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2009年12月31日

「ゼロの焦点」松本清張

ゼロの焦点 (新潮文庫)
ゼロの焦点 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 700
  • 発売日: 1971/02
  • 売上ランキング: 2513
  • おすすめ度 4.0


さて、太宰治と同い年、松本清張も今年は生誕100年でした。
おかげでドラマや映画がいくつか出来ていたけれど、やっぱり気になったのは
犬童一心監督の「ゼロの焦点」。赤い衣装の女性3人が主役の映画、
これは観たいなあと思っていたのだけれど劇場には行けなかったので、
とりあえず本を読んでみることにしました。
今年は、清張も100年だし、家にたくさんある清張積読本も
たくさん読むはずだったんだけど、結局この一冊だけでした。
また来年も読みたいなあ。

2009年12月31日

「パンドラの匣」太宰治

パンドラの匣 (新潮文庫)
パンドラの匣 (新潮文庫)
  • 発売元: 新潮社
  • 価格: ¥ 540
  • 発売日: 1973/10
  • 売上ランキング: 21909
  • おすすめ度 5.0


生誕100周年を記念して読んだつもりが、あと1日で生誕100周年が
終わってしまうので、慌てて感想を書いています。
松本清張の本の感想も今日中に書かなくっちゃ。
それにしても太宰治と松本清張が同い年っていまだに不思議・・・。

それはともかく、この新潮文庫版の「パンドラの匣」には、
表題作と「正義と微笑」が収録されてます。
確か角川文庫版の「ヴィヨンの妻」には「パンドラの匣」も収録されてたと思うので、
映画化作品をまとめて読んでみようという人には角川版がオススメかもしれない。

でもこの新潮文庫版、「正義と微笑」と「パンドラの匣」、
どちらも似たようなにおいがして、この2作品を並べて読めたのはよかったです。
太宰作品には珍しく、明るい青春のにおいがするのです。

2009年12月31日

「白い薔薇の淵まで」中山可穂

白い薔薇の淵まで (集英社文庫)発売元: 集英社価格: ¥ 460発売日: 2003/10売上ランキング: 53245おすすめ度 posted with Socialtunes at 2009/12/31 中山可穂さんの小説って、いつもある意味同じ。 出会い方や性別はちがうかもしれない、ミステリー的要素があったり...

2009年12月29日

「伊藤ふきげん製作所」

「カノコはつまんない人間だもん」
 カノコはあのころよく言ってました。そして、じつは、わたしにはよくわかるような気がしました、その不安が。

「伊藤ふきげん製作所」伊藤比呂美著(新潮文庫)  ISBN: 9784101312217

思春期は訳もなく不機嫌。詩人・作家である著者が2人の娘の悩み、葛藤、それをなんとか受け止めようとする母の戸惑いぶりを軽妙に綴る。

子育てエッセイの先駆者による新聞連載の文庫化を、ふと思い立って手にとった。小学高学年から中学という多感な時期に、伊藤家の娘たちは激動に見舞われる。なにしろ母親が離婚、英国人と再婚し、子連れで米国に移住。言葉や生活習慣の壁を乗り越え、ステップダッドとの関係を築き、友達をつくり、勉強もしなきゃならない。これでストレスを抱えないわけがない。

もっとも激動の割には、著者が描く母娘の日常はものすごく普通だ。母はついつい小言を言い、娘たちは不機嫌にむくれる。母はそんな娘の扱いに困りつつも精一杯愛情をこめて接し、娘は問題を一つひとつ乗り越えていく。リズミカルな筆致が心地よく、じわっと心が温まる。(2009・12)

2009年12月29日

「ドーン」

日本語で〈分人〉って言ってるそのdividualは、〈個人〉individualも、対人関係ごとに、あるいは、居場所ごとに、もっとこまかく『分けることができる』っていう発想なんだよ。

「ドーン」平野啓一郎著(講談社) ISBN: 9784062155106

2036年、米大統領選のさなか。人類で初めて火星に歩をしるした英雄的宇宙飛行士のひとり、佐野明日人が一大政治スキャンダルに巻き込まれていく。

2009年読み納めで、芥川賞作家に初挑戦した。「ブレードランナー」ばりのSFでもあり、サスペンスでもあり。とにかく余白がない。500ページ近い長編にぎっしり詰め込まれた、作家のイマジネーションにくらくらした。
長期にわたる宇宙旅行の困難から、アフリカ紛争地帯への大国の介入や戦争の民営化の問題、高度なネット監視社会や拡張現実まで。現在と地続きにみえる「すぐそこの未来」のイメージがてんこ盛りです。ああ、なんて饒舌なんだ。

特に印象深いのは、2030年代には分人主義という思想が世界に広がっている、という設定だ。「本当の自分」なんてものは存在せず、人は状況に応じて様々な人格「分人(ディヴ)」をもつのが当たり前だという考え方。それは、複雑になり過ぎた情報社会を生き抜き、自らを守るための人々の知恵のようだ。今の社会というものについて、ものすごく考えている作家だなあ。

では人格は、そして社会はどんどん細分化され、複雑になっていくのだろうか。キーワードは「重力」かもしれない。この広い宇宙で、奇跡のようにちっぽけな地球にすべての生き物を結びつけている。ラストシーンの後、「明日の人」という名を持つ主人公は過去を背負い、どう生きていくのだろう。重力のような存在って、私にとっては何なんだろう。面白くて、読後感はずしっと重い。Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。(2009・12)

〈わたしたち〉の時代の夜明け――平野啓一郎『ドーン』を読む1 平岡公彦のボードレール翻訳日記

2009年12月29日

2009年ベスト

いよいよ最終週ということで、2009年ベストを。新旧とりまぜてですが、まずフィクションは、

1、「ヘヴン」川上未映子
2、「日の名残り」カズオ・イシグロ
3、「犬の力」ドン・ウィンズロウ
4、「ミレニアム1」「2」「3」スティーグ・ラーソン
5、「影武者徳川家康」隆慶一郎
6、「1Q84」村上春樹
7、「新参者」東野圭吾
8、「ダブル・ジョーカー」柳広司
9、「四とそれ以上の国」いしいしんじ
10、「出星前夜」飯嶋和一

食わず嫌いしていた「ヘヴン」、読んでみたら案外よかった。そういう個人的な意外感を含めて上位! それにしても我ながら、見事にジャンルがバラバラだなあ。「日の名残り」に「犬の力」って… でも、どの本も間違いなく強力でした~

ノンフィクションは、

1、「差別と日本人」野中広務、辛淑玉
2、「サンデーとマガジン」大野茂
3、「地団駄は島根で踏め」わぐりたかし
4、「ハチはなぜ大量死したのか」ローワン・ジェイコブセン
5、「戦争サービス業」ロルフ・ユッセラー
6、「シズコさん」佐野洋子
7、「なほになほなほ 私の履歴書」竹本住大夫
8、「介護現場は、なぜ辛いのか」本岡類
9、「だから、男と女はすれ違う」NHKスペシャル取材班
10、「白川静 漢字の世界観」松岡正剛

個人的に世の中にキャッチアップしなくちゃ、という気持ちがあって、だからというのも妙ですが、新書をよく読んだ年でした。そのなかで「差別と日本人」は、対談の顔合わせの強烈さもさることながら、ラストの圧倒的な感じがダントツ! ほかにも上位にあげた本は、忙しくてもさらっと読めて面白いものばかり。「シズコさん」はノンフィクションとはいえないかもしれませんが…

ちなみに参加しているSNS「やっぱり本を読む人々。」選出の「100冊文庫」からは、「夏への扉」など5冊、また、別のSNSの読書会コミュからは、「ダブリナーズ」 「星々の生まれるところ」「怪談牡丹灯籠」など課題本を5冊読みました。未知の作家、未知のジャンルにチャレンジするのは楽しい。来年も皆さんに教えてもらって面白い本に出会うぞ!

ブログネタ: あなたが今年、読んで良かったと思う本は?参加数

2009年12月21日

「少女」湊かなえ

少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,470
  • 発売日: 2009/01/23
  • 売上ランキング: 50504
  • おすすめ度 3.0


「告白」が映画化だそうで。映画化はどうでもよかったんだけど、
中島哲也監督なので気になっています。
見に行こうかな、あの原作をどう料理するのかな。

それはともかく、その「告白」で一躍有名になった湊かなえさんの第2作目。
「告白」の後味の悪さと、いい意味での著者の「性格の悪さ」に惹かれた私は、
今回もどれだけ後味が悪いのか、楽しみに読みました。

2009年12月20日

「バレエ・メカニック」津原泰水

バレエ・メカニック (想像力の文学)
バレエ・メカニック (想像力の文学)
  • 発売元: 早川書房
  • 価格: ¥ 1,785
  • 発売日: 2009/09
  • 売上ランキング: 26036
  • おすすめ度 5.0


「下りの船」を読み、「想像力の文学」なるシリーズがあると知り、
そこで津原さんも書いていると知り、何の気なしに手にとってみた本。

「想像力」の文学でした。これはまさに。
私の想像力など遥かに超越したところに飛んでいってました。
第二章までは何とかついていったのですが、第三章で振り落とされ、
読んだは読んだけれど、えーっと。正直いまだにいろいろわかんないままです。
でもね、強烈な印象だったのです。この本。
わかんなくても面白い本がある、って最近SF読みはじめて気づいたんだけれど、
これもその範疇に入る本でした。

2009年12月17日

「ダブル・ジョーカー」柳広司

ダブル・ジョーカー
ダブル・ジョーカー
  • 発売元: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 価格: ¥ 1,575
  • 発売日: 2009/08/25
  • 売上ランキング: 1311
  • おすすめ度 4.5


戦時中。陸軍に、D機関という諜報機関が密やかに存在した。
結城中佐が率いる、軍人ではない者=地方人が集まってスパイ活動をしている。
「死ぬな、殺すな」をモットーとして。
その軍人らしからぬスタンスに、陸軍内でも敵が多いD機関。対抗組織が作られる。
創始者の風戸の名前を取り「風機関」と命名されたその組織は、
潔く死ね、躊躇なく殺せ、をモットーに、D機関にライバル心を燃やしながら、
とある要人を追い詰めようとするが・・・・。(「ダブル・ジョーカー」)

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