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2007年02月26日

デルタ盤《第9》(1942年3月)5

a3de8d8e.JPG【ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》 / フルトヴェングラー指揮ベルリンpo.他】

 例の「第2世代アナログ盤復刻CD」です。以前、同じくデルタ盤の《第9》(例のバイロイトでの超名演!)を紹介しましたが、今回のは1942年3月に行われたライヴ演奏からのもので、オーケストラはベルリンpo.になっています。

 演奏は素晴らしい! バイロイト盤と比べて迫力があります。殊に第1楽章再現部がね。この楽章は全体としてもバイロイト盤よりも高く評価したいくらいですよ。さらに、ベルリンpo.はバイロイト祝祭o.と比べて流石の実力を見せ付けています(もっとも、第3楽章でホルンが派手なミスをしていますが。)。特に弦の各セクションの強靭さ、そしてカンタービレ(例えば、第3楽章第2主題や変奏部での。)も見事です。まあ、バイロイト盤に感じられる神々しさには少々欠けていますがね。

 録音自体は大戦中のものですので、期待しすぎはダメです。しかし、状態の良い箇所での音色感・明晰さ・実在感などはまずまずで、良好な復刻と言えるでしょう。

 なお、ディスク2には、序曲《コリオラン》(1943年盤)と、シューベルトの交響曲第8(9)番《ザ・グレート》(1942年盤)が収録されています。これらについてのコメントはいずれまた。

2007年02月24日

管弦楽組曲第3番他4

3f8b2436.JPG【バッハ:管弦楽組曲第3番他 / フルトヴェングラー指揮ベルリンpo.他】

 何だ彼んだ言いながらも、またまたパレット盤を採り上げてみました。

 まず、J.S.バッハ作曲の《管弦楽組曲第3番》です。1948年10月24日に行われたライヴ演奏ですが、《序曲》から「これ、バッハ?」 って感じで開始しています。まさに近代オーケストラならではの演奏で、流麗で豊かです。でも、決して嫌みはなく、実に音楽的であるといえます。さらに、《エア》に至っては、様式・時代を超越してしまっています。ロマンチックで品位もあり、そして哀愁も帯びている−これは名演ですね。ただ、全曲を通して2箇所で音飛びしていますが。

 次に、ベートーヴェン作曲の《コリオラン》序曲です。1943年6月の演奏ですが、これはまた大変素晴らしい。極めて劇的で緊迫感があります。特にティンパニの強烈な一撃−肺腑をえぐられます。また、第2主題の歌わせ方に代表されるように、哀を湛えた情感も十分で、超名演と言って差し支えないでしょう。

 3番目は、ベートーヴェン作曲の歌劇《フィデリオ》序曲です。1950年8月の演奏ですが、オーケストラはこの曲のみウィーンpo.です。ただ、演奏は結構良いと思うのですが、録音がデッドでバランスも悪く、強奏部で音量が絞られているような箇所もあるのが残念です。

 最後に、シューベルト作曲の交響曲第7(8)番《未完成》です。《管弦楽組曲第3番》と同日のライヴからですが、内なるパッションが垣間見られる名演です。強奏部はやはり凄まじく、第1楽章第2主題や第2楽章3分55秒あたりからのカンタービレも見事です。熱情と品位を兼ね備えた演奏−フルトヴェングラーの魅力ですね。

 なお、このディスク、録音状態は全体的に良好とは言えないですね。レコードの隣の溝の音を拾っているのも気になるしね。

2007年02月23日

ケータイ妄言録『僕らの音楽・・・』

にて『ウォーリーをさがせ』?

今日放送分に、知ってるバイオリニストが出てるらしいので。


そういえば、あの人とは今年に入ってから全然会ってねぇな・・・

2007年02月20日

《田園》1944年盤&1954年盤(@ルガーノ)5

4559d7a3.JPG【ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》 / フルトヴェングラー指揮ベルリンpo.】

 前回に引き続きパレット盤を引き出してみました。曲は《田園》、演奏は1944年3月に行われたライヴから収録されたものです。

 出だしから残響が豊かで、ふっくらとした演奏が展開されています。そして、歌心にも満ちています。とても素晴らしいですね。特に第3楽章(最初の一音がない!)以降はドラマチックさが少々鼻に付き、ちょっと仕上げが雑に感じるようなところもありますが、だからこそ第4楽章は凄演になったとも言えるでしょうし。

 パレット盤は盤起こしで、それ故のノイズはありますが、そんなに気になりません。強奏部では豊かな残響故少々音が混濁していますが、デルタ盤ではどうなんでしょうね? なお、《第8番》がカップリングされていて、これはフルトヴェングラー指揮と銘打たれていますが、実はクリュイタンス指揮のものということです。

 ところで、1944年盤とは別に、1954年5月15日にルガーノで行われたライヴ演奏にも心が惹かれます。私が所有しているのはエルミタージュ盤ですが、出だしから侘びを感じさせる佇まいで、1944年盤と比べて響きとしては対極にあります。しかし、だからこそ、時折出現する盛り上がった場面での幸福感がより際立つ感じです。さらに、終盤はさすがに熱演となっていますし。まあ、演奏自体は1944年盤の方が優れているようにも感じますが、染み染みと聴きたいときはこちらかな。

 このエルミタージュ盤は、出だしのボコボコはあれ? って思いましたが、録音も1944年盤と比べて明晰で良好です。なお、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番(ピアノ:ルフェビュール)がカップリングされていますが、これも名演です。これについてのコメントはいずれ。

2007年02月18日

パレット盤《運命》&《ベト7》4

6d62e524.JPG【ベートーヴェン:交響曲第5番《運命》&第7番 / フルトヴェングラー指揮ウィーンpo.&ベルリンpo.】

 おそらくは、私がまだ大学生だった頃購入したこのCD、久し振りに聴いてみました。PALETTE盤って、非フルトヴェングラー盤をフルトヴェングラー盤と銘打って発売されたこともあり、何か信用おけないっていう気持ちがあり、さらに針音も大きくて、結構避けてきていました。

 しかし、まず、《運命》を1950年9月25日に行われたウィーンpo.とのライヴで聴いてみました。出だしはちょっとギクシャクした印象で、全体的にもあの1947年5月27日のベルリンpo.との超名演と比べると生ぬるい感じを抱かせますが、第1楽章第2主題のバイオリンの艶めかしさに代表されるように、あのウィーンpo.の優雅な響きを実感することはできます。このCD、やはりスクラッチノイズは大きいですが、変にノイズリダクションをかけすぎて音色を変質させているよりはいいかなって感じですか。

 次に、《ベト7》です。1943年10月31日(?)に行われたベルリンpo.とのライヴですが、このPALETTE盤、スクラッチノイズは決して小さくないものの、《運命》と比べれば気になるレベルではありません。さらに、演奏自体もより良い状態だと思います。いや、それどころか、先日、C.クライバー指揮の同曲の演奏(バイエルン国立歌劇場o.盤)を紹介していますが、録音面を考慮しなければ、演奏そのものはフルトヴェングラー盤の方が優れていると言ってよいでしょう。特に第2楽章などは完勝です。全体的にも響きが実に充実していて、中身がぎっしりって感じです。なお、最終楽章冒頭4小節は欠落しているのを修復してうまくつないでいます。

2007年02月14日

デルタ盤「ブラ4」4

53fbc1ee.JPG【ブラームス:交響曲第4番他 / フルトヴェングラー指揮ベルリンpo.】

 今回もDELTA盤の紹介です。曲は、1943年12月に行われたライヴより、ブラームスの《交響曲第4番》と《ハイドンの主題による変奏曲》。

 メインの《交響曲第4番》ですが、演奏は相変わらず素晴らしいです。アッチェレランドがきつい場面もありますが、ドラマチックで流麗な演奏が展開されています。出だしの哀愁と甘美さの入り混じったあの信じられない音−昇華されたロマンチシズムを感じます。また、第2楽章8分30秒すぎからの弦楽合奏での歌わせ方は感動的です。とにかく、今回のDELTA盤は以上のことがよく感じられる、とてもカラフルな印象を残すディスクといえましょう。

 しかし、特に強奏部でのチリチリ具合は気になり、後半の2つの楽章でのブルブルという太目のノイズもちょっと耳障りです。さらに、ちょっとピッチが高めなのでは? したがって、今まで語った印象もこの所為もあるかもしれません。

 なお、《ハイドンの主題による変奏曲》ですが、これも色彩的な印象を残しています。リミッターがかかったような状態の箇所や、ノイズが気になるところ以外では、びっくりするような鮮明なサウンドが眼前に広がって迫ってきます。

2007年02月13日

デルタ盤「バイロイトの第9」5

87cf918e.JPG【ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》 / フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭o.他】

 1951年7年29日、戦後再開されたバイロイト音楽祭のオープニング・コンサートでの伝説の演奏−これがいわゆる「バイロイトの第9」です。フルトヴェングラーの死後発売されたこのディスクは、彼を代表する名盤として世評が高いです。そして、私が購入したフルトヴェングラーのおそらくは初めてのディスク(LP)でもあります。

 さて、今回はDELTA盤を紹介しますが、「第2世代アナログ盤復刻」でまたいい仕事をしていました。信頼のおけるレーベルですね。私は、以前オタケン盤MYTHOS盤を紹介していて、別にこれらと聴き比べをしたわけではありません。しかし、音像がとても明晰で、今までよく聴こえてこなかった低音が浮かび上がってくる様は感動的ですらあります。そして、さらに素晴らしいのが音色感です。例えて言うならば、白黒がカラーになったような(これはちょっとオーバーか。)。

 ただし、状態が良くなっているだけに、オーケストラの結晶度不足(ベルリンpo.やウィーンpo.だったら…。)や、特に第1楽章でのリミッターをかけたような録音がより気になりますね。さらに、LP復刻ですから、スクラッチ・ノイズもあります。まあ、これは気になるようなレベルではありませんが。

 しかし、曲が進めば進むほど、心が高揚するのが抑えきれないこの演奏−DELTA盤で聴くのがベストかもしれません(まあ、オタケン盤やMYTHOS盤などとは、今度暇なときにでも聴き比べてみましょうか。)。

2007年02月07日

デルタ盤「ウラニアのエロイカ」5

bebf810a.JPG【ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』 / フルトヴェングラー指揮ウィーンpo.】

 以前、BAYER盤「ウラニアのエロイカ」を紹介しましたが、今回はDELTA盤です。「第2世代アナログ盤復刻」で評判の良い仕事を行っているので、期待するところ大です。

 最初の和音から音色が輝かしい! そして、第1楽章再現部のウィンナ・ホルンの朗々たる音色はこれ、これなんですよ! また、今までよく聴き取れなかった部分・音色・表現も聴こえてきますしね。さらに、もっと凄いのが、音色に関してはただ輝かしいだけではなく、寂寥感も感じ取れ、これこそがこの演奏を他の演奏と隔絶して高い境地に引き上げていることが実感できます。例えば、1952年12月7日の演奏も物凄いのですが、こうした別次元に昇華させる(ムジークフェライン・ザール?)マジックには(多少)不足している印象です。やっぱり「ウラニアのエロイカ」は同曲演奏のベストですね。

 しかし、とはいえ1944年12月という戦時中の録音ですから、最新録音に敵することはできません。さらに、強奏部でビリビリしているようなところはBAYER盤以上に気になりますし、また、Disques Refrain盤での1952年12月7日の演奏に比べるとサウンドの明晰さで劣ります。録音面で過度な期待をしてはいけません。

 ただ、やっぱりフルトヴェングラーの同曲の演奏は、今以って誰も上回ることの出来ない金字塔ですね。より音質の良い彼のディスクに遭遇すると、ますますその思いを強くします。本当は、現代の指揮者でこういった演奏を生で聴きたいのですが、この曲に関しては期待薄か?

2007年02月06日

ベルリンpo.とのエロイカ5

5dc962fe.JPG ここ最近は私の業界では大変な日々が続いていて、先日も帰宅後、着替えて弁当でも食べようと思っていたら、そのふたを開けることなく寝てしまっていました。

【ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』 / フルトヴェングラー指揮ベルリンpo.】

 フルトヴェングラーとベルリンpo.による『英雄』の演奏は、1950年6月20日、1952年12月7日、1952年12月8日に行われた、いずれもライヴ演奏3種が残されています。その中で今回紹介するのは、1952年12月7日、ティタニア・パラストでの演奏からです。

 私は前回の記事で、「ウラニアの英雄」が最高と書いていますが、このベルリンpo.との演奏も大変素晴らしいです。あの「ウラニアの英雄」を上回っている要素が多々あるのです。この印象はDisques Refrain盤を聴いたものであることをお断りしておきますが、「ウラニアの英雄」以上にオーケストラがフルトヴェングラーの表現を忠実に音にしている印象です。「ウラニアの英雄」に聴かれるムジークフェライン・ザールならではともいえる魔法のような響きはここにはなく、より現実的な世界での演奏という感じだし、表現の劇的度は1950年代の演奏ですから薄らいでいます。しかし、個々の楽器、セクションの表現はより生々しく、全体としても精神的な気が充満した響きが素晴らしいです。第3楽章が多少落ちるものの、例えば第2楽章なんかは、楽章の半ばでの強奏は体が弾き飛ばされる感じだし、後半の弱奏部分での精神性も十分です。こんな演奏、生で聴いたらたまりませんよ! って感じですね。ベルリンpo.の素晴らしさも実感できますし。

 なお、このDisques Refrain盤は、サーというノイズが入っていますが、気になるほどのものではありません。ダイナミックス・レンジが狭いのは仕方ありませんが、音が歪んでいるわけでもなく、これもまあいいでしょう。さらに、ティタニア・パラストでの演奏ですが、乾いた音色でないのも良いですね。

2007年02月01日

ウラニアのエロイカ5

f02ba480.JPG【ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』&『レオノーレ』序曲第3番 / フルトヴェングラー指揮ウィーンpo.】

 あの「ウラニアのエロイカ」が収録されたCDです。演奏自体は同曲のベストである事実は今以って変わらないでしょう。フルトヴェングラー節ともいえる劇的な表現あり、充実した響きに品格もあり、これぞムジークフェライン・ザールといえる豊かな広がりも心地良く、フルトヴェングラーを代表する名盤といって差し支えないでしょう。録音も1944年当時としては良好なのでは。

 私の所有しているCDは、ピッチも修正してあり音質的にもわりと評判の良いBAYER盤。購入したのは、おそらく今は亡き六本木にあったWAVE(かな? WAVEで買ったのは間違いないんだけど。)。とにかく、上記の要素がとてもよく感じられるディスクだと思います。さらに、併録の『レオノーレ』序曲第3番も、1950年8月ザルツブルク音楽祭からのものですが、これまた充実した演奏振りだしね。

 ただ、とはいえ、やっぱり戦前の録音で、過度な期待はしてはいけません。『レオノーレ』序曲第3番の方も、『英雄』から6年経過している一日の長を感じるものの、逆に『英雄』以上に強音部分で音が割れてしまっています(これはちと辛い。)。

 こうなると、最近出たばかりのDELTA盤に期待しちゃいますが、どうなんでしょうね。今度買ってみようかな。

 しかし、ダブってでもより状態の良いディスクを購入したくなるのは、やっぱりこの演奏がとても優れているからです。さらに、この『英雄』は、ユニコーン原盤で東芝EMIより出されたLP時代からお世話になっている演奏ですからね。当時は陳腐なレコード・プレーヤーで聴いていたのですが、このLP、結構音がいいなぁ〜、って思っていたものでした。ウィンナ・ホルンの朗々たる響きも印象的でね。まあ、このLPを高校時代友人に貸したところ、私よりも立派なステレオを持っていた彼は、「音は良くないけど、お前の言うこと(この演奏を賞賛しているということでしょう。)はよく分かる。」なんて言っていましたけど。私は当時、フルトヴェングラーのLPを買いあさっていましたから、音質の基準が低かったのかもしれませんし、やっぱりレコード・プレーヤーのせいかもね。