もっと栄養素について良く知ろうシリーズ:ビタミンK
今回はあまり馴染みがないかもしれませんが、ビタミンKを取り上げてみたいと思います。
ビタミンKって何?
フィロキノンとも呼ばれる、ビタミンK1は天然のものであり、植物内に含まれる形状です。ビタミンK2はメナキノンとも呼ばれ、こちらは動物の体内に存在する細菌や人類の腸で生成されます。ビタミンK3はメナジオンとも呼ばれ、合成された形状です。このようにビタミンKには3種類の形状があり、それらはいずれも血液凝固に対して効果があります。しかし、緑色をした植物内にのみ存在するビタミンK1は骨粗しょう症に対する予防効果がある最適な栄養素です。ちなみに、これまでビタミンK3については数多くの研究が行われてきましたが、深刻な副作用があるため、この形状のビタミンKはサプリメントとして認められていません。
どんな風に働くの?
血液を固める
血液凝固は人体にとって、対外的な傷やあるいは内部の傷によって血管がダメージを受けた際に、それによって引き起こされる出血によって死に至らないように、血液を固めて傷口を塞ぐという重要な機能の一つです。その他の血液凝固のメリットは、傷口を隔離して治癒プロセスを開始することにあります。ビタミンKは血液凝固カスケードと呼ばれる複雑な血液凝固プロセスの多くの段階で酵素を活性化させるために必須のものです。
ビタミンKが不足していると、血液を固めるためのタンパク質の量が減少し、結果として出血が止まるまでの時間が延びることになります。このため、ビタミンKは血液を固めるために必須のものとして最も良く知られています。
さらに、興味深いことに、ビタミンKは血液凝固を弱めるいくつかのタンパク質も活性化させます。
このため、研究はビタミンKが血液凝固を開始するのを助けるだけでなく、その調節を行うためにも必要なものである事を示しています。
骨粗しょう症予防
50歳以上のアメリカ人の55%、あるいは4400万人が米国では骨粗しょう症だと言われています。これは、50歳以上の女性の2人に1人、男性の4人に1人がその残りの人生の中で骨折を経験する原因となる程です。研究者達は、現在ビタミンKが骨密度を維持するのを助ける方法を見つけています。
ビタミンKを食事から大量に摂取している7万人以上の女性を対象としたある調査により、そういった人たちは骨盤の骨折に遭遇するリスクが低いことが分かっています。その他では、女性の血中を循環しているビタミンKの量を調査し、その量が低い場合、骨折の発生率が上昇することと関係があることについて調査しました。
また、その他にも、ビタミンKを補給すると尿中に含まれるカルシウムの量が減少するという報告がなされており、ビタミンKの摂取によって体外へ排出されるカルシウムの量が減ることが分かりました。
さらに、ビタミンKは軟骨や歯の一部である象牙質の形成にも重要であるように見えるという事実もあります。
ビタミンK1はオステオカルシンと呼ばれる、骨内に存在する非コラーゲン性の主要なタンパク質を活性化するために利用されるため、骨量の維持を助ける働きがあります。活性化されたオステオカルシンは骨の内部にカルシウム分子を引っかける働きがあります。このため、ビタミンK1が存在しないと、オステオカルシンの量は不十分な状態となり、骨石灰化が弱められることになります。
このことから、ビタミンKは特に高齢者にとって骨折を予防するために重要であることが分かります。
細胞を酸化ダメージから守る
人類は生きていくために呼吸して酸素を取り込む必要があるのですが、酸素は危険な物質でもあります。それは体内で活性酸素を生み出す原因となるためです。活性酸素はすぐさま抗酸化物質によって中和されないと、その周辺にある細胞の組織にダメージを与えてしまいます。
ビタミンKがある酵素によって、タンパク質を別のものに変換する為に利用されている際、それも同じく変換されます。この変換されたビタミンKはその後再生成されると共に、ビタミンK循環と呼ばれるものの中で再利用されます。この循環の間、ビタミンKは抗酸化物質として機能し、細胞膜の主要な構成要素である壊れやすい脂肪にダメージと与える活性酸素を非活性化します。
その他の機能
研究者達は、元来ただその血液凝固機能だけを評価されていたビタミンKについて、更なる可能性を発見しています。ビタミンKは特定のタンパク質をカルシウムと結合する形状へ変換する際に幅広く関わっています。このビタミンKに依存し、このような変換に対して責任を持っている酵素は、これまで調査されたほとんどの器官・各種細胞内で発見されています。
カルシウムは骨の形成以外にも、体内で多くの活動に関わっているため、これはビタミンKが血液凝固や骨の形成以上にさらに重要であることを示唆しています。
一部の研究では、ビタミンKの摂取量が低下していると、血管が硬くなると指摘されており、さらに、腫瘍に対してもビタミンKは能動的であるかもしれないとされています。というのは、ビタミンKは腫瘍を増大させるであろう細胞に対して自滅するような信号を送るメカニズムに関わっているかもしれないためです。
不足するとどうなるの?
ビタミンKの不足が起きることは希ですが、血が固まりにくくなり、出血が止まるまでの時間が長引く原因となります。また、深刻なビタミンK欠乏は致命的な貧血を招くことがあります。
動物が長期間ビタミンKが不足した状態に置かれると、骨の結晶化に問題を起こし、成長が止まってしまいます。
なお、ビタミンK欠乏は新生児において起こりやすいと言えます。特に、未熟児で、母乳で育てられている場合や、母親が抗凝血薬を服用している場合、起こりやすくなります。乳児はビタミンK2を生産してくれる細菌が腸内にいないため、もし食事中のビタミンKの量が不十分であるとこのような状況が起こります。
また、ビタミンK欠乏は、閉塞性黄疸や小児脂肪症、慢性下痢、腸のバイパス手術を受けた人、慢性膵炎、肝臓病といった脂肪の吸収に問題を抱えている人で起こりやすくなります。
また、怪我をした人、腎機能が弱くなっている人、長期間にわたって抗生物質を服用している人もビタミンK欠乏が起こりやすいと言えます。
さらに、心臓疾患のための特定の治療を受けている人も、血液凝固を抑えるためビタミンK欠乏を引き起こすことがあります。
過剰摂取の副作用
では逆に過剰接した場合はどうなるのでしょうか?
たとえ大量に摂取したとしても、天然の形状をしたビタミンKであれば特に副作用は起こりません。このため、専門機関も1日の許容摂取量を定めていません。
ビタミンKが予防や治療に効果的な病気
ビタミンKは以下のような病気について予防や治療効果が期待できます。
● 抗凝血薬の過剰投与(病気ではありませんが)
● ガン
● 軽傷
● 心臓発作
● 月経時の大量出血・痛み
● 出血を伴う病気
● 腎結石
● 妊娠時の吐き気・嘔吐
● 骨粗しょう症・骨減少症
● 肺塞栓
● リュウマチ関節炎
● 外科手術
● 脳卒中
野菜からもしっかりと摂取を
普段きちんとした食事をしていれば不足は起きないと思いますが、そうは言ってもなるべくビタミンKを多く含んだ食品を意識しておいた方が良いでしょう。パセリ・ケール・ほうれん草・マスタードグリーン・ターニップグリーン・スイスチャード・コラードグリーン・ロメインレタス・バジル・タイム・芽キャベツ・キャベツ・アスパラガス・オレガノ・セロリ等がお勧めです。
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それではまた。
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