「もういくよ」

最後のちからを振り絞り
ねこもりやの腕を引き寄せた。

「だからそばにいてね」
「最後までちゃんとみていてね」

出現!巨大ねずみ?




「ろんぼ」は
強くて
やさしくて
勇敢で

そして

あたたかだった。



前足を力強くすっくと伸ばし
じっと海を見渡す。



いぬ?もしくは・・・






「じゃまになった」
「病気になった」
「大きくなりすぎて手に負えない」


保健所に持ち込む?(感覚ではそうらしい)人たちの
言い分。


同じいのちでありながら
その最期はあまりにも違いすぎる。

愛される犬と愛されなくなった犬。


だけど


どちらも
まちがいなく「あなた」を愛している。
「家族」を愛している。



最後の最後まで
あなたが迎えにきてくれると

そばにいてくれると
信じている。


家族になってまもない頃、
どろんこになりながらふたりでかけまわった
あの春の日の「ひだまり」。


毎日一緒に遊んだ楽しかった夏休みがおわり
あなたのかえりを
みえなくなった方角をみつめながらウトウトした
あの秋の日の「ひだまり」。

忘れることのない思い出。


犬の十戒


「ありがとう、がんばったね、ろんぼ」
「ここにおるよ」
「ありがとう、またあおうね」



神様は
すべての色彩を失ったかのような
絶対的な喪失感と戦う間もないほど
つぎつぎとあらたないのちを運んでくる。


そして
ねこもりやは
ねこもりやを選んでくれたことに
すこしの困惑と
たくさんのしあわせを思うのだ。



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