昔僕が住んでいた街(と言っても、今住んでいるところから二駅しか離れてないんだけど)には、駅周辺に古本屋が四軒もありました。
と先に書いておかなくてはいけないのが、古本屋とは何か、ということですね。僕が普段古本屋という時は、それはブックオフみたいなところを指しますが、しかし今回の感想ではちょっと言葉を分けましょう。ブックオフのようなところを「新古書店」、昔ながらの頑固なおじさんがやってそうな古本屋を「古本屋」と呼ぶことにしましょう。
そういう意味で言えば、その前に僕がいた街にあったのは、新古書店が2二軒と古本屋が二軒となります。
どれもそこまで規模としては大きくなく、新古書店の方もたぶんどちらもチェーン店ではなかったような気がしますが、とにかく僕はその四軒を結構回って本を買ったものでした。
僕は大抵本を新古書店で買います。本屋で働いているのに、と言われそうですが、確かにその通りです。ただやはり普段から大量に本を買っているので、なかなか普通の本屋で買うとお金が大変です。僕の場合は、新古書店で買った本を読み、それで得た知識を元にお客さんにいい本を勧めている、と解釈して自分の中でオーケーにしています。
話がずれましたが、そんなわけで僕はよく新古書店に行きます。引っ越したりとかすると、結構すぐに新古書店探しをしたりします。もちろん同時に普通の本屋も探しに行くのですが、古本屋を探すということはあまりないですし、古本屋に本を買いに行くということもあまりありません。
その前によく行っていた古本屋二軒も、大抵買うような本はありませんでした。どちらも、こんな本誰が買うんだろうなぁ、というような本がずらりと並んでいて、とても商売が成功しているようには見えませんでした。売れない本がたくさん並んでるな、とそんな印象です。
時々新古書店に本を買い取ってもらうことがありますが、誰もがそう思うでしょうが、買取額はすごく安いですね。そこから考えると、すごく儲かってるんだろうな、とか思ってしまうのだけど、どうもそうでもないようです。仕入れた本のほとんどが売れないわけで、それを見込んで安く買い取らなくてはやっていけない、とのことです。
確かに、今僕がよく行っている新古書店があるんですけど、そこもずっと同じような本が棚にささっています。もう2年くらい通っていると思いますが、2年間ずっと売れていない本がほとんどといった印象です。回転しているものはほんの一部で、ほとんどが不良在庫なのだろうな、という風に思ったりします。
今はネットで古本屋を始めるのがブームだそうで、セドラーと呼ばれる若者達が生み出されてきているようです。
セドラーというのは、「せどりをする人々」という意味ですが、じゃあ「せどり」って何だよ、って話ですね。「せどり」とは、ある古本屋で何故か相場より安く売られている本を見つけ出し、それを他の古本屋に転売して利益を出す仕事のことです。
このせどりというのは昔から古本屋業界に存在したようですが、最近では若者がこのせどりをしているようです。場所はなんと、ブックオフの100円均一コーナー。そこから若者達は、まあそれなりに売れそうな本を抜き出しては、それをネットで売っているんだそうです。まあ儲からないでしょうけど。
儲からないと言えば、とにかく古本屋という仕事自体が儲からないようです。最近は人々が本を読まなくなったこともあって、確実に本の需要が減っているのだそうです。僕も、本屋で働いていてそんな印象は受けます。売れる本は売れますけど、売れない本はまったく売れないという二極化という感じですね。
そんなわけで取りとめもなく古本屋についていろんな話を書いてみました。そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、青森で古本屋を営んでいる著者が、古本屋開業のノウハウを具体的に細かく書いた本になります。
とにかく本作は、細かな実際的な仕事や手続きなどについて書かれていて、非常に実践的です。これを読めば、明日からでも古本屋を開業できそうな、それくらい具体的な仕事内容が書かれています。だから、これから古本屋を始めようと思っている人には最適なテキストになると思います。
ただ、本作はそういう古本屋開業について詳しく書かれた本ではありますが、それは「みんなも是非古本屋を始めましょうね!」という思想で書かれた本ではありません。それとは逆に、「ほら古本屋というのはこんなに大変なんです。だから止めた方がいいですよ」という思想で書かれた本です。
とにかく本作の中にも随所に書かれていますが、本が好きでないととてもじゃないけどやってられない商売です。脱サラしてまで古本屋を始めようという人が相談にくるらしいんですけど、「前もらってた給料を大きく下回るのは間違いないから止めた方がいい」というそうです。それくらい儲からないし大変な仕事なわけです。
こういうハウツー本としては珍しいと思います。大抵、「これはオススメだからどうぞ!」という紹介をするために本を書くのに、本作の場合、「これはオススメできないから止めた方がいいよ」という紹介をするために本を書いているからです。まあありえないですけど穿った見方をすれば、これ以上同業者を増やさないように敢えて厳しいことを言っている…なんてことはまあないでしょうね。
本作の著者がやっている古本屋は、なんというか厳密には古本屋ではありません。店売りはやっていなくて、完全にネット販売のみです。以前は普通の街の古本屋さんとして店売り一本でやっていたのですが、万引きに悩まされ続け、やむなく店売りを諦め、倉庫を借りてそこに在庫を押し込み、ネットでの販売一本に踏み切ったようです。店売り以上に煩雑な手間の掛かるネット販売だけでやっているわけで、万引きには悩まされないかもしれませんが、それはそれで大変だろうなとやはり思います。
というわけで、これから古本屋をやろうと思っている人(店売り、ネットを問わず)は、是非とも読んだ方がいい本だと思います。これだけ大変な仕事内容を読み、また著者も止めた方がいいよと警告している中で、あなたは古本屋を開業する勇気がありますか?ということを問われる本です。読んで損することはないでしょう。もちろん、古本屋を開業するつもりのない人でも、ただの読み物として面白い本になっています。もちろん僕も開業する予定はまったくありません。読んでみてください。
喜多村拓「古本屋開業入門」

古本屋開業入門ハード
と先に書いておかなくてはいけないのが、古本屋とは何か、ということですね。僕が普段古本屋という時は、それはブックオフみたいなところを指しますが、しかし今回の感想ではちょっと言葉を分けましょう。ブックオフのようなところを「新古書店」、昔ながらの頑固なおじさんがやってそうな古本屋を「古本屋」と呼ぶことにしましょう。
そういう意味で言えば、その前に僕がいた街にあったのは、新古書店が2二軒と古本屋が二軒となります。
どれもそこまで規模としては大きくなく、新古書店の方もたぶんどちらもチェーン店ではなかったような気がしますが、とにかく僕はその四軒を結構回って本を買ったものでした。
僕は大抵本を新古書店で買います。本屋で働いているのに、と言われそうですが、確かにその通りです。ただやはり普段から大量に本を買っているので、なかなか普通の本屋で買うとお金が大変です。僕の場合は、新古書店で買った本を読み、それで得た知識を元にお客さんにいい本を勧めている、と解釈して自分の中でオーケーにしています。
話がずれましたが、そんなわけで僕はよく新古書店に行きます。引っ越したりとかすると、結構すぐに新古書店探しをしたりします。もちろん同時に普通の本屋も探しに行くのですが、古本屋を探すということはあまりないですし、古本屋に本を買いに行くということもあまりありません。
その前によく行っていた古本屋二軒も、大抵買うような本はありませんでした。どちらも、こんな本誰が買うんだろうなぁ、というような本がずらりと並んでいて、とても商売が成功しているようには見えませんでした。売れない本がたくさん並んでるな、とそんな印象です。
時々新古書店に本を買い取ってもらうことがありますが、誰もがそう思うでしょうが、買取額はすごく安いですね。そこから考えると、すごく儲かってるんだろうな、とか思ってしまうのだけど、どうもそうでもないようです。仕入れた本のほとんどが売れないわけで、それを見込んで安く買い取らなくてはやっていけない、とのことです。
確かに、今僕がよく行っている新古書店があるんですけど、そこもずっと同じような本が棚にささっています。もう2年くらい通っていると思いますが、2年間ずっと売れていない本がほとんどといった印象です。回転しているものはほんの一部で、ほとんどが不良在庫なのだろうな、という風に思ったりします。
今はネットで古本屋を始めるのがブームだそうで、セドラーと呼ばれる若者達が生み出されてきているようです。
セドラーというのは、「せどりをする人々」という意味ですが、じゃあ「せどり」って何だよ、って話ですね。「せどり」とは、ある古本屋で何故か相場より安く売られている本を見つけ出し、それを他の古本屋に転売して利益を出す仕事のことです。
このせどりというのは昔から古本屋業界に存在したようですが、最近では若者がこのせどりをしているようです。場所はなんと、ブックオフの100円均一コーナー。そこから若者達は、まあそれなりに売れそうな本を抜き出しては、それをネットで売っているんだそうです。まあ儲からないでしょうけど。
儲からないと言えば、とにかく古本屋という仕事自体が儲からないようです。最近は人々が本を読まなくなったこともあって、確実に本の需要が減っているのだそうです。僕も、本屋で働いていてそんな印象は受けます。売れる本は売れますけど、売れない本はまったく売れないという二極化という感じですね。
そんなわけで取りとめもなく古本屋についていろんな話を書いてみました。そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、青森で古本屋を営んでいる著者が、古本屋開業のノウハウを具体的に細かく書いた本になります。
とにかく本作は、細かな実際的な仕事や手続きなどについて書かれていて、非常に実践的です。これを読めば、明日からでも古本屋を開業できそうな、それくらい具体的な仕事内容が書かれています。だから、これから古本屋を始めようと思っている人には最適なテキストになると思います。
ただ、本作はそういう古本屋開業について詳しく書かれた本ではありますが、それは「みんなも是非古本屋を始めましょうね!」という思想で書かれた本ではありません。それとは逆に、「ほら古本屋というのはこんなに大変なんです。だから止めた方がいいですよ」という思想で書かれた本です。
とにかく本作の中にも随所に書かれていますが、本が好きでないととてもじゃないけどやってられない商売です。脱サラしてまで古本屋を始めようという人が相談にくるらしいんですけど、「前もらってた給料を大きく下回るのは間違いないから止めた方がいい」というそうです。それくらい儲からないし大変な仕事なわけです。
こういうハウツー本としては珍しいと思います。大抵、「これはオススメだからどうぞ!」という紹介をするために本を書くのに、本作の場合、「これはオススメできないから止めた方がいいよ」という紹介をするために本を書いているからです。まあありえないですけど穿った見方をすれば、これ以上同業者を増やさないように敢えて厳しいことを言っている…なんてことはまあないでしょうね。
本作の著者がやっている古本屋は、なんというか厳密には古本屋ではありません。店売りはやっていなくて、完全にネット販売のみです。以前は普通の街の古本屋さんとして店売り一本でやっていたのですが、万引きに悩まされ続け、やむなく店売りを諦め、倉庫を借りてそこに在庫を押し込み、ネットでの販売一本に踏み切ったようです。店売り以上に煩雑な手間の掛かるネット販売だけでやっているわけで、万引きには悩まされないかもしれませんが、それはそれで大変だろうなとやはり思います。
というわけで、これから古本屋をやろうと思っている人(店売り、ネットを問わず)は、是非とも読んだ方がいい本だと思います。これだけ大変な仕事内容を読み、また著者も止めた方がいいよと警告している中で、あなたは古本屋を開業する勇気がありますか?ということを問われる本です。読んで損することはないでしょう。もちろん、古本屋を開業するつもりのない人でも、ただの読み物として面白い本になっています。もちろん僕も開業する予定はまったくありません。読んでみてください。
喜多村拓「古本屋開業入門」

古本屋開業入門ハード


