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2011年09月30日

友だち

部活なにしてた? 部活なにしてた?


前回、ご紹介させていただいた・・本、“流星ワゴン”

   (記事はコチラ click  “死んじゃっても”  )



同じ著者の作品・・
きみの友だち (新潮文庫)/重松 清   


小学校5年生の誕生日に、松葉杖をプレゼントされた恵美ちゃん。



小学校4年生の梅雨の晴れ間・・だった。

下校時に降り出した雨・・お母さんが持たせてくれた傘に、、

「私も入れて~」「私も~~」 と恵美ちゃんをとりまいてはしゃぐクラスメイト・・・・

そして、不慮の事故で、

恵美ちゃんは・・・残る一生、松葉杖が無ければ歩けない足となってしまう。



恵美ちゃんは、自分の足を奪ったのは・・クラスメイトだ・・となじる。

そうではない、とわかっていながらも・・誰かを責めなければ、つらかったから・・・。


でも、退院後、少しずつ・・・クラスメイトたちは、彼女から離れていきます。


「クラスの人気者だと思っていた。でも、それは嘘--何人かを責め立てただけで、
『みんな』が敵に回った。」(本文抜粋)



そんな恵美ちゃんのエピソードから始まって、恵美ちゃんの周りの子どもたち・・

年齢を、往きつ戻りつ・・オムニバスでつづられます。


クラスメイトの少女、恵美ちゃんの弟、弟の先輩・・



小学校、中学校・・高校・・・

ライバルと競い合い、ケンカをしたり、仲間はずれにあったり、

相手を妬んで、その分・・自分を卑下して唇を噛む。


自分が一番近くにいたつもりだったのに・・私は、あなたを一番に思ってきたのに。



悔しさを隠して、笑顔をつくり・・・・そんな日々を送りながら、


70%Life



友だちって、何だろ? と、うつむきながら、一人歩き・・

うつむくのに疲れて、、、空を見上げ・・・浮かぶ雲に、思いを寄せる。



どのエピソードも、、、学生時代のどこかで・・似たような風景を見たことがあるような、

自分がその、風景の一員だったような・・そんな思いを抱かせる。。。。


かもしれません苦笑汗





が・・・・・・・・・・・・・・私、小学校時代から、「友だち」という存在が希薄で・・・

ともかく、一人でいるヤツで・・そのほうが、気楽で、、、、、


「友だち」が欲しい、とか 「友だち」になりたい、とか・・感じたことがなかったので。。。。



ぬぬぬぬ・・・・困った。がびょーん汗




部活なにしてた? 部活なにしてた?


小学生高学年のとき、『図工クラブ』 に入りました。(何か、に所属しなくてはならず・・(T▽T;))

部員は、、私と・・近所に住む、ちょっと変わった同級生 ヒカルくんの。。二人だけ。

小柄で、やせっぽちのヒカルくん・・

幼馴染ですが、小学校高学年ともなると、学校でも、学校以外でも遊ぶことなど、ありません。



顧問の先生と、私と、ヒカルくん・・・

放課後の部活の時間、彫金でランプシェードをつくったり、木片でアクセサリーをつくったり・・・。


今、思い出すと・・・


小学校時代の、唯一の・・・友人だったかも。

会話も、あまりない・・・静か~な『図工クラブ』 だったけど、



その居心地は・・好きでした。




   
  クリック 「友」も「愛」も抜きで・・・「情けの」ポチっ も嬉しいですよぉ~ぷぷ




【ご紹介した本】

きみの友だち/重松 清
¥1,680
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2011年08月27日

息子の最近の愛読書

マンガが大好きな息子ですが、活字ばかりの本も読むので、それはうれしいな。

活字アレルギーだと、この先、しんどいですものね!




ハリー・ポッターと死の秘宝 上下巻set (携帯版) (ハリー・ポッターシリーズ)/J.K.ローリング

過去の映画をDVDで全部視聴したこともあって、

原作本もよく読んでいます。

携帯版が出たので、リーズナブルになったのも、うれしいですね。

といいつつ、我が家はブックオフで、安価に購入しましたケド(^_^.)




イギリスとアイルランドの昔話 (世界傑作童話シリーズ)/著者不明

最近よく読んでいるのがこちら。

面白い話がたくさん入ってるのだそう。

男子の「面白い」はやや理解不能ではありますが・・。





トム・ソーヤーの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)/マーク トウェイン

これも好きです。

ま、これは予想通り。ふふ。

本を読んでいると、「宿題やりなさーい」コールがないってことを知ってる息子。

最近、読書タイムが増えています・・・・。おいおい。

2011年06月30日

ハーメルンの笛吹き男

暑くなっていますので、ちょっと涼しくなりそうな
うっすらコワイ童話でもどうでしょうか。

【送料無料】ハーメルンの笛吹き男

【送料無料】ハーメルンの笛吹き男
価格:1,575円(税込、送料別)


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
言い伝えによると、1284年のある日のこと、ハーメルンに、ふしぎな男があらわれました。「たんまり礼をくれるなら、ハーメルンの町からねずみを追い出してさしあげよう」男は笛を吹き、ねずみはいなくなりました。けれど、町の人は男に礼をせず、男は町から出て行きました。そして6月26日、男はもどってきました。目はぎらぎら光り、その心は復讐に燃えて─。今なお謎につつまれる伝説を、ツヴェルガーの精緻なイラストで描きます。

文章はレナーテ・レッケさん。グリム童話の再話です。
絵はリスベート・ツヴェルガーさん。
出版社はBL出版です。

2011年06月20日

【ティリーのねがい】長男初めての幼年童話☆

先日図書館で長男が選んだ1冊

ティリーのねがいティリーのねがい
フェイス ジェイクス Faith Jaques

こぐま社 1995-12
売り上げランキング : 381276

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画像がなかったのですが、お家が一軒とその横に女の人がいる表紙。
私では手にしない絵本だなぁ〜と思い、パラパラっと中身を見せてもらうと

字がいっぱい!!どころの騒ぎでなく字ばかり!!過去最高の文字の量☆
しかも長い!!!

本当にこれ借りるの・・・と思い聞いても、兄弟でお気に入りのよう( ̄○ ̄)

読むのが大変だなぁ〜;と思いながら借りてきました・・・

これって童話なのかな??と思って調べると位置付けでは幼年童話みたいで

幼年童話って??と思ってネットで見てみると、
【絵本から本格的な読み物への橋渡し役】と書いてあることが多かったです

この絵本を見るとまだまだ絵も多いので、さらに絵本と幼年童話の間のような感じなのかな〜

借りたその日の寝る前の絵本になっていて、手が空いていた旦那が担当☆

字の多さに若干ショックを受けつつ読んでました〜笑


舞台は人形の家。
メイドとして扱使われているティリーは、
ここにいる限り自分の一生はメイドとして働くだけで終わってしまう!
家を出て自分の家を見つけに出ることを決心します・・・

人形の家を抜け出し、ティリーはクマのエドワードと出会います☆
エドワードはティリーの話を聞き、一緒に家を探し素敵な場所に辿り着いたのでした!

生き生きと自分の場所を作っていくティリーの姿がとっても素敵で、大人も子供もワクワク元気になれる1冊だと思います♪

【今日の一針 明日の十針】【無駄を省けば 不自由なし】

おぉーと思う言葉もあったりで☆

長男はどんな感じで聞いているのかな?と思ったら、お話の中に入り込んでいました

さすがに一気に読むのは長いということで、半分読んで続きは明日!と終了。
次の日、同じく寝る前に選手交代で私が読みました☆

こんな風に続きを次の日に読むのも新鮮でしたが、途中からでもすぐにお話に入っていった長男の姿ももまた新鮮でした

そしてまさかの『もう1回!!』
さすがにその日に読むのは無理なのでまた持ち越し(^^;)

主人公に同化しやすいという点でも、お話の中に入り込んで楽しめる素敵な1冊だと思います☆

子供が寝た後で、旦那とこの絵本の話をしていて
『長いけど面白かった!』
『2人ともよく見てたね〜』
『いつくらいからお話(童話・文庫本)を読み始めるのかな』なんて話をしていたら

3日目の今日。
私がお風呂から出てくると、自分でこの絵本を読んでいる長男!!
カタカナはまだ怪しいので旦那に聞きながら・・・
漢字もあるのですが、振り仮名が振ってあるので読めていました

松井直さんも言っていましたが、
私も、絵本は読むものではなく読んでもらうものだと思っています

字が読めるようになると自分で!!と読み始めるかもしれません・・・

でも、字を読むことに集中して絵を読むことができなくなる気がして;

『読もうか?』と声を掛けてみたのですが、黙々と集中して読む長男
『結構自分で読むのを楽しんでるよ』と旦那

結局3分の1ほど自分で読んで終了していましたが、読めるものだなぁ〜と感心しつつ少し寂しさも(ーー;)

絵本から少し進んで幼年童話に手を出すようになり自分で読む姿を目にすると、あとどれくらい自分の子との絵本タイムを楽しめるのかなぁ〜と考えますね


まだまだ『これ読んで〜次これ〜』の兄弟なので、先は長いです。たぶん(^^;)

2011年06月12日

6月の童話:『白いぼうし』

JUGEMテーマ:児童文学

 六月の初旬になると読みたくなる童話に 『白いぼうし』 があります。
 国語の教科書にも載っていたお話しで、内容を聞くと「あぁ、あのお話し…」と、思いだす方も多い、とても印象的なお話しです。

「これはレモンのにおいですか」
「いいえ、夏みかんですよ」

 という 書き出しの6月初めの時期の物語。

 タクシー運転手の松井さんは、昨夜、田舎のお母さんが速達でもぎたての夏みかんを送ってくれたことや、嬉しくて一番大きなみかんをタクシーに乗せてきたのだと、質問した乗客に話します。

 お客さんが降りたあとで外を見ると、車道近くに白いぼうしが落ちているのが、目に入ります。
 ぼうしが飛ばないように移動しようと松井さんがつかんだとたんに、中からモンシロチョウが飛び出します。

 幼稚園名と男の子の名前の縫いとりがしてあるぼうしを手に持ったまま、途方に暮れる松井さん。
 その子が戻ってきてチョウが逃げてしまったとわかったら、どんなにがっかりするだろうと考えた松井さんは、車に戻ると夏みかんを持って戻り、ぼうしをかぶせて、つばを石で押えてから、立ち去ります。

 車に戻ると女の子がタクシーに乗っていて、「なの花よこちょう」まで行きたいと言います。
 松井さんはお母さんと一緒に虫取りあみを持って近づいてきた男の子が、その後どうなるかと想像しながら車を出します。

 途中でたくさんのチョウが飛んでいる一角に来たら、女の子の姿は消えていて、どこからか「よかったね」「よかったよ」という、シャボン玉がはじけるような小さな声が聞こえてきたというストーリーです。

 夏みかんの香りが漂ってくるような大好きな作品で、6月初めに大人向けに読んでみたところ、大変好評でした。

 空色のタクシーと運転手の松井さんの物語が収められた「車のいろは空のいろ」は、優しいファンタジーが一杯の童話集です。 


2011年06月04日

あなたも作家に・・・



なんとなく。。図書館で手にとった1冊、


あなたも作家になれる/高橋 一清


子どものころ、「童話作家」になりたい、と文集に書いた私です。あはは・・・

ま・・・・・『子どもが描く、将来の夢』・・・だから、、、ははは・・・・・



著者は、芥川賞・直木賞作家を育てた編集者。

受賞の瞬間、その後のパーティーの様子から始まって・・

選考会は、どう行われているか。。

新人賞通過のための条件、、、など、なかなか興味深い内容が綴られています。






70%Life







その中で、気になる一文


「一所懸命に生きていると、いろいろなことが見えてくる。鈍感に過ごせば何のこと
もなく過ぎていく日々でも、懸命に一つ一つの問題と向き合っていると、まるきり、
見えるものは違ってくる。」  (本文抜粋)


懸命に、一つ一つの問題と向き合う姿勢・・持ちたいですね。


「懸命」というのが、いい。  





ま、ちっと・・・暑苦しいかもしれないけど・・・自分の人生に、日々に、懸命である姿勢・・・。


(自分が出来ているか・・は、おいといて。。。!汗2   好きだな。





 本。。読むだけ、で。。。作家になれるわけ、ないけど・・。顔

クリック 「童話作家」 憧れてたんだけどなぁ~。遠い日の花火だ・・・(笑) → 



あなたも作家になれる/高橋 一清
¥1,500
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2011年05月24日

くじらをすきになった潜水艦

くじらをすきになった潜水艦 (1983年) (世界のどうわ)

イタリアの児童文学作家マルチェッロ・アルジッリの童話集です。


表題作のほか、「チン、チン、チンのルイゼッタ」「小さな自動車のゆめ」「魔法使いと仙女と機械」の三編を収録。

いずれも人間と機械の関係を描いた寓話で、最後の一編を除いては 機械が意志を持って行動しています。



戦争のために作られた潜水艦「ピッコリーノ」は、毎日毎日海にもぐっては、魚雷を発射するために敵の船を待ち伏せる生活に飽き飽きしていました。


おまけに、ぼくのいぶくろの中には、艦長という、がまんのならないやつがいて、いつも、ぼくのかじをとって、じぶんのいきたいところへ、ぼくをつれていく。


そんなピッコリーノが、ある日 一頭の子どものくじらに出会います。

初めて海の生きものと友だちになり、その友だちと一緒に かつてないほど深いところまでもぐったピッコリーノは、初めて見る海底の世界にうっとりするのでした。

それは、美しくて神秘に満ちた 穏やかな世界。

海にもぐるといっても、水面に潜望鏡を出して敵の船を捜すばかりの毎日では 知るよしもない世界でした。


くじらのお陰で友だちが増え、彼らと一緒に過ごすうち、ピッコリーノはだんだん苦しくなってきます。

なぜって、ピッコリーノがそれまで潜水艦仲間から聞かされた話といえば、魚雷と大砲と、沈めた船についての自慢話ばかりだったので。

そんなばかげた自慢話とは別次元のところにいる友だちを見るにつけ、ピッコリーノはうらやましくてたまらなくなるのです。


ぼくも、きみとおなじように、くじらに生まれてれば、よかったのに。 (くじらをすきになった潜水艦)





とある下町に置かれた自動販売機。

「すべての人たちのための食事――名だかいルイゼッタ社特製」

自動販売機の上の看板には、こう書かれていました。


自分が出した食べ物をおいしそうに食べる人々を見て、とても幸せな気持ちでいた機械ですが、ある日ふと おかしなことに気付きます。

「すべての人たちのための食事」と掲げておきながら、自分にできることは お金を持っている人たちだけへのサービスではありませんか。

ショーケースの中の食べ物を物欲しげに見つめる やつれた顔の人々を見るにつけ、機械はだんだんいたたまれなくなってきました。


ある夜のこと、あまりにお腹がすいていたため、100リラのコインを入れなければならないところに、やけくそになって なけなしの5リラのコインを入れた男に、機械はハム・サンドを出してやりました。

それからというもの、その男から素敵な自動販売機の話を聞いた貧しい人々が、大勢やって来るようになります。

人々は、自動販売機を ガール・フレンドのように「ルイゼッタ」と呼びました。


「ルイゼッタのところへ、食べにいこう。」 (チン、チン、チンのルイゼッタ)




空色の小さな自動車は、自分を作ってくれた組立工を好きになりました。

ずーっと一緒にいたかったのに、腕が良くてもまだ若い組立工は そんなにお金を持っていないので、自動車を買おうなんて夢にも思いません。

それならば と、小さい自動車が思いついたのは… (小さな自動車のゆめ)




昔話の時代から 星をめぐる旅に出ていて、やっと地球に戻ってきた 魔法使いのメルリーノと仙女のローザ。

ところが、地球は、まるで違う星に来てしまったのかと思うほど様変わりしていました。


高層ビルが建ち並び、アスファルトの道路には自動車がぎっしりで、空には飛行機が飛んでいます。


はるか遠くの風景を映し出す水晶玉よりもずっと画質が鮮明なテレビに、空飛ぶほうきよりもずっと乗り心地の良い飛行機。

そんな世界では、もはや二人の魔法は見向きもされません。

かつては宿賃の代わりに魔法を使って素敵な贈りものをしていた二人は、その方法ではホテルに泊まることもできず、困り果ててしまいます。



メルリーノの空とぶほうきは、バグダッドの魔法つかいたちをもびっくりさせたものでしたが、いま、飛行機の魔法つかいたちが見たら、大わらいすることでしょう。
テラコッタのなべから金貨を出す、仙女ローザの魔法も、油井をつくり出した者たちの魔法にくらべたら、みすぼらしいものでした。
 (魔法つかいと仙女と機械)




最後のお話がいちばん印象的でした。

ユーモラスで、ピリッと諷刺がきいていて、最後はなんとも寂しいというより「侘しい」がぴったりくるような。

魔法使いも仙女も、なにもそんな都会のど真ん中に下りなくても。

もっと場所を選べば、二人の魔法でじゅうぶん感謝されたでしょうに。

「宿賃の代わりに、魔法の杖で好きなだけ泉の水を噴き出させる」という提案は、給湯設備の整った都会のホテルでは「要らない」と言われても、水道がなくて日々の水汲みがたいへんな地域なら有難がられるに違いありません。

どんな問いにも答えてくれる賢者の石には、難しい数学の問題を解かせるよりももっと有意義な使い方があるはず。


メルリーノとローザと 人間たちとの ちぐはぐなやりとりにニヤリとしつつ、魔法使いや仙女がこんな目に遭う世界は、寂しいしつまらないなぁと思います。

子どもの本なのに、けっこうシビア。

「わからないのは、人間ですよ。だれの魔法かなんてこともかんがえないで、へいきで、それをつかってんですからね。」というローザの言葉に込められた作者の皮肉に、ギクッとします(笑)



イタリアの児童文学って、「ピノキオ」のほかはイタロ・カルヴィーノの本を一冊読んだきりだったので、新鮮でした。


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2011年05月18日

やまなし 日本の童話名作選

5月のうちに紹介しなくちゃなのにメモするの忘れてて、先日思い出してあわてたのがこの本ですw




内容(「BOOK」データベースより)
小さな谷川の底を写した2枚の青い幻燈―耳を澄ますと、小さな2匹の兄弟の蟹の無邪気で可愛らしい会話がすぐそこに、聴こえてくるようではありませんか。水が奏でる青い調べのように、ひとひらの花びらの一瞬の舞いのように、馨しい香りの夢のように、どこまでも透明で淡い幻想が水底で揺れています。宮沢賢治の世界を新進気鋭の遠山繁年がみごとに描いた1冊です。

文章は宮沢賢治さん。
絵は遠山繁年さん。
出版社は偕成社です。

遠山繁年さんの作品は
月夜のでんしんばしら
蜘蛛の糸
双子の星
をこのブログで紹介しています。
(けっこう多いじゃん?と思ったら『日本の童話傑作選』でけっこう描いてらっしゃる画家さんでしたね)

2011年04月27日

ごきげんなすてご


出版社/著者からの内容紹介
三ヵ月まえ、弟がやってきた。弟の顔はおさるだった。でもお母さんは弟ばかりかわいがる。それならいいよ、あたしはすてごになって、すてきなおうちにもらわれるから…。家出した女の子が、「すてご仲間」になった犬、ねこ、かめといっしょに大活躍! 小さなお兄ちゃん、お姉ちゃんたちの心をきゅっとつかんだ、人気の幼年童話です。

著者はいとうひろしさん。
出版社は徳間書店です。

2011年04月23日

さよなら子どもの時間

さよなら子どもの時間 (講談社文庫 い 15-1)



「ブログやめます」のご挨拶ではありませんので、念のため。



小学生の頃、定期的に読みたくなる本というのが何冊かあって、この本はその中の一冊でした。

安房直子「ハンカチの上の花畑」「まほうをかけられた舌」「ライラック通りのぼうし屋」、寺村輝夫「ぼくは王さま」、あまんきみこ「車のいろは空のいろ」「おかあさんの目」、那須正幹「チカちゃんは四年生」、佐藤さとる「だれも知らない小さな国」、そしてこの本 今江祥智「さよなら子どもの時間」です。


…おお。こうしてタイトルを並べてみると、もうそれだけで 心は小学校の図書室に飛べそうな(笑)


いろんな本を借りましたが、図書カードには 合間合間に上記のタイトルが順不同で挟まっていました。


中には、高学年になると借りづらくなって、借りて帰るのではなく 図書室の片隅で読んだ本も。

あと、「だれも知らない小さな国」は 近所のおねえさんのおさがり(?)が家にあったので、借りたことはなかったなぁ…




「さよなら子どもの時間」の、何がそんなに好きだったのかといえば、風邪で寝込んだ主人公の健ちゃんに、家族みんなが交替で 一晩に一つずつとっておきのお話をしてくれるという その設定。

それが、もう、ものすごーく羨ましくて!
自分がお話をしてもらっているような気分になって、何度読んでも わくわくしたものです。


親友の弘くんに、「健ちゃんっていいなあ……。」と羨ましがられるほど「なんでもそろってる」健ちゃん宅ですが、実情はそうでもありません。

おじいさんにおばあさん、おとうさんにおかあさん、にいさんにねえさん。

弘くん言うところの「なんでもそろってる」家族ですが、みんなが揃うことは稀なのです。



おじいちゃんは歴史家、おばあちゃんはお琴の先生、おとうさんは国際線のパイロット、おかあさんは水族館に勤める魚のお医者さま(魚類防疫士?)、ねえさんはSF小説家を目指すテニス部員の中学生、にいさんはボーイスカウトの仕事を手伝う高校生。


みんながみんなフットワークの軽い働き者で、家でひとり ぽつんとしている小学四年生の健ちゃんの面倒を見てくれるのは、昔から家にいる ばあやさんだけなのです。



「ぼくって、小さいときから絵本一つ読んでもらったことがない、お話一つしてもらったことがなかったみたい……」

「ぼくには、子どもの時間がなかったんだ……」




健ちゃんがそう思うのも、無理からぬこと。


ところが、この冬休み、毎晩ずーっと家族中が揃って家にいることになった奇跡の一週間、それにあわせたみたいに健ちゃんが風邪をひいて寝込みました。

おばあちゃんの提案で、家族みんなが健ちゃんのために、一晩に一つずつお話をしてくれることになった一週間は、健ちゃんにとって 「うしなわれた子どもの時間が、まとめてかえされたような」気がする それはそれは貴重な時間でありました。



うしろの正面(おばあちゃんの話)、羅漢さま(おじいちゃんの話)、ふたりのバラ(かあさんの話)、海のクリスマス(とうさんの話)、赤んぼばんざい(ねえさんの話)、くいしんぼうも、わるくない(にいさんの話)



思い出話だったり、創作だったり、誰かから聞いた話だったり……

どれも 不思議で、時にはどきどきわくわくしたり、くすっと笑ってしまったり、ちょっと怖くなったりの 素敵なお話です。


あんなに何度も借りて読んだのに、私が鮮明に覚えていたのは にいさんのバクのお話だけでした。

あとは断片的に、虹色の糸とか、赤ちゃんとUFOのこととか。


けれど、タイトルと作者の名前はよーく覚えていましたので、ネットで古本を探すにはじゅうぶんでした。

あの頃 図書室で借りた あかね書房のハードカバーは、なかなか古本市場に出回らないようで、手頃な価格のものが見つかりませんでしたが、講談社文庫版はけっこう出回っているようです。


講談社文庫版の挿絵も 元版と同じく宇野亜喜良さんですし、こちらには「海のおくりもの」という短編も併録されていて、おまけに解説が桃井かおりさんです!


あとがきによると、「この作品は、戦争と敗戦によって、まともな子どもの時間を、なしくずしに消されてしまった おのれの少年時代のことを考えていて書いたもの」とのことで、桃井さんもまた 解説の中で「うかつになくした子どもの時間を今、どうにかしてとりもどしたいと願います」とおっしゃっていました。


このお話の健ちゃんは、あの奇跡の一週間からしばらくして、あることがきっかけで自分から「子どもの時間」にさよならを告げます。

それはさわやかで素敵な結末でしたけれど、私は、ほんの少し 寂しくて。

「子どもの時間」にさよならするのを惜しむように、今でもこうして、昔好きだった本を読み返しては あの頃の記憶をなぞっています。

作者の今江さんが、優しくて懐かしいお話を書くことで「子どもの時間」をやり直しているように、読者はきっと、そうして書かれたお話を読むことで「子どもの時間」をやり直すのです。


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