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2006年12月20日

カペーSQ.のベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番4

e3e65818.JPG【ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調作品131 / カペーSQ.】

 ベートーヴェンは音楽史的には古典派に属し、そしてロマン派の扉を開いたとされています。しかし、この《弦楽四重奏曲第14番》はそんな分類の枠には収まりきらない、時代を超越した名作のように思います。幽玄なフーガあり、天上の音楽に形容される幸福な変奏曲あり、愉悦のスケルツォあり、そして、これぞベートーヴェンと言ってもよい闘いのソナタあり−彼のいいところがいっぱい詰まっています。そう、これってベートーヴェンのみならず、全弦楽四重奏曲中の最高傑作と言っても過言ではないでしょう。

 さて、カペー弦楽四重奏団による演奏ですが、昭和初期の録音ですのでディスクとしての不都合はあります。もっと状態の良い復刻CDはあるのかもしれませんが、私の持っているCD(Biddulphレーベルからのマーストンによる復刻盤 LAB 099)はスクラッチノイズが少々気になります。さらに、演奏によるところもあるとは思いますが、速い部分が上滑りしている印象があります。そして、時代を感じさせるポルタメントが耳に付きます(良い効果をあげている部分もあるのですが。)。

 しかし、それでも演奏は素晴らしいです。カペー弦楽四重奏団の演奏は、優艶であり、一方寂寥感もあります。そうです、高い精神性も感じられる神韻縹渺たる温かい名人の芸と言えるでしょう。第1楽章の完璧な、演奏ではなくて音楽そのものは何て形容すればよいのでしょうか? そして、第6楽章の深い情感−言葉も出ません…。

2006年12月18日

テンプレ変えました

もはや『音楽ブログ』の形相を呈してきたこのブログです(^^;

久々に大学PCでブログをいじってみましたら、なかなかぴったりなテンプレを見つけたんで変えてみました。

ちょっぴり冬っぽい雰囲気もありつつ、いかにも『音楽好き』らしい絵が気に入りましたので、当面はこのテンプレで行こうと思います。


今年も残り少ないですが、今後も管理人および当ブログをよろしくおねがいしますm(__)m

2006年12月16日

ホモジェニック5

c38ad554.JPG【ビョーク 『ホモジェニック』】

 私がビョークを聴き始めたのは、彼女の4thアルバム『ヴェスパタイン』からの《ヒドゥン・プレイス》のビデオ・クリップをCDショップのデモ映像で観てからです。彼女の顔の穴という穴から粘着質の液体が出ては入っていくという特異な映像−ここからビョークに強い関心を持つようになっていったのです。

 そのビョークの今のところの最高作は3rdアルバム『ホモジェニック』でしょう。曲単位では他のアルバムにも素敵な作品は多数あります(例えば《ハイパーバラッド》なんて大好き!)。でも、アルバムとしてはやはりこれが一番素晴らしいと思います。この激しくも生命力のあるエモーション! それも表層的なものではなく、シャーマン的、巫女的な、そう、男性では表現できない情感に惹きつけられます。

 曲では、そうだなぁ〜、《ヨーガ》かな。崇高で骨太、そして広がりのある−そんな世界の創出にはただ圧倒されるのみです。

2006年12月15日

寒い冬には

Mi『オレンジ色のココロ』で暖まる・・・

明らかに夏の歌なんだけどね。
(理屈としては、GADJET『ナツメキ』と同じだと思ってる。)


来年、見にいくか?

2006年12月15日

8:305

d4fc4a99.JPG【ウェザー・リポート 『8:30』】

 フュージュン界っていうのか、それを代表するスーパー・ユニットであったウェザー・リポート。そのライヴを中心に収めた名アルバムが、これ、『8:30』です。

 しかし、当時私にはピンと来なかったのです。独特なシンセ・サウンドになじめなかったのかもしれません。例えば、マイルス・デイビスが《ビッチェズ・ブリュー》でトランペットにエコーをかけていますが、このように生楽器の音を加工することに当時は大きな抵抗を覚えていました。人工的なものにフィルターが掛けられていた時期でしたからね。さらに、花火や列車の走り去るSEなどには、?…。音楽とどう関係あるんだ? ってね。まあ、クラシック音楽を中心に聴きまくっていた時期でもありましたから。

 でも、ある時期、ウェザー・リポートの音楽って「紙芝居」なんだ! って認識した瞬間、彼らの音楽はスッと私の中に入ってきました。まあ、今考えると、この「紙芝居」という認識が正しいのかはよく分かりませんが、これがスタートラインであったことは間違いありません。

 なお、やっぱりここに収められている《バードランド》は名曲名演ですね。私は『ヘビー・ウェザー』収録のオリジナルをもとにした吹奏楽アレンジ版を演奏したことがあります。しかし、このアルバムではそのオリジナルと異なりシャッフル・リズムとなっていますが、そこにライヴならではの心地良さがあるね。特にコーダでの皆が大好きなメロディーのリフレーン! 幸福なひと時です。

2006年12月14日

TUTU5

6200e4ec.JPG【マイルス・デイビス 『TUTU』】

 コンビニで雑誌などが陳列されているラックを見ていたら、目に「TuTu」という文字が飛び込んできました。「おっ!?」っと思ったのですが、これ、とあるグラビアアイドルのDVD『TuTu』でした。この場合の「tutu」とは、フランス語でいう「チュチュ」であり、「お尻」の意味で使われているようです(そこから、バレリーナが着用するスカートをそう呼ぶそうです。)。まあ、私はこのグラビアアイドルさんには関心はありませんが、いいネーミングかもしれません。

 しかし、私にとっての「Tutu」は、ノーベル平和賞を受賞した「デズモンド・ムピロ・ツツ」であり、彼の名前をタイトルにしたマイルス・デイビスの傑作アルバム『TUTU』です。

 『TUTU』は、おそらくは発売されてすぐ購入したマイルスのCDとしては初めてのものだったでしょう。当時学生だった私は、上京した際、これを今はなき六本木にあったWAVEで買った記憶があります。輸入盤で購入しましたが、まだそのときは国内盤は出ていなかったかもしれません。

 そんなこのCD、友人知人たちの評価といえば、この空洞感のあるサウンドに批判的だったようでした。私自身もその指摘は分かるような気はしました。ライヴだったらもっと良くなるとも思っていましたし(もっとも、必ずしもそうではなかったのですが。このあたりが音楽の難しいところです。まあ、このアルバムだけにある独特なムードは実は別格だったのでしょう。)。しかし、マイルスが圧倒的にうまい! ほんと、完璧な吹奏です。例えば《TUTU》などはそれを絵に描いたような演奏ですし、《ポーシア》におけるマイルスのトランペット! デリカシーのある表情にしびれます(特に30秒すぎのあの繊細な音色!)。やはり、このアルバム、この事実でオフィシャル盤としての晩年の最高作です。

 なお、曲としてはスクリッティ・ポリッティのカバー曲《パーフェクト・ウェイ》が好きでした。1987年、マイルスが来日した際、私が初めて生マイルスに接する前に行われたよみうりランドでの東京公演では、この曲は演奏されませんでした(ラジオ放送されなかっただけかもしれませんが。)。でも、「この曲の演奏を聴きたい!」って友人にも言っていて臨んだ仙台公演で《ワン・フォン・コール/ストリート・シーンズ〜スピーク》に続いて演奏してくれました、《パーフェクト・ウェイ》を。嬉しかったですね。私はこの演奏が始まった瞬間、隣で聴いていた友人Sの体をバンバン叩いてしまいましたよ。

2006年12月13日

タコ氏の弦楽四重奏曲第15番5

66bac70c.JPG【ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第15番変ホ短調作品144 / ボロディンQ.】

 作曲者の死の前年に書かれた作品です。ですから、死というのがキーワードとして語られることの多い作品のようです。曰く、涙も枯渇してしまった死の世界とね。たしかに、6つの楽章はすべてアダージョという特異な形式だし。

 しかし、死をまだ実感したことのない私にとって、それを圧倒的に強く感じるというほどではありません。いや、たしかにそのような雰囲気を察することはできます(例えば、乾いた強奏の箇所。)。でも、私がこの作品に惹きつけられるのは、極めて優れた純音楽としてだと思います。感情が音楽的に高次元で昇華した美、そんな浄化した結晶ともいえるこの作品−だからこそ、暗い曲想ながらも何度でも繰り返して聴きたくなるのです。

 楽章としては第1楽章《エレジー》が一番好きかな。淡々と流れる告白。古謡風なところがいいね。さらに、第2楽章《セレナード》の出だしの特異な12音、そして導入部的な第3楽章《間奏曲》を経て流れる第4楽章《ノクターン》の分散和音に乗って奏でられるヴィオラの調べ! おっと、このままいっちゃうと全部になってしまう。とにかく、最後の弦楽四重奏曲らしく消え逝くように終える、この余韻が印象的な最後までしっかりと聴かせる名作です。

2006年12月10日

サッカーつれづれ4

a11dd71d.JPG ジュビロ磐田がリーグ優勝! 踊る「飯田のいい家」のユニフォーム! 岬太郎君の活躍で! んっ!? そうです、これは『キャプテン翼 GOLDEN-23』の中での話です。でも、現実の磐田はといえば、昨日天皇杯で大宮を1-0で退け準々決勝進出を決めたとはいえ、シュートはわずか1! ほんとかよ、おい…。羅針の指し示す先ははるかかなたです。

 同じく『キャプテン翼 GOLDEN-23』の中で、大空翼君はバルセロナでチームの中心として活躍しているようですが、実際のバルサはUEFAチャンピオンズリーグで、ロナウジーニョの活躍(相手の裏をかく、あの地を這うFK!)もあり、何とか16強進出。懸命な戦いぶりでした。

 昨日観た天皇杯での札幌vs新潟、そしてJリーグ入れ替え戦福岡vs神戸! これらもほんと〜に懸命な戦いぶりでした。試合のレベルはともかく、魂の入った眼前で繰り広げられるドラマに胸を熱くしました。例えば、福岡vs神戸のロスタイム、神戸ゴール前での混戦です。福岡の逆転残留ゴールかと思われたボールを神戸GKが執念のかき出し! 両選手、両サポーターの気持ちが凝縮したようなシーンでした。

 音楽でも、狂気の沙汰の所業から生まれる、きれいでもうまくも心地良くもないものが、かえって心に直接届いたりすることがあります。サッカーでも、もちろんエレガントなプレーは観たいです。しかし、それもベースには魂が乗っていないと、感心はすれども決して感動することはないでしょう。そんな試合を、こんどこそは頼みますよ、ジュビロ磐田!

2006年12月06日

ボロディンQ.によるショスタコ弦楽四重奏曲第8番5

cf6c722f.JPG【ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番ハ短調作品110 / ボロディンQ.】

 ショスタコーヴィチの傑作です。まあ、ショスタコならではの暗い曲ですが、充実した音楽が20分間間断なく展開されています。さらに、ある種のポピュラリティーも感じられる曲ですので、この曲からショスタコの深遠なる(救いようのない?)弦楽四重奏曲の世界に足を踏み入れるのは最適かもしれません。私はオーケストラ作品を好みますが、それでも彼の弦楽四重奏曲は質としてそれらを上回っているとも感じますから、聴かぬは損ですよ。

 ちなみに、私は第2楽章で彼の《ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67》終楽章のユダヤの主題が現れるところが好き! また、暗い曲想の中でポッと咲いた一輪の可憐な花のように現れる歌劇《ムツェンスク郡のマクベス夫人作品29》第4幕からのアリアの旋律(第4楽章)! 全体としての統一感のある充実さだけではなく、部分部分にも光るところのある作品−やはり傑作です。

 演奏ですが、ボロディン四重奏団によるものが秀逸です。新旧メンバーによる演奏はどちらも素晴らしいです。私は基本的に旧メンバーによる方を好みますが、新メンバーによる全集盤の方がすっきりしていて、それ故旧(準)全集盤を上回る透徹な美しさを感じさせる部分も多々あります。しかし、旧全集盤の方により、赤裸々な心情を吐露するような激情たる痛くも温かな肌触りがあり、共感を覚えます。

2006年12月02日

A.リード作品集+4

ee4fc5d3.JPG【『A.リード作品集+』/ A.リード指揮東京佼成wo.】

 昨年亡くなったA.リード。吹奏楽界での超有名人です。その彼の作品を収録した5枚組からなるCDがこれです。しかし、新録音ではありません。さらに、以前バラで、そして4枚組のセットでも売られていたことがあるCDで、ほとんどの音源はもうすでに持っているんだよね(いや、確認していないけど、全部かも?)。

 でも、何故購入したのか?

 実は、特別付録で《アルメニアン・ダンス・パート1》のコンデンス・スコアーが付いているのです。まあ、「+(プラス)」というのは、1枚増えたことやこのスコアーが付いたからなのでしょうが、私はこのスコアーのためだけに買ってしまいました。しかし、このためだけとは、ちょっともったいない買い物だったかも。

 とはいえ、作曲した本人が指揮した演奏がたっぷりつまった5枚組のCDで4,200円(税込)ですから、少しくらい音源がダブっていても購入する価値はありますね(まあ、私のようにほとんど重なっていなければですが…。)。

 ところで、以前ここでA.リードの指揮よりもフェネルの指揮の方が云々って書きましたが、A.リードの1番の代表作である《アルメニアン・ダンス》の全曲をフェネルが指揮したCD(TOCZ-9282)は持っていました。以前の記事では《同曲パート2》のみしかないようなことを書いていましたが、これはそれとは別の演奏です。フェネルによる演奏はアンサンブルの統率力においてA.リードによるものを明らかに上回っています。しかし、やはり作曲者の自作自演はまたそれとは別に大きな価値を持つものではあります。