1f126151.JPG【マイルス・デイビス 『オン・ザ・コーナー』】

 NHK教育で「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」という番組を放映しています。毎週火曜日22:25-22:50に本放送されていますが、5月は4回にわたってあの菊地成孔がマイルス・デイビスを紹介しています。私はこんな番組があったことを知らなかったので、残念ながら第1回は見逃してしまいました。しかし、5月15日に放映された第2回は見ましたし(なお、今日5:05-5:30に再放送されます。)、今日は第3回の放送です。私はこの番組のテキストを購入してしまいましたが、この回では今から紹介する『オン・ザ・コーナー』が採り上げられると思われます。

 『オン・ザ・コーナー』は、私が購入したマイルスのアルバムとしては『イン・ア・サイレント・ウェイ』『ビッチェズ・ブリュー』に続くものです。まだジャズ初心者に過ぎなかった私は、『イン・ア・サイレント・ウェイ』『ビッチェズ・ブリュー』をすぐには理解できませんでした。例えば、《ビッチェズ・ブリュー》におけるトランペットのディレーには大きな抵抗があったしね。生音にエフェクトを掛けるなんてね。まあ、まだまだクラシック人間でしたから。

 しかし、この『オン・ザ・コーナー』には音がスピーカーから飛び出してきた瞬間に「これはいい!」といきなり感じさせられました。あっ、今書いてから再認識しましたが、そう、まさに雑踏から音が飛び出してきた! という描写がぴったりな感じでした。『聴け!』シリーズで著名な中山氏は『オン・ザ・コーナー』の各曲が聴き分けられると語っていますが、菊地氏も指摘するように実質2曲から成立しているこのアルバム(8曲ということなのですが。)。その菊地氏は、(極端に言うと)屑セッションをなんとか編集して作品にしたのが『オン・ザ・コーナー』だと指摘しています。私はその指摘は分かるような気がします。各サイドメンが音楽の方向性を完全に理解して演奏を行っているとは思えず、それが単調さ、退屈さを感じさせるときも。でも、しみじみと感じ入るよりも、音のシャワーを全身で浴びると実に爽快です。ですから、小さい音量で聴くのはお勧めできません。なお、優れているトラックは、実質2曲の各1曲がそれぞれロング編集されたトラックでしょう(出だしからいきなり惹きつけ、終盤ベースとドラムの音型が変化してから思わず踊りだしたくなるトラック1と、よりワイルドな演奏が展開されるトラック4!)。

 あっ、「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝 マイルス・デイビス 帝王のマジック」ですが、6月24日に「ETV特集」で再編集されて放送されるそうです。本編では放映されなかったシーンも多数盛り込まれる予定だということで、これも楽しみです。
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