ほんとうはお店が落ち着いて、ひと月ほど経ってから、そう思っていたんです。
でもね、、、
カレーですよ。

でもやっぱりいきたい!
オープン初日です。
サービス、料理に気合いが入っていないわけがありません。
そして、開店初日というのはそのお店の生涯でただ一度きりのこと。
だからこそ各方面からお花が届きます。
みんながやってくるんです。
よし決めた。迷わずいきましょう!
先ほどアイドルタイムにもお邪魔してしまっているので、ちと気恥ずかしいまま、開店時刻ぴったりにおじゃまして、お店に入れてもらいました。
皆さん笑顔で迎えてくれましたよ。
オープン初日のディナータイム、一番乗りです。
ではお見せしましょう。
これが、おぢさん入魂の南インド料理レストラン「ケララの風」です。
ね、意外やさっぱりしてるでしょう?(笑)
「ええ〜〜?インド料理店らしくない〜」とか、「おぢさんのことだからもっと濃いめかと〜」とか、、、
声が聞こえて来ますねえ(笑)
ボクは正直言って逆にほっとしました。そして沼尻さんの決意ややり方が見える気がしました。
それはつまりね、ここが小さな町の古い街道沿いの商店街だということ。
そしてここが南インド料理店である前に、商店街の飲食店であるということ。
きっとね、沼尻さんはほんとうに心から南インドの料理の普及を続けてゆくつもりなんだと思います。
それはつまり、このイタリアンかフレンチの店でもそのまま開けそうなインテリア、エクステリア。
これがどういう風に外から見えるのか。

お店に来るお客さんはボクらのように、ある程度南インドの料理のことをしっている人ではない人がメインになるはず。
インド料理店だなあ、とわかって入ってきた人でも8割方「ナン」を頼むはずです。
何よりお店はその土地の人に気に入ってもらって来てもらうことが一番。
どろっどろのエスニック丸出しの店じゃあおじいちゃんおばあちゃんが怖がっちゃいます(笑)
外から見たら、そして中に入っても、「オシャレでスマートなレストラン」だと、誰もが思うでしょう。
沼尻さんは本気で市井の通りすがりのおっちゃんおばちゃんをひっぱり込もうとしている。
恐ろしいことです。
うっかりここで料理の味を覚えたおっちゃんが、用事で銀座や池袋なんかに行って「あ、南インドって書いてあるレストランだ。近所の安くておいしい店、いいとこだったから、、、」とかつぶやきながら入る。
「あれ、ちょっと高いなあ。それに近所の店の方がおいしいぞ、、」
なんて独り言を通りかかったコックさんが聞いちゃう。
「ウチノリョウリサイコーヨ。タカクナイシ。」
「だって、うちの近所のケララの風っていうおみせが、、、」
「アーッ!ゴメナサイ。ゴメナサイ、、、」(アソコトクラベラレチャコマルノヨ)
みたいな。ね。
ある。可能性はあります。3年後の日本のアジアエスニック料理界のまとめニュースでたぶんトップに上がるんじゃあ、、、
まあ、うだうだいってないで、食べましょう。
いっぺんにお客さんが入ったので、キッチンはてんてこまい。
待ちながら変な妄想をしてしまいました。
さーて、、、
注文は本日のオススメボード、全部(マジ(笑))!
ワダ(サンバル、チャトニつき)

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やっぱりすごいなあ、沼尻さんのワダ。
ふわっふわではらりと口でほどけてこれまたすばらしい。
きちんと豆由来のものであることがわかる、豆のいい香り(ウラド豆、でしたっけ?これ)が大変高く香りたまらなくなります。
フレッシュの青唐辛子が入っているのでしょうか。結構辛い。そしてそれがとても心地よい辛さです。
南インド料理に意地の悪い辛さはありません。
あくまでその時、料理が舌の上にいる時だけの辛さ。
さっと引いてゆきます。風のようです。
サンバルはオクラがはいってすごくうまい!
一瞬薄味かと思うがそれは気のせい。赤い色で身構えたせいですね。
思うほど辛くなく、野菜の香りと味が強く出たすばらしい味。
滋味深い、とはこのことでしょうか。
チャトニはやはり期待通りのおいしさ。
フレッシュココナツのふわりとくる香りとしゃっきりした食感はほかのものには代え難い。
先日本妙院での食事会で、椰子の実を割り、実を切り出すところから始める調理を目の当たりにしたことを思い出し、しばし感慨に耽ります。
まさか、あれがレストランのメニューとして供される日が来ようとは。
ケララローストチキン

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ローステッドチキンのトマト煮込み。トマトの力、凝縮感、がものすごい。ちょっと感動を覚えます。
テンパーリングでフライになったカリパッタ(カレーリーフ)とコリアンダーシード(だったかな。マスタードシードより粒が大きい気がしました)が印象的な、美しい盛りつけ。
スパイス使いの軽やかさがすばらしいです。
鶏肉もたっぷりと使ってあり、皮面の焼き加減と身のふわふわ感が素晴らしい。
大変洗練された味で、センスあるイタリアンのシェフが作ったかのようなひと皿。
マトン・ピラーレン(マトントマトカレー)

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こちらはたっぷりとソースが多いマトンのカレー。こちらもトマトが強い。うまい、です。
コックさんのカラーがよくでているなあ、と思わせる味。
マトンが不思議なくらいクセをいなされて、自然な香りで入っている。クセが消えています。
不思議だ。
カヤーン・ヴァンダッカ・オラッティヤル(青バナナオクラ炒め)

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短冊に刻まれた青バナナの食感、ほのかな甘みとその甘さの残り香が印象的なひと皿です。
乾燥物ではこうはいかない、フレッシュカレーリーフの口当たり。ぱりっと仕上がっているように見せますが、喉には引っかからないしなやかさ。うまいなあ。
オクラとバナナの食感は、実に絶妙の取り合わせでした。
プロウンモイリー(エビココナッツカレー)

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ジンジャーの香り深い、まるでポタージュスープのような、濃いけれどさらりとのどを通るカレーです。
あなたの知っているカレーでは全くない、異質の、すごくうまいスープです。

食欲中枢をぐっと押してくるのに軽やかな味わい。ショウガの力であとから汗が追いかけてきます。
うまいなあ。
もちろんパラタだって手作りです。粉の香りよい、素朴な感じのパラタはそれだけで食べても満足感がありました。

ごはんだってぱらぱらに炊きあがったおいしいもの。すべてに手間がかかっているなあ、とわかる、よいものばかりがテーブルに並びました。
パヤサム(インド汁粉)

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あまい。あまいなあ。黒糖の酢う味とえぐみが特徴ある甘いデザートです。
確かにこれはインドしるこだね。
チャイよりも緑茶の方が合いそうな、好みのデザートでした。
暖かいんですよ。
やはり、というか、なんというか。
ともかく満足感が大変に強いお料理ばかり。
そして料理の構成において、沼尻さんと相棒のコックさんのコントラストがきれいにでた料理で、大変楽しいです。
野菜と豆オンリーの沼尻さんのおなじみの素晴らしい料理。
まさかあの手の込んだ料理をレストランのテーブルで食べられるようになるとは、、、

そしてかたや、お肉の扱いが素晴らしい料理。
相棒のコックさんのセンスに感激しました。
スパイス使いが特徴ある南インド料理ですが、その特徴を真ん中に据えながらも非常に高次元での完成を見ているため、西洋料理の印象もある。
鶏肉の皮面のぱりっと加減と身の柔らかい仕上げやその盛りつけ。
腕のあるイタリアンのシェフの作品に通じる何かを感じました。
なるほど、この2つの方向を持った料理が「南インドの料理」として「ケララの風」の看板の元にどちらもあり、そしてあのさらりと大人っぽい、エスニック臭のうすい(笑)しゃれたインテリアの中で食べられる。
これは大変なレストランが出来てしまいましたね。
とにかく自分の目と、鼻と、舌で、確かめることをお勧めします。
カトラリーはちゃんと用意されています。おっかながらなくても大丈夫!
あ、あとから駆けつけたkfujiさんはしっかり手で食べてましたが(笑)
お昼のメニューはミールスだけ!と言う、骨太のやり方を実践する、このレストラン。
あなたのお口に合うでしょうか。
ボクなら、あなたにもお勧めしたい。
〜〜 地図(はぴいさんの東京カレーマップより)は >>
こちら 〜〜
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