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2009年10月31日

時間がマーチャンダイジングの評価基準に?

   10/30の日経MJに、マーチャンダイジングを考える上で、興味深い記事が掲載された。見出しは、「ページ滞在時間など分析、携帯通販向け推奨サービス」、「CSKシステムズ、PC向けを改良、月額10万円から」というものであり、携帯通販向けの売上支援サービスである。従来から、この分野は、商品分析において、リアルの小売業、食品スーパーマーケットなどと比べても、一歩進んでいた感があるが、今回のサービスは、さらに、先をゆくものといえよう。特に、商品分析に時間が組み込まれることが、新たなマーチャンダイジングの改善につながる可能性が高く、興味深い内容である。

   では、食品スーパーマーケット等の実際の小売業と携帯通販ではどのように商品分析手法が違うかであるが、最大の違いは、携帯通販はそもそも顧客1人1人のIDを把握できるために、はじめからID分析が可能であることである。ここ最近、食品スーパーマーケットでもポイントカードを活用し、ID分析が可能となりつつあるが、携帯通販は、スタート時点からID分析が可能であり、分析内容が1次元先をいっていたといえよう。

   いくつか例をあげれば、食品スーパーマーケットでは購入金額、購入数量、レシーと枚数という、原則、この3つの情報が基本であり、この情報の組み合わせが、商品分析そのものである。そして、ここから、マーチャンダイジング改善の仮説を作ってゆくというのが一般的である。一方、携帯通販では、この3つの基本情報に加え、誰がというIDが加わる。さらに、ネット特有の商品購入以前の情報として、商品説明、商品購入のための各コンテンツの様々なIDの履歴が把握できる。たとえば、ページビュー、離脱率、閲覧コンテンツ数、検索キーワードなどである。いわば、食品スーパーマーケットにおいて、来店して、商品を選び、レジで精算するまでの、購買行動をコンテツを通じて数値で把握できる点が大きく違うといえよう。

   さらに、ここに、この世界では、行動分析として、どれくらいマウスを動かしたか、どれくらい画面をスクロールしたか、どのページに遷移したかなどが把握でき、今回の携帯版では、これに、時間という、これまでマーチャンダイジング上ではほとんど数値化されなかったデータを取り込むことができるという。したがって、食品スーパーマーケットの2歩先をゆくことになろう。1歩目のIDを把握するところまでは、ここ最近、追いつきつつあるが、この2歩目の時間をマーチャンダイジングに組み込むことは、当面、食品スーパーマーケットでは難しいものがあり、実現するまで、少し時間を要すると思われる。ただ、今回の携帯を、たとえば、アイフォンなどの機能を駆使すれば、組み合わせて、意外に早く実現する可能性はあるといえよう。

   では、今回の携帯通販では、時間までもマーチャンダイジング分析に組み込み、何をやろうとし、どのようなメリットが期待できるかであるが、キーワードは、リコメンドという概念である。直訳すれば、お薦めということになろうが、大きく2つにわかれ、コンテンツ上にリコメンドを入れ込むことと、もうひとつは、直接、IDにリコメンドメールを送ることである。このリコメンドをする上において、IDの履歴分析、行動分析が活用されるということであり、ここが、食品スーパーマーケットのID分析との最大の違いといっても良い。

   仮に、食品スーパーマーケットでこれができたとなると、どのようなことが想定できるかであるが、まずPOPにリコメンド数値が入り、棚割がリコメンドを組み込んだものとなり、レイアウトがリコメンドを反映した動線になると思われる。さらに、各IDに、購入履歴、行動履歴に応じたリコメンドメールが入店の瞬間に届き、さらに、購入直後に届き、さらに、来店後、数日、数週間、数ケ月、数年後に届くということになろう。結果、何が変わるかであるが、来店頻度が飛躍的にあがり、欲しい商品、今後購入予定の商品が店内ですぐに見つかり、比較購買ができ、滞在時間も延び、購入点数、平均単価の引き上げにつながることになろう。また、未購入の商品についても、リコメンドPOPにより、買いやすくなろう。要は、客数、客単価の向上につながるということであり、これに、粗利、キャッシュフローの情報も当然組み込むことが可能となろう。

   今回のCSKの仕組みは、アメリカのベイノート社が開発したUseRankという指標にもとづいて、いまはやりのクラウドコンピューティングのSaaS型で提供されるシステムの日本版ということである。ただ、本来、商売の歴史は日本の方がはるかに古く、リコメンド機能も、要は体面販売の復活、お得意様へのサービスであり、これは、日本の商売の伝統をいかし、日本で開発すべきもののように思う。今回の仕組み自体は最先端のITを駆使しているが、基本概念、基本方程式、そして、リコメンドのサービスの内容ははるかに日本の方がきめ細かく、ある意味、先をいっているといえる。ただ、ITにのらず、人の中に、ノウハウ、秘伝として、組み込まれたところに課題があったといえる。少なくとも、食品スーパーマーケットにおいては、この仕組みを上回るものを、日本で先行して開発し、作り上げてゆくべきであろう。

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2009年10月30日

サンエー、2010年2月中間、増収増益、当期は減益!

   サンエーが10/5、2010年2月期の中間決算を公開した。結果は、営業収益690.55億円(104.6%)、営業利益47.47億円(103.7%:営業収益比6.87%)、経常利益48.37億円(103.6%:営業収益比7.00%)、当期純利益25.85億円(93.5%:営業収益比3.74%)と、営業、経常段階は増収増益となったが、当期純利益が減益となった。これは、この中間決算で固定資産の減損損失3.65億円を計上したためであり、営業面では増収増益の堅調な結果となった。

   また、サンエーは、財務基盤も健全であり、この中間期の自己資本比率は67.5%(昨年64.8%)と、さらに上昇しており、決算公開企業約50社の中でも、トップクラスである。ちなみに、前期本決算では、純資産比率(自己資本比率)のトップクラスは、ヨークベニマル79.0%、オオゼキ77.3%、マックスバリュ東海69.4%、マルキョウ68.4%、東武ストア68.2%、サンエー64.8%という状況であり、今期67.5%は極めて高い自己資本比率である。今期この自己資本比率が高まった背景には、利益剰余金が約20億円増加し、純資産が増加したことに加え、負債の買掛金が約20億円、有利子負債も約3億円削減され、ダブルで自己資本比率を高めており、財務状況がより、堅固になり、重厚な財務基盤となったためである。

   これら、財務の健全化の背景にあるのは、サンエーが食品スーパーマーケットとしては類稀な高収益のビジネスモデルを構築したことにある。この中間決算でも、営業利益は営業収益比で6.87%、売上対比では7.09%であり、7%を超えた。この数字は前本決算時で、決算公開企業約50社のベストを見ると、オオゼキ7.8%、サンエー6.4%、アークランドサカモト5.3%、丸久5.1%、オーケー5.0%、大黒天物産4.9%という状況であるので、オオゼキと並び、断トツの収益力であり、際立っているといえる。この高収益が財務を強固にしている最大の要因である。

   そこで、この収益力を原価、経費面から見てみたい。まず、減価であるが、69.71%(昨年70.05%)であるので、若干であるが、原価が下がっている。各社値下げによる価格競争が厳しく、原価が上昇するケースが多いが、サンエーは原価を下げており、結果、売上総利益(粗利)は30.29%(昨年29.95%)と、とうとう30%を超えた。30%を超える売上総利益は、食品スーパーマーケット業界では断トツの高い数字である。サンエーの高収益の秘訣は、この原価の低さにあるといえる。これは、サンエーが食品スーパーマーケット以外にも原価の低い外食、ホテル、衣料品などの業態をもっているからであり、これらの原価貢献度が極めて高いためである。

   一方、経費の方であるが、26.25%(昨年25.68%)と、昨年よりも0.57ポイント上昇しており、やや気になる数字である。26.25%は、前本決算時の決算公開企業約50社の平均が25.6%であるので、やや高めといえ、原価とは一転、経費は高めであり、しかも、昨年よりも上昇気味である。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は、4.04%(昨年4.27%)となり、やや下がったが、食品スーパーマーケット業界ではトップクラスの数字である。マーチャンダイジング力はこのサンエーのように、原価小、経費大というケースは稀であり、通常の食品スーパーマーケットは原価大、経費小となり、原価よりも経費を重視し、収益を高めるケースが多いが、サンエーは、業種ミックス、業態ミックスを行い、原価最小を目指している食品スーパーマーケットであり、どちらかというと、総合小売業、GMS等に近い食品スーパーマーケットといえよう。

   そして、これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が3.05%(昨年2.88%)のり、結果、営業利益は7.09%(昨年7.15%)となり、営業利益率は、昨年と比べ若干下がっているが、営業収益が104.6%伸びたために、金額ベースでは、増益となった。こう見ると、この中間決算時のサンエーは経費の上昇がやや利益を圧迫しており、今後、原価は限界に近いところまで下げているので、経費をいかに引き下げるかが、高収益を維持してゆくには重要な経営課題となりつつあるといえよう。その意味で、これまでの原価小、経費大から、経費小への取り組みも課題となったといえよう。

   サンエーはこのように、食品スーパーマーケットとしては類稀な収益構造を確立し、高収益なビジネスモデルを構築し、この高収益が強固な財務基盤をもたらし、自己資本比率を業界トップクラスの67.5%にまで高めたが、まだ、有利子負債が32.81億円、総資産802.95億円の4.08%ある。したがって、この分の自己資本比率の増加はまだ可能であり、今後、70%台にいつでも、もってゆくことが可能な状況にあるといえよう。

   このように、サンエーの今期の中間決算は増収増益の堅調な決算であるが、原価はさらに減少したが、経費の上昇が見られ、これが営業利益率を落としており、やや気になる結果である。ただ、財務基盤は極めて堅固な状況にあり、さらに、その基盤が強化されており、健全である。したがって、今後、課題の経費面の改善をどうはかってゆくかが、収益をより高めるためにも当面の経営課題であるといえ、サンエーが今後、どのように経費改善に踏み込むか注目したい。

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2009年10月29日

不況下でも、贅沢気分。今シーズンのおせちの傾向と対策

まだまだ続く、経済の閉塞感。そんななか、来年のお正月のおせち料理の予約が始まりました。傾向を見てみると、不況下で全体的な価格は低下傾向で20000円を切るくらいのおせちの贅沢感はなかなかのもの。他の商...

2009年10月29日

ベルク、2010年2月期中間決算、増収減益!

   ベルクが、10/5、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高510.67億円(102.9%)、営業利益23.30億円(99.6%:売上対比4.57%)、経常利益24.69億円(101.2%:売上対比4.83%)、当期純利益13.55億円(98.7%:売上対比2.65%)と、増収、わずかに減益となるやや厳しい決算となった。ベルクは、この中間決算期において、Low Price & Better Qualityを掲げ、購買頻度と消費頻度の高い商品の価格訴求をかけ、さらに、イオングループのトップバリュの拡販を推進し、価格にこだわったマーチャンダイジングを実践した。特に、消費頻度にはこだわっており、当初、4/1の時点では約560品の値下げであったが、その後、4/24より、400品以上の商品を追加し、合計1,000品以上の値下げが敢行された。

   その結果を受けての、今回の中間決算であるが、売上高が微増、営業利益が微減となった。売上高の微増に関しては、これら強力な価格訴求に加え、川口差間店(埼玉県川口市、3月)、ベスタ大泉店(群馬県邑楽郡大泉町、7月)と、2店舗の新規出店に加え、2店舗の改装を実施したことも大きかったといえよう。一方、利益の方であるが、原価、経費の状況を見てみると、原価は74.27%(昨年74.53%)と、若干下がっており、売価が下がったにもかかわらず、原価も下がり、結果、売上総利益(粗利)は、25.73%(昨年25.47%)と、若干改善した。

   これに対し、経費の方であるが、25.20%(昨年24.55%)と、0.65ポイント上昇しており、経費増が営業利益の減益を招いた要因であるといえよう。したがって、差し引き、マーチャンダイジング力は0.53%(昨年0.92%)と、0.39%下がった。これに、不動産収入、物流収入等のその他営業収入が4.04%(昨年3.80%)のり、営業利益は4.57%(昨年4.72%)となり、微減であるが、減益となった。それにしても、ベルクのその他営業収入はかなり大きな数字であり、マーチャンダイジング力を大きく上回り、営業利益の大半、率にして、90%弱を占めており、貢献度が高いといえよう。営業利益が増収になるか、今回のように減益となるか、その鍵を握っているともいえ、利益の重要な柱といえよう。

   ちなみに、決算公開企業約50社の、前本決算期のその他の営業収入を見ると、平均が3.0%であるので、ベルクはかなり高い方である。トップグループは、平和堂6.7%、イオン九州6.5%、フジ5.4%、マルヤ 5.1%、Olympic5.0%、イズミ4.8%、ヤマナカ4.7%、天満屋ストア4.4%、ヤオコー4.3%、相鉄ローゼン4.1%、ベルク3.9%という状況であり、GMSタイプの食品スーパーマーケットが上位に来ているのが実態である。

   これを受けて、キャッシュフローの状況であるが、ベルクの営業キャッシュフローは30.05億円(昨年36.09億円)と約6億円減少している。これは、営業キャッシュフローの大半を占める当期純利益、減価償却費の差ではなく、明細はわからないが、その他が、今期は-5.02億円(昨年4.16億円)となったためである。したがって、当期純利益の影響は営業キャッシュフローではほとんどなかったといえる。

   一方、投資キャッシュフローであるが、-23.70億円(昨年-17.12億円)と、今年は投資が昨年比べ多かったといえよう。その内訳であるが、新規出店関連への投資が-29.55億円(昨年22.76億円)であり、今年は、昨年と比べ、積極的な投資を行っている。ちなみに、ベルクの1店舗当たりの投資は、前期決算数字では6.44億円であるので、4.5店舗(昨年3.5店舗)と、今期の方が1店舗多い出店関連への投資金額である。

   結果、差し引き、フリーキャッシュフローは6.35億円(昨年18.97億円)と、順流とはなったが、昨年と比べると、大きく減少しており、やや気になる結果である。これを受けて、財務キャッシュフローであるが、-0.84億円(昨年-15.43億円)と、今期の財務キャッシュフローが極端に少ない結果である。これは、昨年度は、-12.92億円有利子負債を削減しているのに対し、今期は、1.67億円と、わずかではあるが、借入が上回ったためである。結果、有利子負債は116.23億円(昨年本決算時114.56億円)と、若干増加しており、総資産538.85億円の21.57%である。結果、自己資本比率は52.9%(昨年53.1%)と若干、下がっている。ただ、52.9%は、決算公開企業約50社の平均が純資産比率で40.7%であるので、ベルクは高い数字であり、財務は安定しているといえよう。また、配当であるが、2.5億円(昨年2.51億円)と、昨年とほぼ同じ配分であった。したがって、トータルのキャッシュフローは5.49億円、(昨年3.53億円)と、内部留保へのキャッシュが多くなった。

   このように、ベルクのこの中間決算は新店の貢献度と強力な価格訴求が功を奏したと見え、増収とはなったが、経費が若干上昇したため、営業利益はわずかな減益となった。これを受けて、キャッシュフローであるが、今期は新規出店関連への投資にキャッシュを厚く配分し、有利子負債への返済にキャッシュが割けなかったことが気になるが、自己資本比率は52.9%と、財務は安定しており、後半の決算で調整しても問題はないといえよう。こう見ると、当面の経営課題は経費削減にあるといえ、今後、ベルクがどのように経費削減に取り組み、収益改善をはかるかに注目したい。
 
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2009年10月28日

Amazon Kindle

R0011934
初めてみました。

いいですねーー。
電車でこれ読んでたらかっこいいですねーー。
 思ったより全然小さく、薄く、軽いし、ディスプレイ見てて全然目が疲れない。

 動画も撮ってみました。 http://www.amazon.com/dp/B0015T963C

2009年10月28日

キャッシュフローとマーチャンダイジング?

   財務3表連環表を作成してから、キャッシュフローの重要性がますます鮮明になった。これまで、財務3表では、P/Lを重視し、B/Sをサブとして見、CF(キャッシュフロー)は参考に見て来たが、この3つを連環させてみると、最も重要な財務諸表はCF(キャッシュフロー)であることが浮かび上がる。しかも、このキャッシュフローの源流、まさにフローの大本は、当期純利益であり、その大本は、原価、経費差、すなわち、マーチャンダイジング力であるので、キャッシュフローはマーチャンダイジングと密接な関係があることがわかる。

   実際どれくらいの重要性があるかは、キャッシュフローの中の最初の数字、営業キャッシュフローの中における当期純利益の割合を見れば一目瞭然である。2009年度の決算公開企業約50社の平均値が51.7%であり、50%を超える。この内、驚くことに100%を超える食品スーパーマーケットは2009年度決算では、関西スーパーマーケット367.7%、マルヤ190.7%、オオゼキ134.5%、アークス133.4%、PLANT133.3%、ヤマザワ116.2%、マックスバリュ西日本109.1%、ヤオコー106.7%、ユニバース104.7%、ダイイチ101.8%、丸久101.1%、オークワ100.9%と、12社もある。100%を超えるとは、営業キャッシュフローの法人税を含め、マイナス項目が大きかったり、そもそも、当期純利益が低かったりする場合もあるが、それでも、100%以上とは大きな割合である。

   ついで、50%以上は、ベルク96.8%、アオキスーパー91.4%、マルキョウ91.0%、マミーマート87.6%、オーケー84.3%、大黒天物産83.8%、マルミヤストア73.4%、いなげや69.8%、サンエー 68.9%、マックスバリュ東海65.8%、東武ストア65.1%、バロー61.0%、マルエツ57.2%、平和堂55.0%、天満屋ストア50.5%の15社である。ここまでの食品スーパーマーケットで、ほぼ、収益性の高いと見られている企業がほぼ網羅されているといえ、キャッシュフローと、マーチャンダイジングはこの点を見ても、極めて関係が深いことがわかる。

   したがって、キャッシュフローはマーチャンダイジングに依存するといってもよく、逆にいえば、マーチャンダイジングはキャッシュフローを強化するための最も重要な経営課題であるともいえる。従来、マーチャンダイジングはその目的が、経営上、P/Lの一部と考えられており、売上アップを目的にする場合もあり、売上総利益(粗利)を目的にする場合もある。あるいは、さらに、営業利益、経常利益、当期純利益を目的にする場合もある。いずれにせよ、マーチャンダイジングは、P/Lの何らかの指標がその目的であり、B/S、CF(キャッシュフロー)とは、あまり結びつけることがなかったといえる。したがって、いまひとつ、経営の本質に迫ることが難しいという状況であった。

   そこで、先に見たように、マーチャンダイジングの目的をP/Lから、CF(キャッシュフロー)で捉え直したらどうであろうか。こうすることによって、マーチャンダイジングの目的がこれまでのP/L的観点から、CF(キャッシュフロー)へと変わってゆき、マーチャンダイジングはCF(キャッシュフロー)をいかに増大させるために取り組むかという課題になる。そして、そのためには、まずは、キャッシュを獲得することが最重要課題であり、単品管理の目的もキャッシュをいかに獲得するかということになろう。

   ただ、これは、従来の売上と同じではないかと思われるが、キャッシュという観点で見ると、これまで捉えてきたような単純な売上だけではなく、その単品が生み出す総キャッシュということになり、もう少し広く、売上げを捉える事が必要である。たとえば、単品が生み出す売上げは従来の単純なその単品の売上に加え、その単品を購入している顧客全員の総購入単品の売上もキャッシュに入ることになろう。単品を購入する顧客はその単品のみを購入しているだけではなく、さらに、その単品以外の数多くの単品を購入しており、その単品がもたらす総キャッシュは、その購入顧客の購入度合いによって、重みが違うはずであり、この顧客の売上げをも考慮したものが、その単品がもたらす総キャッシュといえよう。

   そして、この総キャッシュの大きい単品がキャッシュフローを増大させる単品であり、総キャッシュを増やすためには、単純な売上げだけを見るのではなく、その単品と顧客との関係をキャッシュという観点から再検討し、どの単品を強化すれば顧客からのキャッシュが増えるのかを判断し、総キャッシュを引き上げてゆくマーチャンダイジングを構築することが、結果、CF(キャッシュフロー)の増大につながってゆく第1歩といえよう。最近はやりのクロスマーチャンダイジング、併売分析も、産業連関表のようにとらえ、どの単品とどの単品の連関度合いが高く、結果、双方を同時強化すれば、総キャッシュが増えると解釈すれば、これも、単品の総キャッシュを増やし、CF(キャッシュフロー)を増大させる経営戦略のひとつといえよう。

   このように、マーチャンダイジングをP/Lという観点だけから捉えるのではなく、経営にとって最も重要なCF(キャッシュフロー)という観点から捉え直すと、新たなマーチャンダイジングの世界観ができあがり、マーチャンダイジングを経営の核心、CF(キャッシュフロー)と直結させることができるのではないかと思う。

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2009年10月27日

招待制ショッピングサイト グラムール

以前、メルマガや記事でギルトを紹介したら、山のようにメールをもらった。 その後、同様のグラムールもオープン。私はどちらかというとこちらのほうが好き。今日からはワイングラスメーカーのリーデルのセールが開...

2009年10月27日

東武ストア、2010年2月期中間、減収減益、戦略転換!

   東武ストアが10/13、2010年2月期の中間決算を公表した。結果は、売上高414.47億円(99.6%)、営業利益7.84億円(64.8%:売上対比1.89%)、経常利益9.08億円(68.7%:売上対比2.19%)、当期純利益7.94億円(69.1%:売上対比1.91%)となり、減収減益の厳しい決算となった。東武ストア自身も、「小売業界におきましても、雇用・所得環境の悪化による個人消費の低迷、販売競争の激化等によりデフレ傾向に拍車が掛かり、近年例をみない厳しい状況で推移、・・」と、コメントしているように、経営環境が急激に悪化したことが原因といえよう。

   10/25の日経で、東武ストアの記事が掲載されたが、見出しは、「東武ストア、全55店改装、5年で130億円、既存店強化を優先」というものである。これは、1店舗当たりに換算すると2.36憶円となり、現在、東武ストアの新店にかかわる資産の1店舗当たりの合計が3.38億円であるので、約70%に当たり、小改装ではなく、大改装といえ、経営戦略の転換といえよう。東武ストアは現在、新中期経営計画、 CHALLENGE 1000 PLANの3年目であるが、この中では、積極的な新規出店戦略がうたわれており、4年間で20店舗を出店する予定であったが、今後は、新店を抑制、その浮いた費用を既存店の改装に回すことになるという。まさに、経営戦略の転換といえ、今後は既存店の活性化が東武ストアにとっては経営の最優先課題となる。

   では、この中間決算では、どのようにキャッシュを配分したかを見てみたい。まず、キャッシュの原資であるが、営業キャッシュフローは18.10億円(昨年20.91億円)となり、昨年よりも約3億円減少している。これは、当期純利益が8.50億円(昨年12.03億円)と、大きく減少したことが大きい。減価償却費は6.42億円(昨年6.12億円)と、ほぼ同じであるので、この当期純利益の減少が大きかったといえよう。

   そこで、当期純利益の大本、キャッシュの源泉であるマーチャンダイジング力を見てみたい。まず、原価であるが、73.89%(昨年73.95%)となり、原価は若干であるが下がっている。結果、売上総利益は26.11%(昨年26.05%)となり、粗利は若干上昇した。この厳しい価格競争の中、原価の上昇を防いでおり、原価面は維持ができたといえる。一方、経費面であるが、24.20%(昨年23.13%)と、約1.00ポイント上昇しており、経費の増加が見られる。これは、新店開発にともなう経費に加え、この中間では、先の日経新聞の記事によれば、既存店の売上高が3.8%減少しているとのことで、既存店の売上高の減少が、固定費を押し上げたことが要因であると思われる。

   結果、原価は何とか昨対ぎりぎりまで抑えることができたが、経費の上昇は厳しく、差し引き、マーチャンダイジング力は1.91%(昨年2.92%)となり、この時点でキャッシュが減少している。東武ストアの場合は不動産収入、物流収入等のその他営業収入が0であり、このマーチャンダイジング力がそのまま、営業利益となる。したがって、営業キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力が経費上昇により、減少したことが、営業キャッシュフローに響いたといえよう。

   次に、投資キャッシュフローであるが、-13.12億円(昨年-4.89億円)と、この中間決算時では大きく投資キャッシュフローが増加している。これは、新規出店関連の資産取得が-14.28億円(昨年-4.20億円)と、積極的な新規出店を行ったためである。東武ストアの1店舗当たりの出店にかかる資産は、先にも言及したように3.38億円であるので、この新規出店への投資は4.22店舗(昨年1.24店舗)であるので、この中間決算は積極的な新店への投資であることがわかる。今回の日経新聞の記事では、ここが戦略転換することになるとの内容であり、後半は、この新規出店を控え、浮いた分のキャッシュを既存店の改装に向けることになろう。

   結果、フリーキャッシュフローは5.70億円(昨年16.02億円)と、順流にはなったが、金額は大きく減少しており、この中間決算では、投資、新規出店へ厚くキャッシュを配分している。そこで、財務キャッシュフローであるが、-9.33億円(昨年-9.85億円)と、ほぼ同じ配分であり、その中身は、配当-4.90億円(昨年-4.90億円)、有利子負債の返済-4.41億円(昨年-4.91億円)と、ほぼ同じ内容である。有利子負債については、この中間決算時は、7.10億円と総資産304.17億円のわずか2.33%であり、いつでも無借金経営が可能な状況にあり、結果、自己資本比率は70.1%(昨年68.2%)と、食品スーパーマーケット、決算公開企業約50社の中でもベスト5に入る、健全な財務状況である。

   そして、トータルのキャッシュフローであるが、-4.35億円(昨年6.16億円)と、マイナスとなり、内部留保を取り崩すこととなったが、自己資本が充実しており、財務的には問題がない金額である。ただ、新規出店への投資へ厚くキャッシュを配分したため、キャッシュフロー全体のバランスをやや崩しているのが気になるところである。

   これを受けて、今後に関しては、日経新聞で報じられたように、新規出店から既存店全店の改装を最優先した経営戦略の転換をはかるとのことである。これは、結果として、キャッシュフローの大本、マーチャンダイジング力の強化につながることであり、このような厳しい経済情勢を考慮すると、柔軟な経営決断であるといえよう。今後、東武ストアの各店舗がどのように活性化してゆくのか、注目である。

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2009年10月26日

●見聞録230(1) エジソン発想法──筋肉は使うほど発達する様に脳も鍛えればどんどん強くなる

●2009年10月26日(月)


スマートグリッド構想図(2).

写真:太陽光パネルや風車発電機でスマートグリッドシステム( http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/2914ab876075c562ed16e376f319843e から)

■見聞録230 エジソン発想法:非常識なアイデアが 大成功を生む

●今日の視点

「スマートグリッド」という言葉を耳にする機会がめっきり多くなった。 環境問題を考える時、一番に出てくるキーワードである。 オバマ米大統領が発表したグリーン・ニューディール政策の柱の一つである「新エネルギーシステム」として注目され、関連産業への企業参入が相次いでいる。 『 ネット百科事典 kotobank 』 には次の様にある。

「情報通信技術を活用し、電力を効率良く、安定供給できるよう設計した送電網。 気象によって出力が変わる太陽光発電や風力発電で生まれた電力を安全に発電網に流せるようにしたり、家庭の電気機器の設定を電力の供給量に合わせて調整したりすることが期待されている」

広大な地域を持つアメリカは、効率の良い日本に比べて、停電トラブルが一桁上とも言われる様な不安定というの配電事情もある。 原発も含めて安定的な電力インフラを強化しなければならない事情を、「スマートグリッド」を中心とする新規公共事業に期待を込めているのがグリーン・ニューディール政策と言われる所以である。

さて、鳩山首相が掲げる「日本は温室効果ガスを、2020年までに90年比25%減」という宣言は、太陽光パネルや風力などの自然エネルギー産業にとっては、強力な追い風となる。 期待した通りその気になって施策が実行されるとすると、売電比率が供給電力の10%を超え、現在の配電システムでは経常的に川下(家庭)から電気が、逆流する事になり、現在の配電システムでは対応ができなくなる、という事態となる。 

そこで求められるのが、「スマートグリッド」という新しいインフラが必要となる。 太陽光発電の普及に加え、夜間電力の利用を前提にコンセントを備えたトヨタの「プラグインプリウス」、更に日産が意欲的に取り組む「電気自動車」の普及も考えれると、「スマートグリッド」は新しい社会基盤として必要不可欠なインフラとなる。

「スマートグリッド」について掘り下げるのは別の機会に譲るとして、今回本稿が取り上げたいのは、現在の文明社会の基となった電力システムの端緒を築いた「天才は1%のひらめきと99%の努力」という言葉で有名な「発明王エジソン」である。

電機メーカー「ゼネラル・エレクトリック(現在のGE)」の創業者であるこのエジソンが「京都の八幡竹を、炭化フィラメントの材料に使って白熱電灯の実験に成功」している事でも分かる通り、日本とも関わり深い。 実は、八幡竹を使った電球の一つが、飯田橋駅の近くにある「理科大学近代科学資料館」で、常時、目にする事ができる。 余談だがここは明治39年に建築の木造2階建校舎を復元されたもので、科学の発達について丁寧な説明も受けられるのでお勧めのスポットでもある。

さてエジソンは、電灯を開発するやニューョーク市当局から請け負って電力供給会社を設立、そしてニューヨークの5番街にオフィスを構え、電気、電力を売りまくるビジネスマンとして活躍した時期があった。 冒頭の「スマートグリッド」を考える時、川下から川上に至る電気を供給する電力ビジネスまで、手を広げたエジソンに思いが及んだという次第である。 グリーン・ニューディール政策が打ち出されたこの時代に、エジソンならどう考えるのだろうか。

1847年に生まれ84歳でこの世を去る迄の間に、個人としては最高の1093の特許を獲得しているエジソン。  電灯や蓄音機の発明はもちろん、電報、電話、タイプライター、マイクロホン、映画撮影用カメラとフィルム、蓄電池、電気鉄道、ゴム、採掘機械、セメント、X線機械、謄写版、送電システム (ソケット、スイッチ、ヒューズ、メーター等)など彼の頭脳から生まれた発明品の数々は、我々の文明生活の基礎を作ったといっても過言ではない。

経営者としての才覚やベンチャー起業家としての発想法も、実に学ぶところが多い。 そこで今回は、浜田和幸氏の近著:『未来を創るエジソン発想法』から、「エジソン発想法:非常識なアイデアが 大成功を生む」を取り上げたい。  まずは「エジソン発想法 筋肉は、使うほど発達するように、脳も、滴切に鍛えれば、どんどん強くなる」から入りたい。

●引用資料

浜田和幸:著 『未来を創るエジソン発想法』

●見聞録230(1) エジソン発想法──筋肉は使うほど発達するように、脳も滴切に鍛えればどんどん強くなる「

100年前の時点で、エジソンのように「思考力」の大切さについて言及し、「脳を使え」「脳を鍛えろ」などと言った人は、かなり珍しかったであろう。 それほど、エジソンは特異な存在だった。 「考えない」ことによる弊害をどのように打破すればよいのか。エジソンは、脳も鍛えれば鍛えるだけ強くなると主張している。

──私には、考える訓練によっていかに多くのことが達成されるかが分かっている人が、1000人中1人もいないように見える。結局それは、幼い頃から自分で考えるという訓練を受けていないからだ。 誰もが、自分で考える力を天から与えられているのに、それを使っていない。 本当に信頼できる「ものの考え方」というものを、育んでいないのだ。

自分で考えることを習慣づけていない脳は、すぐに錆びつく。 普段から頭を働かせていないと、反応が遅くなる。 目の前にものすごいアイデアやチャンスがあるのに、目は開いているが見えず、耳はあるが聞けていない。 脳に刺激が行かないからだ。 脳は、体の他の部分とまったく同じだ。 筋肉は、使うほど発達するように、脳も、適切に銀えれば、どんどん強くなる。

腕を三角巾で固定し、同じ恰好で曲げたままにしておくと、三角巾を取ったあとでもしびれが残り、感覚が麻犀しているため、腕が動かなくなってしまう。 脳も同じだ。使わずにいると萎縮してしまい、何も生み出せなくなってしまう。(エジソン 1926年に記す)──

日本でも今、「脳の鍛え方」や「地頭力」などをテーマにしたビジネス書が人気となっている。 理由の一つは、著者の発想法や思考法を追体験することで、自分の脳に刺激を与えてもらおうとするからであろう。 しかし、実はここにも、エジソンの指摘と同じ問題が隠れている。

ビジネス書の著者と読み手は、置かれている環境も能力も違う。 著者にとって効果がある方法でも、読み手に効果があるとは限らない。 同じことができると思うところに、自分なりの思考がストップしている危険性がありはしないだろうか。 私たちは、エジソンが述べているように、自分の問題は自分で考えるべく、自分か本来持っている能力や潜在的な力に気づくべきではないだろうか。

もちろん、個人に限らず日本の国家においても自信を取り戻すことが必要である。 不況とか経済危機などと言われるが、日本には優れた技術や文化など目に見えない経験知が蓄積されている。 現代の日本人は、それらを土台に新しいものを創り出すことに対して、臆病になっている。自ら動かず、ビジネス書を読んだだけで、発想力が身につき、仕事ができるようになったと錯覚しているのではないか。

これでは、実際は先に進めない。 必要なのは、自分なりの思考力や、想像力を鍛えることである。 それができれば、新しいものを生み出す突破力や飛躍力も身につく。

●内容情報】(「BOOK」データベースより)
あらゆる進歩・成功は、自分の頭で考えることから湧き出てくる。 不況・逆境の乗り越え方、起業の着眼点、企画・アイデアのコツ、時代を読む方法。

●目次(「BOOK」データベースより)
1混迷の時代をどう乗り越えるか(正体を見抜けば、不況は克服できる/天才ベンチャーだから分かる「ビジネスの黄金鉄則」/逆境をチャンスに変える、発想の力/価値ある情報の見抜き方)/ 2 人生を果敢に切り拓くコツ(「考える力」で付加価値を生む/もっと幸福になる生き方/クリエイティブなOFF時間が、仕事力を倍増させる/人生の節目で、ますます熱くなれ)/ 3 先見力で、未来を創り出せ(創造的人材を生む教育/若者の使命/機械文明の本当の恩恵とは/チャレンジし続け、超科学に踏み出せ)

●浜田和幸(ハマダカズユキ)
1953年鳥取県生まれ。 東京外国語大学中国科卒業後、米ジョージ・ワシントン大学大学院にて政治学博士号を修得。 戦略国際問題研究所主任研究員等を経て帰国。 現在、国際未来科学研究所代表。日本バイオベンチャー推進協会理事、国連大学ミレニアム・プロジェクト委員、特許庁工業所有権副読本選定普及委員などを歴任 著書に『快人エジソン』『ヘッジフアンド』『「国力」会議』『ウオーターマネー「水資源大国」日本の逆襲』『石油の支配者』『大恐慌』ほか多数。

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