その昔、人類は滅びる!とか言われていた時代は実に混沌としていました。しかし、それは単なる混沌ではなく、時代を生み出そうとしているエネルギーにも満ちていた時代であります。ただ、その方向性が間違っていたのか、現在、そのつけを大小関係なく支払わなくてはならない時代に入っています。

果たしてこの先、どのようになっていくのか…心配な事です。


 さて、今回は1982年に発売されました「魔界都市<新宿>」です。


 魔震…デビルクエイクと呼ばれるその地震が新宿の真下のみで起こったのは、199x年9月13日午前3時にきっかり3秒だけ起こり、しかしその影響は拭いきれることなくその地を覆う事になる。新宿のみに起こった震災は、後にその場所の名称に異名を付け加える事になる。それが魔界都市。

そこには区外では考えられない常識が罷り通り、それでも人々は生活していた。だが、そうした中に存在する悪の因子が動こうとしている。

一方、現地球連邦政府首席である羅摩こずみは、一通の手紙によってその命を危険に晒されていた。その手紙を送り込んだ主こそ、摩導師レヴィ・ラー。地球の至宝とまで言われる首席の命を持って、災厄を呼び覚まそうとしている張本人であった。その危機を知り首席の下に来たのは、稀代の大賢人アグニ・ライ老師である。彼の命を受けた連邦政府の山科は、一人の青年の下へと向かう。

その青年の名は十六夜京也。念を聖的に昇華させ、物理エネルギーすら聞かない魔物たちとも対峙出来る“念法”に使い手であった。

最初こそ渋るものの、しかし、彼は魔界都市へ向かう決意をする。そこで自分と魔導師との因縁を知る事になり、そしてついに災厄が現れ…、そして、ついに決着の時を迎える。


 魔界都市、それは新宿を指し示すきっかけになった作品。それ以降、この魔界都市では様々なヒーロー、ヒールが登場するようになりました。有名どころではせんべい屋に刑事、そして医者といった所でしょうか。彼等はすべてこの魔界都市という本来人の住めないような場所で生活している人たちなのです。しかも、それぞれに特殊能力があり、それを駆使しして難問奇問に立ち向かっています。

しかし、主人公である十六夜京也は魔界都市の住人ではありません。あくまで区外の人間であるわけです。ここが魔界都市に関連する作品の中で異なる部分なのでしょう。

それにしても、この作品、大変に面白く読んだ記憶があり、今回再度読んでみましたが、すんなり読めてしまえるようになっています。あまり、難しい事をしていないのです。前に出てきた事で伏せてある内容は必ず、その数ページ先に記載してあって、つまり、あくまで冒険活劇として読むことが出来るようになっています。

どうしてレヴィ・ラーはもう一度災厄を起こそうとしたのか。それも記載されていますが、悪党の言う事の典型的な話をしております。

 作品の基本としては実在の場所を使い、また、1999年に起こるとされた災厄を使い、更に念力やテレパシーなどの不思議能力、そして魔界の生き物に…と今のゲームではすっかり御馴染みのごった煮状態で記載されています。しかし、単なるごった煮とは思うなかれ、その素晴らしいテイスティングによって、煮込まれた材料はそれぞれが互いを破壊する事なく利用されているのです。
作品内ではそれぞれが破壊と戦いを繰り広げておりますけど…。


 それにしてもこの作品は数多くの模倣が織り込まれており、しかし、それをうまい具合に菊池風味にしている作品であるわけです。二次創作も嗜んでいる自分としては、大変参考になる書籍である事は間違いありません。一種のセンスなのでしょうが、それでも憧れる存在であるわけです。


 前振りで不安な事を記載しましたが、それでも日常は回り続けていくものです。ただ、最近の日本というものを省みるにつけ、大人の不正があまりにも大きく、本当に日本を正しく残そうとしているのか…そこに関しては不安が残ります。年金問題、裏金問題、政治資金問題。なんでも金が関係しているわけですが、それでも日本を良くして行こうというのであれば、そういう行き過ぎた煩悩からは脱却するべきなのでしょう。

日本には統一された主義主張は存在しません。宗教でも理念でも、それは個人が唱える事ができるとなっています。しかし、その弊害として主張における対立が、激化している様子が見て取れます。自分の意見を批判する場合、それは敵とみなすわけです。個人がそれぞれの理念を持つ場合、結果的にはそれを受け止めれるだけの度量が必要になってくるはずなのですが、それが無いようなのです。

かつての混沌としていた時代の中にもあった幾つかの常識。それすらも今の世の中では笑いの対象となっていくようです。それらが全て壊れ去った時、日本は日本であり続けられるのでしょうか。新しい日本になるのか、消滅するのか。それはその時にならないとわからないのかもしれません。
 
 
 
 そんなこんなで本日はここまで。


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