はせがわ酒店表参道ヒルズ店が主催する「日本酒の選び方」セミナーで五杯目に試し呑みしたのはこれです。

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 「杉錦 純米原酒中取り 生酛(もと)」。
 静岡県藤枝市にある杉井酒造さんが醸しているお酒です。
 杉井酒造の場合も現社長の杉井均乃介さんが、2000醸造年度から杜氏制度を廃止して、特定名称酒に力を入れていらっしゃいます。
 4月の純米酒フェスティバルの時に純米吟醸酒をいただきながら、いろいろなお話を伺いましたが、その真面目そうな人柄がそのまま酒質に表れたかのような味わいでした。
 今日は酒母を造る際に天然の乳酸菌を活用する昔ながらの生酛(もと)づくりのお酒です。
 生酛や山廃の造り方で醸したお酒はお米の磨き度合いが少ないと、クセのある香りと味わいが出て、空太郎は尻尾を丸めて逃げてしまうことがあります。
 心配しながらいただきます。

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 上立ち香は米の甘みを含んだどっしりとした香りが漂います。
 口に含むとたじろぎました。
 旨味とともにいきなり変な酸味が口の中に広がります。
 その後を、今度は怪しい渋みもやってきます。
 追いかけてくる辛さはさほど強くなく、あくまでも主役はこの微妙な味わいの酸なのです。
 これ、明らかに天然の乳酸菌由来の酸ですね。
 しかし、ここまで特徴的でクセのある酸を味わうのは久しぶりです。
 帰宅後、杉井酒造さんのホームページを見ると、杉井社長さんが生酛(もと)系酒母造りについて、このようにお話されていました。

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 生酛(もと)系酒母は、前半で硝酸還元菌や乳酸菌などを繁殖させるためか、表現が悪いですが少し腐敗したような臭いがします。
 この臭いと酵母のつくる芳香が混ざって、過熟して腐りかけた果物を思わせる香りがします。
 この香りは、モロミになってからも少し感じられます。
 また搾った直後の酒にも、わずかですが感じられます。
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 うーーむ、これまた個性的な味わいといえばそうかもしれません。
 また、速醸系酒母造りは人工の乳酸を投入するので、本来の日本酒造りとは違います。
 日本酒の歴史と文化を重視すれば、生酛(もと)や山廃造りの方が王道なのかもしれません。
 しかし、やっぱり、あのアクの強い味わいは空太郎は苦手です。
 少なくとも、自分でお酒が選べる場合は、生酛(もと)や山廃はパスしよう、と心に決めるのでした。

★お酒の情報(08年289銘柄目)
銘柄名「杉錦 純米原酒中取り 生酛(もと)」
酒蔵「杉井酒造(静岡県藤枝市)」
酒分類「純米酒」「生酛酒」
原料米「山田錦」
使用酵母「静岡HD−1」
精米歩合「60%」
アルコール度数「18.2度」
日本酒度「+6.5」
酸度「2.2」
情報公開度「○」
標準小売価格「1800ml=2800円」
評価「★」

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