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2010年02月22日

「天地明察」冲方丁

天地明察発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)価格: ¥ 1,890発売日: 2009/12/01売上ランキング: 2369おすすめ度 posted with Socialtunes at 2010/02/21 「マルドゥック・スクランブル」や「マルドゥック・ヴェロシティ」で、 (特にヴェロシティでは)尖...

2010年02月01日

2010年1月に読んだ本

寝正月かつ咳が長引き、なかなか本調子ではなかった。
よかったのは「『秘密の花園』ノート」と『屍鬼』、『聖少女』。


読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2746ページ

■夏への扉[新訳版] ロバート・A・ハインライン
古典SFの新訳版。古さを感じさせない。

■日蝕 (新潮文庫) 平野啓一郎
芥川賞受賞作品。ルビが多様された古めかしい文体が心地よい。

■『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) 梨木香歩  
バーネット『秘密の花園』を読み解く。 好きな作品なので、合点することが多かった。読んでいて熱いものがこみ上げてきた。

■妊娠カレンダー (文春文庫) 小川洋子 黒ハート
表題作は芥川賞作品。すでに美しく残酷な世界を確立している。

■屍鬼〈上〉 小野 不由美  
村を襲う死の連鎖。感想は下巻で。

■屍鬼〈下〉 小野 不由美  
山本周五郎賞、日本推理作家協会賞候補作品、読み応え充分で長篇小説の醍醐味を堪能。恐怖と憐憫が鏡のように思えた。一読の価値あり。

■ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス) J.D.サリンジャー 
追悼読書。 オトナになっても楽しめた。 10代の世間に対する叫びを表現した青春小説の傑作。

■聖少女 改版 (新潮文庫 ) 倉橋由美子 
衝撃(センセーショナル)、禁忌(タブー)、迷宮(ラビリンス)な物語に血がざわめく。

表紙を並べてみました。

邂逅の棚
2010年01月〜2010年12月
アイテム数:8

2010年02月01日

2010年1月に読んだ本

寝正月かつ咳が長引き、なかなか本調子ではなかった。
よかったのは「『秘密の花園』ノート」と『屍鬼』、『聖少女』。


読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2746ページ

■夏への扉[新訳版] ロバート・A・ハインライン
古典SFの新訳版。古さを感じさせない。

■日蝕 (新潮文庫) 平野啓一郎
芥川賞受賞作品。ルビが多様された古めかしい文体が心地よい。

■『秘密の花園』ノート (岩波ブックレット) 梨木香歩  
バーネット『秘密の花園』を読み解く。 好きな作品なので、合点することが多かった。読んでいて熱いものがこみ上げてきた。

■妊娠カレンダー (文春文庫) 小川洋子 黒ハート
表題作は芥川賞作品。すでに美しく残酷な世界を確立している。

■屍鬼〈上〉 小野 不由美  
村を襲う死の連鎖。感想は下巻で。

■屍鬼〈下〉 小野 不由美  
山本周五郎賞、日本推理作家協会賞候補作品、読み応え充分で長篇小説の醍醐味を堪能。恐怖と憐憫が鏡のように思えた。一読の価値あり。

■ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス) J.D.サリンジャー 
追悼読書。 オトナになっても楽しめた。 10代の世間に対する叫びを表現した青春小説の傑作。

■聖少女 改版 (新潮文庫 ) 倉橋由美子 
衝撃(センセーショナル)、禁忌(タブー)、迷宮(ラビリンス)な物語に血がざわめく。

表紙を並べてみました。

邂逅の棚
2010年01月〜2010年12月
アイテム数:8

2010年01月26日

静かにしなさい、でないと 朝倉かすみ

「わたし」が「わたし」の邪魔をする――
子犬救出劇を自作自演する美しい少女、カード破産してもロハス生活を続けるカップル、ダニと鼠のいる部屋に住み深夜のコインランドリーに現れる女など、身の丈に翻弄される人々を描いた短編集。【集英社HPより】

何とも言えない作品集ですね。
あらすじにもあるように、テーマは「身の丈」ということなんでしょうけど、イタイ話ばかりだけに素直に笑えないんですね。でもでも、笑ってましたけど。
精神的、肉体的、経済的にもコンプレックスをもっている人のお話だらけです。

例えば「内海さんの体験」。同じ会社の女性たちを、B(ブス)、D(デブ)と区分けして見ている。じぶんはF(フツー)と見られたいと思っているんですね。W(腋しゅう症)というコンプレックスを抱えつつ、ある日同級生と出会う。結構、デートえおするのだが、自分の身の丈を考え、最後に出した決断が悲しい。
カード破産をした夫婦が、自分たちの生活なりにロハス気分を味わおうとするが、ラストの何と皮肉なこと…「素晴らしいわたしたち」
ダニと鼠のいる部屋に住む女。その女がある日、コインランドリーで見たものは…「ちがいますか」

と、どこかで素敵な生活や恋や、素晴らしい美貌を夢見つつ、最後は何となく自分の身の丈に落ちつけてしまうという話が7作です。
異常な話だよなと思うのは途中までで、どこかにそんな自分も潜んでいるから笑えないんですね。

誰にもコンプレックスや、悲しい過去を抱えつつ、生きていかなければなりません。そんな希望を持ちつつも身の丈にあった希望があるじゃないといっているのですね。王子様には出会えないんですね。結局、自分のことと置き換えて考えてしまいますね。

このブラックと切なさ。世相を切り取る鋭さ。やはり、この作家さんは凄いと思います。
何となく奥田英朗さんや荻原浩さん通じる、可笑しさがありますね。
そういう意味では、小説家らしい、小説家と言えるのではないでしょうか。
笑えるけど、笑えない。イタい小説だけど現実を感じてしまう作品集なのでした。

2010年01月22日

「ウエハースの椅子」江國香織

ウエハースの椅子 (ハルキ文庫)
ウエハースの椅子 (ハルキ文庫)
  • 発売元: 角川春樹事務所
  • 価格: ¥ 520
  • 発売日: 2004/05
  • 売上ランキング: 22350
  • おすすめ度 4.5


久しぶりの江國さん。これを読んだ時はわりとばたばたと忙しく、
気持ちが俗っぽいというか、やさぐれてるというか、ちょっとくさくさしていた。
あまり芸術をたしなむという余裕はない。ただいつもの癖で本だけは読む。
久しぶりの江國さんのこの小説はだから最初、「こんな奴おるかいな」といった
大木こだまひびき並のツッコミを持って私に迎えられることとなってしまう。
でもだんだんと、江國さんの雰囲気にはまっていって、
俗な心が少しずつ哀しみで凪いでいくようだった。

2010年01月22日

「真田騒動−恩田木工−」池波正太郎

真田騒動―恩田木工 (新潮文庫)
真田騒動―恩田木工 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 620
  • 発売日: 1984/09
  • 売上ランキング: 97309
  • おすすめ度 4.0


昨年9月に私の心を熱く、熱くしたのが「真田太平記」。
9月末には読み終わりかけて、「幸村さま・・・!!」と感極まってたし、
えらいことになってました。
そしてそのあとすぐに読んだのが、この「真田騒動」。
こちらは、関が原で徳川方についた真田信幸の物語と、更に彼が残した真田家の、
その後のお家騒動の物語などが5編収録された短編集。
池波氏の直木賞受賞作「錯乱」も収録されています。

「真田太平記」では、幸村に滅びの美学をみて、信幸に続けることの美しさもみる。
そして信念を貫く三人の男(父の昌幸も)の美学も見る。
世間では幸村がかっこよく描かれがちですが、真田太平記では、実は信幸も、
どちらも遜色付けがたいくらいかっこいいのです。
この時代に、続けていく、残していくことの難しさを見事体現したのが信幸でした。
その彼が残した真田家の行く末を見守りたくなるのは当然なのですよ。

2010年01月13日

第七官界彷徨

第七官界彷徨 (河出文庫) 第七官界彷徨 (河出文庫)
(2009/07/03)
尾崎 翠

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私はひとつ、人間の第七官にひびくような詩を書いてやりましょう。



「第七官」とは、おそらく人間の五官をはるかに超えた器官の意味なのだろうけれど。
「そんな詩を書きたい!」と願っている当の小野町子にさえ、それがどんなものなのかわかっていない。

でも、言わんとすることは伝わる(笑)


分裂心理病院に勤める医師である長兄 一助。
植物学を研究している大学生の次兄 二助。
音楽予備校に通う浪人生の従兄 佐田三五郎。

そんな三人に途中から町子が加わった、借家での奇妙な共同生活。


もう、この四人の組み合わせだけで充分に面白いが、特に二助の部屋の様子がすごい。
広い部屋の床の間いちめんが二十日大根の畠で、大きな古机の上には蘚(こけ)が並び、あたかも植物園の様相を呈しているのである。
(後にこの床の間は、蘚のサロンに替わる。)



「二助の蘚が今晩から恋をはじめたんだ。」


この一言で、魂がどこかに持っていかれたかと思った(笑)
そのくらい驚いた。

とてもじゃないが、昭和六年に発表された作品とは思えない。
これが明治生まれの女性のセンスか?

今、私が読んで驚くくらいだから、昭和六年当時この作品を読んだ人たちには、更に衝撃的だったのではなかろうか。
きっと、今まで読んだどの小説とも違う、摩訶不思議な感覚にとらわれたと思う。


「人間が恋愛をする以上は、蘚が恋愛をしないはずはないね。
人類の恋愛は蘚苔類からの遺伝だといっていいくらいだ。
(中略)
人類が昼寝のさめぎわなどに、ふっと蘚の心に還ることがあるだろう。
じめじめした沼地に張りついたような、身うごきのならないような、妙な心理だ。」



二助は大真面目にそう語り、「肥料の熱度による植物の恋情の変化」という論文まで書いている。

しかも同居人の誰一人として「蘚が恋をはじめた」ことを否定しないのである。


ここまで読んで、はたと思ったのは、この物語世界そのものが現実と微妙にずれた異次元なのではないかということ。

別に魔法使いや超能力者が出てくるわけでもなく、SFでもファンタジーでもないというのに、どこか言うに言われぬ違和感があるのだ。


町子は兄たちを「兄さん」とは呼ばないし、兄たちに至っては町子を「うちの女の子」と呼ぶ。
町子と三五郎には幼い頃から接吻の習慣があり、それがまた少しも性的なものを感じさせない。
町子の祖母など、ふたりのその様子を見て「ああ、仲のよい兄妹じゃ、いつまでもこのように仲よくしなされ。」と言ったそうである。(兄妹ではなく従兄妹なんだけどね…。)



音程のはずれたピアノがコミックオペラを奏で、二助が煮るこやしの匂いが漂う中、蘚の恋愛ばかりが花ざかりで、ひとの恋はちっともうまくいかない。
四人が四人とも、誰かに失恋している。

その恋愛も失恋も、なぜか現実味がなく、ふわふわとして、この物語全体に漂う蘚の花粉(!)のように正体が掴めない。

「胞子」ではなく「花粉」というのも、作者が意図的にそうしたのだろうけれど…。


まさしく、「第七官界」をさまよってきたような、なんとも表現し難い読後感。



言い回しや小道具は昭和一桁に違いないが、感覚がとても新しい。

「第七官界彷徨」という、不思議な響きのタイトルが美しく、また、尾崎翠(おさき みどり)という作者の名前まで美しい。


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2009年12月29日

2009年ベスト

いよいよ最終週ということで、2009年ベストを。新旧とりまぜてですが、まずフィクションは、

1、「ヘヴン」川上未映子
2、「日の名残り」カズオ・イシグロ
3、「犬の力」ドン・ウィンズロウ
4、「ミレニアム1」「2」「3」スティーグ・ラーソン
5、「影武者徳川家康」隆慶一郎
6、「1Q84」村上春樹
7、「新参者」東野圭吾
8、「ダブル・ジョーカー」柳広司
9、「四とそれ以上の国」いしいしんじ
10、「出星前夜」飯嶋和一

食わず嫌いしていた「ヘヴン」、読んでみたら案外よかった。そういう個人的な意外感を含めて上位! それにしても我ながら、見事にジャンルがバラバラだなあ。「日の名残り」に「犬の力」って… でも、どの本も間違いなく強力でした~

ノンフィクションは、

1、「差別と日本人」野中広務、辛淑玉
2、「サンデーとマガジン」大野茂
3、「地団駄は島根で踏め」わぐりたかし
4、「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブセン
5、「戦争サービス業」ロルフ・ユッセラー
6、「シズコさん」佐野洋子
7、「なほになほなほ 私の履歴書」竹本住大夫
8、「介護現場は、なぜ辛いのか」本岡類
9、「だから、男と女はすれ違う」NHKスペシャル取材班
10、「白川静 漢字の世界観」松岡正剛

個人的に世の中にキャッチアップしなくちゃ、という気持ちがあって、だからというのも妙ですが、新書をよく読んだ年でした。そのなかで「差別と日本人」は、対談の顔合わせの強烈さもさることながら、ラストの圧倒的な感じがダントツ! ほかにも上位にあげた本は、忙しくてもさらっと読めて面白いものばかり。「シズコさん」はノンフィクションとはいえないかもしれませんが…

ちなみに参加しているSNS「やっぱり本を読む人々。」選出の「100冊文庫」からは、「夏への扉」など5冊、また、別のSNSの読書会コミュからは、「ダブリナーズ」 「星々の生まれるところ」「怪談牡丹灯籠」など課題本を5冊読みました。未知の作家、未知のジャンルにチャレンジするのは楽しい。来年も皆さんに教えてもらって面白い本に出会うぞ!

ブログネタ: あなたが今年、読んで良かったと思う本は?参加数

2009年10月29日

「真田太平記」池波正太郎

真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)
真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 740
  • 発売日: 1987/09/30
  • 売上ランキング: 7377
  • おすすめ度 4.5


※画像は貼ってないですが全12巻です。

今年の大河ドラマは「天地人」、そのおかげかゲームのおかげか、戦国ブームだ。
私は随分前から戦国時代は好きで、数年前には山本勘助に熱くなってたクチなので、
今年の大河ドラマも楽しみにしていた、んだけど・・・
大河ドラマはホームドラマ、青春ドラマ、という趣で、戦国特有の謀略とか裏切りとかが
なんか物足りなくって、ドラマを見れば見るほど戦国に飢えていく感じだったのです。
すごく読み応えのある戦国ものが読みたい!と急に激しく思った私は、この1巻を
手に取ったのでした。そして全12巻一気に読みました。

2009年10月25日

「袋小路の男」絲山秋子

内容(「BOOK」データベースより)
高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオオーリオ」を収録。

第30回川端康成文学賞受賞。
なんて言ったら良いのか、困るくらい不思議な感じです。
ずっと想い続けることは、辛いことだけじゃない。二人で気持ちがより添えられれば充分。
ただの純愛ではない、微妙な距離感が、とても静かに書かれています。
これは何度も読み返したい。

袋小路の男
袋小路の男
  • 発売元: 講談社
  • 価格: ¥ 1,365
  • 発売日: 2004/10/28
  • 売上ランキング: 228333
  • おすすめ度 4.0

★10/10

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