
【チャーリー・パーカー 『オン・ダイアル』】
私と同じ誕生日(昨日のことですね。)のチャーリー・パーカー。彼はジャズ・サックス界最大の巨人ですので、同じくサックスを吹いていた私としては何となく光栄です。っていうか、私は、クラシック界を含めてもチャーリー・パーカーこそが最高のサックス奏者! って思っていますから。
そんな彼の充実した演奏がつまっていて、さらにそれだけでなく、ちょっと忌まわしくもドラマチックなドキュメントも含まれているアルバムが『オン・ダイアル』です。
ただ、演奏もいっぱい収録されているので(私の持っているのは初出テイク以外も収録されているものだし。)、ちょっと3曲をピックアップしてみました。
《チュニジアの夜》
1946年3月28日のセッションからですが、パーカーのソロそのものは、同日からであれば《ヤードバード組曲》のテイク1の方が良いです(サビの哀愁あるソロは絶品!)。でも、《チュニジアの夜》ってまず曲が好きなんだよね。アフロ・タッチの曲想には血が踊るのを抑え切れません。ビバップの醍醐味が味わえるナンバーと言えるでしょう。
《ラヴァー・マン》
1946年7月29日の「ラヴァー・マン・セッション」と言われるセッションからです。酒と覚醒剤でヘロヘロの状態でサックスを吹くパーカー。彼はこの後、カマリロ州立の精神病院で療養生活を送ることになる忌まわしのセッションでした。このセッションを代表するナンバーである《ラヴァー・マン》。あのチャールズ・ミンガスは「パーカー最上のトラックだと思う。」と言ったそうですが、どうでしょう? どう聴いても不安定なプレーです。でも、ある意味才能がむき出しになったそのプレーに、才能だけが吹いているあのプレーに聴き入ってしまう自分がいます。
《エンブレイサブル・ユー》
1947年10月28日のセッションからです。クインテットのコンビネーションが良く、そして何と言っても若きマイルス・デイヴィスの堂々としたプレー! よくぞここまで成長してくれました! って感じです。殊にこのナンバー(特にテイクA)が最高! パーカーの吹くフレーズは詩情と閃きに満ち、信じられないほどです。
チャーリー・パーカーこそが最高のサックス奏者とする理由は、彼以外の奏者でサックスを食っているようなスケールの大きさを感じる人を私は見たことがないからです。まさに不世出の天才と言えるでしょう。そんな一端をこれらのナンバーからも感じ取っていただければと。
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