腰痛に牽引を行っても良くなりません。下手をすると悪化します。
牽引療法は、よく整形外科や整骨院で行われる腰痛に対する療法です。
腋を固定し、骨盤部をベルトで止めて重り・または電力で足の方へ10分~15分程度引っ張ります。
負荷は体重の3分の1程度。
牽引療法を行う理由としては
「レントゲン・MRI等で腰椎間が狭くなり、椎間板が圧迫を受けていることが確認された。」
↓
「圧迫された椎間板が変性を起こしている事と、狭くなった椎間関節が神経を圧迫している事が痛みを発症させていると思われる。」
↓
「よって牽引によって椎間関節の間を拡げる事によって痛みが無くなるはずである。」
というのが大体のものでしょう。
なぜ、これがいけないか、というと...
2つ理由があります。
原因と結果を間違えている、というのが一つ
もうひとつはそこから派生して
何故そういう状態になっているかを解らずに牽引療法を行う事で
さらに腰痛を悪化させる可能性を持っているからです。
まず、一つめの理由である、「原因と結果の間違い」について
「レントゲン・MRI等で腰椎間が狭くなり、椎間板が圧迫を受けていることが確認」
されているのは、腰痛の原因ではありません。
もし、レントゲンに写った「腰椎間が狭くなり、椎間板が圧迫を受けている」
状態を、腰痛の原因として見てしまうと
「じゃあ、なぜ背骨と背骨の間が狭くなっちゃったの?」
という疑問が湧きませんか?
湧いて当然、理由もなしに「腰椎間が狭くなる」ことはありませんからね。
レントゲン等で発見されるのは
背骨同士等を繋いでいる筋肉が収縮して、背骨と背骨の間をせまくしている
「結果」であり腰痛の「原因ではない」のです。
いぎやんは筋性腰痛症の原因は
「筋肉の強張り・収縮とそれにともなう関節の可動不全ですよ。」
と前号でも前々号でも言いました。
厳密に言うと「関節の可動不全」も結果なんですけどね(^_^;)。
そしてこの縮んで強張った筋肉が
「腰椎間を狭く」し、「椎間板が圧迫されている状態」
を作っているのです。
そして、その収縮した筋肉が痛覚神経を刺激することで痛みを発生しているのです。
これを解決しないと、腰痛は本当の意味での改善はしないんです。
ですから、圧迫されている、もしくは狭くなっている状態を見て
「これが原因だ。」
と考えてしまうと
単純に「引っ張って伸ばせば良いんじゃないの?」
という事になってしまいます。
これでは何の解決にもなりません。
もう一度言います。
「背骨と背骨の間が狭くなっている」状態(結果)を見て
「これが原因だ。」という診断には
「ではなぜ狭くなっているんだろう?」
という疑問が抜け落ちています。
これが、いぎやんが
「原因と結果を間違えている。」と言った理由です。
では2つめの理由
「牽引でさらに悪化させる可能性を持っている。」
と言ったのは何故だと思われますか?
ここで大事なのは、この
「筋肉の強張り・収縮がなぜ起こっているか?」
というところです。
ここからは前号でも書きましたが大切な観点なので、もう一度書きます。
腰痛時の筋肉の強張り・収縮は
「運動後に筋肉が張る」といったものとは違って「体を護るための作用」と言いました。
「体を護るための作用」というのは
筋肉が必要以上に引っ張られた時
「筋肉や腱が切れたり、その筋肉が付いている関節が壊れないようにする。」
というものです。
この「体を護るための作用」がどうやって働くかというと....
筋肉の中には「筋肉の伸び縮みを感知する装置」があって
筋肉に無理な力がかかった時には、この装置が
「筋繊維が引っ張られすぎて切れないように縮んで守れ!」
という信号を出します。
そうすると、筋肉はギュッと縮んで、引っ張られても切れないようにします。
これが腰痛持ちの方の「筋肉の強張り・収縮」なのです。
そしてこの強張り・収縮は、先ほどの
「筋肉の伸び縮みを感知する装置」が
「もう緩んでも良いよ。」という信号を出さない限り解除されません。
そういう状態の、体を護ろうと頑張っている筋肉に強い刺激を与えてしまうと
筋肉はますます頑張って縮もうとします。
つまり
「腰椎間が狭くなり、椎間板が圧迫を受けている」
状態を腰痛の原因と考えて単純に引っ張ってしまうと
そういう状態を作り出している筋肉の収縮をさらに強くしてしまう可能性があるということです。
それどころか
それまでリラックスしていた他の筋肉まで緊張させてしまう可能性さえあります。
これでは、ますます腰痛を慢性化させ、治りにくくしてしまう恐れがありますね。
実際にいぎあ☆すてーしょんにお越しの方で、2年間に渡り週2回~3回程度牽引療法を受け続けたある方の腰の筋肉は、いぎやんでも緩められないほど凝り固まってしまっていました。
硬くなり過ぎて触っても押しても痛みも感じないほどになっていましたし、背中全体が突っ張ったままで全く丸くならず、仙骨と第5腰椎の間でカクッと曲がる感じです。この状態は、仙骨第5腰椎間にはかなり大きなストレスです。
「あな恐ろしや牽引療法」って思いましたね。
いぎやんは長期間に渡っての牽引療法は
「百害あって一利なし」
だと思います。
短期間でも「無意味」ではないでしょうか。
数年前の話ですが、アメリカのカイロプラクティック関係のジャーナルに、カイロプラクターと整形外科医の共同研究の論文が載っていまして、そこにもそういう内容のことが書いてありました。
日本では、そういった研究がおそらく全くされていないので、未だに深く考えずに牽引療法が行われているのではないかと思います。
と言うわけで、「牽引は無効である」というのが、いぎやんの見解です。
「筋肉の伸び縮みを感知する装置」についてもっと詳しく知りたい方は、
「いぎあ☆すてーしょん」HP
「松尾式整体の特徴」http://igia.jp/tokutyou/tokutyou.html
をご覧下さい。
m(_ _)m
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編集後記
ちなみに、いぎやんの住んでいる町で「牽引療法はやっちゃいけないよ。」と
言う整形外科医は、今まで聞いた中ではたったお一人です。多分、海外の文献等
も読まれて勉強されているんでしょう。漫然と効果のない療法を行っていない、
という点でいぎやん的には評価が高い先生です。
若い先生で、「丁寧に診てくれる。」と、近所でも評判の良い医院です。
いぎやんは、いぎあ☆すてーしょんにお越しの方で、整形外科の受診が必要だ
と思われる方には、この整形外科をお薦めしています。
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この記事はまぐまぐ発行の「いぎやんの整体健康道場」のバックナンバーを編集しています。
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