『探偵ガリレオ』『予知夢』と同じ、短篇集。長篇では脇に回りがちな湯川が、短篇では堂々の主役。必ずしも積極的に警察に協力し、喜んで謎を解いているわけではない湯川の“苦悩”が描かれ、彼の人間性が窺えます。【ガリレオ特設サイトより】
久しぶりのガリレオシリーズ。映像化され、ガリレオ=福山雅治というイメージが先行して、読みつつ何度も福山を連想してしまいました。さらに、内海薫(柴崎コウ)も登場!
なんだか映像に合わせて、作品ができた感がありますね。
でもでも内容は、「容疑者Xの献身」の流れですか、より人間味が出てきた感がありますね。
「落下る」…一人住まいの女性がマンションから転落して死亡。自殺ではない。内海は、被害者の恋人が犯人であると直観する。しかし鉄壁のアリバイが。
「操縦る」…「メタルの魔術師」の異名をとった友永。帝都大学では湯川の師でもあった。おりしも友永家に招かれた湯川。そこで殺人が。
「密室る」…湯川のバドミントン部での友人、藤村はペンション経営者。そのペンションで泊まり客が、不審な死。ガリレオが密室トリックに挑む。
「指標す」…留守番中の老婦人が殺された。現場からは十キロの金塊が消えたという。関わりのあった保険外交員の女性の娘は奇妙な行動を取り始める。
「撹乱す」…「悪魔の手」と名乗る者によって、警視庁に怪文書が送りつけられてきた。手紙に記されていた被害者は実在し、建築現場で転落死を遂げていた。現場に姿を現さず、指の一本も触れることなく人を死なせる手段とは。
5編の短編がおさめられており、書き下ろしもあります。
ガリレオシリーズはまさに奇想天外。そのトリックが度肝を抜くものですよね。さらに、オカルト的な事象を見事、科学が解き明かしていくという。その論理的思考が快感なのですね。今回も例外ではなく、「操縦る」での凶器。「密室る」での密室のトリックなどまさに度肝を抜くものとなっています。
オカルトは、「指標す」のダウジングでしょうね。
どの短編も、ガリレオの様々な悩みが現れていますね。個人的には、「操縦る」の師のトリックを暴かざるを得ない状況になって、その真相を解き明かす時。友永の苦悩がガリレオの苦悩になっていきます。
優しい一面も顕著になってきたかな。特に子供に対して。
イメージが先行してきましたが、どれも面白いです。
「人の心も科学です。とてつもなく奥深い」
だからこそ「科学を殺人の道具に使う人間のことは、絶対に許せない」のですね。ラストの悪魔の手は映像化されるかな。対決が見ものです。





