きょう、パラグアイが決勝進出、という記事を会社で処理していて気付いたのだが、きょう勝った相手のベネズエラとも、準々決勝で勝ったブラジルにも、PK勝ちなのである。それはいいとして、記事には、「パラグアイは予選3試合を含め5試合をすべて引き分けで勝ち上がった」とあった。ハテ、なんだろう。PK勝ちでは勝ったことにならないのか。そんな疑問を持って、ちょっと調べたら、すぐに分かった。PK勝ちは記録上、引き分けとされることを。
ということは、である。あの女子W杯決勝でも、日本はアメリカに勝ったということには記録上、ならないのである。つまり、日本とアメリカは今回を含め、25回戦い、21敗4引き分け(今回を含め)のままなのだ。違和感がある。ついにアメリカに1勝したと思っていたのに。ちょっとがっくり来る話ではないか。まあ、しかし、あくまで記録の話であるから、現実には「勝って」W杯トロフィーを手にした。それも厳然とした事実だ。もちろん誇っていい話だ。
それにしても今回の「なでしこ ジャパン」の大活躍には驚かされるばかりである。感動もあるが、わたし的には、驚きがまず来る。ドイツに勝ったあたりから、不思議な感じになってきた。あり得ないことが起きている、と思った。スウェーデン戦はまず勝てないだろうと思って寝ていた。早朝起きたら、なんと3-1で勝っているではないか。目をこすった。なにかの間違いではないだろうか。勝っているのもびっくりだったが、2点差をつけていたのには驚愕であった。
で、決勝のアメリカ戦はまた、いくらなんでも勝てないだろう、と思いつつ、準優勝でも画期的なことなので、午前4時に目覚まし時計をセットし、早く寝た。どうか、起きてテレビを見た時に、0-0でありますように、と願いながら。まあ、キックオフが午前3時45分だったので、これはかなり期待した。そうしたら、前半を終わっても0-0ではないか。これ以上ない、という展開だ。1-0で仮に勝っていたとしたら、それはかえって危うい。逆転される。0-0がベストだ、と思っていた。
しかし、後半先に先制点を取られてしまう。あんなロングパス1本から点を入れられるなんて、とちょっと不満だった。モーガン選手とやらに、DFはもっと体を寄せられなかったのか。今でもあれは防げた失点だと思っている。これでがっくり来ていたら、すぐにゴール前の混戦から、宮間がゴールを決めたではないか。信じられなかった。延長に入っての展開も同じ。確認の意味で書いておく。
確かCKからのボールを、FWワンバックにヘディングされた。きれいに決まった。とはいえ、何度もこのシーンを見ていると、日本のDFがワンバックをフリーにしていることが分かる。体を寄せるなり、CKのボールが向かってきた時に、ワンバックの前に飛び出せば防げた失点ではないか、との思いが消えない。それはともかく、試合終了3分前に、宮間-沢コンビの同点ゴールが生まれる。ワンバックのゴールで試合は終わった、と諦めていたのに。なでしこたちは諦めていなかったのだ。
沢のゴールは、奇跡的とか芸術的とか表現されている。NHKのニュースウォッチ9に生出演した沢は、キャスターとこのゴールを「再現」していたが、それを見ても、納得できない。沢がジャンプして、右足の外側で蹴った(触った)ことになっているが、あんなゴールは男子の試合でも見たことがない(そんなに熱心に見てきたわけではないが)。理解不能。事前に宮間が沢ともう1人の選手を呼んで「ニアに蹴るから」と言ったそうだが、そして、沢だけでなく、もう1人呼んだことが相手をかく乱させるという意味で、「宮間の賢い戦術」とスポーツ紙に絶賛されているが、それでも、あんなにドンピシャに決まるものか。やはり奇跡のゴールとしか、言いようがないのか。
そして運命のPK戦。ここでも、わたしは弱気だった。アメリカの方が身長が平均10センチ高いのである。高い方が有利に決まっている? 決勝に来る前に、ブラジル戦でアメリカはPK戦を勝ち抜いている。アメリカの最初の5人がすべてPKを決めた。勝ち方を知っている。だから、アメリカの最初のPKをゴールキーパー海堀が防いだ時、また、びっくりした。アメリカの2番手がボールをふかした時もびっくりし、喜んだ。でも、日本も2番手が失敗している。
差は1つしかない。で、アメリカの3番手のPKを防いだ時、やっと勝てるのかも、と思った。ここで決めればという時のキッカーは一番若い20歳のDF熊谷(なんでFWかMFじゃないのか)。表情がアップになった。意外に冷静に見えた(内心は不安だらけだったろうけど)。そして見事に鋭く決めた。ホッとした。本当は「沢はなんで蹴らないんだ」とイライラしていた。後に沢が「PKは嫌です。最後にしてください」と監督に直訴していたエピソードが明らかになるのだが、中継を見ている時は、なにも知らないから、「なんで沢が蹴らない」と不思議がっていた。
楽しい思い出なので、いくらでも書きたいが、もう長くなりすぎた。日本がサッカーW杯で(男女を問わず)優勝、なんて、自分が生きているうちに目撃できただけで、表現できないくらいの幸せをかみしめている。言うまでもないが、W杯の金は五輪の金よりも価値が高いとされる。国民は大喜びしたが、政府はすべきことをしなくてはならない。国民栄誉賞の規定を変えて、団体にも贈れるようにし、「なでしこ ジャパン」をその第一号にすべきだ。もちろん、銀座を祝賀パレードすることも是非、実現させたい(都知事もたまにいいことを言う)。巨人が優勝した程度で(よくパレードしたもんだ)、35万人も集まったという。なでしこ、のパレードには、一体、どのくらい集まるのだろうか。3・11の大悲劇があった年に、この大偉業。神様はどこまで、ひねくれているのであろうか。
追記:政府は25日、なでしこジャパンに国民栄誉賞を贈ることを内定した。
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