田中さんの長女が高校生になったころ、常連客の一人が
「昼ごろから少しでいいから工場の仕事を手伝ってくれないか」と、
声を掛けられた。
飲み屋の仕事にも慣れ、時間的にゆとりの出来た頃で、ぐだぐだ昼前まで寝ているのも飽きた頃だったので、常連客に懇願されあっさり引き受けてしまった。
バブル期の忙しさがまだ、あった頃のことらしい。
橋を作る前に橋げたの材料や、掘削器具を事前に用意する為、
仮の橋を作そうだ。それらの機器類は泥やヘドロが詰まってすぐに補習や修理が必要になるそうだ。
大型の機器の研磨が主な仕事らしく、仕事としては難しくはない。
そばで見ていると面白くなり元来、手先が器用な田中さんはたちまち
仕事を覚え、週1回の約束から週3回その仕事を手伝うことになったそうだ。
昼と夜の仕事の繰り返しで子どもたちの面倒を見るどころでなくなってきた。しっかりした長女は高校に通いながら家事と勉強を両立させてくれたが、中学2年の次女はかまってくれるもののいない寂しさから、少しずつグレ始めた。田中さんはまだ気づかなかったそうだ。<つづく>
「昼ごろから少しでいいから工場の仕事を手伝ってくれないか」と、
声を掛けられた。
飲み屋の仕事にも慣れ、時間的にゆとりの出来た頃で、ぐだぐだ昼前まで寝ているのも飽きた頃だったので、常連客に懇願されあっさり引き受けてしまった。
バブル期の忙しさがまだ、あった頃のことらしい。
橋を作る前に橋げたの材料や、掘削器具を事前に用意する為、
仮の橋を作そうだ。それらの機器類は泥やヘドロが詰まってすぐに補習や修理が必要になるそうだ。
大型の機器の研磨が主な仕事らしく、仕事としては難しくはない。
そばで見ていると面白くなり元来、手先が器用な田中さんはたちまち
仕事を覚え、週1回の約束から週3回その仕事を手伝うことになったそうだ。
昼と夜の仕事の繰り返しで子どもたちの面倒を見るどころでなくなってきた。しっかりした長女は高校に通いながら家事と勉強を両立させてくれたが、中学2年の次女はかまってくれるもののいない寂しさから、少しずつグレ始めた。田中さんはまだ気づかなかったそうだ。<つづく>


