これに会員収入として、その他営業収入が0.69%(昨年0.69%)加わり、営業利益は5.98%(昨年6.10%)と率では若干下がった。ただ、高では、5.9%増という堅調な売上高の伸びに支えられ、4.0%増となり、増収増益の好決算となった。

   やや気になるのは原価の上昇が経費の削減を上回っていることであり、ウォルマートにとっては、今後、さらにEDLPを世界中で推し進めてゆくためにも、経費の削減を一層、推し進める必要があろう。EDLPは商圏内で最も低い価格を維持し続けるため、売価が徐々に徐々に下がって行く。したがって、原価上昇の圧力がかかり、それ以上に経費を下がるか、物流改善等を踏まえ、原価交渉を通じてメーカー、卸との原価交渉が課題となる。ウォルマートがPOS開示をしているのも、ここがその目的であるといえるが、今期の決算では原価の上昇が見られることから、原価交渉は限界に近いのではないかと思われる。したがって、今後は、一層経費削減が課題となろう。

   では、この決算結果を受けて、ウォルマートが今後どのような経営戦略を描いているのかをキャッシュフローをもとに占ってみたい。まずは、営業活動によるキャッシュフローであるが、242.55億ドル(昨年236.43億ドル)、約2兆円であり、すごいキャッシュである。そして、このキャッシュの投資への配分であるが、投資活動によるキャッシュフローは-166.09億ドル(昨年-121.93億ドル)であるので、約70%弱を配分しており、しかも、昨年よりも36.21%増やしており、積極的な投資を図っているといえる。

   一方、財務活動によるキャッシュフローであるが、-84.58億ドル(昨年-120.28億ドル)であり、営業活動によるキャッシュフローの約35%弱であり、しかも、昨年よりも減少しており、財務改善への配分を削減、特に、自社株買への配分が大きく減少しているのがその要因である。したがって、このキャッシュの配分を見る限り、ウォルマートは攻めを重視した積極的な経営戦略を打ち出しているといえ、今期は守りよりも攻め重視に動くのではないかと推測される。

   このように、ウォルマートの2012年1月度の決算が公表されたが、増収増益の好決算であり、特に、国内が伸び悩む中、海外部門に支えられたことが大きいといえよう。やや気になるのは原価の上昇が見られることであり、ウォルマートはEDLPを経営戦略に採用しているため、売価を下げ続けざるをえない宿命にあるといえ、やむをえないともいえるが、現状の原価交渉等が厳しい状況にあるものと推測される。したがって、今後、PB等を強化し、原価を維持するか、経費削減を一層すすめることが課題となる。このような中、キャッシュフローを見ると、攻めの意思が鮮明であり、今期ウォルマートは、攻撃は最大の防御、攻めに活路を見出すのではないかと予想される。ウォルマートが今後、どのような積極的な経営方針を打ち出すのか、注目である。

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