はるかなる黄金帝国 (旺文社文庫)
インカ帝国末期、最後の皇帝アタワルパと、彼が最も信頼した友であり臣下であった青年クシを中心に、南米に栄華を誇った黄金の国が スペイン人の侵略により崩壊していく様子が描かれる。
西暦1500年頃、タワンティンスーヨ(インカ帝国の正式名称)の首都クスコ。
インティ・ライミの祭り(冬至を祝う太陽の祭り)の明け方、皇帝に仕える若い貴族 ルーミとミカイ夫婦の家の前に、赤ん坊が捨てられていた。
上等な布に幾重にも包まれた、生まれて間もない男の子だった。
一年前に子どもを亡くしていた二人は、その男の子に「クシ(喜び)」と名付け、自分たちの子どもとして育て始める。
その後、二人には男の子と女の子が次々に生まれ、男の子は「ワマン(鷹)」、女の子は「チャスカ(明けの明星)」と名付けられた。
チャスカは生まれつき片方の目が見えなかったが、まるでその代償のように不思議な力を持っていた。
はるか遠くで起きた出来事を知ったり、予知夢を見たり、星や月を見て未来を予言するのである。
この三人の子どもたちを、ルーミとミカイは 分け隔てなく愛情込めて育てた。
月日は流れ、クシが十歳、ワマンが八歳になった年、二人は貴族の子弟のための学校「ヤチャイワシ(知識の家)」に通い始める。
そこでクシが出会ったのは、ワイナ・カパック皇帝と側室の一人であるキートの王女との間に生まれた皇子アタワルパだった。
小学生の頃に友だちに借りてたった一度読んだきり。なのに、強烈に印象に残った本でした。
アタワルパ、クシ、ワマン、チャスカという名前をずーっと覚えていたほど。
インカ帝国に興味を持つようになったのも、この本がきっかけだったと思います。
その後、五年生の国語の教科書の最後にナスカの地上絵(たぶんコンドルかハチドリ)の写真が載っているのを見て、鳥肌が立つほどの感動を覚えました。
航空技術の発達により初めて発見されたというナスカの地上絵もペルーにあるのだと知って大興奮。
「この絵が何のために、そしてどうやって描かれたのか、想像して物語を作ってみましょう」という課題にも大はりきりで取り組んで、満点をもらうほどの熱の入れようでした。
ナスカの地上絵は、インカ帝国の時代よりもずっと前に描かれたものですが、どちらも未だ多くの謎に包まれており、憧れと興味は尽きることがありません。
文字を持たなかったインカの、スペイン人の侵略により滅ぶまでの記録は 全てスペイン人によるもの。
「征服者側による一方的なものであるのは当然」と、作者は自分なりのアタワルパ像をこの物語に描き出しました。
「どうして、道は一本しかないのだと決めてしまう。おまえが選んだ道だけしかないのだと?
結果を恐れてやってもみないのは、弱虫だ。」
クシを叱咤するアタワルパのこの言葉が、作者の描きたかったアタワルパ像を象徴しているように思えます。
自分たちが実の兄妹ではないと知ったクシとチャスカのそれぞれの苦悩や、その後のメロドラマ的展開も交えつつ、アタワルパとクシの友情や、ピサロをはじめとするスペイン人たちの卑劣さ残忍さ、それに抗し切れなかったタワンティンスーヨの悲劇が克明に描かれた 児童文学の秀作。
昔読んだのと同じハードカバーを古本で探して入手しました。
Amazonには旺文社文庫版の書影しかなく残念。
ハードカバーの表紙のほうがカッコいいのに~
インカ帝国末期、最後の皇帝アタワルパと、彼が最も信頼した友であり臣下であった青年クシを中心に、南米に栄華を誇った黄金の国が スペイン人の侵略により崩壊していく様子が描かれる。
西暦1500年頃、タワンティンスーヨ(インカ帝国の正式名称)の首都クスコ。
インティ・ライミの祭り(冬至を祝う太陽の祭り)の明け方、皇帝に仕える若い貴族 ルーミとミカイ夫婦の家の前に、赤ん坊が捨てられていた。
上等な布に幾重にも包まれた、生まれて間もない男の子だった。
一年前に子どもを亡くしていた二人は、その男の子に「クシ(喜び)」と名付け、自分たちの子どもとして育て始める。
その後、二人には男の子と女の子が次々に生まれ、男の子は「ワマン(鷹)」、女の子は「チャスカ(明けの明星)」と名付けられた。
チャスカは生まれつき片方の目が見えなかったが、まるでその代償のように不思議な力を持っていた。
はるか遠くで起きた出来事を知ったり、予知夢を見たり、星や月を見て未来を予言するのである。
この三人の子どもたちを、ルーミとミカイは 分け隔てなく愛情込めて育てた。
月日は流れ、クシが十歳、ワマンが八歳になった年、二人は貴族の子弟のための学校「ヤチャイワシ(知識の家)」に通い始める。
そこでクシが出会ったのは、ワイナ・カパック皇帝と側室の一人であるキートの王女との間に生まれた皇子アタワルパだった。
小学生の頃に友だちに借りてたった一度読んだきり。なのに、強烈に印象に残った本でした。
アタワルパ、クシ、ワマン、チャスカという名前をずーっと覚えていたほど。
インカ帝国に興味を持つようになったのも、この本がきっかけだったと思います。
その後、五年生の国語の教科書の最後にナスカの地上絵(たぶんコンドルかハチドリ)の写真が載っているのを見て、鳥肌が立つほどの感動を覚えました。
航空技術の発達により初めて発見されたというナスカの地上絵もペルーにあるのだと知って大興奮。
「この絵が何のために、そしてどうやって描かれたのか、想像して物語を作ってみましょう」という課題にも大はりきりで取り組んで、満点をもらうほどの熱の入れようでした。
ナスカの地上絵は、インカ帝国の時代よりもずっと前に描かれたものですが、どちらも未だ多くの謎に包まれており、憧れと興味は尽きることがありません。
文字を持たなかったインカの、スペイン人の侵略により滅ぶまでの記録は 全てスペイン人によるもの。
「征服者側による一方的なものであるのは当然」と、作者は自分なりのアタワルパ像をこの物語に描き出しました。
「どうして、道は一本しかないのだと決めてしまう。おまえが選んだ道だけしかないのだと?
結果を恐れてやってもみないのは、弱虫だ。」
クシを叱咤するアタワルパのこの言葉が、作者の描きたかったアタワルパ像を象徴しているように思えます。
自分たちが実の兄妹ではないと知ったクシとチャスカのそれぞれの苦悩や、その後のメロドラマ的展開も交えつつ、アタワルパとクシの友情や、ピサロをはじめとするスペイン人たちの卑劣さ残忍さ、それに抗し切れなかったタワンティンスーヨの悲劇が克明に描かれた 児童文学の秀作。
昔読んだのと同じハードカバーを古本で探して入手しました。
Amazonには旺文社文庫版の書影しかなく残念。
ハードカバーの表紙のほうがカッコいいのに~
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