僕の大好きな3年生が卒業してしまった。
それぞれが無事に進学先を決め、学びやを後にした。
卒業して欲しくない、なんて思ったけれど、前に進んでもらいたい。今いる場所よりもずっとずっと先に。
残された2年生には最後の最後の授業まで厳しい課題を課した。
3年生が巣立った分だけ時間が空いたのでその時間を体育に参加することにした。サッカーやバレーと一生懸命取り組んだ。彼らが不得手なこと、何事も一生懸命に本気で取り組む姿を身をもって現したかった。そんなふうにこの一年を全てに猛突進してきた。
生徒には伝わっただろうか。
校長先生から異動の話を貰っていたので、今いるクラスとはさよならしなければならない。そのことを知っていたので、最後になるべく触れ合う機会を増やしたかった。
2年で最後の調理実習にも参加することができた。
前の晩から自宅のキッチンでカレーの仕込みをした。何しろ30人近くの量になるから、たまねぎを山ほどみじん切りにし、にんじんを嫌というほど摩り下ろし、セロリを美しく刻んだ。真夜中まで。生徒の顔が浮かび、美味しく食べてくれるだろうかとわくわくした。僕はカレーだけは自信があるからね。
当日。
生徒の反応は悪かった。
しかし、自分で食べてみると、信じられないほどにうまい!
教職員からの評判もすこぶる良かった。
どうやって作ったのか聞かれ、時間が経つと未だに美味しかったと言ってくれる。
本格的なカレーを食べたことがないからだとか、生徒はバーモントカレーしか食べたことがないんだとか、親から手をかけた料理を作ってもらっていないからだとか、他の先生が言っていた。そんなもんんかなと思って聞いていたいたが、前の晩の苦労が泡となり消えた。最後に生徒を喜ばせたいという想いがあったからね。今になっては独りよがりのものとなってしまったけれどね。
もし、他の先生が言っていたこと、それが本当だとしたら、とても悲しいことだ。人の好みはそれぞれあるが、味覚がおかしくなっているのだとしたら、それではつまらない。だって世の中には沢山の美味しいものがあるんだから。それを味わえないのは残念なこと。もっと残念なのは、美味しいと共感できないこと。
こんなふうに、僕のこの学校での役目は終わった。
さよなら、みんな。
一年間、ありがとう。
みんながおいしいものを毎朝食べられるのはこんな秘密があったんですね!
| このブログのURL
|この記事のURL