気まぐれに、『不確定世界の探偵物語』なんていうSF小説を読んでみることにしたのだけど、そのお陰で長年の謎が解決されたように思う。
『不確定世界の探偵物語』では、たった一台のタイムマシンをある大富豪が持っていることになっている。その大富豪がタイムマシンを使って、過去を自在に改変してしまうのだ。目の前にいる人が突然別の人に変わったり、街並みが突然変化したり、それまでなかった技術が突然現れたりするような世界になってしまったのだった。
なるほど、私のいる世界もこの小説の中の世界と同じなのかもしれない。どこかの大富豪がタイムマシンを持っているのだ。
例えばこういうことがある。ご飯を食べようと思ってテーブルに座っている。しかし次の瞬間、テーブルの上にあったはずのご飯がなくなってしまっている。家族の者に聞いても、さっき食べたでしょ、と言われる始末だ。私には食べた記憶などないのに、である。
しかしこれも、大富豪がタイムマシンで過去を改変していると考えれば謎ではなくなる。過去を改変したことで、私の目の前からご飯が消えてしまうのだ。
「おじいちゃん、独り言ならもっと静かにやって」
孫の声が聞こえる。
「それに、過去が改変されてるなんてことあるわけないじゃん。おじいちゃんはただボケてるだけ」
私はそこだけ聞こえなかったフリをした。
一銃「タイムマシン」
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は連作短編集ですが、あまりにもつまらなくて内容紹介を頑張る気力がないので、大まかな設定だけざっと書こうと思います。
ある大富豪がタイムマシンを所有している世界。その大富豪は、制限付きではあるけれども、自在に過去を改変することが出来る。過去や歴史はいとも簡単に変わってしまう。そんな不安定な世界だ。
そんな世界の中で、ノーマン・T・ギブスンは探偵をやっている。過去があっさり変わってしまう世界の中で探偵稼業をすることの馬鹿らしさはちゃんと分かっているつもりだ。それでもおれはこれしか出来ないのだ。
ひょんなことから部下になった美女と一緒に危険をかいくぐりながら様々な調査を続けるが…。
というような感じです。
伝説の作家の伝説の作品、というような紹介のされ方をしている作品なんですけど、僕としてはうーんという感じでした。何が面白いんだかさっぱりわからなかったですね。
それぞれの話の中で、オチがイマイチ理解できないんですよね。過去が勝手に改変してしまう中で様々な事件に携わるんだけど、結局何がどう終わったのかイマイチよくわからないというか。
キャラクターにもまったく魅力を感じないし、文章も巧いとは思えないし、評価できるところがほとんどないような気がします。
SFの世界では伝説的な作家らしいんですけど、よくわかりませんね。僕はそれよりも、この鏡明(本名らしいです)という人は、電通の有名なクリエイターらしい、ということの方が驚きですね。「電通 鏡明」でグーグルなんかで検索すれば、過去にどんなことを手掛けてきたのかわかるとかなんとか。他にも翻訳やら評論やらも書いているとかで、何だかかなり多彩な人らしいです。まあ僕としては、小説ではなくそっちの方で頑張ってもらうのがいいんではなかろうか、というような気がします。
まあそんなわけで、まったくオススメ出来ないです。読まなくていいと思います。
鏡明「不確定世界の探偵物語」
不確定世界の探偵物語文庫
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