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2010年03月15日

絲的メイソウ 絲山秋子

「本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10(2008−2009)」第2位。
絲山秋子さんのエッセイです。いやー、痛快、爽快。いろんなところで同感し、いろんなところで笑いをいただきました。

特に「禿礼賛」はシュールで、笑えないんだけど腹の内で大笑いしましたね。

どのエッセイもいいんだけど、最も笑ったのが、「世の中よろず五七調」。これ、すべて五七調で書いてあります。

すごいなー、よく考えたもんだ。それも、しっかりストーリーになっている。

恐るべし、絲山秋子さん。


例えば、「行き詰まり、いつもの連れと飲みに行き。酔わないと、なぜか焦って飲みまくる…」と延々と、この章の最後まで続いていきます。それを考えるだけでも大変な労力だろうに。やはり、これ、文筆家の才能でしょうね。


また、「自分の取説」と題し、自分を取扱書として、読ませています。これも、笑える。

上手いな〜、ホント。これ、どこかで使えそうです。参考にしよっと。


その他、OL時代のこと、自分の性格、群馬と東京での生活など、どれも一気読みの面白さ。

この人、今年読んだ「ばかもの」がすごくよくて、癖のある作家さんなんですが、いいんですよ。他の作家を引き合いに出しながらも、本はほとんど読まない。しかしながら、自分の本が書店に並んでいるかどうか、ちゃんと確認するところなんぞ、やはり作家という職業なんですよね。


抱腹絶倒、爽快感間違いなし。わたしは、「世の中よろず五七調」を読めただけでも、幸せな気持ちでした。絲山さんの痛快エッセイ。絲山さんの作品を知らない方は、この作品から入るのもいいでしょう。それにしても、絲山さんって、背が高かったのですね。意外だったなー、知らなかった…。

2010年03月08日

池袋ウエストゲートパーク 石田衣良

<池袋を舞台に、疾走する少年たち>

これが石田さんの持ち味なのだろう。とってもスピーディーな文体が池袋の若者マコトにピッタリとはまっています。

池袋で果物屋を営む19歳のマコト。裏では池袋界隈のトラブルシューターでもある。次々と起きる事件を切れ味抜群の頭脳で解決し、信頼を得てゆく。事件の解決すると同時に仲間が増えていく。
「池袋ウエストゲートパーク」「エキサイタブルボーイ」「オアシスの恋人」「サンシャイン通り内戦(シヴィル・ウオー)の短編4作。

池袋のキングGボーイズのタカシ、引きこもりの和範、ヤクザのサルと個性的な面々がマコトとともに事件を解決していくが、それぞれが事件に関わっていくことがきっかけで仲間になっていきます。
抜群の信頼を得るマコト。彼が本当に魅力的でかっこいい。その分強烈すぎて、脇が弱い面も。なんせ、ある事件がきっかけで聞くのはクラシック音楽のみ。仕事は果物店。相談を受けたら引き受けてしまう、人情家なんです。

そんなマコトも第4話では恋に落ちる。またこれがいい。マコトと仲間の成長が一作ごとに書かれています。これは続編狙いであるのはいうまでもない。そして、あらかじめTVドラマ化を狙ったかであるかのよう。
この文体はとっつきにくい感もあると思うが、読むに連れてピッタリあってきます。池袋を疾走する少年たちにピッタリはまっているのです。

あっという間の読了でした。
またマコトに会いたい。シリーズ物として期待できそうです。石田さんの策略にまんまとはまった感あり。

2010年03月01日

「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子

猫を抱いて象と泳ぐ
猫を抱いて象と泳ぐ
  • 発売元: 文藝春秋
  • 価格: ¥ 1,780
  • 発売日: 2009/01/09
  • 売上ランキング: 1487
  • おすすめ度 4.5


本屋大賞の候補ですね。同じ作家さんで2回受賞ってありですか?
だったら私はこれを推したいです。本屋さんならよかったのに・・・。

唇が閉じたまま生まれてきた少年は、唇を引きはがし、皮膚を移植しています。
閉じたまま生まれたからか、無口な少年の友達は、デパートの屋上から
降りようとして大きくなりすぎて降りられず、一生屋上で過ごした象のインディラ、
それから家の隙間にはまって出られなくなったと言われているミイラ。
狭い部屋の中で彼らと話す少年。しかし、ある印象的な事件を経て、
回送バスで暮らす巨体のマスターと出会い、チェスの世界に飛び込みます。

小さく、狭い容れ物の中でチェスをさす少年は、いつしか伝説のチェスプレイヤーと
なっていきます。そんな少年の物語。