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2010年08月05日

フェアウェル!〈いざ、さらば〉美しすぎるスパイ 『ソルト』&『フェアウェル さらば,哀しみのスパイ』

どの映画コラムを読んでも、アンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ映画 『ソルト』 の前フリに書かれてあるのは、やはり先頃世界を驚かせたアメリカとロシアによるスパイ交換の話なので何か違う話題を書こうと思うんだけど、しかし冷戦が終結してもう20年近く経つのに、いまだに米露はスパイ合戦なんてやっていたんだなぁ…と思うと、まぁ当然といえば当然の話かもしれぬとはいえやはり多少は驚きだし、そしてここまで時代がデジタル化しても、最後はやっぱり“人”なんだなぁ…と思うと、スパイというやや...


2010年07月31日

ソルト

Photo_2  <小倉コロナシネマワールド>

 アンジー、アンジーって・・・誰やねん、いったい。いつの間に、隣の身近なアイドル女優になっちまったのだろう。私としては、アンジェリーナ・ジョリーのままである。ジョン・ボイトの娘、映画スター、遥か雲の上の人。ヤカンでも持って、カップヌードルのCMにでも出てくれれば別だが・・・。

 考えさせずに楽しい、バカバカしい、スカッとするタイプの映画が一番好きだ。娯楽よ、娯楽。だから、映画を崇高な芸術とさせることはないし、してほしくない。あってもいいし、あるべきだが、ほとんどは楽しむだけの為にあってほしい。楽しみたいので、楽しませてくれるだけだろう?という映画の予告を観ると、ワクワクする。歳とともにワクワクも減ってきたし、おっかなびっくりもしなくなってきたけれど、本作のような予告は「予告の作り方が、また上手い?」と騙されていることを承知しつつ、観たい気を起こさせる。アクションは、どんなことをしても無傷で、服も汚れにくく、曲芸みたいのだろう?観る前から思う。それはそれで、アリ。そういう映画だもの。ゴタクならべてたら、30分も観てられないだろう。

 楽しみにしてたが、楽しめる映画ではない。無茶苦茶する割にはアクションに新鮮味がない。何度も観てきた技みたい。シコミが大変だったろう・・・なんて思わせるくらいだから、観ている側に余裕を与えいてる。この監督って、そんなにアクションシーンが上手いわけではないのは知っているが、本篇を極端に短くした予告アクションは見ごたえがあった。アクションとしては、予告がすべて。物語に石を投げるロシアのスパイの取調べも、予告あれば十分で、後はダラダラと突っ走るだけだった。ヒネリもない。観客の興味はどんどん鈍足にさせるのに、スクリーンは突っ走っている。トム・クルーズ用の脚本をアンジェリーナ・ジョリーが演じたというが、まあ、誰でもいいや。脚本が大したことないようなので、ベテラン脇役か、新人にでもやらせてみたら新鮮味が出ていいかも?それではB級扱いになって儲からないか・・・。3Dにして、物語をボカしてしまったらよかったのに・・・言い過ぎでもなかろう。  <40点>

2010年06月13日

アイアンマン2・・・・・評価額1600円

2008年のサマーシーズンに大ヒットした、アメコミヒーロー映画の続編。
ナルシストで大金持ちのマッドサイエンティスト、トニー・スタークの身に予想外の危機が迫り、アイアンマンと同じテクノロジーを持つ新たな敵が登場する。
スタッフ・キャスト共にほぼ前作と同じ顔ぶれで、登場キャラクター同士の息の合った掛け合い、釣瓶打ちのアクションなど、娯楽大作としての見所はたっぷりだ。

トニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)が、アイアンマンである事をカミングアウトしてから半年。
世界平和のために活動を続けるトニーに対して、合衆国政府が“兵器”であるアイアンマン・アーマーの引渡しを求める。
アイアンマンは兵器ではなく、自分自身だと訴えるトニーは要求を拒否するが、動力源であるアーク・リアクターの発する毒素によって、徐々に体が蝕まれていた。
その頃、嘗てトニーの父と共にアーク・リアクターを設計したロシア人科学者の息子、アイヴァン(ミッキー・ローク)が自らもアーク・リアクターを動力源とした戦闘用アーマーを開発し、アイアンマンに挑戦してくる・・・


ロバート・ダウニーJr.のアイアンマンも、すっかり板についてきた。
前作の時は、この手の映画とは全く縁のなさそうな演技派俳優の出演に意外性もあったが、ダウニーJr.自身がすっかりヒーロー物に魅了されてしまったのか、最近では「シャーロック・ホームズ」でも堂に入ったアクションを披露していた。
ペッパー役のグウィネス・パルトロウは前作からの続投で、ローディ役のドン・チードルと共に飄々としたキャラクターで本作に独特のノホホンとした雰囲気を与えている。
新登場の悪役は、「レスラー」で作った見事な肉体を再活用の、ミッキー・ローク演じるアィヴァン・“ウィップラッシュ”・ヴァンコとサム・ロックウェル演じるジャスティン・ハマー。
そして“シールド”のエージェント役でブラックウィドーことナターシャ・ロマノフが登場する。
演じるスカーレット・ヨハンソンも、今まではアクションのイメージが全く無い人だったが、黒のレザースーツに身を包み、長い手足を生かして男達をバッタバッタと倒して行く様は、「アンダーワールド」シリーズのケイト・ベッキンセールを思わせて、予想外に格好良い!
女性アクションスターとして、ポスト“アンジェリーナ・ジョリー”に名乗りを上げても良いんじゃないだろうか。
監督のジョン・ファヴローも、前作に引き続きコミックリリーフのハッピー役でちゃっかり出演。
何気に前作よりも役が大きくなって、しっかり見せ場まである(笑

本作の内容的な特徴は、能天気なアメコミテイスト下に隠された、シニカルで自虐的なユーモアと言えるだろう。
元々、アイアンマンの存在自体が、自己矛盾の産物みたいなものである。
死の商人で戦争で財を成したスタークが、アフガンでの捕虜経験によって平和のために働く事を決意するものの、結局作り出したのはより強大なる力の象徴であるアイアンマンという皮肉。
それでも、前作では暴走するアイアンモンガーとの一騎打ちがメインとなっていたので、裏テーマと言えるこのあたりの矛盾は隠し味程度だった。
ところが今回は、スターク自身は自ら作り上げたアーク・リアクターによってジワジワと死の淵に追い込まれ、自暴自棄のパーティ三昧の生活を送り、尚且つ敵キャラはスタークと同じ技術を持ち、アイアンマンのダークサイドとも言えるアイヴァン・ヴァンコ。
更に、アイアンマン・アーマーを手に入れた米軍が、待ってましたとばかりにありったけの武器を取り付けたりと、物語のロジックはアイアンマンという存在の持つ二重性を積極的に強調するスタンスになっているのである。

脚本がダウニーJr.が怪演を見せた超シニカルな戦争コメディ、「トロピックサンダー/史上最低の作戦」ジャスティン・セローに代わっている影響もあるのか、全体にそれぞれのキャラ立ちがより重視され、自虐的なコメディ色が強まっている。
ジョン・ファヴローの演出も、オープニングのド派手なスタークエキスポの開会式や、ハマー社によるドローンのお披露目などに、裏テーマを意識させつつも、迫力満点のアクションと適度なユーモア(俳優としての自分が受け持ってるのが可笑しい)を交えて、良い意味で漫画チックなアイアンマンワールドを構築している。
まあ登場人物も構成要素も増え、更にシリーズの先を見据えて、“シールド”関連の描写も加えた分、ややストーリーラインがとっ散らかっているのが気になるが、軽快なテンポで出来の良い見せ場が連続して展開してゆくので、それほど気にならない。

正義という言葉がもはや説得力を失った現代社会で、ヒーロー物のコンセプトは成立し難い。
ハリウッドでも一昔前なら反米映画扱いされた様な作品が続々と作られ、アメリカ的なる正義を明快に“悪”と捉えた「アバター」が歴代興収一位となる時代である。
それ故に長い歴史を持つ伝統的なアメコミヒーローも、単に力による正義以外の新しいアプローチを探る作品が増えており、「ダークナイト」の様に、ヒーローが抱える苦悩をストレートに表現した作品や、ヒーローの存在を時代性・社会性から考察した「ウォッチメン」の様な異色作も作られているが、あそこまで行ってしまうと、もはや娯楽の王道とはとても言えない。
何よりも、本来の顧客である子供達が観にこられない。
このシリーズは、上記の二作とは違って、昔ながらのアメコミアクションの仮面の下に、現代的な視点を巧みに隠しており、これはこれで非常に今風なヒーロー物の解釈と言えるのかもしれない。
と言うわけで、「アイアンマン2」深読みすべき映画である。
もちろんストレートに派手で熱いアクションを楽しむのも良いが、物語のあちこちに仕掛けられたシニカルな仕掛けこそが、本作の持つ現代性の本質なのである。

ところで、前回同様に本作もエンドクレジット後にオマケのシーンがあるので、最後まで席を立たない様に。
既に2012年公開がアナウンスされている、マーベルコミックのオールスター映画、「アベンジャーズ」に繋がって行く一連のヒーロー物。
あのトンカチが出てきたという事は、次に登場するのはやっぱり赤マントのマッチョマン?

今回は、前回もあわせた「アイアン・ホース」のスパークリング「ブリュット・ブラン・ド・ブラン」の2001年 をチョイス。
赤もいいけど、やはりこの銘柄はシュワシュワと細かい泡のスパークリングが有名。
ホワイトハウス御用達でもあるこの酒は、さっぱりとしてクセが無く、料理を選ばないカリフォルニアを代表するスパークリングの逸品である。
トニー・スタークのパーティでも提供されているに違いない。

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2009年07月21日

チェンジリング

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■2009/7/17日DVDリリース  ■アメリカ制作  ■142分

■監督 ・クリント・イーストウッド

■出演
アンジェリーナ・ジョリー/ ジョン・マルコピッチ/ ジェフリー・ドノバン/ コルム・フィオール

■あらすじ■
1928年。ロサンゼルスの郊外で息子ウォルターと幸せな毎日を送る、クリスティン。だがある日突然、留守番をしていた息子が失踪。誘拐か家出か分からぬまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛の息子ではなく、よく似た見知らぬ少年だった。

■かんそう■
嘘のような本当の話・・・100%実話なのかは分かりませんが
失踪した息子を捜す母親。 まず、誰でもが頼るの警察ですよね。

が、腐敗仕切ったロス警察・・当時DNA鑑定なんて無かったのだろうけど
強引に事件を解決し、反論すると恐ろしい扱いをされる。

近所も違うの気付かないモン? 警察が恐かったのかな?

警部の、威圧的態度がムショウに腹立たしかった。
あんな非道が、平然とまかり通ってたのが信じられない。

それに犯人が目的も無く、多くの子供を殺害したのも許せない。
何が神の許しだ。 地獄へ堕ちろ!

彼女は警察を敵に回す気など無く、タダ息子を捜したいだけ。
母の懸命さが伝わって来ました。 会わせてあげたかったなぁ。

遺体を自分で確認しない限り、寂しくても悲しみは実感出来ないと思うし
一筋の希望だけが、その後の彼女には救い。

それに頼って生き抜いたのだろうと思うと、かなり辛い気持になりますが
希望を見出した時の、彼女の笑顔が忘れられない。

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2009年05月06日

チェンジリング

これ、実話だからすごい!どんどん引き込まれていっちゃう!

チェンジリング

あっしゅ坊や8

評価:(満点10点) 2008年 142min

監督:クリント・イーストウッド

出演:アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ ジェフリー・ドノヴァン コルム・フィオール

チェンジリング」公式サイト

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2009年03月12日

2009年2月に見た映画(14本)

○『ラースと、その彼女』渋谷シネクイント

ビアンカのモデルはどう見てもアンジーにか見えないのだがどうか。再生の儀式、ていう映画。

○『永遠のこどもたち』シネカノン有楽町2丁目

途中からなんとなく読めたとはいえ、いいホラーでした。

△『シャッフル』ユナイテッドシネマとしまえん

なんかいろいろおかしくなかったか?気のせい?

○『その男ヴァン・ダム』ユナイテッドシネマとしまえん

面白い映画だった。過ぎていく人生の浮き沈みと面白さをヴァン・ダムに見せてもらえるとは思わなかったよ。

○『007/慰めの報酬』新宿ミラノ

いやー。だから何度も言ってるけどマチュー・アマルリックは中居にしか見えなくて、後半あたりはもう、ダニエル・クレイグに「いじめないでやってえええええええ」と懇願しながら見たのはこの映画の楽しみ方として間違ってる、ってのは自覚しています。

◎『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』丸の内ピカデリー3

ケイトも良かったんだけど、レオも良かったよー。レオのいいとこは、あの、フルフルした、震えるゼリーのような感情の動きだよなあ。この感覚味合わせてくれる人、あんまりハリウッドでいないし、もっと褒めてやってもいいと思うんだけど。この映画自体、アカデミーもっと取り上げてやってもよかったのに。

△『ジョッキーを夢見る子供たち』渋谷シアターTSUTAYA

めがねくん。がんばれ。この映画は彼につきる。

○『フェイクシティ ある男のルール』新宿武蔵野館

要するにわたしはキアヌが好きなんだろうな、と時々思うわけ。
エルロイ原案なので会話どぎつくて良かったです。

○『誰も守ってくれない』TOHOシネマズ錦糸町

この脚本家兼監督はあんまり信用してないんだけど、この映画はよかった。あまりに様式美過ぎるところも鼻についたけど。ともあれ、龍平がいいんだよ(はぁはぁ)。←こればっかり

△『13日の金曜日』TOHOシネマズ錦糸町

ベッドに「ジェイソン」って書いてなきゃ、ただの殺人鬼の、バカを殺しまくった大量殺戮話だよ。さすがマイケル・ベイ。話にかけらの深みもなくて、ひどい出来すぎて、逆にコメディだった。
スパナチュの弟が出てなきゃ最低ランク。弟がかっこいいのでそれのみで△認定。

○『ブラッディ・バレンタイン3D』新宿バルト9

「センター・オブ・ジ・アース3D」より3D化が進んでた。
スパナチュの今度は兄の方の映画。兄堪能できたのでそれで良し。

○『ノン子36歳(家事手伝い) 』ヒューマントラストシネマ文化村通り

気持ちはわかる。だけど、わたしならあんなキレやすいガキの手は取れない。

○『ワンダーラスト』ヒューマントラストシネマ文化村通り

マドンナは優しい人なんだねえ。

○『大阪ハムレット』シネスイッチ銀座

次男ええわあ。あと末っ子、頑張って生きろ。

2009年03月04日

チェンジリング

実話だというのが
ホントに恐ろしいです。
理不尽にもほどがあります!
警察の横暴も凄いし
それに精神病院も
酷すぎる・・・・。
でもそれだけではない、
クリント・イーストウッド作品は
奥が深いです!

1928年3月、クリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、
ロサンゼルス郊外で9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と
2人で暮らしていた。
ある日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに、
休日を返上して仕事へと向かう。
暗くなって彼女が帰宅すると、留守番をしているはずの息子の姿は
どこにもなく、捜索の日々が続いた。
5ヶ月後、警察からウォルターが見つかったという知らせを受け
引き取りに行くが、その子は全くの別人だった・・・・。

警察の横暴さは、ホントに腹ただしくって
許せないけど、時代的にはこんな理不尽な事
いろいろあったんだろうなぁ〜。
つらい立場にあいながらも、懸命に運命に立ち向かう母親を
アンジーが熱演しています。
そんな中で、良心的な牧師(ジョン・マルコヴッチ)の
ような人がいてくれて、本当に良かった。
後半の、誘拐犯とのせめ際いも凄かったです。

確実な証拠がない限り、息子はどこかで生きていると
信じて疑わない母の気持ちが切なくつらいです。

1930年代の背景や衣装もすごくよくできていて
アンジーのファッションもステキでした。



チェンジリング←公式サイト

■お気に入り度 ♥♥♥♥♡

(ルナのひとりごと)
ロス警察の腐敗って・・・もはや伝統でしょうか?(笑)
さすがに現代は違うと思うけど・・・・。
ローラースケートを履いて動き回る電話交換手の姿を見て、
バイトしていた電話オペレーターのSV(スーパーバイザー)の人を
思い出しました!結構苦手だったなぁ〜(~_~;)

2009年02月25日

チェンジリング・・・・・評価額1700円

ある日突然、最愛の息子が失踪し、数ヵ月後に警察によって発見される。
ところが自分を母と呼ぶその子は、我が子とは似ても似つかないまったくの別人
何かの間違いだという必死の訴えにも、警察は厳正な捜査の結果だと相手にしてくれない。
果たして本当の息子はどこに消えたのか、発見された子はなぜ他人の名を語り嘘を言うのか。
ぶっちゃけ「チェンジリング」の設定は嘘臭く、まるで出来の悪い三流サスペンスなのだが、これが「true story」というのだから、まさに事実は小説よりも奇なり。
「硫黄島からの手紙」以来となるクリント・イーストウッドは、一歩間違えると限りなく俗っぽくなりそうなこの物語を、格調高い人間ドラマに仕上げるのだから、やはり大したものだ。

1928年、LA。
クリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)の一人息子、ウォルターが失踪し、母一人子一人で暮らしてきたクリスティンは憔悴した毎日を送る。
五ヶ月間の捜査の末に、ウォルターが遥かイリノイ州で発見されたという知らせが届く。
再開に胸躍らせるクリスティンだったが、列車から降り立った少年は、ウォルターとはまったくの別人だった。
息子ではないと主張するクリスティンに、不祥事続きで点数を稼ぎたいLAPD(ロス市警)は決して間違いを認めようとせず、逆にクリスティンを精神病院に放り込んでしまう。
そんな時、LAPD批判の急先鋒であるブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)がクリスティンに救いの手を差し伸べ、彼女はLAPDと司法の場で対決する事になる。
警察はあくまでもウォルターは発見済みとして事件の幕引きを図るのだが、まったく別件の事件から、本物のウォルターの手がかりが発見される・・・


失踪した少年の謎を追うサスペンス物の様に見えて、そうではない。
本来の役割を忘れ、自己保身がその存在意義となってしまった硬直した権力組織への不信感と、市井に生きる個人のささやかな生き様を対比して見せた社会派ドラマだ。
馬鹿で無能で傲慢な人間に権力を渡すと、とんでもない事になるという事を、摩訶不思議な事実をモチーフに描いた秀逸な逸話であり、誰が見ても無茶な主張を往生際悪く繰り返す権力の姿は、悲しいかな現在の日本の一面すら透けて見える位に説得力がある。
私は腐敗しない権力という物は存在しないと考えている。
どんなに清廉潔白な理想を掲げた権力であろうとも、人間である以上、時とともに必ず利権が生まれ、それを守ろうとするようになり腐敗する。
特に警察のような武力組織において、チェック機構が働かないという事がどれほど恐ろしい事か、改めて考えさせられた。
もちろん、お堅いだけの権力告発映画ではなく、真実を求める気持ちのベースに流れているのは失踪した息子への母親の愛であるというのが映画として上手いところ。
クリスティンの痛々しいくらい一途な気持ちには、誰もが素直に感情移入できるだろう。

物語後半の背景になっている「ウィネヴィラ養鶏場殺人事件」は、アメリカ犯罪史上、被害者の数と犯人の特異なキャラクター、殺害状況の残酷さで現在にも語り継がれる伝説的な事件だが、映画を観るまでこの話が事件とつながっている事は知らなかった。
ただでさえインパクトのある事件だけに、殺人事件に重点を置いてしまうと、物語のバランスが崩れてしまい、作劇としては難しいところだが、完成した作品では適度な距離感を保っていて、構成力の高さが際立つ。
テレビ出身のベテランライター、J・マイケル・ストラジンスキーの脚本は、サスペンスの構造で物語を引っ張りつつ、キャラクターの立ち位置を明確にする事で、テーマ性の部分をきっちりと浮かび上がらせて、なかなか見事だ。

ややもすれば作り過ぎに陥ってしまう危険のある作劇を、イーストウッドは内面から血の通ったキャラクターを表現出来る実力者たちを配して、深みのある人間ドラマに仕立てている。
主人公のクリスティンを演じるアンジェリーナ・ジョリーは、前評判どおりの熱演。
テンションが高すぎて、脳の血管切れちゃうんじゃないかと心配になるくらいだったが、最愛の一人息子を理不尽に奪われた母親の苦悩と捨て切れない希望を、まさに全身で表現していた。
女性が社会的に抑圧されていた時代、虐げられた弱者から、徐々に権力と戦う闘士に変貌してゆく姿はカタルシスさえ感じさせる。
傲慢な権力を象徴するLAPDのジョーンズ警部を演じたジェフリー・ドノバン、同じLAPDながら事件を解決へと導く叩上げのヤバラ刑事を演じたマイケル・ケリーが好対照。
権力批判でも、全てを十把一絡げにステロタイプ化しないのはさすがで、むしろ組織の中での腐敗の構造が際立った。
ジョン・マルコヴィッチが抑えた演技を見せるブリーグレブ牧師や、精神病院でクリスティンが権力と対決する切欠を与える冤罪被害者のキャロルを演じたエイミー・ライアンなど、要所要所にキーとなるキャラクターを配してドラマを引き締める。

1928年に起こったこの数奇な事件は、クリント・イーストウッドという反骨の映画作家によって、今日性を持つ物語として見事に蘇ったと言える。
権力の腐敗や女性への偏見と言ったテーマは、程度の差はあれど、現在でも十分に説得力がある。
この作品は80年も昔の事件を題材としてるが、批判のターゲットのLAPDは90年代にもLA暴動の発端となったロドニー・キング事件を起こしたり、何かと物議をかもす組織である。
日本でも、どう考えて殺人事件なのに、なぜか警察によって自殺と断定されてしまった事件や、交通事故の原因が警察のずさんな捜査ですりかえられてしまった事件などが報道されている。
もちろん、そういう例はほんの一部だとは思うが、警察に限らず権力という物には常に危険な側面があるという事は、市民として認識しておくべきだろう。
「チェンジリング」は社会的なテーマを母の愛という普遍的な価値観で裏打ちし、2時間21分の超尺をまったく飽きさせない。
巨匠の円熟した技術を堪能できる力作である。

ちなみに「チェンジリング」とは、欧州の民話で妖精が人間の子を攫い、代わりにそっくりな妖精の子を置いてゆく事を意味する。
1980年にはピーター・メダック監督で同タイトルの映画も作られているが、こちらは知る人ぞ知る渋いオカルト映画の佳作である。

イーストウッドの映画を観ると、いつもは日本酒が飲みたくなるのだが、今回は女性が主人公という事もあって、ちょっと違った物が欲しくなる。
メルシャンの「桔梗ヶ原メルロー オー・ド・ヴィー・ド・マール 2005」をチョイス。
マールとは、ワインを造った後の絞り粕を原料に作られた蒸留酒の事で、どちらかというと食後酒として知られる。
この桔梗ヶ原メルローは、爽やかで複雑なハーブ香と微かな甘味とともに、イーストウッドの映画の様に、ビターなテイストも感じさせる。
冷やしてストレートでも良いが、アルコール度数が相当高い事もあり、鑑賞後はオンザロックがお勧め。

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2009年02月21日

チェンジリング

JUGEMテーマ:映画



2009年2月20日(金) 公開

★★★★★ アクションもセクシーな魅力も封印して渾身の演技を見せてくれたアンジーが良かった 星5つ!


皆さん、これが本物の春日ですよ。




お子さんをお持ちの親御さんならどなたも我が子が行方不明になるってどんなに苦しいことか想像しただけでもお分かりかと思います。

ところが実際に行方不明になったら、その想像の何倍も辛くて怖いです。


私はわかります。


2006年公開作品『フライトプラン』の感想でも書きましたが、私の娘が3歳の時に自宅から一人で出て行ってしまい行方不明になったことがあったのです。


その時の辛さは言葉に言い表せません。


夫と母と私の三人でとにかく探し回りました。


娘は見ず知らずの男性によって無事に交番に保護されていたのですが

その間の4時間ほどは、誘拐されたのではないか、川に落ちていないか、交通事故に遭っているのではと、生きた心地がしないというのはこの事なんだと、こういう時は探しながらも人間って悪い方向に考えてしまうものです。


娘を保護してくださった方が良い方だったからよかったものの、これがもし・・・と考えると5年経った今でも寒気がします。

たった4時間ほどでも我が子が失踪したら気が狂いそうなのに・・・

この映画を観て再びその時のことを思い出し、主人公のクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)の気持ちを考えると、心拍数が上がり涙が溢れました。


実際にあった事件なんですね、これ。


クリント・イーストウッド監督作品ってどれも、鑑賞後にズドンと重い物が命に刻まれたみたいな感覚に陥りますね。



脚本を担当したJ・マイケル・ストラジンスキーはジャーナリスト出身の方だそうで。

ロサンゼルス市役所の事務室に埋もれていたこの事件の記録を発掘し、1年を費やしてリサーチし脚本にしたらしい。



1928年3月10日 ウォルター・コリンズ君 当時9歳が行方不明に。

5ヵ月後、発見されたウォルターと名乗る少年は別人だった・・・・・。


この当時のロス市警の堕落ぶりは酷かったですね。
もはや警察とは言えない、あれはもぉギャングですね。


1928年と言えば昭和3年ですよ。

この当時のロスの街並みが冒頭とラストで見事に描かれていました。
最初と最後がモノクロームになっているのも粋な演出でした。


この難役を母性愛で演じきったアンジーが良かったです。
けして外見には出さないけれど芯はしっかりしたものを持っているヒロインのクリスティンを静かに力強く演じています。

こんな時代に、電話局での仕事の際にローラースケートを履いていたのには驚きました。

どうしてもアカデミー賞の前に観ておきたかったので。





その彼女をサポートするブリーグレブ牧師役のジョン・マルコビッチも良かったけれど、何と言っても目を惹いたのは・・・

ゴードン・ノースコット役のジェイソン・バトラー・ハーナーだ!!!

ニューヨークの舞台中心に活躍している俳優さんだそうですが・・・これ以上言うとネタバレになるので控えますが、このインパクトは脳裏に焼きつきました。


そしてイーストウッド監督と言えば音楽ですね。

ここでも悲しい旋律が耳に残りました。


次回作は監督・出演している『グラン・トリノ』GW公開です。


こういう事が起こったら、あの時こうしていたら・・・とか、もし、こうだったら・・・という後悔ばかりが残ってしまうでしょうね。

それは一生ぬぐえない後悔になるでしょう。


「息子は私の命なの」


一人の女性を通して正義とは、希望とは、というものを問いかけた作品だったと感じました。













2009年01月15日

スターシップ・トゥルーパーズ3

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■2008/11/26日DVD発売 ■アメリカ制作 ■105分

■監督 ・エド・ニューマイヤー

■出演
・キャスパー・ヴァン・ディーン(リコ)
・ジョリーン・ブラロック(ローラ)
・ポリス・コジョー(ハウザー)
・スティーブン・ホーガン(アノーキ総司令官)

■あらすじ■
地球連邦軍とバグスの戦争開始から11年。戦況が泥沼化する中、ロク・サン基地で指揮を執るでリコは、総指令官アキーノの訪問を受けた。アキーノと一行の中には戦友のボリス、ローラの姿も。2人と旧交を温めるリコだが、そんな時バグスが基地へ侵入。必死に抵抗を試みるも基地は壊滅してしまう。しかもリコは反逆罪に問われ、絞首刑に処されることになってしまい……。

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■かんそう■
1作目が、オォーブラボー!! な出来映えだった為
2作目3作目の初代超えハードルは高いですねぇ。

2は真面目になり過ぎ、お茶らけた持ち味が消えてたのですが
3は、リコや「連邦軍ニュース」なんかが復活し初代の香りが漂って来ます。

総指令官が歌う「今日は死日和」・・・今日だったか忘れた
呆れ笑いしちゃう・・B級炸裂・・・悲壮感のカケラも無い良いノリだぁ~。

ただね~、虫が・・・虫が少ないのですよ。
う~虫との血みどろの激闘が命の映画なのに
久々に頭脳バグも見られ成長してました・・・が、顔だけだし^_^;

大ボスの虫も、星半分にヘバリ付いてて形も分からないし
パワードスーツはショボイし・・・・低予算なのが手に取るように分かります。

とまあ、何だかんだと文句垂れながらも、好きなのよね。
元々、ノリと勢いで出来てるカーニバルみたいな作品だし

初代越えは完璧に無理ですが、2より元来の味がして良かったような・・
思いっきり呆れるっ言うのも映画の醍醐味です←どんな醍醐味なんだ(^◇^)

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