それは…
そう、悪くはなくクオリティも高いのですが、物足りなさも感じて…。それで、何回も聴き直していたのです。そう感じるのは何故だろうってね。だって、あの80年代の諸作と比べても劣るところなど一見ないように思えるのに。まあ、期待がかなり大きいこともあるのでしょうが。
アルバムはディープなファンク・ビートでスタート。前作よりも私好みのサウンドです。しかし、2曲目あたりからかな、特にサウンドの薄い箇所での音楽的充足度不足を感じてきました。いや、別に私は薄いサウンドが嫌いなのではありません。例えば、プリンスには「キッス」という薄いサウンドの名作もあり、私も好きですからね。
それでは、何故?
それは、きっと緊張感の有無でしょう。しかし、これは打ち込みのワンマン録音云々の問題ではないと思います。だって、『サイン・オブ・ザ・タイムズ』などにはそれがあったしね。んっ、待てよ! ここで言う緊張感ってラジカルってことかな? 特に80年代後半のアルバムはラジカルさとポピュラリティが奇跡的に共存していて、それが音楽的テンション・刺激を醸し出していたような…。それって、年齢から来る問題でしょうか? まあ、年齢を重ねた味わいを否定する立場では決してないのですが。
でもね、とは言いながらも、ずっと聴き続けている私。やはり、それに耐え得る作品であることには間違いないです。特にアルバム終盤はかなり聴き応えがあります。「ザ・ダンス」で感傷的かつドラマチックに盛り上がり、ビッグ・バンド・ジャズ風な「ゲット・オン・ザ・ボート」でめちゃくちゃファンキーに締める! このあたりは体が熱っちゃいますよ。


