お店は息子のTさんと、彼のお母様の二人で切り盛りしているのですが、料理はお母さんの素朴な味わいがよく、そして、お酒はTさんが興味を持ったお酒を片っ端から仕入れて、巨大な冷蔵庫に並べてある超個性的な銘酒居酒屋です。
手ごろな値段も人気で、この日も月曜日にも関わらず、予約で満員です。
さて、酒ソムリエのTさんがいるにも関わらず、空太郎は空太郎で興味を持ったお酒を片っ端から頼みます。
一杯目はこれです。
滋賀県長浜市の冨田酒造さんが醸しているお酒です。
冨田酒造は蔵元息子の冨田泰伸さんが中心となって美酒造りに邁進しています。
ただし、泰伸さんの造りの方針が、旨味はほんのり淡く、切れのいい食中酒を目指しているためか、やや旨味が細すぎて、空太郎の口に合わないことが多いのですが、今夜のお酒は新酒の搾りたてのムロナマゲン(無濾過生原酒)ですから、期待できるかもしれないな、と思い頼んだのでした。
滋賀県産の吟吹雪の60%精米の純米酒です。
いただきます。
口に含むと、中程度よりもふた回りは大きな旨味の塊が、表面に激しい凹凸をつけ、かつざらついた感触を一杯にアピールしながら直球勝負でズドンと突っ込んできます。
しっかりと受け止めて、舌の上で転がすと、旨味はさらに加速しながら急速に膨らみ、大量の旨味の小さな粒粒を連射してきます。
粒から出てくるのはスレンダーで硬めの旨味で、甘味は微量。
旨味はじわりと味わいを広げようとしますが、そこへ酸味と、強烈な辛さが現れて、あっという間に旨味を抱え上げて、そのままの勢いで喉の奥へと運び去ってしまうのでした。
銘柄名「七本槍 純米 搾りたて生原酒 吟吹雪 21BY」
酒蔵「冨田清酒(滋賀県長浜市)」
酒分類「純米酒」「生酒」「原酒」
原料米「吟吹雪」
使用酵母「協会1401号」
精米歩合「60%」
アルコール度数「17~18度」
日本酒度「+4.5」
酸度「2.1」
情報公開度「◎」
標準小売価格「1800ml=2940」
評価「★★★」


