個人セッションで、
カウンセリングをしてお話を伺っている時、
クライアントさんの中には、
非常にはっきりとしたイメージや考えを
お持ちの方があります。
たとえば、
自分はある過去世で、政治的なリーダーだった、
その時、これこれ、このような偉業を成し遂げ、
このような失敗をして、
最後はこうなって亡くなった…というような。
それは、空想で創り上げたストーリーかもしれませんし、
夢に現れたビジョンかもしれません。
または、その方が潜在意識とつながって受け取った
何らかの情報なのかもしれません。
こちらとしては、何とも断言はできないことですが、
共通して言えるのは、
本当だったらよいのに、本当にあったことに違いない、といった
そのイメージに対するきわめて強い思い入れと執着です。
その方にとっては、宝もののように大切なビジョン。
自分を支える拠りどころでもあるようです。
そのこと自体は、善くも悪くもありません。
けれども、カウンセリングを終えて、
実際に催眠に入っていくと、
たった今、通常の意識の状態でお話になったイメージが、
そのまま、再び語られるばかりなのです。
全ての要素が、お話の中にあったそのまま。
それ以外に、新しい発見も展開もありません。
セラピストが質問をして、
クライアントさんのお答えを伺いながら、
同一のストーリーを、繰り返し聞いているような感じになります。
それは、あたかも確認作業のようです。
ご本人は、目覚めた後で、
「やはり思ったとおりだった…」と、
満足していただいている様子なのですが、
こうなると、強い期待と執着によって、
問題解決の糸口となる、より深い意識レベルへの入り口が
覆い隠されてしまっていることになります。
本当に見る必要のあることを、
実は、まだ見る準備ができていない場合、
見るのを回避したい心理がはたらいて
こうなることもあります。
ある種のパーソナリティの方に
よく見受けられる防衛反応だという説もあります。
未知のものへの恐れは
どんな人にもあることでしょう。
けれども、催眠療法(ヒプノセラピー)によって、
解決に向けて、問題の核心に一歩踏み込もうとする時、
今まで知らなかった自分の一面や
ふだんは意識を向けてみることのない領域にアクセスすることを望むのならば、
お気に入りのストーリーや先入観で
自己暗示をかけてしまうことは、
何ももたらしてはくれません。
新しいキャンバスに、絵を描き始めるときのような気持ちで、
勇気と好奇心をもって
未知の世界への旅をはじめてみませんか?
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