TOP>2007年02月
さて、武甲酒造を辞して次の蔵元さんへ向かおう。
・・・・・っと、その前に、あ、お昼です。ゴハンにしましょう。
ということで向かったのは秩父から車で10分ほどにある、福田家。
皆野町(みなのまち)にある地元じゃ知られた旨い蕎麦屋である。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0000547422/M0011000976/
O澤さん曰く、「秩父界隈で一番旨い蕎麦屋」とのこと。
うん、旨かった。二八か三七くらいかな、喉越しのいい蕎麦。
天麩羅もカラッと揚がって申し分なし。
名物のゴマ味噌ダシ汁もサッパリしてなかなか旨かった。
でもさ、O澤さん。
武甲酒造でそこそこ呑んで、福田家に移動中に二人で2合呑んで、
福田家で2杯ずつはちょっと呑みすぎだろ(笑)旨かったけど!(爆)
さてさて、お次に向かうは秩父市でも上吉田というちょっと山の中にある
和久井酒造株式会社 (主要銘柄:慶長)である。
失礼ながらもはや観光蔵と化しているT錦など寄る気はせずに探していたら
もう一軒だけ見つけた造り酒屋さんなのですが、正直期待は全然なかった。
しかし。
この偶然がもしかしたら凄い出逢いになっちゃったかも知れません。
和久井酒造までは車で15分ほど。交通はかなり不便な山里に位置する。
電話で予約時、奥様に「どうやっていらっしゃいますか?」と心配された(笑)
地理的には埼玉と言えど群馬県境にかなり近い。
うーん、いい雰囲気でしょ?山に近いのが、空気でわかる。
迎えてくださったのが、和久井一夫社長。
創業は1860年というから約150年の歴史、一夫社長で5代目という。
造り酒屋としてはそれほどでもないがそれでも長い歴史ではある。
2年前までは南部杜氏がいたが「これからの地酒は地元の人間が造らねば」
という大英断の結果、現在は一夫社長が杜氏として腕を揮っている。
玄関を入って、奥の右手が蔵になっている。その蔵へ入って驚いた。
タンクが・・・しかも吟醸造り用の小さいタンクが5つ並んでいる。
・・・・・それだけ。その他は近くの湧き水を溜めて濾過するタンクだけ。
聞けば総生産石数は130石だという。
どひゃー☆一升瓶に換算して、たった13,000本ですよ。
なんつー凄い蔵元さんに来てしまったのか、正直戸惑ってしまった。
これはなんと、「地元産山田錦を玄米で仕込んだお酒」。
生産量があまりにも少なく、勿体無いから玄米で仕込みました!って(笑)
たしかに通常のモロミよりも色が濃くて少し赤みを感じる。
これは呑んでみたい一品であるな。
麹室も見せていただくことが出来た(ありがとうございます)。
34度まで上げる設定で現在30.2度。
いいお酒に育てよ・・・と心の中で手を合わせる。
上級酒にはこの麹蓋も使用する。
手にとって見せていただいたが、結構傷みが激しい。
現代ではなかなか修理・入手が難しいもののひとつである。
それでも一夫氏曰く「麹の出来が全然違います」とのこと。
麹室から出されて乾燥させている麹。
つまみ食いしたかったが、さすがに理性がそれを抑えた(笑)
そして、運命の?試飲。
蔵元が準備して下さったのはこの写真の2本に純米を加えた計3本。
呑んだ瞬間、大袈裟に言えば稲妻が走りました。
凄いっ
一言で言えば個性があって旨い酒。甘くてそれでいてキレる酒。
この2本、実は両方とも市販本醸造用に醸したものであって
本来は最終的に火入れしてさらにブレンドして出荷されます。
それをそのまま出してきた、市販されない筈の貴重なお酒なのです。
共通のスペックとして、岡山県産アケボノを65%精米。
大きな違いと言えば、左は香り重視の901酵母、
左はカプロン酸系の香りが生まれる埼玉C酵母を使っていること。
あとは仕込みに使う水の量、麹米率を少し変えて造ったとのこと。
どちらが好き、というよりも、どちらも凄かった。
搾りたての旨さはあちこちで味わい、理解していた筈の自分。
というかこの2本は生原酒ではあるけれど、搾りたてではない。
火入れこそないが、軽い(数g程度の)炭濾過もしている。
思わず「この2本、売り物じゃないだろうけど売って下さい!」(苦笑)
そしたら「これは売り物ではないですから」と、なんと!無料で下さった。
嗚呼、感謝。今思えばあの純米も頼めばよかったなー(笑)
この後、幾つかの市販酒も呑ませていただいた。
この蔵元のお酒全般に言えることだが、独特の甘味(=旨味)がある。
しかもそれでいてキッチリキレる。非常に僕好みのお酒である。
語弊はあるが、群馬の分福に似た奥行きのある味わいである。
3月末から4月頭に、今仕込んでいる吟醸の搾りの予定だと言う。
頼んでみたら、是非!ということで再訪のお約束をいただく。有り難い。
運転していただいたO澤さんの奥様、本当にありがとうございました。
期待していなかっただけに、本当に嬉しかった。
慶長、秩父でもそれほど出回っている訳ではない。もちろん東京では皆無だろう。
3月4日の四季酒の会で、池月本醸造生原酒(これも非売品)を引っ込めて
その代わりに参考出品としてこの本醸造を2本出品することにした。
どこでどんな出逢いがあるかわからないのが、蔵元訪問の醍醐味でもある。
と言う訳で、今回この6本を電車で持ち帰った。
はい、腕が疲れました(笑)が、素晴らしい出逢いの一日になりました。
武甲酒造の長谷川明生さん、和久井酒造の和久井一夫さん、
そしてワタクシの馬師匠、O澤さんとそのご家族のみなさん、
本当にありがとうございました。
今 キキ☆とカレシは「つくば」の地に立っている
キキ☆は「つくば」は 初めて来る土地だったりする
う~ん 噂に聞いていた『電柱のない街』、一昔前は「陸の孤島」とか呼ばれていたとか
キキ☆「うむ、関西で言う三田(さんだ)みたいなところやネ」
キキ☆が子供の頃の 千里と言ってもいい
(関西の人にしか判らない例えですネ スイマセン)
とにかく今日は 暖かい!そして花粉日和だなコリャ
カレシを見ると もはや花がムズムズしておるようです
なんぞ周囲を観察するキキ☆の近くに、白い車が颯爽と現れる!
I田さん「どもっ!ご苦労様です!」
キキ☆「どうも!今日はお忙しい中 ありがとうございます!」
運転席に いる方は…あっ!来福のHPにイラストで登場している…
店主&杜氏の藤村さんではっ!?
http://www.raifuku.co.jp/
I田さん「そうそうあのイラストと違って 本物はヒゲ面の強面のおっさんですがwww」
うわん なにをおっしゃいます!蔵見学だけでなく 運転までお願いして恐縮です!
ホントは2月に 茨城の蔵元見学を予定していたのだ
3月に予定が重なり、出費が辛い…そんな理由で断念!
しかし今回の 振って湧いたような蔵見学の話。
しかも蔵元見学候補に 上がっていたうちの1つである『来福』
いやいや うれしい悲鳴もあがりますョ
つくば駅から かなりの長時間道中。
車の中で聞けた「酒業界裏話」 とてもここでは書けない内容で はははははっ冷や汗ものです
車を走らせること4~50分やっと来福の蔵に到着。
おおっ!?意外…田舎の住宅街にありました
そう…雰囲気的に金婚の豊島屋酒造さんが ある場所に似ています
門をくぐると 酒林が…そしてプーンと香ってくる もろみの匂い。
藤村さん「まぁ まずどうぞ」
と通された部屋には すでに試飲の用意が!さっ酒ぇ~(じゅるり)
ひまわり 純米吟醸 生原酒 亀の尾
ぼたん 本醸造 (他の情報は失念!)
ベゴニア 純米吟醸 生原酒 雄町
アベリア 純米吟醸 生原酒 愛山
来福 純米吟醸 生原酒 八反 (酵母名失念!)
来福 凍結濃縮 純米吟醸
ここには、なかったが以前『いぃはとぉぶ』で 呑んだ来福は
なでしこ 特別純米…
そうこの花の名前は 有名な花酵母だ
東京農業大学 短期大学 酵造科 酒類学研究室が
自然界の花から清酒酵母を純粋分離に成功し 注目を浴びている『花酵母』
どのお酒も 口に含んだ瞬間 香りの高さに圧倒される
ひまわり酵母 亀の尾なんかは 搾って日が浅いせいか 長く長く体内で香りが続く。
「こー言う酒もありなの?!」と 香りの華やかさに ただただ圧倒。
でも味は 実にまろやか 「香り」だけのお酒ではないですョ
I田さん「花酵母をいち早く 使用して試行錯誤し商品化したのがこの 藤村杜氏なんですョ」
へぇ~
カレシ「どうして 花酵母に積極的なんですか?」
藤村さん「だって日本酒って 米と水で作るでしょ?
だからどうしても似かよったモノになっちゃうから
『他と同じこと』してても 面白くないwww」
ははははっその台詞 美大にいた頃良く耳にした
「アートは 誰かと一緒のことしててもダメなんだよ!」
藤村さんは アート気質な芸術家か
来福 凍結濃縮 純米吟醸は 実に不思議な味わいのあるお酒だったっス
純米吟醸酒を零度以下に冷却、水分だけを凍結し、お酒のエキスとアルコール分だけを濃縮しました
と の事。アルコール分25度以上26度未満になるとか
一口呑むと「うわぁおっ濃醇!」 が感想
濃縮の過程で 相当水分が減っているんだろうなぁと 想像してみる
売り価格は180ml(1合)瓶で780円と 高値に思ってしまうが
出来上がる時に お酒も(水分が)相当減っているだろうと 考えたら780円も妥当か?
濃醇だけが 特徴でないですぞっ
辛口なのですが 後味に不思議な甘みを感じるのですョ
そして 濃縮されているせいか 舌に長く その甘みを楽しめる
長く甘みを感じるのに ベタベタせずキレも良い…
えぇいっ 一体どっちやねん!甘いだの!長く残るだの!キレがいいだの!
キキ☆にも判らんっただ不思議な味わいがあったっす
こっこれは kynr3さんにもDらちゃんにも 呑んでもらわなくてわ!!
鳴門鯛にも 濃縮日本酒があるのだけど あれも不思議に味わいがあるのだろうか…
(高くて とても普段買い出来ませんがwww)
試飲の後 蔵見学に…
ハッキリ言って そんなに大きな蔵ではない…が
タルの多さにビックリ!
小さなタルが すらっと並ぶ
キキ☆「タルの数が凄いですね?いくつくらいあるんですか?」
藤村さん「40くらいですかネ 全部お酒の種類が違うから」
うわぁ!なんと酒米と花酵母の 組み合わせをタルごとに作っているそうだ!40個って…
I田さん「だから ホラ管理している温度なんか 細かく違ってきているでしょ?」
タル一つ一つにボードが立てかけてあり 細かな管理情報がチェックされている
うわぁ…大変だ…一体この管理を何人でやっているんだか…諸味香る蔵を見渡す
藤村さん「6人です。ウチは基本6人でやってます」
くぅー!脱帽です。神経細やかでないと やり続けれないお仕事です
フツフツと まだ発酵し続ける甕口を 見せていただく
ふぅわ~ん と ほのかに香る甘いフルーツの匂い。
キキ☆「ケーキのおいしい 匂いがする♪」
思わず 子供みたいなことを小声でつぶやくww
I田さん「洋梨のような 香りでしょう(ニッコリ)」
そうか そう形容すればいいのか…
カレシ「うわっこれっ!キキ☆来てみ これ匂ってみ!」
ぶわぁぁっん!と甕口に近づいてみた途端 強烈なバナナの香り!
バナナやん!初めて香ったョ!
ホラ 良く「梨のような香りします」とか表現してあるでないですか。
キキ☆「そーなのかぁー?」
と試飲して頭をかしげる場面も 何度かあったのだがww
藤村さん「どーしても濾過したり 加水するとこの香りは薄くなっちゃうからねぇ」
そか…キキ☆の鼻と舌が未熟者なのだな うむ納得
この日、この後洗米作業があるとか 駆け足の蔵見学になってしまった。
昼食を一緒にすることになり 地元お勧めのラーメン屋に
ご馳走にまたでなって 貴重な話まで伺えて
藤村さん「また別の日に遊びに来てくださいョ次回は じっくり蔵見学してもらいますからww」
とても 豪快な方に見えて 細やかなアート肌の杜氏さんでした
I田さんにも ありがとうを!またお酒買いに行きます!!
| 【☆ 編 集 長 】 | |||
|
|||
| 【 メンバー 】 | |||
|
・Sake芯 ・121-zakizaki ・120-アキモト酒店 ・119-toto ・118-酒商・のより ・117-godanism ・116-酒銘で遊ぶ ・115-aiko ・112-さわらび ・114-らんまん |
|||
|
メンバー全てを見る |

日本酒が
ゼロからわかる
楽しめる・好きになる
本を書きました
<編集長から>
初心者から専門家の方
までお読みいただきたい
1冊です。
(写真をクリックして
アマゾンから
お買い求めください)