今回紹介するのは、「ここはグリーン・ウッド」です。1986~1991年まで、白泉社の雑誌・花とゆめで連載されていました漫画作品です。

スカちゃんの同居人である瞬は、旅館の息子。見てくれは女子っぽくても、息子なわけですが、その旅館経営も化なり手広くやっている様子なのです。今回は、そのお話から始まります。
とある古い旅館を手に入れた如月の家。しかし、それを改装工事するのに少し時間がかかるのだとか。空きがあるのならばという感じなのでしょう。瞬に実家から連絡がきた様子です。
夏休みにタダで泊まれるホテルは、まずありませんからね。しかも、瞬も一人で行くよりは、皆…光流と忍と、そして当然スカちゃんと一緒に行きたいと思い誘った様子。
しかし、スカちゃんは用事があるから行けないと、何故かうれしそう。いわく実家に帰るのだとか。
そこに、ぴ―――んと来ない彼らではありません。何かしらスカちゃんが企みを持っているのは、モロばれの様子です。
…といっても、彼の企みなど、静かに寮生活がしたいだけの話。つまり、瞬のホテルへ3人を送り出し、自分だけは寮に残る…という話なのですね。
モロばれなのですから、当然、いろいろと言われます。実家に帰るという事がどういうことなのかを。
結果は、わかりきった話。結局スカちゃんも一緒に行くことになりましたとさ。

さて、この作品ですが漫画版は全11巻となっております。今回はその内、第4~6巻までのレビュー後半です。
まずは読みました感想から。
前半では、こなされたキャラという話を中心にしましたが、そうした中で起こる急転直下の出来事。一体、何があったのかと思うしかありません。これは別に悪い意味ではなく、むしろギャグコメディを中心に続けていくつもりであったのでは?と思ったほどです。
言ってしまえば、マンガにおけるビューティフルドリーマー。もしくは、サザエさんのように…と思ったのですが、どうやら、それのマンネリ化を避けたかったご様子。
確かに、こうした状況(…というのは、6巻の最後を見ていただくとしまして)になった場合。初恋の相手が…っていうのは、結構来るものかもしれません。
こうした出会いというのは、時の流れという物の中で翻弄されるものかもしれませんねぇ。
それまで、その当時の週刊少年雑誌連載のような雰囲気もあった本作品が、ある意味、少女マンガの王道に入っていくきっかけとなった話数があるというのも、今回のレビューの巻数でもあるのですね。
さて、ここのくだりは、OVAとの比較もやってみたい気がするのですが…いや、むしろOVAは後半の比較(悪い意味ではありませんよ。あくまでマンガとアニメの表現や構成の違いという比較の意味です)が面白いのかも。
いずれは、OVA版のレビューもやってみたいものです。
というわけで「思いを伝える」というお話。
初キッスはレモンの味…などと昨今言うのかどうかは知りませんが、それでも、恋人が欲しいというのは今も昔も同じようです。
最近、近所で買い物をしていても、春だからでしょうか、あっちこっちで若いカップルが歩いてるのが見られます。仲善きことは美しきかな。
春の恋路は暖かく、秋の寒さに別れを感じる…と言いまして、暖かさだけを知っている春の恋路よりも、寒さ厳しい冬に例えた冬の恋路は、寄りそう暖かさから互いに沿い合うには適しているのだとか。でも、春になれば、暑苦しくなりそうですけどね。
それはともかく、昨今の恋愛事情が変わってきたのは、ニュースでも取り上げられている話です。いわゆる肉食女子に草食男子。
ですが、私のような年代からすれば、亭主元気で留守が良い…などというキャッチコピーもあったわけで、それは結局、肉食妻に草食夫ではないのかと思う次第であるわけです。
大体にして、家庭内における女性上位は家庭円満の秘訣でもあるとさえ言われる始末。確かに、楽ではありますが…(深くは語りませんけどね)。
恋人にしても結婚にしても、それは他人との生活に違いはない訳で、言ってしまえば友達もそうであるわけです。
それぞれの気持ちの良い距離や時間があるわけで、それはミクロな世界でもあるわけです。マクロな世界が世間であるわけですから、そこにも他人が存在する以上、ミクロとマクロ。大きさの違いだけであって、そこに大した差などあるわけないんですね。
自分の意見を主張するのも、思いを伝えるのも、結局は自分の言葉でしかなく、それを伝えるのには自分をしっかりと保つこと。つまりそれは自分の世界の門を開けてみる事に代わりがないということなんです。
ただ、それが難しいのは当然の話。後、必要であるのは……勇気……なのかもしれませんね。
ここで注意書きです。
ここから下記には若干から、場合によってはかなりのネタばれが書かれております。あくまで、内容は現物を見てという方はここで画面を閉じていただく事をオススメいたします。
※レビュー前半に関しては『コチラ』から閲覧も可能になっております。
瞬の家は老舗の旅館であります。和風な旅館だけではなく、洋風なホテルも手がけているのでしょう。恐らくはそうしたホテルの一つで戦前の古い建築なのですが、少し不思議な造りになっているのが特徴で、立ち入り禁止になっている通路があるのです。
それでも、興味があるのが若い証拠。四人(正確にはスカちゃんを除く、三人)は指して気にする事無く、その中へと入っていったのです。しばらく進むと、灯りもついていないその廊下で…
「だ~~~~~あ~~~~~れ~~~~~?」
(○う、○え、○お、○か 5巻 夏のお嬢さんたち p.128)

…と出て来たのは、若いお嬢サンたち。どうやら、支配人兼管理人の方が、若い女性が泊まっていることを黙っていようという話なのだろうと考えていたのですが、しかし、彼女たちには、とんでもない秘密があったのです。
その夜。何故か怪談話に華が咲く四人。スカちゃんは怪談があまり好きでないのか、かなり困っています。一通り、雑談した後に、四人はそれぞれ床につきます。
すると、中々眠れないスカちゃんが窓に何かがぶつかる様な音を耳にするのです。窓を見ると、あの女性客の一人である○か(まるか)さんが手招きをしています。豪快ないびきをかいて寝ている光流を起こしてもかわいそうだと思ったのか、スカちゃんは彼女の下へと行ってしまったのです。
一人残された忍は、身体の重さで目が覚めます。すると自分の上に○う(まるう)が乗っかっており更に言えば、自分の事を幽霊であるというのです…が、相手が悪かった。お寺の長男は、仏さまと同じ釜の飯を食べていたのです。しかも特技は読経。これは退散するしかありません。
スカちゃんの姿が見えませんが、とりあえず忍と瞬の部屋へ向かいます。
瞬はしっかりと○お(まるお)に金縛りされていた様子ですが、忍は逆に○え(まるえ)を金縛りにしていたとの話。何でも出来る優等生は違いますね。
問題は、スカちゃんです。
○かについてきたスカちゃんは、自分に両親がいない事を話します。すると、会わせてあげようかと○かが尋ねてきますが、もう8年も経っているしいいんです…と答えてしまいます。それが、○かに何かを感じさせたのかもしれません。なんと、四人の中で一番実力行使をしてきたのです。
きっと、お母さんたちも会いたがっている…そう言いながら地面に押しつけしかも、埋められそうになるスカちゃん。しかし、そのピンチを救ったのは、意外な人物…いえ、幽霊であったのです。
「勝手に人の気持ちを代弁しないでちょうだい!」
(蓮川の母 5巻 夏のお嬢さんたち 2 p.152)

…そう、それは蓮川の母であったのです。いつでも、お母さんが見守っていると言う事なのですね。少しだけからかおうとしていた四人であったのですが、中でも、○かは蓮川の母に死んでからも説教をされてしまい、落ちこんでしまった様子。
もしかしたら、自分の両親の事を少し考えているのかもしれませんね。
先立つ不幸はありますが、彼女たちのように明るくやっているのを知る事が出来たら、変な話ですが少しは安心するのかもしれませんね。
まさにそれこそ冥福。親しい人たちの冥福は祈ってあげたいものです。
グリーン・ウッドにいる寮生の中で名物と言えば、光流に忍かもしれませんが、前寮長でもある古沢も名物寮生であるのは間違いありません。
彼の趣味は単車。それも、こよなく愛していると言えるほどであります。
ただ、彼の趣味にはお金がかかります。よって、かなりのバイトをやっている苦労人でもあるのです。
今も、その一つをせっせとやっている最中。そこは「川澄屋(かわすみや)」という名前の酒屋。確かに、酒屋は重いものが多いので、古沢にはピッタリかもしれません。また、昼間から飲んでいる知り合いの親父にも、古沢は効果覿面の様子。
一方で、グリーン・ウッドでは、そんな古沢の様子を瞬たちが寮生に報告しているのです。その理由は、酒屋の娘である「川澄 由子(かわすみ よしこ)」にありました。
この由子がベッピンなのですね。寮の中では、すっかり、古沢の恋人候補のような感じになっています。
しかし、当の本人はある意味朴念仁。何かしらわかっているのですが、どうして良いのかがわかっていない。そんな雰囲気なのだそうです。
そこで、古沢は光流に助言を求めます。
頼り甲斐があるのだけれど、無骨で無愛想で…そんな自分を理解しているのか、素直に光流に対して悩みを話す古沢。由子の対してどう接すれば良いのかと話をするのです。忍や光流のような男性が良いのだろうか…とも。
しかし光流は…
「―――おれは先輩ほどいい男、滅多にいないと思うんでんですけど。それがわからない方が見る目がないんですよ」
(池田 光流 5巻 愛と青春のぼくたち p.170)

…嬉しい言葉でありましたが、しかし古沢にとっても、それが応援でしかない事は理解していました。それでも、光流が言ったのは、ありのままの古沢であれば、それで十分ではないのかという事だったのでしょう。
それからも古沢のバイトは続きます。
ある日、電話で酒屋の主人、由子の父親が交通事故にあったと電話が入ります。
先に病院へ行くという古沢に、由子も一緒に連れていってくれと頼みます。しかし、古沢はそれを拒否するのです。
もし、その道中で事故を起こし、由子自身にも何かあったらどうするのか。以前、同じ様にバイクの後ろに載せて欲しいと頼んだ際に断られた理由を由子はその時に知ったのです。そう、古沢は嫌で拒んでいたのではなく、由子の身を案じて拒んでいたのだと。
古沢は由子に店をしっかりと閉めてから来る様にと言い聞かせ、先に病院へと向かいました。
幸いな事に由子の父親は対した怪我ではなかったようです。その帰り、古沢は始めて由子を自分のバイクの後ろへ乗せました。ヘルメットを被らせ、しかし、エンジンをかけず手で引っ張っていく。それが古沢の精一杯の行動であったのです。
そして、由子は自分の決意を話ます。いつかバイクの免許を取るのだと。それに古沢は、笑顔でいいねと答えるのでした。
後日、古沢は再び光流を尋ねます。それは、女の子にはどんなプレゼントが良いんだろう。そんな相談だったのです。
夏が終われば、忙しい学園祭の季節。スカちゃんのクラスでは、すでに何かが動いている様子なのですが、スカちゃんは何も知らない様子。早速呼ばれると、クラス内で身長の低さを争っているという「戸丸 良武(とまる よしたけ)」と背比べをさせられたのです。
その理由は、女装はどちらが似合うのかというもの。身長の低さも項目の中にあるのだとか。
ちなみに、戸丸は前の体育祭にて、1年が行う女装をしていた男子です。
どっちがカワイイのか。本人たちは言い争っているのですが、クラスの皆の雰囲気がおかしいのです。総じて見れば、スカちゃんよりも戸丸になって欲しい様子。
しかし、戸丸本人は納得できません。そこで、卓球勝負をすることになりました。スカちゃんが戸丸が得意とするスポーツで勝負をつけようと言う話になったからです。
ちなみにスカちゃんの認識では、卓球はピンポンと同じ様子。
心配になった、瞬と光流、忍はとある場所で卓球の腕前を見る事になりました。あの、寮内七不思議でもある物を拾ってくれる云々さんが出る集会室であります。
実際に出たのですが、それを気にしている場合ではありません。光流がスカちゃんの腕前を見るのですが…結果は温泉ピンポンのレベルだというのです。
勉強ならぬ、卓球の一夜漬けの練習が始まりました。
そして当日。戸丸との対決がやってきます。そしてその腕前は…
「いい忘れていたが、中学では卓球部で1度だけ、全国大会に出たことがある」
(戸丸 良武 6巻 がんばれ蓮川!!卓球勝負 p.22)

…全国大会レベルvs温泉ピンポン。当然、勝負になぞなりません。結局、スカちゃんがストレート負けとなってしまいました。
問題は、どうしてこうなったのか…その理由、実はスカちゃんは知らなかったのです。
女装が似合う云々と言っていた理由。それはスカちゃんのクラスは学園祭で劇をやることになったのです。その題名は鶴の恩返し。そう、女装とは、その主役でもある鶴=おつうの役を決める勝負であったわけなのです。
その学園祭なのですが、じつは生徒会でも悩みの種であるイベントであるそうで、その前にある体育祭に燃えつきた生徒たちの気力がなえたままでの開催になる場合が多いらしく、いまいち盛り上がりにかけるのだとか。そこで、忍の姑息な一面が活躍します。何かしら、賞品がでるとかでないとか。そんな噂を流し始めたのです。
個が盛り上がれば、全も盛り上がる。確かに、その様子は見て取れるようになってきました。当然、それはスカちゃんのクラスでも同じのはずなのですが…問題はそのスカちゃん。どうにも、台詞がうまく言えない様子。
それでも、主役なのですから頑張るしかありません。
盛り上がってくれば、血気盛んな若者の集まり。調整をする生徒会も忙しくなってくるわけです。
その勢いはグリーン・ウッド内でも同じく様子。スカちゃんを茶化しに来た光流にしても、二叉、三叉と駆け足のような忙しさなのだとか。特にスカちゃんたちが驚いたのは、光流がブラバン部であった事実。
そんな話をしつつ移動すると、グリーン・ウッド内に人だかりが出来て居る場所があったり。無断で映研がロケをしていたり。はたまた、喫茶店をやるということで、すでに客引きが始まっていたり…引きこもごもとはこの事なのでしょう。
そんな中、生徒会としても監督するだけではなく、催し物をやる様子。その役として白羽の矢を当てられたのは、誰であろう、光流であったのです。すでに複数の役をこなさなければならない光流は当然、断ります。しかし、忍ではなく、生徒会の後輩などに懇願されて断れる光流ではありません…
「―――…―――…わかったよ、やってやるよ…」
(池田 光流 6巻 お楽しみはこれからだ! 1 p.52)

…一方で、忍に軽くいやがらせをしようとしているのは、倫子さん。誰かに向けて電話しているのです。その電話の主、すっかり倫子さんの言葉に乗せられてしまった様子なのです。
忍を嫌っているのは、結構いるわけですが、中でも姉である渚は嫌っている度合いが違います。とにかく忍が活躍するのは気に入らない様子。今回も、忍が緑都学園に名を残すかもという不確かな話だけで妨害工作をしようと奮起しております。
右往左往に東奔西走。それでも、学園祭の初日はやってまいります。出来るだけの準備をして、出来るだけの練習をした成果を思う存分に発表する日…のはずですが、スカちゃんは見事にプレッシャー負け。鼻血が止まりません。
一方、瞬は縦長の第一会議室を見事に利用した見世物で観客を沸かしています。
由樹も藤掛が心配するほどに頑張っている模様。
そう、皆が頑張っているなか、自分だけが十分に出来なかった事をスカちゃんは悔やみました。そして二日目。昨日の今日です。クラスの仲間が心配するなか、スカちゃんは…
「やる!」
(蓮川 一也 6巻 お楽しみはこれからだ! 2 p.75)

…と根性を見せております。光流もブラバンを無事にこなし、いよいよ、生徒会の催し物の時間となりました。
が、その時、あの渚が学園にやってきたのでした。
いよいよ生徒会でも準備におおわらわの状況となってきた様子。しかし、忍は何かを警戒している雰囲気です。
スカちゃんも主役を無事に終わった様子。一足ちがいで見にこられなかった瞬が、女装のままの格好で生徒会へと向かおうとスカちゃんを引っ張っていきます。なにやら、光流も女装しているのだとか。
記念写真を三人で…と思っていたのですが、生徒会室の前に、誰かうろうろとしています。しかも、その顔には見覚えが…。
声をかけると、その男性。あの渚の部下であったのです。
部屋の中からも、外の騒ぎを聞きつけ、光流が出てきます。その見事な女装っぷりに瞬が少しむくれてしまうほどです。
それはともかく、渚の部下は忍にことの真相を告げます。ここ最近、送られてきた脅迫文。そこにかかれていたのは、大雨になるという事でしたが、その大雨、なんと校内のスプリンクラーを作動させるということだったのです。
その時間は忍たちがの講演が始まった時間に合わせてなのだとか。まだ、時間はあります。光流は即断で忍に伝えます…
「まだ間に合う。阻止しにいくぞ!」
(池田 光流 6巻 お楽しみはこれからだ! 3 p.89)

…三人の女装男子を先頭に、校内くまなく渚の部下を探す事になりました。各階に一人、そして、校庭に一人。腕っ節では、負けない若者たちです。次々に見つけ出し、そして、渚の策略を阻止することに成功しました。
しかし、すでに開演時間を過ぎており、これ以上延ばすことは出来ません…そこに光流が戻ってきます。忍の号令で生徒会の催し物=演劇の幕が開いたのです。
舞台は成功。そしていよいよ、後夜祭の時間になりました。気がつくと、光流の姿が見えません。忍は光流を探しにいきます。
すると、マットの上で泥のように寝ている光流を発見。無理矢理起こします。
小さくても世話になったと語る光流は、これで貸し借りがチャラになったと思っている様子。しかし、忍はどうなのでしょうか。そのことを知る光流ではありません。
後夜祭をもって無事に学園祭は終了。一部、書き記せないものがあるにしても、それは確かに、学園史に残るイベントになったのではないのでしょうか。
一方、渚さんと言えば、忍から逃れるためにどこかへ行く様子。それで、逃げられるとは到底思えないのですけどねぇ。
思えば、スカちゃんの家にすみれが嫁いできてから、スカちゃんはあまり帰っておりません。それはすみれの事を忘れるためであるのですが、それでも何かしらにつけ、すみれのことを思い出してしまう様子。
この話はそんな野郎がもう一人というお話であります。
正直に言いまして、この話はあまりレビュー書きしたくはないんですねぇ。理由としては…
1.本人に正直に名乗らない。
2.自分の優位性を信じて疑わない。
3.なにより他人をこけ下ろしまくる。
…というライバルにもなりゃしないピエロとして、「神田 利幸(かんだ としゆき)」が出てくるからなのです。それはそれで、面白いキャラなのですが、個人的には好きになれません(笑)
傷のえぐり方が暴力的で見ていてグーパンチしたくなるからです(爆笑)
でも、この人も目的はただ一つ…
「木谷すみれをかえしてもらおう!」
(神田 利幸 6巻 蓮川家の一族 1 p.130)

…スカちゃんは驚愕な状況みたいですが、しかし、周りは何を言っているのやらという雰囲気になっております。
さて、この兄ちゃん。学園に乗りこんできたまでは良かったのですが、瞬や光流に言われまくりだったのです。それもそのはず、あのすみれの幸せそうな姿を見て、不幸だと思えるはずもなく、男子校の保険医をやっているからと言って、その語りや対応から、ホモであるとも思えないからなのです。
しかし、神田の兄ちゃんは引き下がりません。ついには、スカちゃんに話があると言い、喫茶店に呼んでしまったのです。
さて、この話。当初から間違いがあるわけですが、それは何か。この神田の兄ちゃん。恐らくは、将を射んと欲すれば馬を射よのつもりなのでしょうが、すみれが将であるならば、馬は一弘であって、一也じゃないわけです。
もし、堀を埋めるべくやっているのでしたら、それはむしろ、藪を突付いて蛇を出すだけの話。
事実、そうなってしまいました。
スカちゃんの家の事情も、一弘の苦労も知らずに手前勝手な事ばかりを話している神田にスカちゃんが切れてしまいます。逃げたのかと思ったのでしょうが、そこに登場したのは、一弘ご本人。神田に対して、すみれも交えてお話しようと言う事になりました。
涙が止まらない一也。それは彼の気持ちそのものであったのです。一生懸命に自分を育ててくれた兄に対する気持ち。そう、彼は誰からも一弘を誉めて欲しかった。ただ、それだけだったのです。
いよいよ、神田が家に来ることになった日。あれだけ毒づいていた彼も、結局はすみれに完全に毒気を抜かれてしまっています。
しかし、その日。すみれのくちから出て来たのは、思いがけない一言であったのです…
「 だってv」
(蓮川 すみれ 6巻 蓮川家の一族 2 p.153)

…上のは別にタイプミスではありません。そのまんまなのですけど、夫婦であれば当然、そういうことになりまして、その結果、家族が増えることもあるわけでありまして。
というわけで、神田だけではなく、スカちゃんの失恋も決定的になったのでありました。
スカちゃんが実家から出て来たのは、それから間もなくの事でしょう。行き先は瞬の実家でありました。旅館もやっているので、泊めて欲しいとい事なのでしょう。
瞬はそれから、スカちゃんの実家に生存を知らせ、そして今、光流に電話しているわけです。
何かしら身体を動かしていないと気がまぎれないようで、思い込みが激しかった分、反動もかなりのものだったのでしょう。
しかし、瞬もそこで反撃にでます。すみれに対して告白した事があるのかと…すると、スカちゃんはすみれに、初めて会った時の話をし始めたのです。
その頃にはすでに保険医になっていた一弘に反撥をし、同じ学園に入り別の道に進むと決めていたスカちゃん。しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。学力的に問題があったわけです。
そこで、一弘の知り合いとしてやってきたのが、すみれであったわけです。
スカちゃんは一目ボレをしてしまったわけですね。
それから、一生懸命にすみれから勉強を教えてもらったスカちゃん。何とか、合格まで出来そうな学力になりました。
その時、すみれから意外な話があったのです…
「お嫁にきてもいい?」
(木谷 すみれ 6巻 蓮川家の一族 3 p.174)

…しかし、それは一也の…という事ではありません。どぎまぎしている一也の態度がすみれに好意を抱いているというのを、一弘が知ったのも、その時が始めてだった様子。
あきらめて、泥を被ることにした一弘であったのですが、それ以上にショックを隠しきれない一也。
どうして家庭教師に来たのかも、どうして気にかけてくれていたのかも。その事を知ったスカちゃんであったわけですが、それでも、すみれの悲しい顔を見たくはなかったのでしょう。静かに頷いたのでした。
そんな感じで回想も終了し、初日の出。
周りは一年の願いをしている中で、スカちゃんは昇る朝日に向かって、青春の雄たけびを上げているのでした。
当然ですが、そんな幸せいっぱいの一弘とすみれの両人にも、出会った時があったわけです。
それは一弘がまだ大学生であった時の話であります。
一弘の父が他界したのは、彼が11歳の時、お母さんに苦労を与えたくない一心で頑張り、弟の面倒も見ていたわけですが、そのお母さんが事故で他界したのは、高校2年生の時なのだとか。
それから自分が弟の面倒も見つつ、学業もしなければいけないようになり、それは大学に入ってからも変わらない様子なのでありました。
お母さんがしっかりしていた事、そして交通事故の加害者が財産家であったこともあり、経済的には破綻しなかったのですが、それでも何があるかわかりません。大学生になった一弘はバイトをこなして、自分の学費に当てているのでした。
いつものように学内の芝生で寝ていると、その姿を見ている新入生がいました。そこに群がっていく、女生徒数人。彼女たちは一弘と同じ研究会のメンバーであったのです。
一弘をエサに、彼女を引きこむメンバーたち。
一弘が、研究会に久しぶりに顔を出すと、その彼女の歓迎会のようなものが行われていました。彼女の名前は木谷すみれ。女子校からこの大学に入ってきたとの話なのです。メンバーは一弘の知り合いかと思っていた様子なのですが、二人は初対面。
その事にメンバーも驚きを隠せない様子です。
すみれを引きこんだ女生徒たちは一弘の理想を知っている様子。しかし、その理想とも三ヶ月ともたなかった事まで知っている様子なのです。
さて、すみれはというと、真面目に研究会に出てきているわけで、しかし、お目当てである一弘は出てきません。それとなく女生徒たちは、一弘も大変そうだからと言っているんですが、本人的にはそれでも気になる様子。
いつも一弘が寝ている芝生までやってきたのでした。
一弘がいつも寝ている場所を通りかかると、そこにはすでに先客がいました。すみれです。
思わず一弘は声をかけてしまいます。すみれは、素直に一弘に尋ねます。自分がいるから研究会に参加しないのかと。しかし、一弘はバイトが忙しいからと少し言葉をにごします。
それから、度々、その場所で話すようになってから、一弘は既視感を覚える様になりました。そう、彼女は弟である一也に似ていたのです。
一也もすみれも真面目で、大きな猫をかぶっている一弘を尊敬するように見ている。本当の自分はそうではないのにと、一弘自身は思っている様子。相手の理想を壊さない様に嘘をつく事になれてしまった自分が何とも滑稽に見えてしまうのでしょう。それでも、弟のためにと、一弘は今夜もバイトに向かうのでした。
そのバイト先で、一弘はすみれに出会います。新歓コンパに参加したのですが、門限の関係で帰る途中にオカマに遭遇。驚いて逃げだしてしまったのだとか。
その場所は歓楽街。どうにもすみれ一人で無事に通りぬけられそうには見えません。一弘は店に理由を言って、すみれを送る事にしました。
優しい一弘にさらにひかれるすみれ。しかし、一弘はきっぱりと自分の置かれている立場と思いをすみれに話すのです。そして、それが自分のいっぱいの許容量なのだと。
それから、研究会にすみれが出てくる事はなくなりました。しかし、二人はいきなり再会する事になったのです。
それは、いつものように芝生で寝ていた一弘の耳に、悲鳴が聞こえてきたのが始まりでした。その悲鳴の先にいたのはすみれだったのです。スカートを木にひっかけてしまったのだとか。
それを助けてくれた一弘に、研究会に出てこなくなった理由を話したのです。その理由を聞いた一弘は、自分の気持ちにうそをついている事を知ったようなのでした。
そして…
「ハッピーエンドにいたるのは、野をこえ山こえ、それから4年たってからのことだ。そして少年の物語がはじまった…」
(ナレーション 6巻 蓮川家の一族・魔性の女 p.202)

…というわけで、スカちゃんの物語。そのプロローグはこれにておしまい。
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そんなこんなで、「ここはグリーン・ウッド」第4~6巻のレビューは終了です。
尚、レビュー前半に関しては『コチラ』から閲覧も可能になっております。
次回も「ここはグリーン・ウッド」第7~9巻のレビューとなります。

スカちゃんの同居人である瞬は、旅館の息子。見てくれは女子っぽくても、息子なわけですが、その旅館経営も化なり手広くやっている様子なのです。今回は、そのお話から始まります。
とある古い旅館を手に入れた如月の家。しかし、それを改装工事するのに少し時間がかかるのだとか。空きがあるのならばという感じなのでしょう。瞬に実家から連絡がきた様子です。
夏休みにタダで泊まれるホテルは、まずありませんからね。しかも、瞬も一人で行くよりは、皆…光流と忍と、そして当然スカちゃんと一緒に行きたいと思い誘った様子。
しかし、スカちゃんは用事があるから行けないと、何故かうれしそう。いわく実家に帰るのだとか。
そこに、ぴ―――んと来ない彼らではありません。何かしらスカちゃんが企みを持っているのは、モロばれの様子です。
…といっても、彼の企みなど、静かに寮生活がしたいだけの話。つまり、瞬のホテルへ3人を送り出し、自分だけは寮に残る…という話なのですね。
モロばれなのですから、当然、いろいろと言われます。実家に帰るという事がどういうことなのかを。
結果は、わかりきった話。結局スカちゃんも一緒に行くことになりましたとさ。

さて、この作品ですが漫画版は全11巻となっております。今回はその内、第4~6巻までのレビュー後半です。
まずは読みました感想から。
前半では、こなされたキャラという話を中心にしましたが、そうした中で起こる急転直下の出来事。一体、何があったのかと思うしかありません。これは別に悪い意味ではなく、むしろギャグコメディを中心に続けていくつもりであったのでは?と思ったほどです。
言ってしまえば、マンガにおけるビューティフルドリーマー。もしくは、サザエさんのように…と思ったのですが、どうやら、それのマンネリ化を避けたかったご様子。
確かに、こうした状況(…というのは、6巻の最後を見ていただくとしまして)になった場合。初恋の相手が…っていうのは、結構来るものかもしれません。
こうした出会いというのは、時の流れという物の中で翻弄されるものかもしれませんねぇ。
それまで、その当時の週刊少年雑誌連載のような雰囲気もあった本作品が、ある意味、少女マンガの王道に入っていくきっかけとなった話数があるというのも、今回のレビューの巻数でもあるのですね。
さて、ここのくだりは、OVAとの比較もやってみたい気がするのですが…いや、むしろOVAは後半の比較(悪い意味ではありませんよ。あくまでマンガとアニメの表現や構成の違いという比較の意味です)が面白いのかも。
いずれは、OVA版のレビューもやってみたいものです。
というわけで「思いを伝える」というお話。
初キッスはレモンの味…などと昨今言うのかどうかは知りませんが、それでも、恋人が欲しいというのは今も昔も同じようです。
最近、近所で買い物をしていても、春だからでしょうか、あっちこっちで若いカップルが歩いてるのが見られます。仲善きことは美しきかな。
春の恋路は暖かく、秋の寒さに別れを感じる…と言いまして、暖かさだけを知っている春の恋路よりも、寒さ厳しい冬に例えた冬の恋路は、寄りそう暖かさから互いに沿い合うには適しているのだとか。でも、春になれば、暑苦しくなりそうですけどね。
それはともかく、昨今の恋愛事情が変わってきたのは、ニュースでも取り上げられている話です。いわゆる肉食女子に草食男子。
ですが、私のような年代からすれば、亭主元気で留守が良い…などというキャッチコピーもあったわけで、それは結局、肉食妻に草食夫ではないのかと思う次第であるわけです。
大体にして、家庭内における女性上位は家庭円満の秘訣でもあるとさえ言われる始末。確かに、楽ではありますが…(深くは語りませんけどね)。
恋人にしても結婚にしても、それは他人との生活に違いはない訳で、言ってしまえば友達もそうであるわけです。
それぞれの気持ちの良い距離や時間があるわけで、それはミクロな世界でもあるわけです。マクロな世界が世間であるわけですから、そこにも他人が存在する以上、ミクロとマクロ。大きさの違いだけであって、そこに大した差などあるわけないんですね。
自分の意見を主張するのも、思いを伝えるのも、結局は自分の言葉でしかなく、それを伝えるのには自分をしっかりと保つこと。つまりそれは自分の世界の門を開けてみる事に代わりがないということなんです。
ただ、それが難しいのは当然の話。後、必要であるのは……勇気……なのかもしれませんね。
ここで注意書きです。
ここから下記には若干から、場合によってはかなりのネタばれが書かれております。あくまで、内容は現物を見てという方はここで画面を閉じていただく事をオススメいたします。
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瞬の家は老舗の旅館であります。和風な旅館だけではなく、洋風なホテルも手がけているのでしょう。恐らくはそうしたホテルの一つで戦前の古い建築なのですが、少し不思議な造りになっているのが特徴で、立ち入り禁止になっている通路があるのです。
それでも、興味があるのが若い証拠。四人(正確にはスカちゃんを除く、三人)は指して気にする事無く、その中へと入っていったのです。しばらく進むと、灯りもついていないその廊下で…
「だ~~~~~あ~~~~~れ~~~~~?」
(○う、○え、○お、○か 5巻 夏のお嬢さんたち p.128)

…と出て来たのは、若いお嬢サンたち。どうやら、支配人兼管理人の方が、若い女性が泊まっていることを黙っていようという話なのだろうと考えていたのですが、しかし、彼女たちには、とんでもない秘密があったのです。
その夜。何故か怪談話に華が咲く四人。スカちゃんは怪談があまり好きでないのか、かなり困っています。一通り、雑談した後に、四人はそれぞれ床につきます。
すると、中々眠れないスカちゃんが窓に何かがぶつかる様な音を耳にするのです。窓を見ると、あの女性客の一人である○か(まるか)さんが手招きをしています。豪快ないびきをかいて寝ている光流を起こしてもかわいそうだと思ったのか、スカちゃんは彼女の下へと行ってしまったのです。
一人残された忍は、身体の重さで目が覚めます。すると自分の上に○う(まるう)が乗っかっており更に言えば、自分の事を幽霊であるというのです…が、相手が悪かった。お寺の長男は、仏さまと同じ釜の飯を食べていたのです。しかも特技は読経。これは退散するしかありません。
スカちゃんの姿が見えませんが、とりあえず忍と瞬の部屋へ向かいます。
瞬はしっかりと○お(まるお)に金縛りされていた様子ですが、忍は逆に○え(まるえ)を金縛りにしていたとの話。何でも出来る優等生は違いますね。
問題は、スカちゃんです。
○かについてきたスカちゃんは、自分に両親がいない事を話します。すると、会わせてあげようかと○かが尋ねてきますが、もう8年も経っているしいいんです…と答えてしまいます。それが、○かに何かを感じさせたのかもしれません。なんと、四人の中で一番実力行使をしてきたのです。
きっと、お母さんたちも会いたがっている…そう言いながら地面に押しつけしかも、埋められそうになるスカちゃん。しかし、そのピンチを救ったのは、意外な人物…いえ、幽霊であったのです。
「勝手に人の気持ちを代弁しないでちょうだい!」
(蓮川の母 5巻 夏のお嬢さんたち 2 p.152)

…そう、それは蓮川の母であったのです。いつでも、お母さんが見守っていると言う事なのですね。少しだけからかおうとしていた四人であったのですが、中でも、○かは蓮川の母に死んでからも説教をされてしまい、落ちこんでしまった様子。
もしかしたら、自分の両親の事を少し考えているのかもしれませんね。
先立つ不幸はありますが、彼女たちのように明るくやっているのを知る事が出来たら、変な話ですが少しは安心するのかもしれませんね。
まさにそれこそ冥福。親しい人たちの冥福は祈ってあげたいものです。
グリーン・ウッドにいる寮生の中で名物と言えば、光流に忍かもしれませんが、前寮長でもある古沢も名物寮生であるのは間違いありません。
彼の趣味は単車。それも、こよなく愛していると言えるほどであります。
ただ、彼の趣味にはお金がかかります。よって、かなりのバイトをやっている苦労人でもあるのです。
今も、その一つをせっせとやっている最中。そこは「川澄屋(かわすみや)」という名前の酒屋。確かに、酒屋は重いものが多いので、古沢にはピッタリかもしれません。また、昼間から飲んでいる知り合いの親父にも、古沢は効果覿面の様子。
一方で、グリーン・ウッドでは、そんな古沢の様子を瞬たちが寮生に報告しているのです。その理由は、酒屋の娘である「川澄 由子(かわすみ よしこ)」にありました。
この由子がベッピンなのですね。寮の中では、すっかり、古沢の恋人候補のような感じになっています。
しかし、当の本人はある意味朴念仁。何かしらわかっているのですが、どうして良いのかがわかっていない。そんな雰囲気なのだそうです。
そこで、古沢は光流に助言を求めます。
頼り甲斐があるのだけれど、無骨で無愛想で…そんな自分を理解しているのか、素直に光流に対して悩みを話す古沢。由子の対してどう接すれば良いのかと話をするのです。忍や光流のような男性が良いのだろうか…とも。
しかし光流は…
「―――おれは先輩ほどいい男、滅多にいないと思うんでんですけど。それがわからない方が見る目がないんですよ」
(池田 光流 5巻 愛と青春のぼくたち p.170)

…嬉しい言葉でありましたが、しかし古沢にとっても、それが応援でしかない事は理解していました。それでも、光流が言ったのは、ありのままの古沢であれば、それで十分ではないのかという事だったのでしょう。
それからも古沢のバイトは続きます。
ある日、電話で酒屋の主人、由子の父親が交通事故にあったと電話が入ります。
先に病院へ行くという古沢に、由子も一緒に連れていってくれと頼みます。しかし、古沢はそれを拒否するのです。
もし、その道中で事故を起こし、由子自身にも何かあったらどうするのか。以前、同じ様にバイクの後ろに載せて欲しいと頼んだ際に断られた理由を由子はその時に知ったのです。そう、古沢は嫌で拒んでいたのではなく、由子の身を案じて拒んでいたのだと。
古沢は由子に店をしっかりと閉めてから来る様にと言い聞かせ、先に病院へと向かいました。
幸いな事に由子の父親は対した怪我ではなかったようです。その帰り、古沢は始めて由子を自分のバイクの後ろへ乗せました。ヘルメットを被らせ、しかし、エンジンをかけず手で引っ張っていく。それが古沢の精一杯の行動であったのです。
そして、由子は自分の決意を話ます。いつかバイクの免許を取るのだと。それに古沢は、笑顔でいいねと答えるのでした。
後日、古沢は再び光流を尋ねます。それは、女の子にはどんなプレゼントが良いんだろう。そんな相談だったのです。
夏が終われば、忙しい学園祭の季節。スカちゃんのクラスでは、すでに何かが動いている様子なのですが、スカちゃんは何も知らない様子。早速呼ばれると、クラス内で身長の低さを争っているという「戸丸 良武(とまる よしたけ)」と背比べをさせられたのです。
その理由は、女装はどちらが似合うのかというもの。身長の低さも項目の中にあるのだとか。
ちなみに、戸丸は前の体育祭にて、1年が行う女装をしていた男子です。
どっちがカワイイのか。本人たちは言い争っているのですが、クラスの皆の雰囲気がおかしいのです。総じて見れば、スカちゃんよりも戸丸になって欲しい様子。
しかし、戸丸本人は納得できません。そこで、卓球勝負をすることになりました。スカちゃんが戸丸が得意とするスポーツで勝負をつけようと言う話になったからです。
ちなみにスカちゃんの認識では、卓球はピンポンと同じ様子。
心配になった、瞬と光流、忍はとある場所で卓球の腕前を見る事になりました。あの、寮内七不思議でもある物を拾ってくれる云々さんが出る集会室であります。
実際に出たのですが、それを気にしている場合ではありません。光流がスカちゃんの腕前を見るのですが…結果は温泉ピンポンのレベルだというのです。
勉強ならぬ、卓球の一夜漬けの練習が始まりました。
そして当日。戸丸との対決がやってきます。そしてその腕前は…
「いい忘れていたが、中学では卓球部で1度だけ、全国大会に出たことがある」
(戸丸 良武 6巻 がんばれ蓮川!!卓球勝負 p.22)

…全国大会レベルvs温泉ピンポン。当然、勝負になぞなりません。結局、スカちゃんがストレート負けとなってしまいました。
問題は、どうしてこうなったのか…その理由、実はスカちゃんは知らなかったのです。
女装が似合う云々と言っていた理由。それはスカちゃんのクラスは学園祭で劇をやることになったのです。その題名は鶴の恩返し。そう、女装とは、その主役でもある鶴=おつうの役を決める勝負であったわけなのです。
その学園祭なのですが、じつは生徒会でも悩みの種であるイベントであるそうで、その前にある体育祭に燃えつきた生徒たちの気力がなえたままでの開催になる場合が多いらしく、いまいち盛り上がりにかけるのだとか。そこで、忍の姑息な一面が活躍します。何かしら、賞品がでるとかでないとか。そんな噂を流し始めたのです。
個が盛り上がれば、全も盛り上がる。確かに、その様子は見て取れるようになってきました。当然、それはスカちゃんのクラスでも同じのはずなのですが…問題はそのスカちゃん。どうにも、台詞がうまく言えない様子。
それでも、主役なのですから頑張るしかありません。
盛り上がってくれば、血気盛んな若者の集まり。調整をする生徒会も忙しくなってくるわけです。
その勢いはグリーン・ウッド内でも同じく様子。スカちゃんを茶化しに来た光流にしても、二叉、三叉と駆け足のような忙しさなのだとか。特にスカちゃんたちが驚いたのは、光流がブラバン部であった事実。
そんな話をしつつ移動すると、グリーン・ウッド内に人だかりが出来て居る場所があったり。無断で映研がロケをしていたり。はたまた、喫茶店をやるということで、すでに客引きが始まっていたり…引きこもごもとはこの事なのでしょう。
そんな中、生徒会としても監督するだけではなく、催し物をやる様子。その役として白羽の矢を当てられたのは、誰であろう、光流であったのです。すでに複数の役をこなさなければならない光流は当然、断ります。しかし、忍ではなく、生徒会の後輩などに懇願されて断れる光流ではありません…
「―――…―――…わかったよ、やってやるよ…」
(池田 光流 6巻 お楽しみはこれからだ! 1 p.52)

…一方で、忍に軽くいやがらせをしようとしているのは、倫子さん。誰かに向けて電話しているのです。その電話の主、すっかり倫子さんの言葉に乗せられてしまった様子なのです。
忍を嫌っているのは、結構いるわけですが、中でも姉である渚は嫌っている度合いが違います。とにかく忍が活躍するのは気に入らない様子。今回も、忍が緑都学園に名を残すかもという不確かな話だけで妨害工作をしようと奮起しております。
右往左往に東奔西走。それでも、学園祭の初日はやってまいります。出来るだけの準備をして、出来るだけの練習をした成果を思う存分に発表する日…のはずですが、スカちゃんは見事にプレッシャー負け。鼻血が止まりません。
一方、瞬は縦長の第一会議室を見事に利用した見世物で観客を沸かしています。
由樹も藤掛が心配するほどに頑張っている模様。
そう、皆が頑張っているなか、自分だけが十分に出来なかった事をスカちゃんは悔やみました。そして二日目。昨日の今日です。クラスの仲間が心配するなか、スカちゃんは…
「やる!」
(蓮川 一也 6巻 お楽しみはこれからだ! 2 p.75)

…と根性を見せております。光流もブラバンを無事にこなし、いよいよ、生徒会の催し物の時間となりました。
が、その時、あの渚が学園にやってきたのでした。
いよいよ生徒会でも準備におおわらわの状況となってきた様子。しかし、忍は何かを警戒している雰囲気です。
スカちゃんも主役を無事に終わった様子。一足ちがいで見にこられなかった瞬が、女装のままの格好で生徒会へと向かおうとスカちゃんを引っ張っていきます。なにやら、光流も女装しているのだとか。
記念写真を三人で…と思っていたのですが、生徒会室の前に、誰かうろうろとしています。しかも、その顔には見覚えが…。
声をかけると、その男性。あの渚の部下であったのです。
部屋の中からも、外の騒ぎを聞きつけ、光流が出てきます。その見事な女装っぷりに瞬が少しむくれてしまうほどです。
それはともかく、渚の部下は忍にことの真相を告げます。ここ最近、送られてきた脅迫文。そこにかかれていたのは、大雨になるという事でしたが、その大雨、なんと校内のスプリンクラーを作動させるということだったのです。
その時間は忍たちがの講演が始まった時間に合わせてなのだとか。まだ、時間はあります。光流は即断で忍に伝えます…
「まだ間に合う。阻止しにいくぞ!」
(池田 光流 6巻 お楽しみはこれからだ! 3 p.89)

…三人の女装男子を先頭に、校内くまなく渚の部下を探す事になりました。各階に一人、そして、校庭に一人。腕っ節では、負けない若者たちです。次々に見つけ出し、そして、渚の策略を阻止することに成功しました。
しかし、すでに開演時間を過ぎており、これ以上延ばすことは出来ません…そこに光流が戻ってきます。忍の号令で生徒会の催し物=演劇の幕が開いたのです。
舞台は成功。そしていよいよ、後夜祭の時間になりました。気がつくと、光流の姿が見えません。忍は光流を探しにいきます。
すると、マットの上で泥のように寝ている光流を発見。無理矢理起こします。
小さくても世話になったと語る光流は、これで貸し借りがチャラになったと思っている様子。しかし、忍はどうなのでしょうか。そのことを知る光流ではありません。
後夜祭をもって無事に学園祭は終了。一部、書き記せないものがあるにしても、それは確かに、学園史に残るイベントになったのではないのでしょうか。
一方、渚さんと言えば、忍から逃れるためにどこかへ行く様子。それで、逃げられるとは到底思えないのですけどねぇ。
思えば、スカちゃんの家にすみれが嫁いできてから、スカちゃんはあまり帰っておりません。それはすみれの事を忘れるためであるのですが、それでも何かしらにつけ、すみれのことを思い出してしまう様子。
この話はそんな野郎がもう一人というお話であります。
正直に言いまして、この話はあまりレビュー書きしたくはないんですねぇ。理由としては…
1.本人に正直に名乗らない。
2.自分の優位性を信じて疑わない。
3.なにより他人をこけ下ろしまくる。
…というライバルにもなりゃしないピエロとして、「神田 利幸(かんだ としゆき)」が出てくるからなのです。それはそれで、面白いキャラなのですが、個人的には好きになれません(笑)
傷のえぐり方が暴力的で見ていてグーパンチしたくなるからです(爆笑)
でも、この人も目的はただ一つ…
「木谷すみれをかえしてもらおう!」
(神田 利幸 6巻 蓮川家の一族 1 p.130)

…スカちゃんは驚愕な状況みたいですが、しかし、周りは何を言っているのやらという雰囲気になっております。
さて、この兄ちゃん。学園に乗りこんできたまでは良かったのですが、瞬や光流に言われまくりだったのです。それもそのはず、あのすみれの幸せそうな姿を見て、不幸だと思えるはずもなく、男子校の保険医をやっているからと言って、その語りや対応から、ホモであるとも思えないからなのです。
しかし、神田の兄ちゃんは引き下がりません。ついには、スカちゃんに話があると言い、喫茶店に呼んでしまったのです。
さて、この話。当初から間違いがあるわけですが、それは何か。この神田の兄ちゃん。恐らくは、将を射んと欲すれば馬を射よのつもりなのでしょうが、すみれが将であるならば、馬は一弘であって、一也じゃないわけです。
もし、堀を埋めるべくやっているのでしたら、それはむしろ、藪を突付いて蛇を出すだけの話。
事実、そうなってしまいました。
スカちゃんの家の事情も、一弘の苦労も知らずに手前勝手な事ばかりを話している神田にスカちゃんが切れてしまいます。逃げたのかと思ったのでしょうが、そこに登場したのは、一弘ご本人。神田に対して、すみれも交えてお話しようと言う事になりました。
涙が止まらない一也。それは彼の気持ちそのものであったのです。一生懸命に自分を育ててくれた兄に対する気持ち。そう、彼は誰からも一弘を誉めて欲しかった。ただ、それだけだったのです。
いよいよ、神田が家に来ることになった日。あれだけ毒づいていた彼も、結局はすみれに完全に毒気を抜かれてしまっています。
しかし、その日。すみれのくちから出て来たのは、思いがけない一言であったのです…
「 だってv」
(蓮川 すみれ 6巻 蓮川家の一族 2 p.153)

…上のは別にタイプミスではありません。そのまんまなのですけど、夫婦であれば当然、そういうことになりまして、その結果、家族が増えることもあるわけでありまして。
というわけで、神田だけではなく、スカちゃんの失恋も決定的になったのでありました。
スカちゃんが実家から出て来たのは、それから間もなくの事でしょう。行き先は瞬の実家でありました。旅館もやっているので、泊めて欲しいとい事なのでしょう。
瞬はそれから、スカちゃんの実家に生存を知らせ、そして今、光流に電話しているわけです。
何かしら身体を動かしていないと気がまぎれないようで、思い込みが激しかった分、反動もかなりのものだったのでしょう。
しかし、瞬もそこで反撃にでます。すみれに対して告白した事があるのかと…すると、スカちゃんはすみれに、初めて会った時の話をし始めたのです。
その頃にはすでに保険医になっていた一弘に反撥をし、同じ学園に入り別の道に進むと決めていたスカちゃん。しかし、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。学力的に問題があったわけです。
そこで、一弘の知り合いとしてやってきたのが、すみれであったわけです。
スカちゃんは一目ボレをしてしまったわけですね。
それから、一生懸命にすみれから勉強を教えてもらったスカちゃん。何とか、合格まで出来そうな学力になりました。
その時、すみれから意外な話があったのです…
「お嫁にきてもいい?」
(木谷 すみれ 6巻 蓮川家の一族 3 p.174)

…しかし、それは一也の…という事ではありません。どぎまぎしている一也の態度がすみれに好意を抱いているというのを、一弘が知ったのも、その時が始めてだった様子。
あきらめて、泥を被ることにした一弘であったのですが、それ以上にショックを隠しきれない一也。
どうして家庭教師に来たのかも、どうして気にかけてくれていたのかも。その事を知ったスカちゃんであったわけですが、それでも、すみれの悲しい顔を見たくはなかったのでしょう。静かに頷いたのでした。
そんな感じで回想も終了し、初日の出。
周りは一年の願いをしている中で、スカちゃんは昇る朝日に向かって、青春の雄たけびを上げているのでした。
当然ですが、そんな幸せいっぱいの一弘とすみれの両人にも、出会った時があったわけです。
それは一弘がまだ大学生であった時の話であります。
一弘の父が他界したのは、彼が11歳の時、お母さんに苦労を与えたくない一心で頑張り、弟の面倒も見ていたわけですが、そのお母さんが事故で他界したのは、高校2年生の時なのだとか。
それから自分が弟の面倒も見つつ、学業もしなければいけないようになり、それは大学に入ってからも変わらない様子なのでありました。
お母さんがしっかりしていた事、そして交通事故の加害者が財産家であったこともあり、経済的には破綻しなかったのですが、それでも何があるかわかりません。大学生になった一弘はバイトをこなして、自分の学費に当てているのでした。
いつものように学内の芝生で寝ていると、その姿を見ている新入生がいました。そこに群がっていく、女生徒数人。彼女たちは一弘と同じ研究会のメンバーであったのです。
一弘をエサに、彼女を引きこむメンバーたち。
一弘が、研究会に久しぶりに顔を出すと、その彼女の歓迎会のようなものが行われていました。彼女の名前は木谷すみれ。女子校からこの大学に入ってきたとの話なのです。メンバーは一弘の知り合いかと思っていた様子なのですが、二人は初対面。
その事にメンバーも驚きを隠せない様子です。
すみれを引きこんだ女生徒たちは一弘の理想を知っている様子。しかし、その理想とも三ヶ月ともたなかった事まで知っている様子なのです。
さて、すみれはというと、真面目に研究会に出てきているわけで、しかし、お目当てである一弘は出てきません。それとなく女生徒たちは、一弘も大変そうだからと言っているんですが、本人的にはそれでも気になる様子。
いつも一弘が寝ている芝生までやってきたのでした。
一弘がいつも寝ている場所を通りかかると、そこにはすでに先客がいました。すみれです。
思わず一弘は声をかけてしまいます。すみれは、素直に一弘に尋ねます。自分がいるから研究会に参加しないのかと。しかし、一弘はバイトが忙しいからと少し言葉をにごします。
それから、度々、その場所で話すようになってから、一弘は既視感を覚える様になりました。そう、彼女は弟である一也に似ていたのです。
一也もすみれも真面目で、大きな猫をかぶっている一弘を尊敬するように見ている。本当の自分はそうではないのにと、一弘自身は思っている様子。相手の理想を壊さない様に嘘をつく事になれてしまった自分が何とも滑稽に見えてしまうのでしょう。それでも、弟のためにと、一弘は今夜もバイトに向かうのでした。
そのバイト先で、一弘はすみれに出会います。新歓コンパに参加したのですが、門限の関係で帰る途中にオカマに遭遇。驚いて逃げだしてしまったのだとか。
その場所は歓楽街。どうにもすみれ一人で無事に通りぬけられそうには見えません。一弘は店に理由を言って、すみれを送る事にしました。
優しい一弘にさらにひかれるすみれ。しかし、一弘はきっぱりと自分の置かれている立場と思いをすみれに話すのです。そして、それが自分のいっぱいの許容量なのだと。
それから、研究会にすみれが出てくる事はなくなりました。しかし、二人はいきなり再会する事になったのです。
それは、いつものように芝生で寝ていた一弘の耳に、悲鳴が聞こえてきたのが始まりでした。その悲鳴の先にいたのはすみれだったのです。スカートを木にひっかけてしまったのだとか。
それを助けてくれた一弘に、研究会に出てこなくなった理由を話したのです。その理由を聞いた一弘は、自分の気持ちにうそをついている事を知ったようなのでした。
そして…
「ハッピーエンドにいたるのは、野をこえ山こえ、それから4年たってからのことだ。そして少年の物語がはじまった…」
(ナレーション 6巻 蓮川家の一族・魔性の女 p.202)

…というわけで、スカちゃんの物語。そのプロローグはこれにておしまい。
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そんなこんなで、「ここはグリーン・ウッド」第4~6巻のレビューは終了です。
尚、レビュー前半に関しては『コチラ』から閲覧も可能になっております。
次回も「ここはグリーン・ウッド」第7~9巻のレビューとなります。






































