さて、今回は1989年に公開されました「ファイブスター物語」です。



 クラウン大銀河に存在する4つの恒星系…イースター、ウェスタ、サザンド、ノウズと長大軌道を持つスタント遊星により構成されるジョーカー太陽星団。星団には極めて発達しつつも緩やかに衰退を始めている文明が存在している。
4つの太陽系の幾つかの惑星に居住している人類は、無数の国家を形成し、国家は互いに勢力拡大を争っていた。
 
惑星デルタ・ベルンの統治者、「光の神」天照帝は、その日、妻であったリトラーとの話である場所へ向かう事を決めた。
 
星団歴2986年。
第1太陽系第2惑星アドラー西方トラン自治区。大規模な惑星改造により数千年前より人が住み始めた、歴史のある惑星である。そこに、一機のモーターヘッド(MH)が落下してくる場面から物語は始まる。
そして、そのMHを操縦して来たのは、レディオス・ソープというMH技師=マイスターであった。
 
砂漠の真ん中で往生しているソープを見つけた一台のキャリア、それは評議会よりある任務を託された騎士=ヘッドライナーであるボード・ヴュラードの物であった。
ソープを乗せたドーリーは奇しくも同じ方向を目指していた。ソープは古き友人にあるため、そして、ヴュラードはファティマのお披露目を見届けるため。
 
ファティマ。それは人の姿をしている人ならざるもの。MHを駆るヘッドライナーのために存在する生体コンピューター。
星団全てのヘッドライナーにとって、それはMHと共に自身を騎士たらしめている存在であった。だが、騎士に対して絶対的に服従を誓うファティマにも、一つだけ許されている事があった。それは自身が仕えるヘッドライナーを自身で決める事が出来るというものであった。
 
ファティマは騎士に惚れるわけではない。騎士の力に身をゆだねる。それを愛情と間違ってはいけない。それだけの美貌と献身さを兼ね備えているファティマが魔性のように言われる所以でもあった。
 
ファティマは人と同じ様に生まれるわけではない。マイトと呼ばれる設計者によって作り出される。ソープが会いに行った古き友人は、そのファティママイトである、狂気の科学者、クローム・バランシェであった。
 
そのバランシェがソープに言う。彼女らを守ってくれと。
 
今回、お披露目が行われる自治区の大公ユーバーには、黒い噂が絶えないからだ。だがしかし、バランシェはソープにある秘密を暴露する。それが守って欲しいという最大の理由であったからだ。
 
ファティマには、マインドコントロールを施される。それは人よりも長生きをし、その演算能力、そして身体能力を恐れる故に人が施した鎖のようなものであった。
明らかに人類よりも上位に位置するファティマを配下に置くには、絶対的な精神的支配が必要であったからだ。だが、バランシェはそれを疑問視していた。だからこそ、アトロポス、クローソー、そしてラキシスにはマインドコントロールをさせていないというのだ。
 
それは星団法を無視した重罪であった。だからこそ、ソープに守って欲しい。クローソーをしかるべき騎士に、そしてラキシスをその手に託すと…。
しかし、ソープの心は揺れていた。それは自身の心の問題でもあったからだ。
 
それから後のある日、ヴュラートにMHを見せてもらっていたソープ。そこに警報が鳴り響く。お披露目を控えていたファティマ、クローソーが脱走を図ったのだった…。
 
 
 
 1989年…今から20年も昔に公開されましたファイブスター物語 劇場版のご紹介です。上記はかなり割愛されていますので、ご了承のほどを。
 
原作は月刊ニュータイプというアニメ雑誌に掲載されている(現在進行形)同タイトルの漫画です。原作者である永野氏が忙しいので、休載を挟んでの長期掲載になっており、その関係でこれほどまでに長期作品となっているといえるわけです。
 
劇場版は、その第一巻をまとめた作品となっております。
デルタ・ベルンの天照が、自身のファティマであり最愛の人となるラキシスとしっかり手を取り合うラブストーリーなのです。
 
そう、これを決してロボット物と呼称してはなりません。あくまで絵本。そして神話でありSFではなくファンタジーであるのです。その劇場版アニメ化であるのです。
ですので、この第一巻の物語はこれから始まるラブストーリーの始まりを描いたものとしても何も問題はないのです。
 
ファイブスター物語は言ってしまえば、剣や魔法の物語となんら変わりがありません。言い換えるとすれば、全てのロボット物がそうであると言ってもおかしくはないのです。特にスーパーロボットと呼称されるのは当然なのですが、リアルロボットと呼称されるものであったとしても、とても近代兵器に並ぶものではありません。
 
正直、兵器としては不完全なものばかりなのです。
 
とすれば、これらは魔法世界で言う所の土人形(ゴーレム)と何ら変わりがないという事になります。昔ありましたロードス島の青銅の巨人がMHであるとしても無理な話ではありません。そこに立ち向かう勇者が騎士であったとしても不思議はないのです。
生身では敵わないから、魔法の防具に剣。それが相対するMH。そしてその手助けをしてくれる魔法使い=ファティマ。
 
確かにファンタジーです。
 
となれば、バスター砲は禁忌の魔法という事になるのでしょうか。その土地を壊滅にしてしまうほどの威力という事は、メテオフォールぐらいの強力魔法と言う話になるのかもしれません。
 
そのファンタジーをこうしたアニメ化するというのは、かなりの苦労があったのではないのかと思います。
今でも、これだけの作りをして営業するという企業がどれだけあるのか、正直疑問です。ポケモンやケロロ軍曹など、確かに劇場版で活躍しているアニメは数多くありますが、それでも定番を脱出できないのは今の時代仕方がない話なのかもしれません。
 
 
 
 と言う感じで思うところとしては「アニメ」と言う事で一つ。
 
昨今におけるアニメ事情というのは、決して良い方向に向かっているとは思えません。確かに、海外における評価はありますし、何より声優アワードを開催したり、世界コスプレサミットなどでも、ジャパニメーションはその地位を確立しているわけです。
 
…が、それだけです。
 
例えば、映画においては俳優だけではなく、監督や監修にスポットを当てられる事は当然の如くあるわけです。漫画・小説にしてもそうです。作者にスポットが当てられるというのは当然の話です。
 
ですが、最近のアニメに関しては声優にスポットが当てられているだけで、監督や作画に動画、音楽といった分類には目が向かれにくい状況になっています。
以前にも記載しましたが、アニメは声優があってのアニメではありません。声優もあってのアニメです。一部だけにスポットが当てられ、それでアニメ自体の得になっていくのでしょうか。
 
アニメ…動画作品と呼称しても良いのでしょうが、こうした作品を作り上げるのは、技術者・芸術家の仕事と変わりがありません。
作品となってみてもらうこと。それは第一であるべき事です。問題は、そうした事が行われつつも、それを作り上げた人にスポットを当てられない原因は何だろうという事なのです。
 
プログラマーと違い、一人で全てを行うには無理がある世界であるからこそ、一人の英雄を作りにくいのでしょうか。それとも、最近の何を見ても同じ様な映像しかない事に問題があるのでしょうか。
 
個性は特徴であり、歪みから来る味わいです。原画があったとしても、それをどう料理するのかはそれぞれの認識にかかっています。
同じ花を見て、それを華と感じるのか、鼻と感じたのかは、それぞれの個性ですし、それを絵として表現するにあたり、花に戻すかそうではないのかも、個性です。
 
絵を描くにあたり、原作と異なる設定と異なると吠える視聴者に問題があるのでしょうか。それとも、それをそうであると納得させられない作家陣に問題があるのでしょうか。
 
私自身はそれよりも何よりも、今の放送形態そのものに問題があるのだと思うのです。
売れる物を作ること、その認識の違いがこうした問題の根底にあるような気がしてならないのです。
 
売れる作品とは何でしょうか。今のライトノベルや漫画で売上げが上がっている作品をアニメ用にオリジナル設定にすること。原作の人気があるのだから、それに便乗でして売上げを上げればいい…アニメである意味はあるのでしょうか?
ハリウッドもそうですが、原作におんぶに抱っこの姿勢で本当に良作が作れるとは思えません。事業である以上、確かに売れる事が前提であるのは当然の話ですが、守りに入った状況で、何が創作できるというのでしょうか。
 
もう一つ、製作している方々がもっと、前に出てきて作品の説明をしても良いのではないのかと私は思うのです。それが出来ない理由は何なのでしょう。
 
才能が足りない人が足りない…そうした結論はあるのでしょうが、それを補える組織が現状でもあるはずです。広告代理店などは、そう動いてみるのも一つの手ではないのでしょうか。
映画やドラマでの世間に対する売り込みをアニメでもやってみる事に何の問題があるのでしょうか。それを踏まえて時間を作るのも手段の一つであると思うのですけどね。
 
声優がこれだけ前に出てきているのですから、製作者側も持っと世間に出るべきなのです。それこそ、声優アワードと同じ様なものを作り称えるのは当然の話ではないのでしょうか。
一部分の誉れだけで良しとしている。現状のアニメ業界はそのように見えて仕方がないのですけどねぇ。
 
他にも素人目にでも見えている「このままで良いのかナァ?」という事は他にもありますが、それはまた後の機会にて。
 
 
 
 そんなこんなで本日はここまで。

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