2009・米 ★★★☆☆(3.5)
監督:スティーヴン・ソダバーグ
出演:マット・デイモン スコット・バクラ ジョエル・マクヘイル メラニー・リンスキー ルーカス・キャロル
1992年、イリノイ州。
マーク・ウィテカー(デイモン)の人生は、順風満帆だった。
名門大学を卒業し、農業関係の大企業ADMに就職が決まり、着々と出世し、33歳で重役となる。
コーンから「リジン」というアミノ酸系食品添加物を製造する世界最大規模の工場を任される。
私生活では、愛する妻のジンジャー(リンスキー)と子供達に囲まれていた。
そんな彼の人生を変えたのは、工場で発生中のウイルスだった…。
それによって生じる毎月700万ドルの損失を「何とかしろ」と、副会長のミック・アンドレアスに責められる。
ウィテカーは、ウイルスを仕込んでいる日本の大企業のスパイから、1000万ドル払えばやめると
脅迫されたと報告するするのだったが…。
その話を聞いた副会長はFBIに介入を依頼、まずはウィテカーの自宅の電話に録音機を仕掛ける事となった。
盗聴器を取り付けに訪れたFBI捜査官ブライアン・シェパード(バクラ)に、爆弾発言をするウィテカー。
ADMは、リジンをはじめ自社の全製品で、違法な価格協定を行っているという…。
この日この瞬間から、ウィテカーは、巨大企業の内部告発者<インフォーマント>となった。
だが何故、エリート社員が内部告発などするのか?
シェパードの疑問に、ウィテカーは弾丸の様に答える。
自分は元々技術畑の人間だから、ビジネスの為の嘘や不正が許せないのだと…。
しかし、そう語った熱い言葉もすぐに忘れる、信じられぬ程にウィテカーは気分屋だ。
「10万ドルの昇給を提示された」事を理由に、FBIに語った内部告発をいとも簡単に「キャンセル」しようとする。
「君が協力を断わったら、別の誰かが協力し、君は被告になる」。
辛抱強いFBIの説明に、ようやく事態の深刻さを呑みこんだウィテカーは、全てを告白して協力すると約束する。
思わぬ急展開に色めき立つFBIは、ウィテカーを協力者として迎え、確たる証拠を掴む為に、潜入捜査を
開始するのだったが…。
表向きは有能なビジネスマン、裏の顔は会議を隠し撮りするスパイ…。
その「スパイごっこ」が気に入った彼は、自分は秘密諜報部員0014だと大真面目に胸を張り、知人に話してしまう。
「どうして、そのナンバーが?」の問いに…。
「自分は、007の倍は頭がいいからさ!」と答えるのだった。
この男、本当に頭が良いのか?
何処までが、本当なのか? 全てか…? はたまた…?
《***》
90年代半ばにアメリカ中を揺るがした実在の経済事件を基に、大企業の内部告発者となった一人の男の
衝撃の真実と、それに振り回されたFBIや企業幹部達の大混乱の内幕を、「オーシャンズ」シリーズの
スティーヴン・ソダーバーグ監督が描くブラック・コメディ。
予告だけを見ると、「Mr.ビーン」がスパイになった様な役どころを、今年「最もセクシィーな男性」に選ばれた
「マット・デイモン」が監督から要請されて、15キロも体重を増やして演じたコメディ作品か?と勝手に
思っていたが、いやいやいや…、内容は全く違っており、何だか眉間に皺が出来続けたままで見ましたけれど。
もし、此処に「実在の事件を基に…」と言うのが無ければ、きっと大嫌いな作品だったと思う。
てか、「映画に出て来る、私の知っているFBIじゃない!」ちゅー位、振り回されてメタメタにされちゃう。
その、マヌケ具合が実際に笑っていいのか?どうなのか、悩んでしまった。
しかもマット・デイモン演じる「ウィテカ君」、この人を正常な人間と見て良いのかどうなのかさえ分からなかった。
確かに、頭脳は良い人なのだろうと思う。
但し、常識もへったくれも有ったもんじゃない。
例えば、「技術畑の人間だから企業の不正を見過ごせない、許せない」と言って、内部告発者になる事を
決めるのだが…。
普通だったら、内部告発すると言う事は「企業側の人間」から「その企業を罰する人間」となる。
と言う事は、この内部告発によっては、企業が倒産する事すら考えられる…。
言わば、命懸けの告発であって、「刺すか」「刺されるか?」の大袈裟に言うと死ぬ覚悟で事に当ると思うのだが。
ウィテカ君は、そう言う風には全く考えない。
先ず、自分の告発について会社が倒産する事は無い。
上層部の人間が、根こそぎ逮捕されると考えられ、そうなると人材が不足するので自分が上層部の人間になれる。
(本気で、社長になれると考えてたみたい…
) あり得ないでしょ!
しかも、有る事無い事、虚言癖があるのか?もしくは、マヂで計算しされつくしているのか?
信じられない嘘をつき倒す!
例えば、他人の見る目が普通よりか優しくなるのは、「自分は養子である」と言う告白をすると、同情心を買えると
言うのを知ったウィテカ君は、必ず自分の過去を他人に語る。
「自分は6歳の時に、両親を事故で亡くして、金持ちの人に養子として引き取られて、ラッキーな事に裕福で
良い生活や良い環境を与えられた」と話すのだが…。
実際の彼の両親は、超元気でピンピンしている等々…。
「嘘つき野郎」と分かってから、FBI捜査官や彼の弁護士が何度彼に「全てを話してくれ…」と言っただろうか?
「じゃぁ~、今度こそ、正直に全てを話す」と言いながら…。 嘘のオンパレード。
その度に、捜査官も弁護士も辟易してしまって…。(見ていて、お気の毒でした)
こう言う人は、政治家向きなんじゃ?
でも、現在は大きな会社の上層部に居るそうですが、頭脳が良いので「やっぱ、企業」も雇うのだろうか?
その辺も、私の中では気持ち悪~~い部分で御座いましたね。
ハッキリ言って、何かが物凄く欠落した人なのかしら? それとも、全て計算ずく?(此処が読めないのよね!)
なので、心の底から笑う事も出来ないし、ウィテカ君に感情移入も勿論出来ない。
この奇妙なお方をマヂで、15キロも増量して挑んだデイモン君に、先ずは拍手だね。
本当に、パッと見は「え?フィリップ君?」と思う程で有りました。(フィリップ君については皆まで言わん!)
日本企業の名前も出ちゃいます。
実際に、1996年 「味の素」 「協和発酵」 「韓国のセウォン」が、ADMと共に闇カルテルを結んでいるとして、
摘発されていたらしいのだが…。(覚えてないなぁ~
)
日本じゃ、冷凍倉庫の社長さんが「告発」した為に「全て」を失い、悲惨な結果になったドキュメンタリー等も
有ったけれども…。
あの社長さんが、この作品をご覧になったら「怒り心頭」やろうなぁ~。
其れ位、私の中でも温度差を感じる作品ではあった。
面白いか?と尋ねられたら…、「私には合わない」と言う風に、逃げちゃおう~。
<面白い部分も上手く作られている部分もあるのだが…、こう言う企業社会の事に詳しい方には面白いのかも>
取り立てて、スクリーンで見ないといけない作品では無い様な…。
隣の席のおっちゃんは、思いっきりデッカイいびきを気持ち良くかいておられましたもの!
《+++》
<監禁されちゃいました! きっと、白馬の王子様が助けに来てくれる筈! 待ってるで!>
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