これも年末に購入したCDの一つです。というか、これこそが真っ先に購入したかったものだったのです。だって、あの名盤『ネフェルティティ』に収録されているタイトル・ナンバーのセッションが収録されているのですから。
というのも、とある雑誌(何なのかは全く覚えていません。)で読んだ記事が頭にあったからです。その記事とは、このセッションにピアニストとして参加していたハービー・ハンコックのコメントです。まあ、内容はうろ覚えなので正確ではないかもしれませんが、「《ネフェルティティ》の最初の演奏は素晴らしかったが録音されておらず、後のテイクはそれをなぞるように演奏したが、ついには最初のものを上回ることができなかった。」というものです。そして、そこにあのハービーが言う幻のテイクが収められていると思われるブートレグCD-Rの登場となれば、早く聴きたくなる気持ちを抑えることができないのは仕方のないことです。
さて、『ネフェルティティ』収録のマスター・バージョン《ネフェルティティ》はテイク4らしいのですが、このブートCDにはテイク1〜3が収められています。しかし、結論から言うと、まあ、ある意味当然なのですが、マスター・テイクを越えるものではありません。マスター・テイクは神秘性、完成度において他を圧している感じです。伝説は伝説でしかなかったか?
テイク1があのハービーの言う幻の演奏なのでしょうか? でも、特にテーマを吹くマイルスとウェイン・ショーターが熟れていません。しかし、ハービーのピアノやトニー・ウィリアムスのドラム(後半凄い!)はもとより、ロン・カーターのベースも結構クールに熱いけどね。まあ、ハービーはこのリズム隊のことを言っていたのかも知れません。テイク2は熟れつつありますが、そういう意図があったのでしょうがこれはちょっと大人しくなっちゃったね。そして、テイク3はメロディーが最初の一音吹かれただけで終わっていますから、一つのテイクとも言いがたいトラックです。
なお、その他に収録されているのは、まず、《ネフェルティティ》と同日のセッションから《マッドネス》のテーマ練習。次に、別のセッションから《ネム・ウム・タルヴェズ》の未発表ロング・バージョン。でも、これは音がこもっています。最後に、『シエスタ』からの12インチ・シングル・レコードで聴くことができたエディット・バージョンを4曲。針音がわずかに聴こえます。でも、私は『シエスタ』、結構好きですからね。サウンドも『TUTU』よりも肌触りが温かくてね。哀愁感はありますが。


