眠りにつく前に必ずすることがある。温かい毛布に包まりながら、目を閉じ、今日一日を無事に終えられたことを天に感謝する。そして、今日一日がどんな日だったのか報告する。それから今度は、明日をどんな日にしたいのか、想像する。この三つ。僕の日課だ。

 ともすれば僕達は、不幸を嘆き、幸せを数えることを忘れがちになる。

 それはきっと、不幸せを嘆くことのほうが簡単だからだ。

 そんな不幸せだと思える日は、来なくてもいいのだけれど、一ヶ月か2ヶ月に一度、きまって僕の元にやってくる。そんな日は、今日という一日があまりにヘビーで、頭の中が混乱してはこんがらがり、それ以上何も考えられなくなる。心がささくれ立って、明日なんて来なければいいと思う。

 そんな夜は決まって、眠る前に3つの日課を止め、今は自己判断が出来ないので、明日のことは天に身を任せる所存です、と伝えることにしている。

 そして、僕のとっておきのもうひとつの方法は、魔法の本を開くこと。

 何の本だと君は思う?

 それはね、『あすは きっと』という本なんだ。

 君は知っているかな?

 「知ってる!」なんて答えてくれたら、昔から知ってる友人のように、握手をするね。決まり。

 それぐらい、嬉しい!

 だって、いつも僕の心に花を咲かせてくれる本だから。

 ベッドに身体を横たえ、ランプをつけ、『あすは きっと』のページをゆっくり開いて、一つ一つの言葉をかみしめる。その言葉達は、僕に不安な明日に立ち向かう元気と勇気をくれる。それから、明日の日のための、花束も。

 

 あすは いっぱい できるよ、

 きょう できなかったことも。

 

 そして あすは、なにから なにまで、

 ずっと きょうより よくなるよ。

 さあ、きみの きょうという日と、あすという日のために、

 キスを いっぱい あげよう。

 ぜんぶ きみのために!

 不幸を嘆くことはたやすいこと。

 それよりも、今日一日の奇跡を思い、感謝したくなる。

 何事もなく自宅に帰れたこと。ご飯を食べられたこと。ふかふかのベッドに倒れこめること。好きな音楽が聴けること。僕を思ってくれる人がいること。

 本当は、不幸せなことよりも、幸せの数のほうが圧倒的に多いのかもしれない。

 そんなことを思い出させてくれる本なんだ。

 そんな本が僕の手元にあるなんて、これも幸せなこと。

 君も是非、読んでみて。

あすはきっと あすはきっと

著者:カレン ガンダーシーマー,ドリス シュワーリン
販売元:童話館出版
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