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2012年02月12日

福島「天明 特別純米 中取り 壱号」地味めの旨味に寄り添う甘味を渋味が厳しく引き剥がす

 社内であるお祝い会が開かれ、いろいろなお酒が持ち込まれていましたので、これ幸いにと順番に楽しむことにしました。
 一本目にいただいたのはこれです。 

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 「東洋美人 純米吟醸 本生酒 槽垂れ(ふなたれ)」。
 山口県岩国市の澄川酒造場さんが醸しているお酒です。
 純度を限界まで高めて不純物を一掃した甘味が旨味の土台の上で華麗に踊り、渋味と酸味が適度なアクセントをつける文句なしの美酒でした→★★★★(4.6点)。

 そして、二本目にいただいたのはこれです。 

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 「天明 特別純米 中取り 壱号 おりがらみ本生」。
 福島県会津坂下町の曙酒造さんが醸しているお酒です。
 曙酒造の大吟醸「一生青春」が脚光を浴びて十年余りがたちます。
 その後、「天明」のブランドで着実に知名度と評価を上げ、いまや、福島を代表する銘酒になっています。
 その階段を着実に登ってきたのは蔵元の鈴木孝教さんと明美さんご夫妻です。
 まだまだご夫妻は働き盛りですが、息子の孝市さんが蔵に戻ってきて、平成20BY(醸造年度)から酒造りに携わっていることもあって、25BYから孝市さんを杜氏に据える腹積もりでいらっしゃいます。 

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 孝市さんは東京農業大学を中退して、蔵に戻ってきています。
 「なぜ、中退したのですか?」と空太郎が質問すると、
 「卒業までいても、酒造りの参考にはならないと感じたから」ときっぱりでした。
 孝市さんは、父上の孝教さんが痩身であるのに対して、真逆の体型をしています。
 ある時のお酒のイベントで、孝市さんの知り合いらしき男性が、
 「随分と太ったじゃないか。両親は痩せているのに」とぶしつけに言われ、それに、
 「苦労が多いんですよ。でも、一度会ったら僕のこと、忘れないでしょ。人気商売ですから、それでいいんです」
 と見事に返していたのには、思わず微笑みました。
 そんな愛すべきキャラクターの孝市さんは昨年5月に結納を交わし、今冬の造りが完了した後に挙式を催すそうです。
 今後、ますます期待したいと思います。
 今夜のお酒は、23BY(醸造年度)の中取り壱号。
 五百万石60%精米の生酒です。
 いただきます。 

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 上立ち香は微かに麹の香りが。
 口に含むと意外にも中程度よりもひと回り小さな旨味の塊が、表面に人工芝を敷いたかのような感触を振りまきながら飛び込んできます。
 受け止めて保持すると、旨味はそのまま楕円形になりながら膨らみ、無数の粒粒を放射してきます。
 粒はすぐに弾けて、なかから硬めの旨味が9割、甘味が1割の配合で現れます。
 旨味はややくすんだ地味目のタイプで、そこに甘味がそっと寄り添うのです。
 そして、まもなく、大きな力強い渋味が接近し、甘味を引き剥がして味わいの舞台の脇においやり、旨味と一緒に荒々しい味わいを展開します。
 呑み下した後にお口が萎むような余韻でした。 

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 新酒のしぼりたてによくありますが、中取りでこの味わいは驚きでした。

★お酒の情報(12年37銘柄目)
銘柄名「天明 特別純米 中取り 壱号 おりがらみ本生 23BY」
酒蔵「曙酒造(福島県会津坂下町)」
酒分類「純米酒」「無濾過酒」「生酒」「原酒」「中取り酒」「おりがらみ酒」
原料米「五百万石」
使用酵母「協会9号」
精米歩合「60%」
アルコール度数「16~17度」
日本酒度「+3」
酸度「1.7」
情報公開度「○」
標準小売価格「1800ml=2600円」
評価「★★★★(4.0点)」

2012年02月11日

開運 純米 赤磐雄町 無濾過生


 開運 純米 赤磐雄町 無濾過生
 
 徳山 003

 アルコール分:17度以上18度未満
 原材料名:米、米麹
 原料米:赤磐雄町100%
 精米歩合:55%
 全量国産米使用

 香り控えめ。
 開運らしい綺麗なお酒。
 雄町の良い味の乗り。
 口に含むとリンゴっぽい味わい。

 綺麗で味のあるお酒です。
 これは、飲み飽きしないですよ~!
 
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2012年02月10日

京都「祝蔵舞 純米」山廃を連想させる上立ち香を裏切るようなスレンダーな甘旨味が渋味を従えてキビキビと舞う

 都内のある酒販店さんが主催した試飲会に参加し、五本目に吟味したのがこれです。

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 「田むら 純米吟醸」。
 東京都福生市の田村酒造場さんが醸しているお酒です。
 クセのある太い甘味が脂身をくっつけてゆっさゆっさと踊る個性的な濃厚酒の味わいでした。
 →★★★★(4.1点)。

そして六本目に吟味したのがこれです。 

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 「祝蔵舞(いわいくらぶ)純米」。
 京都府京丹後市の竹野酒造さんが醸しているお酒です。
 竹野酒造の杜氏は長らく、日下部重雄さんがなさっていましたが、2008BY(平成20BY)の造りを前に引退し、翌2009BY(21BY)からは蔵元後継者の行待佳樹(ゆきまち・としき)さんが杜氏となっています。
 佳樹さんは東京農大を卒業後、能登四天王の一人、農口尚彦さんが杜氏を務める石川県の鹿野酒造で修業をした後、実家に戻ってきています。
 まだ、28歳と若く、今後、竹野酒造のお酒は確実に変化をしていくことかと期待しています。
 竹野酒造の昔からの主力銘柄は弥栄鶴(やさかつる)でしたが、近年は純米酒に特化した「蔵舞(くらぶ)シリーズ」を投入して、むしろ、こちらに重心が移りつつあります。
 「蔵舞シリーズ」は使用する酒米を頭につけており、今日いただくのは京都の特産酒造好適米である「祝(いわい)」を使った純米酒です。
 いただきます。 

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 上立ち香は濃厚でクセのある甘酸の香りが立ち上るのです。
 これは山廃か?と感じながら口に含むと、中程度よりもひと回り大きく重ための旨味の塊が、やや凹凸のある表面にサラサラの産毛を生やして静かに駆け込んできます。
 受け止めて保持すると旨味はそのまま淡々と表面を緩めながら適度な大きさの弾力性のある粒を連射してきます。
 粒から滲み出てくるのは甘味と旨味が等量で、両者はただちに腕を組んで味わいの舞台でぐるぐると回ります。
 甘みも旨味もさほど特徴はないものの、クセはなくスレンダーな味わいを粛々と展開します。
 後から来る酸味はなく、代わりに渋味がそこそこの量、現れて甘旨味にうっすらと輪郭をつけます。
 最後の辛さはやや足りないため、甘旨味の残像が残り、キレは今一つでした。 

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 まずまずの味わいですが、これ、一升2100円はなかなかのCP(コストパフォーマンス)酒です。
 竹野酒造は今後、じわりと首都圏で存在感を高めていくのかもしれません。

*一升2500円以下の純米旨酒に登録します。

★お酒の情報(12年35銘柄目)
銘柄名「祝蔵舞(いわいくらぶ)純米 22BY」
酒蔵「竹野酒造(京都府京丹後市)」
酒分類「純米酒」
原料米「祝」
使用酵母「不明」
精米歩合「70%」
アルコール度数「15度」
日本酒度「不明」
酸度「不明」
情報公開度「×」
標準小売価格「1800ml=2100円」
評価「★★★★(4.0点)」

2012年02月09日

奥能登の白菊 純米八反錦無濾過生原酒

奥能登の白菊 純米八反錦無濾過生原酒





「奥能登の白菊 純米八反錦無濾過生原酒」   805番目の購入したお酒



石川県輪島市鳳至町    株式会社 白藤酒造店



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原材料  米(国産)、米麹(国産米)
原料米  八反錦
精米歩合 55%
アルコール分 16
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
使用酵母 不明
720ml
製造年月  2011年3月
1,450円
購入地 石川県・ネット
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昨年参加した石川県のお酒イベント
http://blogs.yahoo.co.jp/fwkx6613/30589344.html
で気になっていた蔵元さんのお酒を数本取り寄せて、その4本目をいただきます。


今までいただいて来た4本の中では一番首都圏の露出度が高いお酒ではないでしょうか。



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気持ちお酒に色がつきます。

香りは、甘い砂糖を煮詰めた様な香りがたちます。

口に含むと、中規模よりは二回りは大きな程度の甘味が、トロトロに、なおかつ主張しながら飛び込んで

きます。

立ち昇る旨味は、とても大きく且つ綺麗なもの。

この甘旨味に近づくのは酸味ではなく苦味。 大人のビターな味わいです。

この存在感のある嫌味の無い苦味の背後から心地よい酸味が現れて、旨味とバランスを試みます。

最後まで甘・苦・酸の味わいは保たれたまま、呑み干した後は意外にもスッキリとキレのよい仕上がりに

なりました。



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まさに無濾過生原酒という味わいに納得する夜になりました。




さて、日に日に本業が忙しくなってきたたかです。

昨年同様、週末を除いてブログ更新が出来なくなります。

また改めて告知しますが、今週日曜までは更新しますが、その後は約1ヶ月間週末のみの更新になる予定

です。




2012年02月09日

長野「美寿々 純米吟醸 生原酒」甘味が垂直方向に、旨味が水平に広がり、後半は渋味と押し合いへし合いをする

 都内のある酒販店さんが主催した試飲会に参加し、五本目に吟味したのがこれです。 

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 「美寿々 純米吟醸 生原酒」。
 長野県塩尻市の美寿々酒造さんが醸しているお酒です。
 蔵元杜氏の熊谷直二さんは56歳前後(のはず)。
 1978年に東京農業大学を卒業後、蔵に戻り、ずっと小谷杜氏の下で酒造りにも関与してきました。
 そして、2000年の造りを前に杜氏が引退することになったのを契機に、自身が杜氏に就きました。
 45歳ごろのことです。
 農大出の蔵元後継ぎが杜氏を兼ねて美酒を醸すというのは近年は当たり前になっていますが、10年前で、しかも40歳半ばというケースは少ないと思います。
 多分、「40歳を回ってから杜氏をやるのはしんどい、自信がない」という理由で「蔵元杜氏制度にするのは息子の代からだな」と考えるのではないかと勝手に推測します。 

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 熊谷さんは「いずれ自分が杜氏になる」との前提で、設備をコンパクトにするなどの先行投資をしており、自身が杜氏になってからは造りを特定名称酒に傾斜させています。
 使う米もほとんどが美山錦、大吟醸だけ山田錦というシンプルな酒造りを貫いています。
 長野のお酒のイベントでいただくとなかなかの味わいなのですが、県内消費が多く、都内の酒販店で扱う店が少なく、地元酒販店がネット通販をしている気配もないので、なかなかいただけないのが玉に瑕です。
 二年前に熊谷さんの大学時代の同期で銘酒居酒屋(バーという雰囲気)を開いている東中野のしもみやさんで飲んで以来となります。
 美山錦49%精米の純米吟醸生原酒です。
 いただきます。 

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 上立ち香はほんのりと甘い香りが流れてきます。
 口に含むと、中程度よりもひと回り大きな旨味の塊が、ほぼ平滑な表面にチクチクした棘を限定的に生やして、摩擦熱を気持ち発しながら駆け込んできます。
 受け止めて保持すると、旨味は勢いよく膨らみ、拡散しながら、適度な大きさの弾力性のある粒を次々と投げ込んできます。
 粒はすぐに弾けて、なかから甘味と旨味が等量現れます。
 甘味は優しく馥郁とした味わいで、これが味わいの舞台でジャンプして、垂直方向に広がります。
 一方の旨味は凛々しく、ややちくちくした印象の味わいを水平方向に大きく展開し、甘旨味が一気に口の中全体に広がります。
 その後、渋味が大きめに現れて、広がった甘旨味を捉えて収束させようとするものの、甘旨味もそれに抵抗して押し合いへし合いの状態になります。
 その後、渋味にさらに遅れて酸味が徐々に力を増しながら追いつき、味わい全体を絡め取って、そのまま一気に喉の奥へと消えていきました。 

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 味わいも変化に富んでいるうえに、最後のキレもよい佳酒でした。
 二年前に飲んだよりも印象ははるかによろしいです。
 もっと東京でも飲めるようにしてほしいです。

*一升三千円以下の美酒に登録します。

★お酒の情報(12年34銘柄目)
銘柄名「美寿々 純米吟醸 生原酒 23BY」
酒蔵「美寿々酒造(長野県塩尻市)」
酒分類「純米吟醸酒」「生酒」「原酒」
原料米「美山錦」
使用酵母「不明」
精米歩合「49%」
アルコール度数「16~17度」
日本酒度「+4~+5」
酸度「不明」
情報公開度「○」
標準小売価格「1800ml=2630円」
評価「★★★★(4.5点)」

2012年02月09日

とても大切です

酒蔵の室温ただいま2度(ようやく零下でなくなりました)。

働く人間にも厳しいですが、雑菌も繁殖できないくらいです。

それでも清潔にしておくことは当たり前で、日々の清掃はかかせません。



今週は東京農大短期大学部の醸造特別実習の学生さんが来ており、酒造りの実習とともに、床までピカピカに・・・。

酒の仕込みなどの作業が3割、段どり(準備・片付け・清掃など)7割などと昔から酒蔵で大切にされてきていることです。

2012年02月08日

のとざくら 特別純米 ひやおろし

のとざくら 特別純米 ひやおろし





「のとざくら 特別純米 ひやおろし」   804番目の購入したお酒



石川県珠洲市蛸島町ソー    櫻田酒造株式会社 



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原材料  米(国産)、米麹(国産米)
原料米  山田錦
精米歩合 55%
アルコール分 16
日本酒度 不明
酸度 不明
アミノ酸度 不明
使用酵母 不明
720ml
製造年月  2011年9月
1,680円
購入地 石川県・ネット
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昨年参加した石川県のお酒イベント
http://blogs.yahoo.co.jp/fwkx6613/30589344.html
で気になっていた蔵元さんのお酒を数本取り寄せて、その3本目をいただきます。


昨シーズンもいただき
http://blogs.yahoo.co.jp/fwkx6613/28113213.html
お気に入りの1本です。



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香りは、甘い香りとアルコール臭と穀物の香りが混ざり合います。

口に含むと、ほぼ中規模な甘味がやや表面にトロミの層の膜を張りスーッと入り込んできます。

立ち昇る旨味は、中庸なものでゆっくりと広がります。

酸味はと蒸米の旨味が中心の味わいになり、昨年特徴に感じた甘味はほとんどありません。

含み香はやや穀物の香。

渋苦味は全く感じず。

最後に適度に辛さがやってきて、呑み干した後はスッキリキレのよいものとなりました。



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昨シーズンの味わいと、秋の試飲会でいただいた今シーズンの味わいとも異なる味わいでした。


こちらも常温保存されていたのかな、と気ままに断定するのでした。





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高城幸司
[プロフィール]
酒匠・きき酒師。株式会社セレブレイン代表取締役社長。1964年10月21日東京生まれ。1987年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。1996年から独立/起業の情報誌アントレの立ち上げに関わり、事業部長、編集長を経験。実家は代々小売の酒屋できき酒師。日本酒サービス研究会常任理事。日本酒の会を15年代表を務める。名誉きき酒師の任命にも関わる。きき酒の師匠としてテレビ出演も多数。海外への日本酒の普及を目指す日本酒スタイルの代表でもある。ソムリエ・焼酎アドバイザーでもあり、ワイン商社・レストランも経営。 
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