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2008年08月31日

2008年8月のマイ・ベスト本

たいへん遅くなりました。8月のマイベスト本です。

宮部みゆき『楽園』と、モーム『月と六ペンス』の2冊とさせていただきます。


楽園 上 (1)楽園 上
(2007/08)
宮部 みゆき

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楽園 下楽園 下
(2007/08)
宮部 みゆき

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月と六ペンス (光文社古典新訳文庫 Aモ 1-1)月と六ペンス
(光文社古典新訳文庫)

(2008/06/12)
モーム

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朝倉かすみ『ほかに誰がいる』も面白かった。ちょっと気色悪い部分もありつつ……次点ということで。

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫 あ 29-1)ほかに誰がいる
(幻冬舎文庫 あ 29-1)

(2008/02)
朝倉 かすみ

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2008年08月31日

ウィリアム・サマセット・モーム【月と六ペンス】

株式仲買人のチャールズ・ストリックランドは妻子を捨ててパリへ出奔。作家の「私」は、ストリックランドを探し出して家へ戻るよう説得してほしいとストリックランド夫人に頼まれた。

若い女と駆け落ちしたと噂されるストリックランドだが、真相は大きく異なっていた。

画家ゴーギャンをモデルとしたモームの代表作。


月と六ペンス (光文社古典新訳文庫 Aモ 1-1)月と六ペンス
(光文社古典新訳文庫 Aモ 1-1)

(2008/06/12)
モーム

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評価=☆☆☆☆☆  (5点満点)


土屋政雄さんの新訳です。

学生時代に他のかたの訳で読みましたが、「なんだか有名な画家をモデルにした小説」ぐらいの薄ーい記憶しかなくて、ほとんど再読という気がしませんでした……。恐縮です。でも本当に面白かったですよ。



ストリックランドは40歳。夫人は彼が絵を描いていることを知らなかったし、彼がパリへ行ったのは女のせいだと思い込んでいました。

ところが彼の頭にあるのは絵を描くことだけ。それ以外はどうでもいい。妻子を思いやることもありません。パリへ行っても将来の見通しはありません。

昔から絵が好きで、パリへ行く前の1年間は夜間の絵画教室へ通ったといいますが、それだけでは妻子を捨てるまでには至らないはず。

彼に「パリで画家になろう」と決意させたものは一体なんだったのでしょう。そのへんが明確に言葉にされていない分、かえって彼の芸術への欲求の強さが感じられるようです。

ストリックランドの中には芸術への欲求がブラックホールみたいな形で存在していて、彼を慕う女たちや、彼の絵のよさをわかってくれる友人(ストリックランドのほうは「友人」だと思っていない)が、その中へどんどん吸い込まれていきます。

「少年老い易く学成り難し」と申します。少年でも老い易いのに、40歳で芸術にめざめたのは、やはり遅いと言うしかない。そして何歳であろうと、一度めざめてしまったら何を犠牲にしても突っ走るだけです。犠牲になった人々にとっては、たまったものではありませんが……。

せめて芸術が人間の一生のうちに突き詰められる大きさであればいいのに。でもその程度の大きさでは芸術のほうが収まるのを嫌うでしょうか。


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2008年08月31日

「燃えるスカートの少女」エイミー・ベンダー/管啓次郎訳

燃えるスカートの少女 (角川文庫 ヘ 14-1)
燃えるスカートの少女 (角川文庫 ヘ 14-1)
  • 発売元: 角川書店
  • 価格: ¥ 580
  • 発売日: 2007/12
  • 売上ランキング: 117442


恋人が逆進化していく。ある日いきなり猿になり、今日は亀になっている。
そんな彼を淡々と見つめる恋人。           

人間だった彼を見た最後の日、彼は世界はさびしいと思っていた。

・・・・・・・・・・・・・・・「思い出す人」

スティーブンが戦争から戻ってきたとき、唇をなくしていた。
(略)唇はあるものだと思ってたのに。生きて帰るか死んで帰るかそれはわからないけれど、唇はあるものだと。

そして妻のメアリーは、食料品店で若い店員の唇をじっと見つめるのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・「溝への忘れもの」

他、幻想とも現実ともつかない不思議な日常が淡々と綴られる、
官能的で、とても美しい短編集。

2008年08月31日

「ずっとお城で暮らしてる」シャーリィ・ジャクスン/市田泉訳

ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫 F シ 5-2)
ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫 F シ 5-2)
  • 発売元: 東京創元社
  • 価格: ¥ 693
  • 発売日: 2007/08
  • 売上ランキング: 71015
  • おすすめ度 4.0


あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。十八歳。お姉さんのコンスタンスと暮らしている。(略)
ほかの家族はみんな死んでしまった。
ブラックウッド家の二人の姉妹、メアリ・キャサリン(メリキャット)とコンスタンス(コニー)。
彼女達は村じゅうに嫌われている。メアリが買い物に出ると、村の子どもが歌を歌う。

メリキャット お茶でもいかがと コニー姉さん
とんでもない 毒入りでしょうと メリキャット
メリキャット おやすみなさいと コニー姉さん
深さ十フィートの お墓の中で!


それはブラックウッド家の家族が全員、ある日突然死んでしまったから。
そして生き残りのコンスタンスが疑われているから。
家の中でひっそりと、生き残りのジュリアン叔父さんと3人で姉妹は暮らしている。
いろんなルールを作って、猫も一緒で、家族は幸せだった。
そう、従兄のチャールズがくるまでは・・・・

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